書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

059: 2023年2月28日_ 2023年日本アカデミー賞、ベルリン国際映画祭、夜明けのすべて、入所14周年

拝啓                                              

 ほのかな梅の香に暦の上ではもう春なのだと知らされるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。名古屋発インスタの灰茶の髪色に新しいお仕事を心楽しく想像しています。お正月のライブを堪能した後もたくさんの吉報を頂き、私までほくほくとして過ごしております。あまりに色々でしたので、2月の戸締まりに時系列で列挙してみたりして

1月23日 日本アカデミー賞新人俳優賞、話題賞W受賞おめでとうございます

他の誰かが好きだと言ったり、専門家が認めたりしたから好きになったり素晴らしいと思ったりするわけではありませんが、何より受賞について北斗さんが珍しく何の迷いも含まぬ喜びをブログに綴られていたことが嬉しかったです。しかもANNリスナーの支持、広い層に「北斗さんという人」が認められていることの証左である話題賞も得たのですから、嬉しさ倍増ですね。

25日に渋谷でNEW CINEMA FACE 2023の大きな展示を見てきました。センターに位置しているのに自分からは主張しない風で、それでいて静かな覚悟と決意を湛えたような白を纏った北斗さんの佇まいに、今後私が目撃していくであろうお仕事の数々にもさらに期待が増しています。はい、いつも私、2016年の自分の「先見の明」を誇らしく思っていますし、一度たりとも「間違った」と思ったことも、ありませんからねっ。授賞式は抽選に敗れ去りました、レッドカーペットを歩む北斗さんの姿、楽しみにしていますね。

1月25日 ベルリン国際映画祭コンペティション部門選出おめでとうございます

レッドカーペットといえば、こちらも。金熊賞は獲得ならずともスタンディング・オベーションをうける映像に、3月からのアジア、4月からの北米、欧州公開の成功が思われて、わくわくしました!北斗さん=草太さんの声が世界中の劇場に響くのですよ!(字幕の祝詞ってどうなっているのでしょうね)今回は椅子の草太さんが正装して代理で現地参加(監督はほっくんと呼んでいらしたですね(笑))でしたが、北斗さんも今後も海外の映画祭や舞台挨拶に参加できる可能性もありますものね。当初から想像していたとはいえ、本当に素晴らしい作品を作りあげられたのですね。

先日の6回目は、この物語が欧州でどのように受け容れられるのだろうか、と考えながら観ていました。ある年齢以上の日本人なら日記の日付や陸に高くうちあげられた船等と結びつく震災の被害。事前に説明することなく鑑賞させたとして、震災の記憶が脳の特別な領域を刺激する私達と受取り方はどう違うのでしょうか。ロンドン留学中に参加した東日本大震災のシンポジウムでは、被災地の映像に留学生達も心を大きく動かされたようでしたが、一方でアフリカ出身者が「我々の地域では飢餓や紛争で毎日この程度の人間が死んでいる。欧州は豊かな日本より我々にこそ目を向けるべき」と発言していて、はっとさせられました。現在戦乱が陸続きの国で続いている欧州でこの映画がどのような感情をもって観られるのか。そして、キリスト教文化圏の人々の自己犠牲や利他主義といった要素の受けとめ方にも興味があります。ただ、人種や社会文化背景を問わず普遍的な、幼きすずめに贈られたメッセージ、アニメならではの椅子とダイジンのアクションの痛快さはもちろん、日本の景色、津々浦々の土地の物語、すずめの成長譚、災厄に纏わる奇譚、友情、家族愛、ほのかな恋慕...多様な要素が世界中をきっと魅了するでしょう。ベルリンでは笑い声が多く聞かれたとの事ですが、私もこの作品のコメディ要素とアクションの楽しさが最も好きなので、そこがうけたのかしらと嬉しく想像しています。

そんな色々な事を考えさせてくれた「すずめの戸締まり」、3月5日の仙台公演前に所謂聖地巡りに行くことにしました。JR東日本の「鉄道開業150年記念パス」の適用期間にあたるため、仙台往復新幹線代と同等の額で東日本管内乗降自由な3日間。金曜夜に八戸まで行き、土曜早朝に久慈から始める、晩冬の三陸海岸を車窓からただただ何時間もぼーっと眺める贅沢な一人旅です*1。まずは草太さんとすずめの名シーンの織笠駅を訪ねる予定ですが、どうやら海辺に後ろ戸が出現したらしく。織笠駅からはまたひたすら電車で大谷海岸の道の駅まで辿り着き、芹沢君と環さんが食した諸々を頂きます。三陸海岸のわかめも美味しい時期でしょう。計8時間以上電車に揺られて土曜は気仙沼で民宿に泊りふかひれ等海の幸を堪能して、日曜夜の仙台公演には、恐らくつやつや、ゆるゆる状態で伺うと思われます(笑) 大谷海岸にはこじゃれたホテルの方が近かったのですが、すずめモードの旅は、やっぱり民宿ですよね!

夏に大我君の南座公演にかこつけて訪れた大城神社も、秋に訪ねた旧奈良監獄も、よい旅でした。真夏の道を駅から40分歩き、大城神社の鳥居の前に立った瞬間、すっと吹いた涼風の歓待をうけたこと。思いの他小さかった境内で、よく晴れた空を一人占めしたこと。誰も遊んでいないゴミ一つない境内に野球のボールがあったこと。神主さんのお宅でご朱印を頂いた際に奥様がカムカムエブリバディの撮影の話をしてくださったこと。偶然が重なった小さな奇跡みたいな宝物のような一日でした。カムカムエヴリバディ、映画少年たち、すずめの戸締まり、と北斗さんの出演作品をきっかけに、これまで考えもしなかった聖地巡りを堪能しています。舞台を訪ねてみたくなるような作品を届けて下さり、ありがとうございます。

2月13日 夜明けのすべて

そして、待望の次作!(公開までにもう1つ、2つは何かあるのではと思っていますが)瀬尾まいこさんの仰る「人生は想像より厳しくて、暗闇はそこら中に転がっていて、するりと舞い込んできたりします。でも、夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、そこら中にきっとあるはずだと思いたいです」は、まさに北斗さんに響く言葉であろうなと思います。撮影時期を伺い、以前書いた「すずめの戸締まり」宣伝期間やCLASSY.2022年12月号の素のような安定感と悟ったようなすっきりした表情はこの作品仕様であったかと、何となく得心がいった気分です。上白石さんとの再共演自体も嬉しいですが、役柄の関係性が夫婦や恋人ではなく、互助関係の同僚というのが素敵ですね。「読んでから観るか、観てから読むか」は永遠のテーマで、先入観なく映画を楽しみたいので誘惑に負けなければ原作は映画初見の後に読むと思われ、内容は映画の宣伝の範囲までではありますが、お二人の清潔感、実直さが繊細な表現として映像に表れるのだろうな、と心楽しく想像しています。三宅唱さんは岸井ゆきのさんが主演されているので観てみたかった「ケイコ目を澄ませて」の監督さんなのですね。ミニシアターの雄の作品へのご出演は、週刊テレビガイド2020年10月23日号で「単館系映画にでたい」と書いていらした頃には既にあったお話なのでしょうか。「すずめの戸締まり」のような国民的超大作に出演されることも素晴らしいキャリアですが、「観たいから、わざわざ劇場に足を運ぶ」作品に出演されるような挑戦は嬉しいものです。「TENET」をきっかけに苦手が好きに転じたR. Pattinsonもそうでしたが、最初はアイドル映画でブレイクした”ザ・イケメン”が様々な脇役やミニシアター系の映画出演も経て、誰もが演技力で認める立場になった過程を思い(北斗さんは逆に初期に癖のある役が続きましたが)北斗さんの素敵な未来を想像してしまうのです。

未来といえば、2018年暮れの帝劇でお手紙箱に投函した「そのうちの未来の私の勝手な夢」

  • レッドカーペットの真ん中を歩む北斗さん
  • ”Jesse from SixTONES” at Blue Note Tokyo
  • 帝劇の0番を踏む大我君
  • 慎太郎君のロングランコメディの舞台(日がわり)
  • 印象深い性格俳優として一躍注目される高地君
  • ゴールデンの名MCとなる樹君
  • ドームの天井、スタジアムのてっぺんまで魅了するSixTONES

とりとめなく予測すると、それを超えて行ってくださると期待しつつ。と書いておりました。当時既にファンなら誰でも思っていたような適性ではありますが、かなり叶ってきていますよね*2。現時点では、堂々の日本アカデミー賞のレッドカーペット。Blue Noteは象徴として書いたので,「人人人」で生バンドセッションは実現。大我君は私の大好きな日生劇場で座長を経験され、樹君はゴールデンMCの代打まで躍進。慎太郎君と髙地君についてはむしろ性格俳優的な役柄で評価されているのが慎太郎君で*3、髙地君は再演も期待されるシェークスピア喜劇で重要な役を好演。そして、2大ドーム5公演!

通過点とはいえ、これまでも立って来たステージとはいえ、やはり単独初ドーム公演には立ち会いたいのがファンというもの。アリーナツアーには贅沢な程参加させて頂けるので貪ってはならないと自戒していましたし、ドームまで望むのは、と思ってはいたものの、当落発表前日にはいてもたってもいられず。初めて「ドームライブに参加させて下さい」と具体的な私利私欲を神前で祈ってしまいました。お陰様でドームに立つSixTONESさんを無事に拝見できます。本当にありがたいことです。あの空間をどのように使いこなし、存分に見せて聴かせて下さるのか、楽しみで仕方ありません(初アリーナ公演の時も同じ文言書いてるよってツッコミなしでお願いします)。東京ドーム初日にドームホテルに泊まる友人の部屋に押しかけて、例のあの夢の窓飾りも絶賛計画中。Sexy Zoneの初ドームの帰り道に友人とSixTONESの時は自分達でこれ絶対にしようね、と言っていたらこんなに早く実現すると嬉しい限りです。様々な会場で魅了されてきたSixTONESと”場の魔法”に今度は二大ドームでかけられるのを心待ちにしています。

2月15日 ジャニーズ事務所入所14周年おめでとうございます

自分の結婚記念日すら当日の夕食で思い出す(夫はマメ)わたくしが、最愛の推しとはいえ他人様の入社日を祝っているという、僕が僕じゃないみたいだ~♪なこの数年(笑)。2013年頃には「ぴんとこな」や「TAKE FIVE」で明瞭に記憶に残る役を演じていらしたから、そこからカウントしてもよいかもしれませんが、明確にこの人を応援していくのだと自覚した2016~17年から、ただパフォーマンスに心躍らせ、演技に考えを巡らせ、そのお礼のつもりで感想を綴ることしかできない自分でも、北斗さんとそのお仕事を見てこられたのは本当に幸せな事です。自分の目で見、耳で聴き、心に刻んでいるのは14年のうちの後半7年に過ぎませんが、ここで北斗さんの職業歴の半分を知ったことになり、後は私の知る期間の比率は増えていくばかりなのですよ、ふふふ。前のお手紙ではSixTONESのライブを世界一愛している、と書いたところ、松村北斗もよろしく、とブログにあって(いえ、関係あるわけじゃないでしょうけれど、勝手にそう思ってました。妄想と笑わば笑え(笑))そんな言わずもがなの自明な事、書くまでもないのですが、 「いつでも、どんな北斗さんも」としつこくかいているのは単なるルーティンではなくってよ。北斗さんとSixTONESのことになると今だに笑ってしまうくらい「僕が僕じゃないみたいだ」状態なのですから。”I just wrote to say I love you”なのですから。


3月は仙台、札幌日曜公演に伺い、その間も予定満載故、1月の横浜から仙台公演までは一休み。確定申告書類を作成したりのんびり過ごすつもりが、結局はたくさんの嬉しいお知らせを深堀りしてしまいました。英文記事を熟読したのは久々です。芸術新潮の北斗さんが登場した号の付録のカレンダーの3月の頁をめくったら、北斗さんの”悪い顔”に似た天使が出現。そんな企み顔でドームライブや次のお仕事のプランを練っておられることと楽しみに*4、まずは仙台へ、超寄り道コースのすずめの戸締まりの旅に”行ってきます”。北斗さんも三寒四温の時節柄、何卒体調管理にご留意くださいませ。明日も好天のようですし、残る歓声の法則ツアーの無事と成功、そして道中の安全を祈りに梅満開の神社に立ち寄ろうと思っています。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。           かしこ                                                

書き終えるタイミングでアカデミー賞授賞式、若林さんが担当されると伺いました。好きな人に担当して頂く授賞式、嬉しいですね、いっそう”

ジェシー君の「リボルバー・リリー」の報も!アクションと衣装がとにかく楽しみです!

 

*1:友人と行く賑やかな旅行も、夫との珍道中もよいものですが、急な予定変更しても、あわよくば乗れるか、という電車にダッシュしても、気が向くままに見つけた物を食し、気が済むまで立ち止まって面白そうな物を見ていても気が咎めない一人旅、やっぱり好きです。私もシングルライダーでござる

*2:『 「Midnight Run」や「Capricorn One」のような、主人公がぶつぶつ言いながら飄々と逃走するロードムービーバディ物ジェシー君と慎太郎君で見たい』というのは草太さんとすずめさんで先に実現しましたね(笑) 

*3:緋村、大丸、長谷川さん、梅澤...素晴らしく個性的ですよね

*4:いや、ツアーの追加ですから、そこまで新しいことは難しいと思ってはいるのですが、SixTONESにはつい期待が大きくなってしまい…