書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

060: 2023年4月1日_慣声の法則、ザ少年倶楽部卒業、届けること・届くこと

拝啓

 慣声の法則ツアーもアリーナパートは一旦オーラス*1。お疲れ様でした& ありがとうございました。楽しかった札幌公演の帰路に早くも東京は桜満開のニュースを聞きましたが、北斗さんは今年の桜をご覧になれたでしょうか。天気に恵まれた仙台、札幌ではTシャツ1枚の会場内から即時退場を求められてもダウン1枚羽織れば意外に大丈夫でしたが(ライブ中暴れ過ぎか)対する先週前半の関東の雨の寒かったこと。お蔭で寿命が延びた桜も今は美しい散り際を見せています。「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは」と兼好法師は宣えど、「散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ」の心境にはまだ達せず、満開のうちにと桜並木を選んで遠回り出勤し、夜はオールフリーをお供に酔わずに夜桜、楽しんでいます。

札幌では真っ昼間から酔っ払ったが如き”寸劇”を楽しく拝見しましたが、オールフリーはアルコール0.00%。コンマ2桁以下もアルコールを含まぬ真のノンアルコールですから、あれは『空酔い』。プラセボ効果で酔っておられた方々の素直で性格のよいこと。私も日頃ノンアルコール派でしたし、美味しい上にホップの鎮静作用で安眠できて*2しかもノーカロリー。ありがたく愛飲していますし、名門サントリーさんのビールCMへの起用*3も嬉しくて、続いて欲しいなと願っています。TDCソフトさんのCMも、友人曰くB to B企業のテレビCMが年度末に流れるのは想定以上に利益が出てしまった時とのことで、3月下旬のテレビ朝日で流れるとの報に老舗IT企業の顔に起用されてからの好調な業績が窺われて*4嬉しくなりました。視聴率40%超えの2023 World Baseball Classicの時間帯に映った北斗さんに心躍ったこと!フェットチーネグミのCMも続くのですね。3月末にブルボン公式さんが”流出”させた謎の刑事物映画の映像の、汚れ顔、ネクタイも緩みよれたスーツの北斗刑事に、これこれ、待っていました!と期待爆上がりです。CM映像だとしても城山監督とのとぼけた掛け合いが楽しみですが、本当に映画にならないかなぁ。

嬉しい事がたくさんあったのですっかり前置きが長くなりましたが、仙台~札幌3公演で改めて思ったこと。横浜公演後に差しあげた感想、世界一SixTONESのライブを愛している、などと大口叩いたのがお恥ずかしいくらい、何を見ていたとつっこみたいところだらけでした。演じ手さん達には申し訳ないことで、3月の戸締まりにドーム公演の前に謝らねばとお手紙を認めております。

例えば「愛という名のベール」のveil横浜アリーナではセンターステージに近過ぎたか、立ち見席で見えなかったか、上空から空気をはらんでふわりとほどけ落ちる布の一瞬一瞬の造形の美しさ、ドラマチックさ!仙台でアリーナの端から見上げて初めて気づき、申し訳なく思いました。重力と空気抵抗の相反する力の妙で自然にあの動きになるのか、人為的な工夫の成果なのかはわかりませんが、とにかくいつまでも見ていたい位、美しかった(いや、ステージ上の北斗さんとジェシー君見なさいって)。Jr.時代からSixTONESの布の使い方の素敵さを賛美してきたのに、あれを見逃していたとは…他にもマスカラ Afrobeats Remixでのveilが語源のラテン語velumの意味する神殿の帳や聖像の覆いのように客席からの視線を遮り距離をおくことで、楽曲の熱をクールダウンしたり(あの、遠くから響いてくる感じが曲にぴったり)演じ手を偶像化したりするかのようで、そんな布の意味を改めて考えてみたり。だから今回札幌の昼公演でかなりメインステージ寄りのスタンド中段から紗幕の裏側が見えて、何やら神聖な物の秘密を見てしまったような気分になったものでした。スタンドにいたのはこのツアーではその回だけだったのですが*5、改めて遮る物のないスタンドから観ると、こよなく愛好するSixTONESのダンスをしっかり見ていたつもりなのに何故そんな風に思った??と当惑したのが「STAMP IT」と「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」。前者は「この重量感あるダンス!」などと書いていますが、重量感溢れる部分もありはするものの、むしろ妖艶な部分の方が多く。後者は「ステップは結構な運動強度と思われ」と書いたけれど、一体何を見ていたのでしょう、面目ないことでございます。パフォーマンスを届ける側の方々がそんな誤認に基づく感想をどう捉えるのか私には想像することも難しいですが、意図と異なる受取り方にはがっかりされるのだろうなと反省しています。それでもプロの皆さんは、裏側でどんな思いをしているかなどおくびにも出さずにステージに立ち続けるのでしょうね。不束なファンの我儘ではありますが、あの洒脱な「人人人」のパフォーマンスと歌詞にこめられた思いとの乖離を思いながら、何万回でも「人人人」と掌に書いては飲んでステージに立っていて頂きたいと思った仙台~札幌公演でした。

そんな見当違いはありつつも、今年は転倒も乗り換え間違いもせずに恙なく横浜公演に参加し、結構な突貫旅程の東北すずめの戸締まりの旅も無事に終えました。しかし好事魔多し。結局札幌で当日朝、出発前に確認したはずのお気に入りのマスク*6がなくて狼狽し、新千歳空港から新規ルート開拓を目論んで乗った空港バスの遅延で乗継に20分余裕のあるはずが1分で駆け込み乗り換えすることになり、挙句に昼公演のチケット代を友人に渡し忘れ。夜公演前にはデジタルチケットが開けなくなった友人達と電波を求めてさまよい歩き*7、今度は自分がチケット代を受け取り損ね。札幌帰りの機内では小説「すずめの戸締まり」を読了したところに機内プログラムで流れたカナタハルカに泣き。SixTONESの札幌公演帰りは毎度泣いているし、SixTONESのツアーでは結局何かやらかすし、相変わらずの「僕が僕じゃないみたいだ」状態(笑) ドームでは皆さん同様ステップアップして遠征も東京ドーム通いも無事にすむよう祈っています。

 

ステップアップといえば、私をSixTONESさんに出会わせてくれたザ少年倶楽部も3月末の特番をもって卒業なのでしょうか。2月の観覧帰りの友人がネタバレ嫌いの私に敢えて「SixTONES祭りだったので卒業では」と知らせてきてくれたので覚悟はしていました。長きにわたり少年倶楽部ならではの凝った演出やフルサイズのパフォーマンス、カップリングやアルバム曲を披露して頂けて、SixTONESのやんちゃな面のフル発動、特に北斗さんの人をくったような言動を堪能できる貴重な場所が一つ減ってしまうことはさびしいです。ありがたくも13回観覧させて頂きましたが、当選の報に心弾ませ、仕事終わりに原宿からの暗い並木道をわくわくしながら早足で歩くこともなくなるのかとちょっと感傷的になっています*8

最初は2016年2月の収録。健人君とSexy達を観に行ったはずが、記憶に残っていたのはSixTONESでした。「この星のHIKARI」のアクロバットも入りショウアップされた華やかぎ、柔らかな青年の心情を表現する歌声の優しさと爽やかさと確かさに驚きました。次の観覧での時は「太陽のあたる場所」のソファの背を軽々越えてみせるパフォーマンスの洗練、ソファに集い歌う和やかさ、演出の工夫に感心しました。今思えば阿部君の仰る通り、怖くて誰も実行に至らなかった私服でのパフォーマンスを周到に作戦を練って決行するのがSixTONESらしく、あの時の内心を想像すれば余裕で歌っているように見えるのがさらに面白い。まさかそれがむしゃくしゃした気分の発散するための「やっちまえ」だったとは(笑)。その次の時は騎馬戦のように櫓を組んでラップをがなっていて「太陽~」に続いて自分達だけの何かを模索しているような気概に打たれたものでした(「Drop the beat SixTONES」ですね。当時、この子達ちょっと仲悪そうじゃない?と心配してしまったのも、今なら書ける大きなお世話でした)。「THE D-MOTION」は既に今に通じる圧倒的なSixTONESの世界で、パフォーマンスの斬新さに心奪われて幾度も録画を観た事は既に書いた通り。その後も影絵の「DON'T U EVER STOP」や大好きな「Battery」もNHKホールの環境で観られたのが嬉しかったし、まさに世界観満開の「N.M.P」、亀と山Pのバックではなくご自分達で演じた「背中越しのチャンス」、フルサイズで嬉しかった「“Laugh” In the LIFE」、2階席の端にいる私に向いて歌って下さったと勝手に信じているストライプスーツの「YOU」等々、数々の名演を生で観られたありがたさ。限られた観覧の機会に2回も北斗さんのソロ(「青春アミーゴ」「痕跡」)が披露される回にあたり、登場の瞬間のどよめきと歓声を共有できた喜びも記憶に残っています。そして「PARTY PEOPLE」「Boom-Pow-Wow!」「Always」等、大好きな曲の初披露にも立ち会えて、本当にザ少年倶楽部さん、NHKさんには足を向けて寝られません。北斗さんの詩の朗読企画も「北斗さんの声が私には史上最高に好きな声」と珍しく直球なことを書いた後だったので「多くの声があった」とはいえ個々の能力をみて意見を通して下さっているのだと番組製作の方々には本当にありがたく思いましたし、皆さんがのびのび振る舞っておられるのを目にする度に、ザ少年倶楽部のスタッフさんもSixTONESの事を大好きだったのだろうなと思っています*9。そんな思い入れのたくさんある番組ですが、とりあえずは卒業おめでとうございます。次は早くもゲストで登場する海人君と廉君司会のPremium初回。あのお二人の司会にSixTONESがゲストであれば、トークの面白さは推して知るべし。そしてザ少年倶楽部にかわる何か、にも期待しています。

もっとも冠番組については皆さんの切望も存じておりますし私もあれば嬉しいなと思いますが、何でもよいと思っているわけではありません。かつての推しグループが週3もレギュラー冠番組を持った挙句に内容がグルメ紹介やクイズばかりの安易さに陥り*10、一方で肝心のダンスや歌が疎かになったように思えた経験があるからなのです。「バリューの真実」はテーマもあるよい番組ですし、試行錯誤しつつも徐々にスタッフさんとの意思疎通もできて皆さんが次第に自由度を増し本領発揮してきているようにお見受けしますし、ご自分達の色を存分にだせているANNとYouTubeは言わずもがな。この3つで十分ではないかと思いもするのです。皆さんと近しいスタッフさんの考え方についてはデビュー以前からの信頼感は私の中では変わらないので、しっかりした基本方針があり、その志とSixTONESの価値を損わない内容を維持して下さる制作者と一緒に作って頂けるのであれば勿論大歓迎です(偉そうにすみません)*11。そこは”大人”の意見を容れつつ自分達の意見も通すSixTONESさんには間違いはないと信じています。

先日「ついてこられるか?構わねえ 」と言わんばかりの、こちらが思わず唸るようなライブを期待していると書きましたが、その途端に攻めに攻めた「ABARERO」の発売を知らされました。私の書く何か月も前から企画されていたことでしょうから、なんだ同じ事を考えていたのだな、と楽しくなった次第。「ABARERO」を特集した週刊TVガイド2023年3月31日号、4月7日号が、衣装もポージングもまさにSixTONESならではで楽しくてずっと眺めています。色彩も素材もごっちゃりうるさい衣装(用語に疎くて表現できず恐縮です)を着せようと思わせ、かつ素敵に着こなすグループはなかなかいないと思いますし、そんな独自性を突き詰めていって頂きたいのです。グループが大きくなる時にありがちな”日本”を背負って型に嵌まってしまったり、足を運ぶ人達の絶対多数に理解される最大公約数的なライブを目指してしまったり、そんな予定調和を目にしてがっかりする日がこない事を勝手ながら願っています(いや、そんな願いすらいちファンの勝手な思いですから、そこもふっとばして頂いてよいのです*12)そして矛盾するようではありますが、慣声の法則のパンフレットの”Our S is going to the next stage” We'll rewrite things with an even bigger S. の”even bigger”があなた方らしくて素敵だわと思っていました*13。そんな凡事徹底の人達でもあり続けて欲しいと思っています。

日本アカデミー賞の授賞式で北斗さんが「誰かに届いていた」と口にされたように、北斗さんは発信した事の受け取られ方に敏感で、それを励みに(あるいは逆も)される方なのだろうと*14拝察します。なのによりにもよってライブの感想の見立て違いを送りつけてしまった事の申し訳なさが今回のお手紙の主旨。お詫びして訂正しつつも、実は今回の札幌~仙台は(多分(笑))北斗さんと目を見合わせ楽しんでいた瞬間があったと思っていますし、少なくとも私はいつも北斗さんの発する物事を「受け取ったつもり」でいます。つもり、というのは(北斗さんが確認されるかどうかはともかくとして)受け取ったことをお返しできていないことも、後で真意に思い至ったように思うことも、ありはするので。北斗學園も砕心のとうこうをトレンド入りで知りつつも、即座に激甘コメントを放てる方々の愛に圧倒されてしまったり、対する自分のツッコミがちな辛辣さに自制してしまったり(笑)。声ブログは内容が豊富で声が聴けるありがたさの反面、私は音声の記憶の歩留まりが悪いようでGoogleの文字起こしを見ながら聞き直してようやく感想に至るので気付けば応答のタイミングを逃していたり。それでも -中略- 自分が受け取るべき案件と勝手に解釈して幸せに思っているのであります。だから、友人達がファンレターにひたすら「好き好き」って書くのだと聞いて鼻白んでいた私ですが、昨日樹君がANNで仰ったように「かっこいいよー、好きだよー」とだけ書いたらよいかしら、と思ったり(笑) そんなことを考えながら3月の戸締まりを書き終えたらもう4月1日。だから書いてしまえ、愛しているよ     …嘘じゃないよ(笑)
3月の〆のザ少年倶楽部から始まった「ABARERO」でのメディア露出、意外に長くなった茶髪期間の秘密、そしてドーム公演を心待ちに。いつでも、どんな北斗さんも、応援しています。                                      

                                  かしこ

 

                             





*1:Summer Paradiseで日をおいた追加公演が発表されて”一旦オーラス”という謎ワードを使っていたことを懐かしく思い出しました

*2:睡眠に悩み多き髙地君にお勧めしてあげて下さいませ。ヤクルト1000より多分エビデンスはあります。利尿もしちゃうけど

*3:大泉さん、上白石萌音さん等、北斗さん側の人間としては”北斗さん縁の人々”という認識の方々と揃ってビール、BOSSには神木君も出演されていますしね

*4:2023年3月期決算も上方修正ですものね。SONYも業績好調ですし、SixTONESも北斗さんも所属先やクライアントさんの価値を高める福の神かも

*5:席を選ぶようなことができるわけでもないので偶然にもありがたいことに、立ち見を除けばずっとアリーナ(センター )上手前方にいまして。Feel da CITYでは最初の頃アリーナ前方に入らせて頂く機会が多くて「With The Flowで至近距離で樹君と踊っている気分になって…」などと書いてしまったらその後はずっとスタンド席で(それはそれでよいのですが)、寝言言ってんじゃねえよって諭されたかのような気分でした(笑) 

*6:仕事でならN95でも大丈夫なのに、他のライブでは許容範囲なのに、SixTONESライブでは暴れても息苦しくないようなマスク選びは重要なのです。強要されず指導もされず、自発的に楽曲やパフォーマンスに参加するSixTONESライブの楽しさに結構な運動量になってしまうのですよね。あるライブの日の歩数、39000でしたもの

*7:結局docomoは使えず、入場寸前で私のダブルSIMのサブのpovoの電波が純正docomoより不思議と強くてそれでデザリングしてようやくデジタルチケットを開きました。入場口に向かって歩きつつ、15桁のパスワードを間違えずにあの速度で入力した自分を褒めたい

*8:SixTONESが出演しないとなると、仕事終わらせて観覧に駆けつける動機としては低くなってしまうのですよね

*9:3月31日の特番で慎太郎君が喋っている間にひな壇の北斗さんがカメラの方をしばらくみつめた後、なんともいえない笑顔でふっと目をそらした一連の表情が素敵で、気心知れたスタッフさんがカメラの辺りにいらしたのかなと思いながら観ていました。あれはそれともカメラの向こうの私達あてだったのでしょうか??

*10:少なくとも私の周囲では未熟だった彼らの初期のバラエティから見続けていた長年のファンもほとんど脱落して、ながら見や倍速再生する事態になっていました

*11:SMAP×SMAP堂本兄弟鉄腕DASH、関ジャム…そんな筋の通った番組であってくれれば、それらを超えてくれれば…

*12:ここまで書いてMG誌NO.16を拝読。我が意を得たり、でした

*13:その”even bigger”な”next stage”がドームを暗示していたのでしょうか。それとも、別な何かがまだ隠されているのでしょうか

*14:追記: 関ジャムのBump of Chicken特集の藤原さんのインタビュー、ご覧になったでしょうか。邦ロックに疎い私でも存じている大御所にして、作り手、演じ手の思いが「届いた」こと、受け取った側の思いが「届く」ことの幸せが原点だと語っていらして、ちょうど北斗さんの「届いた」嬉しさ「届ける」気持ちについて考えていたところに非常に素敵なお話でした