書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

063_2023年7月26日_LIFE!春、ノッキンオンロックドドア情報解禁、こっから、だが、情熱はある、すずめの戸締まり終映、あぐり王国北海道NEXT、女王の法医学3

拝啓

 大暑の宙を白昼夢のようにアゲハ蝶がゆらゆら漂っております。御殿場倒理として生きる時間、楽しんでおられますでしょうか。短夜の候に“5月の戸締まり“を書き始め、勝負の年のSixTONESさんの勢いに巻き込まれているうちにとうとう10thシングルを経て11thの発売すら迫ってきてしまいました。北斗さんのお忙しさを想像するに、そして”ツイ廃”らしき北斗さんの何とはなしにお返事ともとれるブログの即時性を鑑みれば、紙の手紙を認める動機は下がりがち。でも、ここで書いておかねば(いや、義務じゃないし)、だから5月の戸締まりお送りしておけばよかったのに(誕生日にも何やら送りつけるし頻繁なのも気を患わすでしょう)(でも、まだ事務所の手紙の山の底かもしれない…)等々、逡巡するものです。結局、5年半も書いていると求められているか迷惑でないか以前に感想を書かないと何か落ち着かない謎の心持と”自己満足”という錦の御旗の下に結局筆を執りました。はい、I can’t be someone else, I know. 四の五の言わず書け、にございます。

5月5日 LIFE!春

SixTONESさんご活躍のお陰で遠い昔にすら思えますが、まだ2か月半前。思えば最初のご出演は「すずめの戸締まり」公開直前だったのですよね*1。あの日は旅行中でリアタイできなかったので、今回は開始前からテレビ前正座待機。「君の声が聴きたい」プロジェクトのお陰もありましょうが、余程初登場時に気に入って下さったのでしょうね。番組公式さんの事前の煽りの熱の入りようと言ったら、初ケンタウロス(笑)を祝われ、「実は本人発信だった」と暴露された「三津谷ポーズ」のノリに、前回よりさらに伸び伸び番組に馴染んでおられることが窺われて嬉しかったこと。

ちょっとベタだけれどNHKさんの技術力と根気と愛が滲む弾けとぶワイシャツに、夫は幾度見ても大うけ。馬越君の”馬刺し”への反応の間のよさがさすがでしたし、馬の下半身で座ってみようとしたり、走ったりの身体表現の巧みさと微笑ましき可笑しみは、まさに北斗さんの持ち味。ホームであるライブMCやYouTubeで突然出現する、私の大好きなそれが公共放送で見られるとは、全国の善男善女にご覧頂けるとは、ケンタウロスを北斗さんにあてて下さった制作陣に大感謝。「海へ続く道」の男は挙動や目線、口調は極めて北斗さんなのに、ビジュアル的には輩っぽい新境地で、いつかこんなちゃらついた感じの役も見てみたいかも…そして「人生の決断」を家で1人で立稽古する松村北斗を想像して私は泣いた(おかし過ぎて)。1人で鎖引っ張っていたのかなー。練習の甲斐なく?チークビビット三世の衣装を目にした瞬間の口元がもう素の北斗さんでしたね(笑)  CHOO CHOO TRAINを聞くと金トレンチ美女が浮かんでしまう副作用は生じましたが(笑)大満足の回でした。

北斗さんの突然飛び出る語彙も面白さや会話の反射神経のよさもホームでだけでなくトゲトゲTV等のお邪魔した番組でも発揮されるようになって嬉しいですが、作りこんだ笑いも見ていたいのでLIFE!さんとのご縁が続くように願っています。台詞回しの面白さもよいものですが、先日がーまるちょばさんの公演でアンケートにSixTONES、特に北斗さんとの共演熱望と書いてきてしまいました。叶ったらいいなあ。

5月10日ノッキンオンロックドドア情報解禁

キャストが秘匿された第1弾映像も今見れば、左は紛れもなく北斗さんのシルエット(特に頭にあてた右腕の感じ)もう1つの匂わせ映像の下腿の形も北斗さんのそれ。SixTONES関連、特に北斗さん絡みのおしなべての匂わせやサプライズ解禁、のんびり暮らしていてはいかんのだと思い知らされました*2。「挑発し合う息の合った会話劇」「バディのリズミカルな会話」「謎に向き合う苦味」という惹句だけで楽しみでしたが、ドラマ「Stand Up!!」で当時は駆け出しアイドルだった二宮和也にアップで鼻水も鮮明な大泣きをさせ、仲間由紀恵さん、戸田恵梨香さんにも容赦ないコメディを要求する堤監督(でも下品ではないのですよね)の下での撮影!そして流れてくる映像の御殿場氏の容姿の素敵なこと。毒舌を放つ怜悧な面差し!肩幅の映えるシンプルな衣装*3。堤監督もあて書きのようだと評しておられましたが、御殿場倒理の設定に北斗さん起用、この企画をして下さった方に既に感謝でいっぱいです。原作では動的な印象はあまりうけなかったのですが、ティザ-を拝見するに「走る松村北斗」「荒ぶる松村北斗」まで拝めるとの由。酷暑にタートルネックで動くのも、キャラクター設定とご本人との乖離も長台詞もご苦労でしょう。屋外で撮られた近況映像に「近道も片陰もなき道をゆく」という句を思い出しました。こちらは"倒理犬"も"御殿場ですが何か?的アクスタ"も"ドラマコレクションカード"も注文して準備万端。ご苦労の結実、放送日を心待ちにしております。

5月12日 「こっから」MV解禁

4月9日「だが、情熱はある」のエンディングで流れた曲に「かっこいいなあ。樹君の声?でも音楽担当のクレジットは違うし、何でもSixTONESだって妄想しちゃいかん、いかん...」と眠りについてしまった初回。翌朝はなかなかの騒ぎになっていて、ぼぅっと暮らしていてはいけないのだとまたもや(SixTONESさんと生きていく人生は、きっとこの連続なのでしょうねぇ(笑))。

MVはプレミア公開時点で既にSixTONES歴代作品中一番好きかも、と直感。二重構造の”物語部分”のくすんだ下町の町並みの情緒と少々コミカルな味付けとが手伝って「俺たちは天使だ!」「探偵物語」「傷だらけの天使」「私立探偵  濱マイク」等の懐かしの探偵ドラマを思わせる感じ。6人の物語設定を勝手に考え始めたりして*4。北斗さんは透ける肌にくりくりの茶髪の西洋絵画の天使的風貌なれど何か荒ぶる内心を抱えていそう。”パフォーマンス部分”はこれぞSixTONESな6人6様の、常人には着こなせぬ*5伊達な衣装がばっちばちに似合うし、映像のギミックが雰囲気に合って楽しいこと!ぶいぶい鳴らす迫力の低音サックスに、Dulfer父・娘を愛聴していた私、感涙。inst. ver.ではヴォーカルの影から顕れた、むせぶトランペットがかっこいい。NAVIGATOR発売時に「ブラスセクションが煌びやかな曲~派手やかなホーンセクションのアシッド・ジャズやファンク」採用を”嘆願”したのが叶ったうえに生バンド!心沸き立つかっこいいステップダンスの、運動量多くてきつそうな部分で口角上げて楽しくて仕方ない風で踊っている北斗さんを観ているとこちらまで幸せになるのです。

SixTONESさんの楽曲は、情報解禁で心臓抉られる→試聴でわくわくする→フルを聴きニヤリとする→パフォーマンスで魅力増し増し→パフォーマンスの熟成を愛でる→立派な中毒、と1曲で6段階楽しめるのが常。主題歌として聴いた範囲ではどんなパフォーマンスもありと思ったこの曲、まずMVにおいてはコンセプトは恐らくお洒落、粋、軽妙ではなかったかと推測。そして6月2日のミュージックステーション(以下Mステ)に始まった待望のパフォーマンス披露。空気感や熱が直接伝わるライブでのパフォーマンスはやはり格別だけれど、皆が等しく楽しめ、世にSixTONESを知らしめる手段としての地上波放送やYouTubeも貴重。「こっから」では機会も潤沢で局側の配信や期間限定web公開まであってありがたいかぎり。初披露の緊張やちょっとしたぎこちなさから、数を経てこなれていくのを見守るのも楽しいものですが、今回はMステから既に自在に歌い、がなり、踊り、フォーメーションを変えながらの安定したパフォーマンスで、曲終わりのタモリさんの口元のにやり、が嬉しい上出来でした。全員もれなく見せ場もあって、これぞ私の見たい、世間に見せつけたい、活き活き自信満々のSixTONESだとテレビの前でご満悦でした。「音楽の日」も終え地上波披露も一段落の時点で振り返ってみて気づいたのですが、MステではMVに準じてかSixTONESさんニコニコ、にやにやと洒脱で軽みのあるパフォーマンスをしておられたのですね。バズリズムは番協が入って環境が異なりましたが、PLAYLISTの生配信もスマートで技巧的な「こっから」だったのが、THE MUSIC DAYから音楽の日では気合の形相で凄まじい熱気が放たれて*6いるのですよね。中居君の「ご機嫌」を頂いたのも嬉しかった!PLAYLISTのワンカメパフォーマンス視聴後にさらに気迫の絶唱を聴きたい、などと偉そうに焚き付けるような事を呟いていた私としては大歓迎の変化ではありますが、SixTONESさんも曲の解釈を変えられたのでしょうか。

そう、「人人人」が”口から音源”を超えアドリブ満載のSixTONESライブパフォーマンス番長説を強化する曲となり私を狂喜させたのも記憶に新しいところ。なのに「こっから」はさらに上を行く。熟成どころか披露の機会を経てパフォーマンスが"変態"するという展開に今気づき改めて驚いています。THE MUSIC DAY以降の情熱溢れる気迫のパフォーマンスも、MVやMステの飄飄とした軽みも、どちらも素敵で、そんな解釈に可変性のある曲だったのかと感心した音楽の日の翌週末。元々佐伯さんの曲は悩みの中に諧謔があったり、喜びの中にほろ苦い隠し味が忍んでいたり、そんな余白が含まれるように思っていました。この曲もその幅を遊べそうで、よそ様にアピールすべき地上波では攻撃的に、ライブでの時間帯や他の曲とのバランスによってはちょっと粋なお兄さん達が力を抜いて楽しんでいる様な在り方も素敵だろうな、などと想像したりしてみたり。

そんな"演じ分け”を期待できるのは楽曲の特質だけではなく、演者のSixTONESさんが楽曲の世界観の表現において格別に秀でているからだと思います*7。さらに今回は楽曲の設定上の表現に留まらず、ドラマの登場人物としての若き山里さんの心情と、楽曲のもつ熱気と現実世界のSixTONESが置かれた状況とがリアルにリンクした事が、単なる主題歌として以上に見聞きする人に訴えかけるものがあったのだと思います。だからドラマと「こっから」のパフォーマンスでSixTONESを初めて認識した方達の心の底からの驚きと称讃を得たのは当然だと思いましたし、それはただ円盤の売上枚数が増えるより余程嬉しいことでした*8

「だが、情熱はある」の私の思う主題は「何かを創り出すもがき、創り出したものが誰かに伝わる幸せ」それが何も創り出すことのない自分の胸にも切実に迫ってきたのは、表現を生業とする北斗さんの心情を思ったことも手伝ったかもしれません。物語が進むにつれ、制作や創作に携わる方達の支持の声が高まっていったのも納得。嫉妬や失意等、暗い感情が描かれているのに、しかも日曜夜なのに、不思議と視聴後すぐに気持ち良く眠りにつける後味のよさは優れた脚本、演出に加えて慎太郎君と海人君の上品さによるところも大きかったように思います。そして焦燥感や葛藤の表現が自己憐憫に陥らず、仄かな明るさをもった逞しさにすら転化させる資質と巧みさのあるSixTONESが担当した主題歌であったことも作品の雰囲気に貢献大であったとも。時を経ても幾度も思い返すであろう素敵な作品をありがとうございました。

5月27日 すずめの戸締まり 終映 

例によって抽選に当たることはなく(笑)、地元で一番よいスクリーンで中継に参加していました。終映だというのに403席が9割以上埋まっていて、その3割以上は北斗さんファンと推測。劇場で14時間14分(7戸締まり)+舞台挨拶約120分過ごしましたが、特典山盛りの円盤も当然”全部盛り”を買いましたのでコメンタリーや制作裏話も楽しみにしています。

今回の起用は単に北斗さんに新たな経歴と技能を加えただけでなく、新海監督との出会いも大きい財産になったのではないかしら、と傍から思っています。才能ある監督、成功した制作者というだけではなく、作品への執念に近い愛と完成度の追求、物事の捉え方や悩み方が北斗さんと似通っているようで、押し付けがましくない距離感で北斗さんの行く道の指針の1つとなって下さるような気がします。

7月2日 あぐり王国北海道NEXT

ローカルらしいのどかさが素敵な番組でしたね。憧れの方との共演で”かわいい松村北斗”全開ながら、かなり松村節な食レポもあったり、少しぽんこつなところもとりあげて頂いて楽しかったです。またご縁がありますように。

7月4日 女王の法医学3

3作目ともなると安心してわんこ君を演じておられて、長寿シリーズのような人間関係が既に確立されている感じ。殴打され、毒をもられと何かとご難なわんこ君を演じられるのはご苦労かと思いますが、法医学も好きなのでさらなる続編を期待しております。学生役らしく、そして療養中の設定では特に、ほぼ素顔(ですよね?)で演じておられて、それでも4K放送の大映しにも堪えるのは努力と節制の賜物ですね。*9

 

振り返れば5月は『不在のもたらす痛み』の中で始まったのでした。今年のカレンダーで『全員無休』『健康』と控え目でありながら難しい目標を掲げた北斗さんの体調不良。大事なところで欠席を余儀なくされる悔しさ、辛さは如何許りでしょう。只今療養中の理由はインフルエンザと明らかにされましたが、詳細の明かされぬ“体調不良”で収録番組の欠席を告知された5月の気持ちのざわつきは自分でも意外な程強かったのです。体調は高度なプライバシーですから逐一公表される必要など全くなくて、単にこちらが様々な事態を勝手に想像してしまっていただけなのですが。数少ないコロナ禍の恩寵で公共機関もエッセンシャルワーカーも無理をせず休むという方針をとれるようになったよき時代ですからしっかり休んで欲しいと思うのです。とはいえ不在は痛みをもたらすもの。「不在だから悲しいのではない。愛着があり、愛しているから悲しいのだ。愛着がなければ、愛がなければ、不在によって心が痛むことはない。だからこそ、不在がもたらす痛みですら、結局は善いもの、美しいものなのだ。なぜならそれは、人生に意味を与えてくれるものを糧として育つのだから*10」そう、不在の痛みをもって愛着を再認識させられることは美しきことではあれど、でも、そうであっても私はあなたに、目の前にいて欲しいと願ってしまうのです。愛とは面倒で理不尽なものなのですよね(笑)*11

 

「こっから」のプロモーションが一段落してもドラマ、映画、演劇、バラエティ…SixTONESさんの露出の多きこと。単独仕事のみならず、グループ案件でも単独か2、3人での取材となることが増えているのはそれだけ皆さんが充実したお仕事をされているということですよね。そんな個別の取材でも6人が基礎にある方針や意志を共有されていることが窺われて安堵します。御社をとりまく状況も様々な要素がいり乱れてなかなかの激動ぶりですね。実際何があったのか、この先どのような事が起きてくるのか、当事者の方達が何を考えどうふるまわれるのか。いちファンが考えてもわかりようのないことですから、そこに心とらわれることなく、ただ皆さんの表に現れるお仕事を楽しみ、その成果を喜び、背景にあるご本人の努力とスタッフの皆さんのご尽力を尊ぶことにします。

酷暑にタートルネックとスーツのバディでの撮影。気力も体力も消耗しそうですが、お気をつけて楽しくのりきって下さいますよう。程なく始まる「CREAK」の様々な仕掛けも楽しみにしております。北斗さんとスタッフの方々、御社の皆様が心身共に健やかに過ごされんことを及ばずながらお祈りしつつ、いつでも、どんな北斗さんも応援しています。                 

                               かしこ

*1:季節もの番組である「LIFE!」の2度のゲスト出演を跨ぐ驚異のロングラン

*2:初回と2回目の「ノッキンオンマツムラドア」はすぐに見たのに、中断不可のリモート講習受講中でほんの十数分見るのが遅れた3回目のオチをコメント欄やトレンド入りで先に知ってから見ることになり残念でした。まあ宣伝効果という点ではそれが正解なのでしょうね(笑)

*3:北斗さんの黒タートル+黒パンツ、2018年カウコン前の動画以来でしょうか?YTFF2018にアリーナでもみくちゃになる想定で黒ハイネック+黒デニムで入った後だったので、当時北斗さんには珍しいシンプルさ+お揃い〜(笑)と思って覚えていました。

*4:三半規管の弱い私は”物語部分”の映像の揺れを注視し続けるのが少々辛いのですが、ソロ編も酔い止め握りしめて見ました(笑)

*5:「着る側の自信と経験」「着られないバランス感覚」

*6:「燃やせ」の連呼の迫力に映画「ホテル・ルワンダ」の部族間紛争シーンが思い出されてゾクッとしたりして。改めて見たら、実は音楽の日でもパフォーマンス中に笑っているところがありましたね。

*7:だから疲弊した多忙な真夏に「マスカラ」は暑くて苦しくて聴いていられなかった

*8:円盤といえば、これまで触れませんでしたが購入者特典映像。クロマキーのままみたいな空白の背景。広い空間でそのまま録ったような、若干させられ感+気合少なめの一周回った作風のようにお見受けしますが、「こっから」のそれは過去一面白いように思いました。爆笑、というよりつい笑いをこぼしそうで、これで笑ってしまったら少し口惜しいなあ(笑)と口元歪めて笑いこらえる脱力感。 私は、嫌いじゃないです。

*9: 美容という手段が目的化している”美容男子”にはあまり惹かれませんが、合目的的な努力は素晴らしい

*10:カルロ・ロヴェッリ「時間は存在しない」(冨永星 訳)  

*11:プレッシャーには思わないで下さいね。愛とは矛盾と非合理に満ちたもの。私の人生の中においては珍しき非論理的感情の対象にしてしまって誠に申し訳なく思いつつ書きました。