書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

014: 2018年9月19日_少年たちBorn Tomorrow

拝啓

 白露の候、そして少年たちの秋、ですね。公演日程も半分を越えお疲れのことと思いますが、お元気そうな様子がSNSで伝わってくるのに安堵しています。

先日は友人のおかげで見やすい席でじっくり観劇できたのできちんと感想を書こうと思って筆を執ったものの、観ている間は一瞬たりとも見逃すまい、くらいのつもりで観いて心動かされているのに終演後にはなぜこんなに記憶が曖昧なのでしょう(笑)。友人と話していて気づかされることばかりです。宮尾 俊太郎さんがSexy Zoneの番組で「客席にいると、その人の命が削れて、キラキラしたものが見える。自分自身を全部かけて、命の削れた破片がキラキラ飛んでいく」とおっしゃったのですが、私はまさにそのキラキラを観るために劇場に足を運んでいるのだと思うことにしました。もちろんテーマやメッセージは受け取っているはずですが、皆さんが命を削ったキラキラ~を感じることができれば細部はよいのだと。

書きながらできる限り確認はするのですが、今までのお手紙でも投函した後で勘違いに気づき恥ずかしくなったことはしばしばで、そういう点でありがたいのはステージフォトです。

第1弾の「枯れ葉の影」の立ち姿は迫力がありますね。衣装の深い青と長い裾を翻して踊る姿が本当に素敵で、北斗さんの歌もじっくり堪能できるし深澤君も好きなので、今年の少年たちで一番印象に残った好きな演目の1つです。

「Night Train」の北斗さんの写真は、両腕の動きと角度、表情が、よくぞこの瞬間を切り取ってくださったと嬉しくなる1枚です。小道具も移動させながらのダンスは大変そうですが、捕らわれの状況を表しているのでしょうか面白い趣向ですよね

「Hysteria」は、どの意味が当てはまるのかと考えてしまう意味深なタイトルで、黒衣を纏い頭と手足だけ露出して表現する部分、全身一色の衣装など謎解きのようで、歌詞がわかって答え合わせができるのを楽しみにしています。

どちらの曲も新曲はパンフレットに歌詞を載せていただければ嬉しいのですが、時間的に難しいのでしょうね。昨年のJAPONICA STYLEのような一目観て一聴して惹きつけられるわかりやすい衣装や曲と違い、噛みしめて味わい時間をかけて理解する曲なのだろうと思いましたが、成功した前例を追わず違う表現に挑戦する攻め方は大好きです。                      

もちろん、歌いこまれたBeautiful Lifeもさらに深みを増したし、前奏がかかると「少年たちが今年も始まったわ、と思ってぞくっとする」との友人の言にうなずかされた「闇を突き抜けて」も、SixTONESSnow Manの曲かと思うくらいになじんでいる「青春アミーゴ」も踊りこまれてきて、ますます北斗さんの細やかな表現に磨きがかかってきているのが嬉しいです。

戦場のシーンでファンファーレが響くと、金管の響きが煌びやかなのに行進の揃った動きに非人間性と静かな憤りすら感じさせられるので、今年は説明的なストレートプレイ部分が減ってはいても舞台のテーマは十分伝わってきていると思います。歌い踊る北斗さんは非常に魅力的ですが、ジェシー君の出所を見送りながら、ずっと差しのべていた腕が徐々に無力に垂れていくところなどお芝居も素敵です。そういう繊細な表現も見たいのですが、例えば野田秀樹さんの作品のように動きの多い舞台で躍動して欲しかったり、派手な殺陣のある時代物も似合いそうだったり、今後も舞台で拝見する機会が増えればよいなと願っています。

今年は舞台装置もさらに充実していて、演者の動作に合わせた精緻な映像も楽しかったですし、ショウタイムの階段のセットのお陰で席からの角度によらず、重なることなく幕が下りる前の12名全員を観ることができて、最後の数分のためだけの豪奢な階段をありがたく思うと同時に、SixTONESSnow Manの少年たちがスタッフの方達にも愛されているのだなあと嬉しくなりました。

ショウタイムはNON STOP!!がかかるだけで心が浮き立ちますが、大好きなWe'll Be Togetherは聴きたいし終わるのは嫌だし、と葛藤しながらあっという間に過ぎてしまいます。「別れた時より素晴らしい場面を創り出すためにサヨナラを言う」と作詞されたのが敬愛する御社の社長と知り、そんなロマンチックな歌詞を書かれた背景に想いを馳せてしまいます。昨年来この曲を聴くと秋を想い、今年の夏からはSummer PradiseとPower of the Paradiseが私の夏の曲になりました。思えば季節ごとに公演を見られるって本当に素敵なことですね。

 

先日報じられたように御社の体制も変わるようで、それが皆さんの将来によい方向に働くよう願ってやみません。ここまで書いて年末年始の帝劇公演のお知らせをいただきました。北斗さんとSixTONESの皆さんのキラキラを観に足を運びたいと思います。

彼岸までは暑さと寒さを繰り返していくのは例年のことですが、今年は格別に激しい天候です。しのぎやすい季節の到来まで、そして千秋楽まで、北斗さん、メンバーの皆さま、スタッフ各位にはご自愛くださいますよう。いつも、どんな北斗さんも応援しております。                                                           

                                  かしこ

2018年9月19日

 

追伸:Summer Pradiseの追加公演前にさしあげたお手紙*1で一つお詫びしたいことがあります。慎太郎君と友人が何回もハイタッチしたのに、一方で北斗さんがすごい勢いで通りすぎ、と書いたのは最後に”(笑)”とつけた通り、いい大人なのでちょっと自虐的に書きましたが、接触するファンサ―ビスをされないのは北斗さんの見識だと思っています。後でご家族がバックステージ前にいらしたと知り、急ぎ足でバックステージに向かわれた北斗さんをむしろ微笑ましく思ったくらいです。もし気にされていたら申し訳ありませんでした。

 

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