書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

046: 2021年10月7日_マスカラ、スタンディングオベーション、DREAM BOYS、ってあなた MV

一筆申し上げます。

 秋の晴れた空に、今年は早咲きだった金木犀が2度咲きの濃厚な香りを漂わせています。真夏並みの気温でも湿度は低めで過ごしやすいので、出演2作のプロモーションに加え、きっと既に次のお仕事にも入られているであろう北斗さんもお元気でお過ごしでしょうね。

きのう何食べた?」では予想より大きかった北斗さんのフライヤー写真、つい先程流れてきた完成報告会の記事での重鎮お三方に気鋭の磯村さんと並びかわいがっていただけている様子を嬉しく拝見しました。

「カムカムエヴリバディ」ではきらきらとして漲る力が伝わってくる安子さん、対する稔さんの自然で優しい笑顔に、野球とジャズ、BIG HORNS BEEフラッシュ金子さんの音楽等、楽しみなことばかりで、映画公開とドラマの放送開始を心待ちにしております。

関連の映像や記事での北斗さんは、遠慮がちな言葉選びは相変わらずなれど安定感や頼もしさを纏っていて、私の文章*1が演技のお仕事の邪魔してしまったら...などと考えてしまったのは烏滸がましかった。1年考え続けたあれこれを、北斗さんの誕生日に託つけた勢いで前日深夜に書き上げ、投函後数日はすっきりした気分であったものの、「読み捨てて欲しい」などと格好つけたものが実は読み捨てならない失礼な内容ではなかったかと思ったり。北斗さんに”送り付けた”以外に人様に読んでもらうようなこともないので客観的に「それ、よくないよ」って教えてもらえるわけでもなく。読み返す勇気が出てみると訂正、補足を要する部分が目についたりもして*2

マスカラ

そんな気分で迎えた夏。ライブを普通に楽しめる元の世界を取り戻すために、自院以外に職域、学校、地域と新型コロナワクチンを打ちまくった休日。オリンピック期間は時差のない嬉しさにテレビと端末を駆使して複数競技を同時並行視聴しては、歓喜と落胆を繰り返す毎日。パラリンピック期間は車イスバスケットボールの選手用医療スタッフとして、日本チームの活躍やファインプレイへの感動を押し隠しながら会場で試合を見守り続ける。そんな気力と体力を消耗する日々の中でリリースされた「マスカラ」

学問と技術としての音楽をこれ以上ないレベルで修めた上に商業性も保ちつつ我が道をいく常田さんの手になる曲は想像通りの難曲でかっこいい。初披露で自在に全身をぶん回して楽し気に歌いこなしているように思われたジェシー君には舌をまいたし、音楽番組での皆さんのくらいつくようなパフォーマンスには、はらはらしながらも快哉を叫ぶこととなったのですが、真夏の重苦しい湿度と懊悩が伝わってくるような濃ピンクの世界を日常の一部としてくり返し聴く気分になれない。そんな自分に当時は申し訳なくも残念にも思いましたが、考えればそれはSixTONESがそれだけあの難曲の世界観を表現尽くして伝えているからですよね。

披露を重ねて皆さんが歌いこなしてきたのにはすごいと思いましたし、秋口に入って受けとめる自分が落ちついたのもあるのでしょう。10月1日のザ少年倶楽部では1人ずつの声がよりしっかり聴こえてきて、シックな衣装と彩度と明度を抑えた照明とパフォーマンス、時節と自分の状態とがようやくカチッとはまった気がして、堪能できました。

これまでもそうでしたが、SixTONESを知らない人達にも聴いてもらえるテレビ露出などの機会が限られている昨今、難曲に挑戦する過程をどきどき見守りながら、たまには端から余裕をもって歌える曲で声の美しさや歌唱の上手さを世間に知らしめてくれてもよいのにな、と思ってしまうこともあるのです。でもこの人達はそうやって妥協せずに進歩していく道を選んでいるのだよなあと、イチロー選手が大谷選手に贈った『無理はできる間にしかできない。21年のシーズンを機に、できる限り無理をしながら翔平にしか描けない時代を築いていってほしい』という言葉をSixTONESの皆さんにも贈りたい。

 

「マスカラ」のカップリングでは「Lost City」が好きでした。"jazz基調のFusion×Hip Hop”なんてふれこみの曲、好きでないわけがない!期待に違わず麗々しく重厚な旋律も1~3曲目までのシングルタイトル曲群の重厚な世界観とも異なる壮麗さで。

先日週末の買い出しにいった大型食品スーパーで突然流れてきて、生活感満載の景色に”ディープな情景を想像させる”この曲が流れる違和感と、生活の中にSixTONESの楽曲が浸透してきた感慨とでしばし聴き入ってしまいました。

 

私の周囲ではむしろ「マスカラ」より好評だった「フィギュア」。曲としてはピアノの軽やかな展開が好きだし、シングルカップリングの中では「光る、兆し」「Life in color」に続くこれぞポップスというところもきちんと踏んでくるSixTONESの選択の幅はさすがだと思うのですが、歌詞の意味するところをうまく受けとることができず、皆が刺さると絶賛するメッセージが響いてこない自分に寂しくなってしまい。今はそれもいっぱいいっぱいだった夏のせいにしています(笑)

 

そんなこの夏は、メンバーの皆さんにも挑戦の夏だったのですよね。

スタンディングオベーションは2回観劇できましたが、ジェシー君の王の役の似合うこと!誠也さん役の繊細さも、老王の迫力も、豪華な衣装の着こなしや美しい所作も素敵でしたし、ダイナミックな殺陣を見ながら今度は若い役での殺陣もぜひ観たいと思いました。初回の観劇時は隣席の2度目の観劇になる友人が立たなかったのでもう一度カーテンコールがあると思ってし損ねた口惜しさから、2回目は夫と2人で大フライングスタオベしてしまいました

DREAM BOYSでは樹君の美しい高音を堪能しました。豹柄が似合いすぎるのは当たり前のように思うけれど、薄いピンクのロングコートが実に似合っていて、衣装担当の方に感謝状を贈りたいくらい。

共演者に迎えられてカーテンコールで中央に出てきたジェシー君や樹君を目にした瞬間、開演前からの予期通り泣けてきて。さらっとこなしているように見えるお二人の、真夏の大冒険とその成果には素直に感動してしまいました。

10月は幸運にもFC枠と東宝枠で2回拝見できるニュージーズでの大我君の歌とお芝居を本当に楽しみにしております。無事に幕が開き、千秋楽まで恙なく大我君が志を全うできますように。

ってあなた MV

大我君の演技といえば、北斗さんとの対比が興味深い「ってあなた」のMVが大好きです。
・身体全体を丸めて寒心する大我君 / 居たたまれなさの表現を左手に凝縮させたような北斗さん

・弱り切って相手に縋る大我君 / 苛立ちと自嘲の混じった視線を相手に向けず自分の内面にむけるかのような北斗さん

・涙ながらにさよなら?と相手に確認はする大我君 / 誰のせいなのかと口にはすれど、自分だけを責めているようにみえる北斗さん

・追いかけ、走り出し、相手と対峙し続けることを選択する大我君 / 溜めに溜めて爆発させた感情を自分にぶつけるだけでその場に留まる北斗さん

勝手に、そんな風に読み解いたつもりで楽しんでいました。

「ってあなた」の北斗さんは、考え抜いて作りこんでいるようでもあり、楽曲の世界を表現する任務を帯びているからか、あるいは曲の世界観を借景にできるからか、却って演じる”松村北斗”その人が素直に透見されるようでもあり。先の”論文”で一番好きな演技と書いた「突然苦しみ出す人」は、北斗さんが伸び伸びと独創的に繰り出す瞬間芸的必殺技に天才性が煌めいているようで大好きなのですが、このMVを”演技”に分類してよいのであれば、実はこちらが一番だったかもしれません。このMVの何とも言えない沈鬱な雰囲気作りに撮影日の台風の低気圧が貢献していると思えて、love u...で小雨の日が好きになったように、今や台風すら好もしく思えてしまうくらい(笑) 

とはいえ、暑さが過ぎたら台風襲来、そしてまた暑さ。暑さ寒さは彼岸までじゃなかったのかいって昨今のお天気に、気候の変化に敏感そうな北斗さんの健康を案じてしまったりします。私のできることといったら祈ることと、#北斗學園(たまに#優吾のあしあと)に(ご覧になっているかは別として)ガチの医学知識を書くくらいですが。

明日はザ少年倶楽部の収録も有観客に戻りますね。少しずつ元の世界が取り戻されることを喜びつつ、TDCは大好きな会場ですし近いのでSixTONESの卒業までにまた観覧できるよう祈っています。

先程拝見した新着ほやほやの「きのう何食べた?」完成報告会の写真でもそうでしたが、最近の北斗さんは細めの輪郭に頬骨がくっきりとしてかなり絞っておいでのようにお見受けしますが、新米、茹で落花生、栗、柿、和梨洋梨…目白押しの美味しいものを適切に楽しみつつ、お互い食べ過ぎないよう気をつけましょう。

いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                 かしこ

2021年10月7日






*1:045

*2:時系列の体で論じたはずのライアー×ライアー。耶雲監督のインタビュー記事が出始めたのは、特報映像の後でした