書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

021: 2019年1月16日_YouTube Fan Fest 2018、JOHNNYS' King & Prince IsLAND 2018-2019、

拝啓

 星が美しい寒夜が続いていますが、お加減はいかがでしょうか。春から雑誌の記事で健診のことに触れていらした北斗さんが先日拝見した記事でも体調が万全ではないようなことを書いていらしたので、せめて気分だけでも軽くなっていただければよいなと願いながらお手紙を認めています(余計に気を重くされるようなことのありませんように…)

この冬はYouTube Fan Fest、カウントダウンコンサート、そして帝劇でJAPONICA STYLEを拝見して、それぞれ異なる状況下での表現の違いが興味深かったです。

YTFFはまだ1か月しかたっていないのに、ずいぶん前のことに思えます。幕張と帝劇、通勤圏内ではあるものの、大舞台を控えての早朝からの行き来はご苦労だったことと思いますが、誰もがいうように本当に素晴らしいステージでした。SixTONESファンと思しき人々は見かけたものの、1組目終了後にステージに布が準備されてSixTONESと思いきや水曜のカンパネラだったり、残り2組でバンドセットが組まれてSixTONESがトリだと知った瞬間、一抹の不安を抱いたことは否めません。しかし、ひとたびステージに皆さんが登場したら、あまりに堂々とされていたことと、会場いっぱいの歓声とが相まって不安が吹き飛んだのを覚えています。
私のいた下手側スタンドからは皆さんの表情まではわからなかったのですが、とにかく醸し出す雰囲気が猛々しく荒ぶっていて、これまで日生、和歌山、松竹座、横浜アリ―ナ、大阪城ホール、TDCと様々な会場で、そしてMVで幾度となく見ていたのと同じ曲かというくらいに強いパッションに溢れていました。これまでSixTONESはそれが”荒々しい”表現でも、計算され制御された演じ方をされるように見ていたので、感情を開放してぶつけてくるような演じ方に心揺さぶられました。この”場の魔法”がライブならではの、足を運ぶ醍醐味で、すっと忘れない名演の一つになりました。それだけでも十分でしたが、続いて2曲、そしてエンディングトークまで。「私達が観たい / 他の人達に見てほしい」SixTONESはほぼ詰め込まれていたと思います。きっと、勢いと強さのある曲を選ばれたのだと思いますが、次は「この星のHIKARI」のような歌声の美しさ、グループの醸し出す「育ちのよさ」のようなものがにじみ出る曲も披露していただけると嬉しいなと思います。

 

昨年末にお手紙で「そのうちの未来の勝手な夢」として「ドームの天井席、スタジアムのてっぺんまで魅了するSixTONES」と書いたら、カウントダウンコンではバックステージ真上の2階23列。つまり本当に天井席に行くことになってしまいました(予言者か、自分)。後から「北斗さんの靴事件」を知ったくらい、何を観ていたんだという距離で、しかも一生懸命双眼鏡をのぞきすぎて防振双眼鏡なのに酔ってしまって吐き気止め服用しふらふらで見ていたのですが、予測通り「天井席でも魅了され」ました(笑)。

真正面からドーム一望の席だったのでメインステージ奥、スモークの中からSixTONESの覇王感満ちるシルエットが現れてゆく様や、巨大な会場ならではのレーザーの光溢れる中踊る皆さんを眺め感動も一入でした。重そうだし足さばきが大変そうなオリジナルの衣装でMVの新振り付けをよく踊られるなあと感心しながら観ていました。YTFF同様”ホーム”ではない場で、こちらはむしろ貫禄すら感じさせられる趣でした。

 

そして帝劇のJAPONICA STYLE。「少年たち」での小道具を活かした雅な演出とも、MVでのちょっと退廃的なJaponismとも異なる、ジャニーさん風味の突飛な”和”の演出(白装束君達やお馴染みの龍!)で、まだまだアレンジの可能性があるのだなあ、この先何年も古びることなく演じられていくのだろうな、と感嘆しておりました。一方で、数多のジャニーズの名曲と異なり、他のグループの演じる姿が全く想像できない”SixTONESの”マスターピースとも。そんな色々な思いで見つめていました。

今年の帝劇公演、King & Princeは上手だし、小さい子達の演目も楽しかったですし、一幕最後の「君にこの歌を」のように何度聞いても心に響く名曲もあるのですが、やはりSixTONESSnow ManTravis Japanが登場すると舞台が引き締まって見えます。全幕通じた中で「自分自身を全部かけた、命の削れた破片がキラキラ飛んでいく」様が見えるようで、少なくとも私が心を掴まれたのはこの3組でした。

バスケはせっかくの高難度技なのに、あっさりとこなしておられるがために、見慣れていない人が拍手し損なうのが寂しい気がして、一人で後方から一生懸命手拍子をしました。奈落に落ちる曲終わりも当初(多分)あっけにとられて拍手できなかった人が多かったと思うのですが、公演期間後半になって拍手がでるようになったそうで、嬉しいです。「突然落ちて観客を唖然とさせ突き放して終わる」のが目的なら、拍手なしが演出意図として正解だったのでしょうか(笑)

三幕のTOKYO EXPERIENCEは最後の大好きなLGTTの大団円に至るまで、どこをとっても素敵です。「日本よいとこ摩訶不思議」は3組が次々に現れては隠れが楽しくて楽しくて、どこを目で追えばよいのか困って、結局北斗さんを見るわけです(笑)。
楽しくて、楽しくて、で思い出しましたが(帝劇の話から離れます)1月5日のザ少年倶楽部のSHAKEは、元から非常に好きな曲でしたが本当に楽しくて活き活きしていて「これを見たかったの!!」と思いました。翌日の仕事始めの忙しさを思って少し重かった気分が軽やかになったものでした。

閑話休題、帝劇に戻って、SixTONESのメドレーは事前に「階段で寝そべっているよ」と聞いてしまったことが一生の後悔で、知らずに見て驚きたかったです。単独LIVEやSummer Paradiseのメドレーで味わったスリルや疾走感と異なって「重厚、絢爛」という印象を受けたのは新しい黒い衣装のためかもしれませんが、他のJr.のお子様達とは違う成熟感、彼らとの対比からそう思われたのかもしれません。SixTONESの枕詞にされがちな「おらおら」は他グループとの差別化を図るためのわかりやすい類型化で、本質は「洗練・スタイリッシュ」「力強い上品さ」「成熟」だと思っているのですが、今回の黒衣装はそのイメージをよく表していて素敵だと思います。

”電飾Hysteria”も(”まさかのメンバーカラー単色衣装”もよかったですが(笑))はちょっとサイバーパンクぽさもあって、生気に満ちたSixTONESが無機質もいけるのだと嬉しい驚きでした。秋の舞台では「謎」だったけれど、歌詞も明かされたHysteriaをどういう解釈で演じられているのかしら、と考えています。

北斗さんの代名詞のようになっている「色気」がここでも話題になっていいますが、私、あまり北斗さんからあからさまな「色気」を感じることはないのですよね。表現の背景や基礎にある思考や方略、人となりに興味があるからかもしれませんが、敢えてなぞらえるとしたらクリムトの作品*1のような、緻密に計算された様式美としての官能を”読み取って”美しいなとは思うのです。美術品の裸像を見て劣情をそそられないのと一緒だと思うのですが、それは表現側の意図と違うものを受け取ってしまっているでしょうか。

 

年をまたいだ3種類の公演で異なる表現のJAPONICA STYLEを堪能し、充実した楽しい年末年始でした。カウントダウンで滝沢君のバックを務めたり、メインステージで全グループが揃ったりの時には非常に遠慮がちにかしこまっていて、帝劇でもバックの立場では仕事人に徹しているのに、ご自分達の見せ場ではここぞとばかりに華やかで他を圧する主役感に溢れていて、本当によいグループだし、素敵だと改めて惚れ惚れしながら観せていただきました。

Snow Manが抜けた後はSixTONESの皆さんがフライングもされると聞いて、今日はすごく楽しみにしています。うわさ通りなら北斗さんの舞い飛ぶ正面あたりをちょっと後ろの方から見られそうです。(余談ですが年末ジムでエアリアルヨガができるようになり始めたのですが、吊るされるのって自由で楽しいですね。まあ素人だからですね)

 

そういえば、昨日、少年たち完成披露試写会のお知らせをいただきました。私が休みの水曜ではないですか!!!!!! 観たい観たい観たいと念じながら応募しました(笑)。公開が待ち遠しいですね。

雑誌の特集で興味惹かれた本木監督のコメントは、高地君が「笑いながら人を殺める」役(だから夏ごろから笑顔にすごみが加味されたのでしょうか)だということ、「全体の尺のかなりの部分を歌と踊りが占める」こと(ボリウッド映画を想像してしまったのですが、違いますよね)「松村君はいつも背筋が伸びていて、俳優としていい感じですし、どんな役でもできそうな人ですね」との評でした(完全同意です)。Snow Manには人物評、SixTONESには仕事面の評価をされていましたが、なぜなのでしょうね。

 

演技のお仕事でいえば、先日秋葉原UDXシアターでの私立バカレア高校の映画復活上映に行きました。何回も観ているのに、話は単純なのに、今回も涙誘われました。私は贔屓の俳優さんが出ていても内容に納得いかなければ辛口で容赦ない駄目出しをするのですが、この映画は本当に気持ちのよい作品です。脚本の構成が上手で説明の台詞に頼らず過去と現在をつないでいるし、北斗さんは細かい感情の揺らぎも説得力があるし、アクションは爽快(大画面で三段蹴りが見られてよかったです)。慎太郎君の表情は豊かで活き活きして好きにならずにいられないし、ぱるるの毅然とした筋の通し方が素敵だし、誰も否定されたまま終わらないし。少年たちもそういう、何回も大事に繰り返し見たい映画になっていることと期待しています。

 

映画公開の頃には暖かくなっていることと思いますが、帝劇公演に加えて映画公開に向けてますますお忙しくなると思いますし、それ以外のライブや映像、お芝居、ファッションと多方面でのご活躍を楽しみにしていますが、お身体にはお気をつけてください。

北斗さんもSixTONESの皆さんもレジリエンスに富んで精神的に健やかな方達だとお見受けしますし、若いので器質的疾患について健診をうけていただければきっと大丈夫だと思っているのですが(一応健康のプロなのにお役にたてなさそうなコメントで…すみません)

春を待ちわびつつ、北斗さんとメンバーの皆さん、スタッフの方々のご多幸と健康をお祈りしています。いつでも、どんな北斗さんも応援しています                       

                                  かしこ

2019年1月16日

*1:museum personではない私が珍しくウィーン出張時に美術館巡りをしたくらいクリムトにはひかれるのですよね