書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

052: 2022年5月24日_xxxHOLiC、恋なんて本気でやってどうするの?

拝啓 

 走り梅雨の降雨と暑さとに交互に見舞われる日本らしい天候のこの頃、相変わらずのお忙しさと拝察しますがお加減いかがでしょうか。

今回のお題は「xxxHOLiC」(以下「ホリック」)と「恋なんて本気でやってどうするの?」(以下「恋マジ」)です。両作品では今のところ私は「松村北斗の演技」ではなく「百目鬼さん」と「柊麿さん」を観ているようです。つまり、以前書いた「推しの演技を評する際の陥穽」=演技者松村北斗に余計な思いを致すこと、が前景にたつことなく気楽に楽しく拝見しています。それが鑑賞する私の心持ちの変化なのか、作品や役柄によるのか、観る者に余計な感情を抱かせないことも演技力というものなのか...

xxxHOLiC

日舞台挨拶と副音声上映と3回拝見しました。

唯一無二の個性の蜷川実花作品の数々は私にとっては直観的に強く惹かれる対象ではなく、かといって苦手でもなく。被写体と作り上げられた世界観とが符合していて素敵だと思うこともあれば、過剰さを少しうるさく思うこともありますが、そういう個性、作家性なのだとフラットに作風を”受けいれ”鑑賞するものでした。

先入観なく映画を観たかったので原作は未読ですが、原作ファンの方々の「原作を読んでいない人には話がわからないであろう」という懸念*1は少なくとも私に関してはあたらず、十分内容を把握できたと思っています。

北斗さんご出演の大事な作品なので背景を知りたいと思い、昨年11月に蜷川組(公式後援会)に入ってみました。蜷川監督や事務所の金谷社長の投稿やライブトークで、人の暗部を描く印象の強かった蜷川監督が思いがけず漂わせていた”善なるもの”や、純粋で無邪気とすら受けとれる作品作りへの思いを発していたことも興味深く、ホリック鑑賞前に彼女を見る目が少し変わりました。

十数巻に及ぶ原作を110分に収める芯としたのはその”善なる”部分で、大づかみに解釈すれば恐らく彼女の息子さん世代へのメッセージなのだと推測しています。しかしかなり直球の”人生訓”が主題でありながら一部からの深みがないという評価。それは例えば吉岡さんの“怪演*2や、百目鬼四月一日の関係性、アカグモの作りこんだビジュアルや、やや大仰な表現が、媚びやうけ狙いととられかねないからかもしれません。

しかし蜷川監督のお話からそんな人間関係や演者の美に対する監督ご自身の”萌え”的美意識を満たすことも創作活動上重用なことはうかがえますし、その蜷川女史の”趣味性”が作品世界を作り上げる重要要素なのでしょう。蜷川ワールドといえば花ですが、本作では溢れる花より水に強い印象をうけました。渋谷のシーン撮影開始時の偶然の降雨から着想したものだと伺いましたが、全編、雨、雨、水、水…の印象*3。幸せな4月1日や校庭*4の食事風景も晴天の下であったから、水と雨とが四月一日の心情とリンクしているのでしょうか。

私はこの作品をダークファンタジーの形を借りた四月一日の成長譚ととらえていたので、怯え駆けまわる姿、屋上に佇む姿から、まだ情報の乏しい冒で既に四月一日の内面が伝わってきてひきつけられたし、理解を助けられたと思います。神木君は恐らく出演作はほぼ観ていて信頼している俳優さんですが、陳腐になる危険性をはらむファンタジー漫画の実写化にリアリティを持たせた「神木君の説得力」に圧倒されながら拝見することになりました。物語世界の嘘を背負った、疾走シーンの背景にズザサササーって擬音が描きこまれているかのようなアニメ的コーナリング*5!眼にフィーチャーしている物語ではあれど、眼が印象的な顔ではない、むしろ地味とすらいえる眼が、厭世、戸惑い、疑念、諦念、終盤の自信、妖艶まで表現する雄弁さに魅入られました。

しかし、いかに神木名人とはいえファンタジー世界の虚構に現実味をもたせつつ四月一日の物語に集中せしめるのには他の登場人物は単純化される必要があったと思うのです。北斗さん、吉岡さん、磯村さん、配役時には旬も走りであったろうと思うお三方が上手に”単純化された”ことが物語を少しでもわかりやすくし、四月一日の成長譚を際出せることに貢献したと思うのです。

ということで、誠に人間くさく苦悩する四月一日という人間の”成長譚の一要素”としての百目鬼は、恐らく監督のオーダーに非常に忠実に、自我を表出させることなく「かっこいい」という冠を戴した”コスプレ”を遂行した結実のアイコン的存在と推測しています。四月一日を吹っ飛ばすターミネーターの如き登場シーンが衝撃でしたし、監督の注文とはいえ声低すぎるし姿勢良すぎるし、エンドロールの協力社にマンダムとありましたがきっと整髪料の多くは祐子さんと百目鬼が消費しているのではという髪型(笑)

敢えての記号的・二次元的な役柄だとは思うのですが、わずかに感情をのぞかせる、例えば四月一日のお弁当を口にした驚きの表情などが印象的でした。私の一番好きな百目鬼さんは、決戦を終え、ミセへ向かう”漢”な歩き方のシルエット*6ですが、アクションも見どころでしたよね。ワイヤーアクション(?お堂でふっ飛ばされるのはそうですよね?)も、雪駄で階段お堂を走るのも、袴で水の中を動くのも大変でしたでしょうし、弓道経験者からするとあのキレのよい離れをだせるようになるまで弓も相当練習されたのでしょうね*7。副音声の「数年かかる」は大げさですが、大学体育会弓道部の新入部員もGW合宿1週間の最後に的前に立たせると的まで届かなかったり山なりの矢飛びだったりがほとんどですし、弓返りできるまでの頬や前腕の痛さも知っているので自然な離れと真っ直ぐな矢飛びを習得されるまでの努力に拍手です。 
舞台挨拶は各世代の旬の美人俳優揃い踏みの華やかさ。ステージの立ち位置に立ってからの一礼や、まず中継先の人々を気遣う辺りが北斗さんらしいと好もしく拝見しておりました。蜷川監督の目には涙が浮かんでいたようでしたし、北斗さんのジャケットの胸ポケットの蝶の刺繍、磯村さんのネクタイや吉岡さんの2回目の衣装の蜘蛛の糸風の模様など皆さんの作品への思い入れが衣装にも現れているようでした。北斗さんが積極的に笑いを取りに行ったりそれを一人で回収していたりと伸び伸び振る舞えているように思えて*8、そこからも制作チームの雰囲気のよさが伝わってくるようでした。

そんな舞台挨拶の日に録られたというオーディオコメンタリーは当然楽しい。21日に副音声付上映に行きましたが「どうも、富士山です」から笑わされ、声を出さないよう苦労しました。「天気が番手読む」というザ松村北斗な言葉、”はだけて”10代を懐かしむ大人ジャニーズ発言、「百目鬼だけれどいっぱい食べて」という妙な指令、北斗さんがやはり「作り手目線」で映像や演技の技術的な部分に言及することが多かったこと、等々、いちいち頷きつつ(笑いこらえつつ)聴きいりました。

恋マジ

「この世は美しい物で溢れている」との純さんの言葉通り、窓から入る光の加減が人物や什器を美しく照らし、暖色の照明に映えて美味しそうな食物をさらに純さんがまことに美味しそうに召し上がる。純と柊麿の並び歩く姿は引きで撮ってもバランスがよくて美しい。2次会を終えSalutに入って行く動線に従う純目線映像の新鮮さ。そんな素敵な映像で、傍から見てあきれる位にどうしようもないヒトの姿が描かれている。飛び交うあけすけな台詞や純の言動の突飛さもあってご立腹な視聴者もおられるようですね。私も純には共感も思い入れもできないけれど、放送開始前の北斗さんによる人物評を遡って読めば「こうかな?と予想した逆をいく。柊磨からすれば自分の想像の中に収まらない不思議な相手だからこそ気になってしまう。“難アリ”な純」とあって、私が嫌な感じを抱かされてしまうのは広瀬さんの演技が迫真だからなのでした。

あからさまなモノローグでさらされる純の感情や思考と異なり内面は全く明らかでないながら、同じく私にはちょっといけ好かなかった柊麿の言動。「心ざわつかせちゃ、かわいそう」って...自分の容姿が美しいことを知っていて”活用”している人の鼻持ちならない自信。「泣いていいよ」ってよく知らない人に言われても涙もひいてしまう…(笑)「僕でよければお役に立ちますよ」と告げた表情の空虚さ、鼻をくしゃっとして笑うあざとさ。このあたりはひょっとして「職業アイドル」として人前に立つ際の北斗さんには部分的に内在する要素かもしれませんが、恐らく北斗さんご自身の中にない要素が多い(推測)。綿密な”嘘”を積み重ねて構築された「柊麿」がそこに生きていて、「松村北斗演じる」という冠がない状態で余計な思い入れのない「ただの登場人物長峰柊真」を楽しめています。

敢えて蜷川監督の”萌え”と嗜好を盛り込んだアイコン百目鬼と同じく”記号的イケメン”と思われた柊麿ですが、高石プロデューサーの仰る「○キュンとか○○男子とか、キーワードでもの作ってるわけではなく」の通り、たとえば柊麿のシャワーシーンにも「こういうの見せておけばファンは喜ぶだろう」的へつらいは感じさせられない(蜷川さんのはご自分の欲求の体現だと思うので私は観る者への媚びは感じないですが。このあたりのおもねりのない清潔感は北斗さんの個性かももしれないですね)

しかし、恐らく視聴者を悶絶させる意図はあったであろう第4話の濃いキスシーンに照れるでもなく美を見出すでもなく「柊麿ならそうだろうよ(でもひな子ちゃんにひどくない?)」と納得して淡々と視聴していた私は、美しく見えるようにすごく気を配っておられたであろう製作陣と演者に謝らねばならないでしょうか(笑) でも、そこまで「柊麿だった」北斗さんの「勝ち」です。はい。 

それまでいけ好かなかった柊麿の印象が変わったのは「これじゃ、足りないんだけど!」の台詞。純の姿を認めてにやっとしながら、恩着せがましさや哀れみでもなく、ただ純が戻れるような”口実”を提示するような温かさと茶目っ気が感じられて一気に血が通ったように思いました。そこからは陶器展で純を見つめる眼差しや、第2話で「(大津に)逃げられた」と告げられた時の表情、第3話で純に抱きつかれた後の抜群に繊細な表情、差し入れをほおばる純を見るどや顔と、徐々に人間味が加わってきて。その過程でほんの少し北斗さんが垣間見えてしまったように思った瞬間も実はあって。「栄養とんないと脳に糖分まわんないからいいアイデアうかばないんじゃない?」という台詞の小理屈や、ナプキンを畳みながらの「おーれ、車じゃないし、ふん」という節回しは、まさに松村節ではありませんでしたか?(笑) 折り返し地点に来たドラマの人間関係の顛末も、詳らかにされていく柊麿の背景も楽しみにしています*9

 

日舞台挨拶後の挨拶動画や7周年のYouTubeライブ配信で「感想が届くのを待っている」「手紙を郵便で送っても読んで下さっている」と伝えて下さった北斗さんの「おねだりに応えて」(あーすみません、そう書いてみたかったのです。僭越至極)ホリックと恋マジの感想を認めました。現時点での総括は「上手にきれいな嘘を楽しませてくれてありがとう」です。

 

嘘ならぬ現実のライブにも巻き込みに巻き込まれて半年。Feel da CITYツアーもとうとう仙台を残すのみとなりましたね。幾度でも書きますが、楽しい公演をありがとうございました。

ツアーが終われば「わたし」の発売。突然流れた挿入歌(またやりやがった…(笑))の美しさ、MVも謎めいていて、全容が明らかになる日を楽しみにしております。そんな忙しないSixTONES暦で生きている私にも月日の早いこととつくづく思いますが、メンバーの皆さんはさらにお忙しいことでしょう。

ドラマ撮影も佳境であろう慎太郎君の大丸君、本当に活き活きしていて素敵です!心楽しいドラマで水曜夜はすかっとした気分で眠れます

大我君には音楽製作担当兼主演の今年も高い壁を目指す夏の大冒険ですね。どんな夢を見させてくれるか楽しみです。

芝翫さん、蜷川舞台を継承されるスタッフの方々、松任谷さんの音楽、重厚な座組に加わる髙地君。夏の夜の夢はRegent's Parkの野外劇場で時々モップ休憩が入る雨の中、傘さしながらワインを飲むイギリス人達(変ですよね、私ものんでましたけれど)の中で観ましたが、そんな気楽な軽喜劇。髙地君が軽やかに飛躍をとげられることを祈っています。
テレビで拝見しない日がないのでは、と思う活躍のジェシー君。SINGもロングラン中ですね。本格的なのに小学生の甥っ子達も大好きです(本格的だから、か)。同じく出ずっぱりの樹君は、ひょっとしてDREAM BOYSも再演かしらと皆楽しみにしています。

皆さんが充実しているのが本当に嬉しいですが、どうかお身体にお気をつけて。お目にかかれる機会、心動かされる瞬間の数々を心待ちにしております。「ありえないところまで」連れていって下さい(笑)。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                  かしこ 

2022年5月24日

*1:そのようなレビューが未見の人に作品へのハードルを上げているようで残念です

*2:皆さん話題にされていましたが、私もエンドロールの「セクシー所作指導」に釘付け(笑)ポールダンサー指導に納得ですが、吉岡さんと磯村さんのふりきりっぷりに笑いそうになりつつも感心していました

*3:これ以上雨が降り続いてどんよりしているのはブレードランナーくらいではないかしら

*4:学校のシーンで照明の角度で人影が壁の上方から天井に映るのが学園の尋常ならざる雰囲気を醸し出していて興味深かったです

*5: 走り方まで数パターンあるとはさすが神木名人ですが、北斗さんもレッドアイズでは””女の子走り”でしたね

*6: こちらは普段のYouTube等で見る北斗さんの歩き方でもなくまさに百目鬼的歩み

*7:あの神事のように矢道の近くに人が立っていて弓を引くのは大学生時代6年間弓道漬けだった私でも怖いですが、あれは別撮りだったのでしょうか。私は小笠原ですが、日置流の斜面うちおこしは映像での見栄えがよいのですよね。ちょっと物見が甘くて弓手の肘が入っていないのはご愛敬(笑) 

*8:最近の地上波バラエティでもそうですから、そこをとりたてて指摘するのは失礼かもしれませんが

*9:結局、何か訳ありの役なのですね、北斗さん。幸せ一杯で無邪気な役も見てみたいわー

051: 2022年4月12日_CITY、Feel da CITY

拝啓 

 桜満開を控えた3月末、出勤前に花見ならぬレモン2倍顔北斗さんの巨大広告@新宿駅を出勤前に見に行きました。早朝6時台の新宿駅はさすがに人通りも少なく、身長を遥かに超える巨大な北斗さんを独占してきましたふふふ。黄色を纏った北斗さんはこの上なくお元気そうでしたが、いかがお過ごしでしょうか。

CITY発売から早や3か月。Feel da CITYツアーも半ばにさしかかりました。断念した方、行かれなかった方もいらっしゃる中でいつも恐縮な事ながら参加させて頂いた公演は一瞬たりとも気を抜きたくない全力の幸せな時間を過ごさせて頂きました。感謝の形として感想を届けようとは作品ごとに思う事で、以前はそれが求められていると信じるようにしていました。しかし音楽誌でプロがライブレポートを書いて下さる喜ばしい現状に、私の感想を送りつける意味があるのだろうかと自問する3か月。SixTONESの在り方や作り上げてきた作品へのファンとしての賛意と、SixTONESの”物語”の当事者の一員であり続けようとする意思とを伝えるのはありかと、矯めつ眇めつしながら雑感を認めました。

CITY

そう、アルバムコンセプトは”物語”が交錯する場所。公式表記の”story”とは定義上”語り手”と“聴き手”との立場を異にするもので、始まりがあり完結し、その起承転結は語り手=演者であるSixTONESの中にある。ならば起始停止なく円環状に持続する「CITY」における”物語”とは"narrative”、すなわち起承転結の形式に則らず、”語り手”と”聴き手”が関わり共に作り上げていく現在進行形~未来の物語、ではないかと。「Everlasting」に歌われているように「SixTONESのCITY」を構成する”物語”は私達ファンも内包する”narrative”であらまほしき。

そんな作品をもって、フィジカルな形態の音楽が身近でない世代にもアルバムとはトータルパッケージの芸術なのだよと提示して下さる。つまりovertureでアルバム世界に誘われたり、曲順の意味を探読みしたり、といった円盤ならではの楽しみ、その逆手をとった構成が、なんとSixTONESな(固有名詞を普通名詞にした”It’s a SONY”に倣いSixTONESを形容詞化してみました)。Interludeはいずれも雰囲気がありますが、特に"Sunrise"には大好きな"Theme of 017”(SMAP:SAMPLE BANG!)を想い起こしてわくわくするし、アシッドジャズ、ファンク、ゴスペル、フュージョン、お陰様で知った和メロ...好きな音楽の要素がてんこ盛り。楽曲そのものも好きですが、しのばせられた細かい音の数々、例えば「Fast Lane」の重機の音(?)や「Ordinary Hero」の街の音、「With The Flow」冒頭のレコードに針を落とした音(?)などはアルバムコンセプトの”街”の普段の暮らしにも繋がるようで惹かれます。

Feel da CITY

しかし、アルバムツアーではない(らしい)とはいえ、ほとんどの曲が試聴だけ。聴きこむことができずに参加するライブという珍しい状況に、途中で予告なくしれっと披露された新曲(という確信すらもてなかった)。”Jungle事件”以来わかってはいるものの、あなた方、どれだけ参加者を信頼しているのでしょうね(笑)

ファンに信頼はおき、その需要は把握しつつもそれにおもねることはしない、なんと”SixTONESな”。プロのライターさんもつい踊り魅せられたというこのライブ。音楽も文章も素人の私が書いてSixTONESさんに資する事があるとしたら、会場や席の違いの体感でしょうか。

 

今年の初日はバックステージより少し後方上手の西スタンド中段という全体像を掴むのに丁度よい席で迎えました。まさかの「Lost City」*1が壮麗に響く中、メインステージ奥で客席を睥睨するSixTONES*2。王道の登場からSカレーターがぬるぬるっと動きだした時の初日のどよめきは忘れられません。現場で驚きを共有してこそのライブ、曲と機構に冒頭数分で既に2回心震わせられる幸せ。on eSTでは禍々しい赤いライトとサイレン響く中上空からブリッジが降臨する圧倒的迫力の演出を2Dの配信映像で先に知ってしまった事をどれだけ惜しく思ったか...

そのon eSTのブリッジや照明で武装された壁、古くは横浜アリーナ初単独公演の櫓、Rough ”xxxxxx”やTrack ONE-IMPACT-の鉄骨やプロペラ等、直線的でメカメカしく威圧感ある装置から、今回は一転、有機的な木目調(?)で曲線を滑らかに動く装置。時に演者抜きで自走して照明の搬送を担ったりして、それ自体が意思をもって動いているフレンドリーなR2-D2的な印象*3

そんなSカレータは上空に屹立して後光さすオープニングのカリスマアーティストタイムを曼荼羅の如く彩り、足をぶらぶらしたり、胡坐かいたりと自由に音楽を楽しむ、作り込み過ぎぬ等身大アイドルタイムには優しく寄り添う汎用性*4

「Dawn」で6色トーチ*5を”生け花”した装置は上空に昇っていくことで重厚なこの曲に崇高さを付加してカリスマ感を増したように思えますが、今回の装置は総じて”遊び道具”感。平素武骨なリフターも「S.I.X」「WHIP THAT」でぐらっぐら揺らしてジャンプする北斗さんには慣れ親しんだ遊具のようだし*6、メインステージの「樹君が乗り遅れたせり上がり(名前がわからないのですが)」も髙地君腰振り企画等、遊び場になっていて(笑) 突然の思いつきに万全の対応をされるスタッフさんとの阿吽の呼吸が感じとれて嬉しい。

Sカレーターからの眺めと同質の光景を初日に俯瞰できて幸せだった「Everlasting」。一つ一つが光の花にも見えるペンライトの制御された色の遷移と客席の意思による動きとが相まった美しく広大な星の海が印象深く幾度も思い返しています*7

初日のメモには「無邪気な人達のお洒落なライブ」「満遍なく踊る(こんなにしっかり踊る!?)」とあって、演者本人達がまず音楽やパフォーマンスを楽しみ、その姿を見せる印象が強かったようです。初めてSixTONESのライブに来られた方が他ジャニーズグループとの比較で「SixTONESのはライブよりショウって感じ」と話すのも耳に入りました。

アーティスト要素が濃いがために、例えば「ST」のライブ映像では「上空は硬派のロックライブ、地上は激甘ファンサうちわの花盛り」という乖離がある(笑) 光一君のソロライブのようにうちわ全廃的方向性に振りきることもできるし*8、私はそれもSixTONESが選ぶなら素敵だと思います。顔を見せずにクールに始まったon eSTでは、例えばImitaiton Rain~STを渾身の力で歌い、Lifetimeに祈りをのせる姿に、”アーティスト”としてご自分達が納得いくパフォーマンスができるようにただ専心して欲しい、こちらを見てほしいとか、ファンサとか、そういう事は気にしないでいいから、と心から思っていたのです。

しかし振り返れば花道の実物大北斗さんを見上げたり、手を振って頂いたり、そんな事があればやはり嬉しい。そして迎えたFeel da CITY初日、遠いお席まではるばるお運び頂いたスタンドトロッコの嬉しき事!V6ラストライブで久々にお目見えしたアクリル板で守られたそれとは異なり丸腰の登場に心配もしたのですが、やはりスタトロは「アイドルの”大義”」でした。同席したジャの道の師匠は北斗さんが「ファンにすごく優しい顔するんだね」と唸っていましたし、アーティストとアイドルの両立をしてくださるSixTONESの現状を好もしくありがたく思っております。

(略)

初単独アリーナに静心なく横浜に向かった桜満開のあの日から4年もたったのに、今年も同じ位胸が弾むのですよね*9

片やSixTONESさんの方はあの若き日既にみせていた覇王感の奥に秘めた不安と必死さとは影をひそめ、今や自由で余裕を醸し出している(ようにみえる)姿を至近で拝めて嬉しかったこと。特に「Lost City」から「S.I.X」まで畳みかけるSixTONESのパブリックイメージを体現するような一連の曲の攻撃力、「Strawberry Breakfast」の花道で踊り闊歩する活き活きとした躍動感。今やことさら大きく見せようとはされていないでしょうに存在感のあること!

「Dawn」~「Parpercut」~「Odds」は試聴ではそれほどひかれなかった曲群ながら、パフォーマンス補完で魅力倍増しました。あのスタイリッシュさを作りこみ過ぎず嫌らしくなく体現できるのはSixTONESが随一だと思います。

そして、私の大好きな曲だと知っていて入れてくれましたよね!?と、かかった瞬間に勝手に思い込んで狂喜した「love u…」「You & I」。ライブで見て聴いて一緒に踊れるとは思いもしなかったので、しかもあの美しいラインのストライプスーツで。それがただただ、嬉しい。

さらに嬉しいことに、今回もスーツに限らず衣装が全て素晴らしい。これまで1パターンはあった柔らかい系(白~淡色の透け感のある柔らかめ素材の)衣装がなくて、機構のフレンドリーさに反して衣装が全て強そう(笑)

登場からまず、重厚で豪奢な衣装。着ている北斗さんはターミネーター的アンドロイド風味なのに袖口の花柄の麗しいこと*10。慎太郎君の襟元の予期せぬ色っぽさ。

「Imitation Rain」以降の”Amazing!!!!!!衣装トリビュート的衣装”も大好きです。袖のファー!Amazing!!!!!!の黒、湾岸LIVEでの赤金に並ぶアシンメトリー礼賛衣装として私の周囲では高評価です。北斗さんの白シャツが背中でウエストからはみ出していたのがご愛敬(笑) 揃ったストライプスーツを着ても、てんでばらばらなとっ散らかった私服風衣装も、いずれも”It’s very SixTONES”。ああ、素敵。

そして、「WHIP THAT」!最高に”SixOTNESな”パフォーマンスで客席巻き込み燥状態の中、突然すんっと曲がきれて前半を終える(記憶違いかもしれませんが初日は曲終わりまで通していませんでしたか?)なんとご自分達のみせどころと客席の巻き込みどころをわかっておられること!

 

他のグループのライブでは贔屓なく「目の前に来てくれた人を盛り上げる」派の私、SixTONESのライブにおいては間近に他のメンバーがいらしても、豆粒のようにしか見えない遠くであろうが、背を向けられていようが、常に北斗さんを見ている真に貞淑な(笑)ファンなのです。しかし、「With The Flow」でだけは”樹君と踊って”いました...一聴した途端「これ好きっ」となったこの曲*11の間だけは樹君に”踊らされていたかったのです。北斗さんの『俺のこと好きな人はあんた(樹君)のこと好きじゃないよ』との言を覆す行動。樹君ありがとうございました。北斗さん不在の時間帯の背徳感、ごめんなさい(笑)。

ユニット曲では「LOUDER」もとにかくカッコよくて、Summer Paradise2018で”ダンス楽しくて仕方ない人達”に分類したお2人が、ちょっと難題に挑んで結局軽々こなしている感が素敵。私があれ程踊れたなら…ただ、ただダンスに見惚れて心中で歓声あげながら見ていました。

…ここまで書くと北斗さんへの手紙なのに失礼ですよね。失礼ついでに書いてしまおう。静岡で最も大喝采したのはメンバー不在のMCでアングルや寄り方を次々に変えてドラマチックにカゴを映し続けて下さったスタッフさんのプロたる茶目っ気。被写体がアイドルだと普通に見えている演出が、0番に陣取るカゴとなると仰々しさが可笑しくて。皆さんの喋りにではなかったの、ごめんね。

「共鳴」は歌詞の固さに加えて初披露ではさすがのSixTONESさんも歌いこなしてはおらず「歌謡曲風?ジャズ?」とちょっと戸惑いました。歌番組などでの披露も経てこなれてきた難曲を楽しみましたが。最初は固くて噛み切れないが噛めば噛む程に味がでる。これぞするめですよね。

「真っ赤な嘘」は鏡抜けで高地君と入れ替わるところが好きでした。髙地君は淡々と、ネガティブというより魂抜けた感じの北斗さんと完璧に対称をなしていてWinkみたい(笑)。

「ってあなた」でもそうでしたが、北斗さんはステージ正面に向いていないことが多いので、座り込んでいた北斗さんが何かに弾かれるように立ち上がる様や表情はメインステージ上手側横上方の制作開放席から具に知りました。静かな動きの中のバネ仕掛けのような動きが鮮烈でこちらも虚をつかれたようになりましたが、落差は恋愛巧者的な強気の「Odds」「Papercut」からこの曲との在り様の一転にもあって、北斗さんの入り込み方といい、消耗しそうな曲だと思って見ています。on eSTでは袖で涙ぬぐう弱い男として姿勢を崩さず「ってあなた」を歌った北斗さんが「So Addicted」ではマイクの持ち方も妖しい、ねめつけるような挑戦的な眼つきで背を丸めている変幻自在さに感嘆していたのですが、今回もよい物を拝見しました。拍手。

2018年のSummer Paradise前に「文学的な歌詞を情念的かつ理屈っぽく歌ってほしい」と書いた*12事を思いだしましたが、歴代北斗さんのソロやユニット曲は内省的で自己完結している感があり、他の方達のそれと異なり踊ったり歌ったりこちらが”参加”するのではなく黙して”鑑賞”する感。主観で世界観を冒涜したり意図を読み違えたりしては申し訳なくて感想を書きにくい。それこそが松村北斗、などとこちらが思い始めた途端に今度はあざとき弾けたほっくんソロが私達を煽ったり踊らせにきたりして(笑)

 

初めて入った制作開放席。「Rosy」で”整列”するところが真横から見えたり、「S.I.X」.まで踊り続けた後の煽り(挨拶?)の時にSカレーターのレールの陰でストレッチする(?)髙地君が見えたりと面白い席でした。音、特に歌が明瞭に聴こえる席でもありました。会場によるのか席によるのか、ここでは音の割れることもなく、同じ高さで真横の席なのでSカレーター上の1人1人の声がくっきり聴こえました。例えば「Lost City」の樹君の高めのアドリブ(であっているかしら))よく響いてきたり。皆さん、主旋律を支え彩る地味な努力をされているのですね。

「Imitation Rain」でも歌う姿は隠されど、席位置のお陰かあるいはこちらが勝手に忖度しただけなのか、樹君の心の奥底から絞り出すようなラップがいつも以上に心に響いて来て、どんな状況も内心の葛藤もパフォーマンスで昇華されるようにと祈るような気持ちで聴いていました。このTHE FIRST TAKE Ver.は原曲の若さや荒々しさが編曲で成熟に変わり、大事に大事に歌いこんだが故の質や解釈の深まりが感じられますし、より想いがのせられているように思います。新曲をどんどん出して下さるのも嬉しいけれど、同じ曲を違うアレンジで聴かせて下さるのは新たな物語が綴られていくようで嬉しいものです。THE FIRST TAKEは勿論挑戦ではありますが、ダンスや演出に気持ちを割くことなく歌に専念できるという点で、昨秋書いた「たまには端から余裕をもって歌える曲で声の美しさや歌唱の上手さを世間に知らしめてくれてもよいのに」との願いがより高い水準で叶ったようで嬉しく思いました。

そして圧巻は 「Good Times」の多幸感!試聴だけでも、たとえ京葉線ホームでもNYですかそうですよねって気分で踊りだしそうで危険な大好きな曲でしたが、ライブ本編ラスト、大好きな人達と”また会えるために見送る”という素敵な時間に金色の紙吹雪舞い散るこの最高の幸福感。どれだけご自分達が美しい光景を作り出しているか、ご存じですか?そこに謎にclapしすぎて手を腫らしながら自分も美しい世界の一部になれる陶酔感にもう少しで泣きそうになります。

グッズ

SixTONESのグッズにはずれなし。今回も所有欲をかなりそそられました。

色合いもシックなバッグは防振双眼鏡が横向きに入るマチ幅にうちわ収納サイズ+自立+コーティングがありがたい。高さと硬さ故、電車でスマホを見たりするには膝上で寝かせるか床に下ろすかの選択になりますが、雨の公演ではビニルコーティングに感謝しましたし、懸念された持ち手の色移りも防水スプレーで白ダウンコートも無事でした👍
ペンライトを手放せるようにとのご配慮に基づくネックストラップはデザインもチャームも素敵。しかしペンライトを振るとかちゃかちゃ音がしてしまい、そのままかけると我々のペンライト打点には間に合わない(高くあげるなって事っすか)。ということでチャームを手の中に握り、ハンドストラップで延長し愛用しています。

勿論、パーカーも愛用しています。パンフレットは豪華になりましたねーと思う反面、独自性が少し減ったかも

以上、customer’s voiceでした

結び

2度の冷雨を越えて持ちこたえた桜吹雪の中、半年皆勤したカムカムエヴリバディも大団円を迎えました。稔さんは物語中の全ての出来事に通底する願いを提示する本当に重要な役どころであったのですね。再登場の白軍服に歓喜し、前日の涙から一転、笑顔で終わった見事な最終回を万感の想いで見届けました。北斗さんをきっかけに傑作に出会えたファン冥利、ありがとうございます。そして第111回の『意味があるかどうかわからんけど、誰かのことを思うてやるんで、ええんとちゃう』との一子ちゃんの言葉に後押しされ、手紙を書き上げました。 

来週は新潟、ツアーも続きますね。ドラマも始まり(これも楽しみです!)お仕事満載でお忙しい中ですが、どうかご自愛下さいませ。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                   かしこ

2022年4月12日

*1:SixTONESについてはオープニング曲が当たったことがない。悔しい反面、嬉しい

*2: MJのThe Dangerous Tourのオープニングかと思いましたよね。Live In Bucharestの冒頭の2分

*3:R2-D2あるいはメカゴジラドラえもんになったみたいな”とライブ中の走り書きメモにあり。咄嗟の感想って…これを書いた後で慎太郎君がYouTubeR2D2と口にしていてちょっとぞくっとしちゃいました(笑)

*4:”Wish I could rewrite, erasing the good-byes”と儚げに歌いながら天に帰っていくのはわかります。”There's no going back”と歌いながら後退して行くのにはちょっと笑ってしまった

*5:トーチ振り回す姿に懐かしのBRAVE SOUL思い出しました。杖術かっこよかったですよね

*6:もっとやれ~✊と心の中で煽りながら一緒に跳んでいます。が、落ちない?壊れない?って揺れ具合…

*7:on eSTでの天井席ならではの楽しさ。アンコールのこの星のHIKARIで星型のレーザー光線がスタンドを流れるのに気づいた感動、メインステージモニターの幅広さの威力とありがたさ(アリーナ席では顔に折れ線が入り歪んで映る)Special Orderがしっかり見える喜び(センター近くでは角度的に見えない)。天井席の困りごと。on eSTで初SixTONESライブを体験したKinKi、V6ファンが横浜アリーナ北スタンド最後列で参加した感想を問うと開口一番「まぶしかった」。それは比喩でキラキラ眩しかったとか、KinKi兄さんやV6兄さんとの比較で(失礼)というのでもなく、メインステージ上方からの照明が強すぎてパフォーマンスが白飛びして見えなかったとの由。今年は同じスタンド後方上段でもそのような印象はなく、あの壁の照明の威力とはいえ困り事は一件落着

*8:北斗さんがご自分を好きな人を鑑別する材料がなくなりますが

*9:例年、駅で転んだり踊りながらスタンドの段差を踏み外して落ちていったり、双眼鏡を何度も落としたりと気も漫ろなSixTONESの初日。今年は恙なく...と思った帰り道、新横浜を出て東神奈川駅で乗り換え、あれ、また新横浜駅にいる…と結局やらかしました。きっと一生、このままです...

*10:これも映像をYouTubeにあげて下さったお陰でじっくり拝見できました。そういえば、on eSTの冒頭の衣装、ドキュメントの映像では刺繍付の襟があるようですが、私の記憶では北斗さんは丸首白シャツ。踊りやすさとか涼しさといった機能重視だったのか、耶雲監督も蜷川監督も大注目の北斗さんの胸元を強調するためだったのか。上衣が豪奢なのでちょっとさびしい印象で。あの襟はいずこ…

*11:海のイメージの曲だけれど、MVの大我君のチルデンセーターとパウル・クレー(?)の画によるのか、真夏のビーチではなく、晩冬のひっそり鄙びた海沿い(南仏の田舎か、二宮~国府津あたり)をぬくぬくコートを着こんで屋根開けたカブリオレをゆっくり走らせている、仏映画的くすんだ色合いの映像の印象。樹君には旧型のマスタングコルベット、旧型BMWかSAAB、一周回ってコペンS2000、大我君にはマセラティジャガー等色っぽい欧州車か庶民的にプジョー。そこまで妄想を繰り広げた曲なのです

*12:007

050: 2021年12月23日_SPIDER-MAN No Way Home、カムカムエヴリバディ011-017、ニュージーズ

拝啓

 短日の候、年毎に年末年始の忙しさを増しているように思える北斗さんとSixTONESの皆様、スタッフ各位にはお元気でお過ごしでしょうか。私は日の短さと寒さに負けそうな気持ちを30日のジャニフェスと1月4日のFeel da CITYを思い、やり過ごしています。。。と、書いた途端の北斗さん不在のCDTVライブライブ。予定通りにメンバー不在のJr.祭りや少年たちの経験はあれど、体調不良との説明に胸が締め付けられる思いでした。

CM前映像の5人にTLでは「北斗、トイレ?」などと長閑な人もいましたが、文字通り胸って”ざわつく”ものですね。年始に至る過密日程を考えればやむを得ないとはいえ、何より(勝手に自分と思考回路が同じように思ってしまっているので)北斗さんが悔しかったろうと胸中を慮ってしまいました。
何か成功を得るたび気苦労も負ってしまっているような北斗學園日直さんには時々かける言葉もないと自分の言葉の不足を悲しく思うのですが、今回のブログには救われました。でも、本当に、本当に、心からお大事にと祈っています。きちんと食べてしっかり眠ってくださいね。私は誰がいなくても生きていける一種さびしい人間ですが、よりよく楽しく生きるためには北斗さんとSixTONESが必要です。そして、時にはこうやって気をもむことで、自分がどれだけ何かを大事に思っているのかと身に染みるものなのですね。

新年からのFeel da CITYツアー、本当にありがたいことにon eSTにお誘いした方からお返しに声をかけて頂いたり、友人が当ててくれたりで参加させて頂けそうです。私が賞賛の言葉を綴るまでもなく音楽誌のプロから早々にお墨付きを頂いているCITYも、お馴染みになったプロモーションの「街散策」も、digeSTも楽しんでいます。1月はデビュー時ハイタッチ会の振替(笑)配信も頂けるようで、お心遣いありがとうございます。

 SPIDER-MAN No Way Home / Rosy

SPIDER-MAN No Way Home、21日に観てきました!Rosyの件を知る前にTOHOシネマズ会員の試写会に応募して当たっていたのです。字幕版だったのですが、あの映像のどこかにRosyが流れるのですね!

MVの洒脱さ無頼さかっこよさ、初披露から完成度高くて驚かされた音楽番組のパフォーマンスの跳躍、ハイキック!私の好きなものてんこ盛りです。主題歌の役割を果たしつつもSixTONESの個性もしっかり見せていて、わくわくして観ています。別の曲の流れるエンドロールも素敵だったのですが(その前のパートで流れるのかしら)Rosyが映画館の音響で大スクリーンを背景に流れるのを心待ちにしています。

No Way Homeを観てから、以前から日本版スパイダーマンがあったらジェシー君に演じて欲しいと思っていたのが、これは北斗さんだわ、と思いました(理由はネタバレしてしまうので書きませんが)公開を待ちわびていた映画が12月以降続々封切られるので、よいスクリーンでかかっているうちに映画館に何回か足を運びます。HOLiCの幕間映像も解禁され、こちらも映画館で遭遇できるのを楽しみにしています。

 カムカムエヴリバディ EPISODE 011-017

前回EPISODE010まで感想を細々書きましたが、カムカムエヴリバディも衝撃の「雉真稔 松村北斗(写真)」から実体は戻ることなく妄想や回想に登場するだけになり、寂しいことにとうとう安子編も終盤。私もう、安子ちゃんに共感できません。1か月に3回も倒れるヒロインに怒りを感じています。勇ちゃんをふるなんて!!と本気で怒りたくなるくらいドラマに入り込んでいます(笑) 濃密さと速度を保ったままの素晴らしい2か月でした。

011以降では「素敵を形にしたような」非の打ちどころない稔さんが自分の甘さを突き付けられてうじうじ葛藤したり、弱さ、憤りなど人間臭さを露呈する展開になり、松村北斗ファンとしてはただの好青年より(そちらも勿論大好きだけれど)嬉しかったりしました。対する大人達の在り方も、橘家、雉真家双方のご両親の親としての心情も細やかに伝わってくるから納得させられるし、2人の結婚を認めた千吉さんにも情だけでなく確かな”理”があるその説得力。

脚本なのか、演出なのか、俳優側の創り出したものか、神社で千吉さんに安子ちゃんと結婚するよう告げられた後の数分は圧巻でした。想定外の弁に、小さく息を吸いこむ稔さん。頭取の娘さんとの縁談取りやめを聞いても、はっと小さく息をもらすだけで、喜ぶより先に雉真家を心配する長男。安子ちゃんとたちばなをほめる千吉さんを見る稔さんの表情、去っていく千吉さんの後ろ姿に深々礼をして、大きく息をつく稔さんに、何か月分もの辛い時間が伝わってきて、今、ようやく久々に呼吸できたのであろうなと共感しました。

結婚を申し込む稔さんの吸い込んだ息の緊張感、「僕と」と言い出した後の万感こもる間。告げた後にまず安子ちゃんを思い遣って涙をそっと拭いてあげる稔さん。そんなシーンにありがちな、例えば安子ちゃんを抱きしめたり、何か気の利いた言葉をかけたり、といった”自分”の気持ちを前面に出す行動ではなく。そんな人だからこそ、別れを決め、家のための結婚を待つ板挟みの日々の辛さはいかほどであったろうかと思わされて、その稔さんの人物造形が本当に見事だと思いました。というより「稔さん」に心うたれた。まさに画面に生きていました。

北斗さんの演技に感嘆したのはその後です。1か月のa blessed timeには念願だった”稔さんの笑えるシーン”もありましたね。定一さんの言葉にコーヒー吹き出したり、安子ちゃんに目をやっては嬉しそうだったり、はしゃいだり。私にも心楽しい時間でした。北斗さんはこれで、メンバーどなたもされていないプロポーズ→挙式を3回、子をなすのは2回目ですね。皆、初々しい夫で(笑)

この後のるい編、ひなた編でもお姿を拝見することはあるのでしょうか。最後まで見届けます。4K保存は003-016と第1~4週まとめだけの依怙贔屓はしますが(笑)

 

超絶お忙しい中の、不躾な長文、ご容赦下さい(読まれるの、1月末とかだったりして...)30日はドームで!1月には横アリで! お目にかかるのを、そしてどんな驚きが待っているのか、どんな素敵な街に誘われるのか、心から楽しみにしております。

表に現れるスケジュール外にさらにご多忙なマネージャーさん達、スタッフの皆様、どうか、どうか、恙なく年末年始を健やかにお過ごし下さいますよう。そして何より北斗さんとSixTONESが。楽しく健康に無理できますように。微力ながら、お祈り申し上げます。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                 かしこ

 2021年12月23日

追伸:

この便箋、Rosyというよりマスカラっぽいピンクのケイトウ柄。この色の便箋なら書かねばなりませんでした。ニュージーズ。とにかく、楽しかったです。2階席まで若いエネルギーの波動がすごい圧で伝わってきました。その中心で波を起こしてはかき回しているのが大我君なんて、なんと幸せな事か。その伊達男っぷりにはこちらがちょっと照れ笑いしてしまったのですが(ごめんなさい)、だてに演じていたわけじゃない。先日のFNS歌謡祭での女性への手の差し伸べ方、握り方、肩の抱き方の堂に入ったこと!「仮想女性」的存在しか登場しないSixTONESのMVなどでは知り得なかっただけでしょうか...またジャックに再会できる日を楽しみにしています。

048: 2021年11月17日_カムカムエヴリバディ006-010、アトリエの前で

前略ごめんくださいませ

 土曜スタジオパーク、楽しく拝見しました。北斗さんご自身は「急に喋り過ぎる」との認識だったようですが、ワイプで勇ちゃんの苦境を本当の身内事のような辛そうな目で見ていたり、容姿を褒められれば気持ちよくお礼を延べ、上白石さんの印象やANNにかけたオチまでつけたり、と、全国の稔さんファンにも好感度満点の「程よい松村北斗感(ほんのり猫被り)」が届いたようで、何よりです。

4月のビジュアル第一報に北斗さん学生服似合うわーと思っていましたが、想像以上に評判になった稔さんとこのドラマは、私にとっても現時点での北斗さんの最高傑作だと思っています(いずれ更新されることとも思いますが(笑))。

「稔さんファン」の中に楽曲パフォーマンスをする北斗君、ANNの北斗(つっこまれるまでもなくスタパで番宣までしっかりされていましたね)、変幻自在な北斗學園日直、アトリエの前でのDEEP松村...めくるめく松村北斗ワールドにまで辿り着き堪能される猛者の多からんことを。

北斗さんのお陰で30年ぶりに復帰した朝ドラですが、身贔屓抜きで展開は面白いし、脚本・演出に感嘆し、それに応える北斗さんはじめ俳優陣の皆さんの演技を楽しんでいます。 7時半から23時まで毎日4カムカムしていますが、新たな発見が毎回ありますし、どんな朝も「7時半」を目標に起き上がる元気が出ます。日中ふと「何故自分はこんなに疲れているのだ」と思い、朝っぱらから泣いているからかも、と反省した日もありますが(笑) とにかく大好きなドラマに心動かされっぱなしです。

 EPISODE 006

予告ではただただ、稔さんの学帽+マントの素敵さに喜びに打ち震えていましたが、姿勢に気を遣ったりの工夫の賜物だったのですね。川辺を歩む姿、きっちり被った学帽を片手で前から押さえ直す所作が端正なこと。対する勇ちゃんがちょっと斜めに被っているのもよし...。などとのんびりした事を書いている場合ではない。

往復書簡の語りを軸に、彼岸花咲く時期から晴れ着、餅つき、甲子園予選を経て木枯らし舞うまで月日の移ろう15分は圧巻でした。しかも2人の心模様のみならず、語学授業や煙草の名称の変化、ボールの修繕などの映像から社会情勢が伺える脚本と演出の素晴らしきこと。手紙も(古今東西、なぜ想い人には月の事を書いてしまうのでしょうね)例えば「約束、守れなくてごめん」の読点の間に申し訳なさが滲んでいるし、明確に不安とは書かない安子ちゃんの気持ちを汲み取りOn the Sunny Side of the Streetの歌詞を綴る思い遣り。旭川大和川、それぞれの河畔と距離はありながら、重なる声の響きと樹々から零れる陽光の美しさに朝から泣きました。はあー、今週も朝から幸せ、と、しみじみ思った月曜日。

 EPISODE 007

算太兄さんのご帰還。ダンスホール無声映画風回想シーンが、お洒落で好きです。何やら犯罪の匂いのしてきた算太さんに対してもきぬちゃんの言葉や食卓での笑いで救われるし、借金取りすら「饅頭怖い」の一節を言い捨てていったりするので暗い雰囲気になりきらないのはドラマにも”人徳”みたいなものがあるのかしら。日常の様々が戦時色に変わっていっても空気感を表すだけで不安や不平不満を声高に語らず、ケチべえさんに社会情勢からくる言葉を語らせても吉右衛門ちゃんにつっこませることで緩和させてくれるので、朝から見るのにありがたいです。

 EPISODE 008

006の往復書簡の展開に驚かされたのに、すぐにまた、こんな回があるとは。

主題歌が終わり、残り2分で何が...との想像を上回る展開。2カムカム目の朝8時、最後2分を知らなかった7時43分の自分に戻ってもう一度「やられた..」と思いながら見たいと、どれだけ願ったか。

15分の中にすごいドラマがありながら、忙しない感がないのは演出と脚本のキレとテンポの為せる技。台詞や説明を入れずとも、社会情勢も感情も、表情、音声、背景から自ずと伝わってくる。

下宿で「何時の汽車で帰るん...?」と気遣ってあげる稔さんの、映画に誘おうという意図は言葉の切れ目と同時に映画館のシーンになることでわかる。通常なら盛り上げる好機とばかりに映すであろう、汽車の走行音に紛れて泣き出す安子ちゃんの表情は直ちにタイトルバックに切り替え、アルデバランが心情を代弁する。事前に聞いた時にはAIさんの歌い上げる感じが和菓子に似合うかしら、と思っていたのですが、ここでこの歌の意図が腑に落ちた気がします。(実はEverlastingも主題歌でいけるわよね、などと思っていました)

同じく”秘すれば花”的だと思ったのは、岡山駅の車中で安子ちゃんに問いただす稔さんを映さなかったこと。うっすら震える声だけで稔さんの胸中が全て表現されているようで。この、多くを語らない脚本と演出においては俳優さんの力量は本当に重要だと思うのですが、この回の上白石さんと北斗さんには心から盛大な拍手を送りたい。

下宿で思いがけず安子ちゃんに会った時、駅で「それじゃあ、またね」を発した時、それぞれに籠る稔さんの様々な思い。「ありがとうございました」と駅で別れた後の(またね、にありがとうで返すとは...)数秒間と、岡山に着いた車中で稔さんを見た時との、安子ちゃんの思い。複雑に入り混じった、文字にしても陳腐にしかならない感情をテレビの前の私達に伝えきったお2人の、脚本と演出を活かしきったことに脱帽です。

...ところで、下宿の”イ”号室の鈴木君、とっかえひっかえ女性に手を出してはひっかかれて顔に絆創膏って、どこかで聞いたような...(笑) 

 EPISODE 009

タイトルバックの小しずさんの後ろ姿。台所のほの暗い灯りが娘を思う母の気持ちを思わせて。そして戸口から入ってきた稔さんを見た瞬間の金太さんの表情が幾度見ても秀逸なのです。それも瞬時に主題歌に切り替える演出の冴え。

夜遅に娘が伴ってきた男性の挨拶という緊張の場面なのに、たちばなを褒められてご満悦の空気読めない杵太郎さん、安子ちゃんの異変に起き出して来て盗み聞きする店員さん達などちょっと笑えるポイントがあって小気味よい。その演出の安達さんをして『第9回の長いシーンはこちらもどきどきしながらリハをやりました』と言わしめる場面。『松村さんは奇をてらうことなく真摯にやってくださって、誰もがすてきな人と思う人物になっていました』と語っておられましたが、さすがのひささんも神妙にさせる、作為を感じない稔さんの佇まいと誠実さに私も心打たれました。

が、ただ誠実なだけでないのが雉真の跡取りたる稔さん。100点満点の自己紹介に挨拶(さりげなく出自もアピール)。先にたちばなのお菓子を褒め、無礼を承知で、さしでがましいが、と誠に礼儀正しく断りながらも安子ちゃんの縁談に理がないという理詰めのプレゼンから始める。事実関係を冷静に説明し、安子ちゃんを好きになった理由を理路整然と説明し。そんな、商談のようにご家族と話をする稔さんが金太さんから「どんな付き合いか」と問われ、ほんの一瞬、息を継いだようにみえたのも人間らしくてよいですね。そして、ご両親の気持ちも十分汲める稔さんの「夜分に、お邪魔しました」の絞り出すような声...北斗さん、本当に素敵な稔さんなのですね。

たちばなとは好対照な雉真家の明るい照明、稔さんの帰省にはしゃぐ美都里さんを優しく困ったような顔で見る稔さん、千吉さんに前のめりで和菓子中小店舗の趨勢を聞く稔さんを横目に見る勇ちゃんの表情。キャッチボールにかこつけて、さらっと告白する勇ちゃん。そこでTo Be Continued…って罪作りな...

 EPISODE 010

北斗さん、実生活では兄の立場の村上さんに対して、ご自分の弟属性が現れてしまうのではないかとあやぶんでいらしたですが、キャッチボール中「兄さん」と呼びかけられた時の「んっ?」って顔が、誠に”お兄ちゃん”でした。「娘はやれん」と言われたと話す稔さんが一瞬笑った(?)意味を考えてしまいます。

表情を変えず真っ直ぐな目で「許してもらおう」と言い切り、開戦を告げるラジオにも顔色一つ変えずに冷静に情勢を分析していそうな稔さん。逆に直情型の勇ちゃんが、甲子園の中止に声一つたてなかったその無念さも想像に余りある。

お菓子が作れなくなったこと、ラジオ英会話の中止。次々生じる事象がコロナ禍の状況と重なって余計に共感しやすいのかもしれません。しかしそれをおいても、ほとんど表情を変えないのに視線から家族との問題や時勢に対峙する意思が伝わってくる北斗さん、瞳の揺れだけで胸中を知らしめる上白石さん、目線を落とすだけで落胆と悔しさがわかる村上さん、抑え目な脚本と演出に俳優陣が応えているのが本当にすごい。その静かさに真実味があるように思います。

思えば、説明台詞やナレーションがほとんどないこのドラマの重要な狂言回しはラジオだったのですね。安達もじりさんも『ラジオを登場人物のひとりのように撮っていてる』と書いておられましたが、確かに橘家の食卓に共についているように見える時もあり。

放送開始前(10/23)「お兄ちゃん、跡とりだから庶民の娘とは結婚できず、弟君とヒロインが結ばれる展開に一票」と書いた私の予想、当たってしまわないように...

ここまで書いてはっとしたのですが、私は北斗さんに、ではなく稔さんへのファンレターを書いているような...稔さんファンの方達の神格化が進み、現人神化、あるいは英霊となった暁には、「中の人」の北斗さんに「稔さんのイメージを傷つけるな!」などと苦情がきてしまったりするのかしら...いや、朝ドラ俳優っぽいですな...

 

ここまで各話の感想に再三書いてきたように、カムカムエヴリバディの好きなところは、視聴者の抱く感情を過剰な音楽や説明で押し付けてこないところ。それでいて、恐らく皆さん、同じ理解をしているハイコンテクストさ。そして暗くなりそうな展開にほんのりした笑いがはいることで緊張が緩和されるところ。

安子ちゃんにとっては青天の霹靂の見合い話の最中でも「政略結婚」「魂胆」と言い切る杵太郎さんや「(私達は)恋愛結婚♡」と惚気るひささん、盗み聞きの店員さん達。「米英のスパイ」という衝撃発言にも淡々とラジオ体操を続ける、人生3回くらい生きていそうなきぬちゃん。時勢のリアルを代弁するケチべえさんの発言を中和する吉右衛門ちゃんの名ツッコミ。遅刻を吉右衛門ちゃんの名演説でかばってもらった安子ちゃんに現れる、コメディエンヌ上白石さん。服もお菓子も手に入らなくなることが嫌だと平然とのたまうマリー・アントワネットのような美都里さん。初対面で遠慮なく、おぼこいな~って言い放つくまさんと、その大阪のおばちゃん的長口舌をぶった切る演出(笑)(くまさんはこれから活躍されるのでしょうか、楽しみ)

...で、稔さんには、笑えるシーン、ないんでしょうか...(笑) 欲しいなあ...

 

このドラマのもう一つ好きなところは、時代からとはいえ、手紙の価値を全肯定してくれたことです。書くことしかできませんが、書くことこそ自分のできる応援だと思っている私には、手紙のやりとりで心通わせる二人を見るのは嬉しいことでした。6月にお手紙して以来10月まで、書く意欲も内容も枯れたかのように思えていたのに、今や毎週筆を執ってしまうくらい、感想があふれ出てしまうのです。

ヤフコメですら高評価ばかりで逆に気味悪いくらいの本作(笑)、様々な評を見るに「稔さんには俳優松村北斗の人格が滲み出ている」とは衆目の一致するところのようで。スタジオパーク松村北斗にさらに好感を持ったであろう”稔ファン”の一部をANNに誘導し、思い切り”反・稔”的な喋りをくり広げた北斗さんの真意は「構わねぇビビらせてやろうぜ」なのでしょうね。稔さんを「素敵すぎて 「素敵」の形に見えていた感じ」と評されたように、評価が高くなり祭り上げられそうになった途端に”虚像”をぶち壊したくなるのでしょうか。自分という人間を他人に簡単にわかったように語られたくない気持ちは非常によくわかるし、”篩”に残った人達は長く応援して下さるでしょうから、それもよき方略なのかもしれませんね。

が、そうなのであれば「人間性が演技に現れて」としつこく書いた私は平身低頭せねばならない。でも、キネマ旬報には『「求められるこ と、やるべきことをやって、そこにその人の好きなものや自身の魅力がついついにじみ出ちゃう」バランス感覚が素敵な俳優』『 "人としてどうか”~いくら閉じ込めても漏れ出ちゃうような、その人から香る何かっていうものをすごく魅力的に 感じます』と語っていらしたですよね*1。だから自分は間違っていないぞって自分をなぐさめています。そう「スクリーン」に続く映画専門誌(しかも、かなり手厳しい)キネ旬登場おめでとうございます!表紙効果もありましょうが重版とのこと。多くの方に読んで頂けますように。

 

雑誌といえば「アトリエの前で」拝読しました*2。連載も当たり前ではない昨今、残して頂けて本当に嬉しいです。この連載ではいつもそうですが、動き回り汗をかくライブでは難しそうなチャレンジングな髪型、素敵ですね。

今回紹介されていた「青の炎」。母親と元夫との関係を知ってしまった秀一が、はっと身体を固くしたその表情が、今だに二宮和也という俳優に最も凄みを感じた表現だと思っています。今よりもさらに捉えどころのない少年だった二宮君の表した、衝撃、嘆き、怒り、困惑、絶望などの入り混じった鋭く強い負の感情。ストックがなくとも俳優としては表現できるものなのか知る術もありませんが、彼の経験に基づくのであればそのこと自体は気の毒に思いつつ、あの表情を引き出したのであれば見る側としては否定し難い。いや、むしろありがたいとすら。

「内側がスカスカ」して「正解を見失ったように思って」の理由も時期も現状も、こちらからは窺い知るも難しく、残酷かもしれないですが「失敗」も「悩み」もせめて表現者としての栄養になってくれればよいのにと願うしかないのです。星も人も失ってきたとの言に「私は一緒にいるよ」などと応じても、そのような言葉が空疎にしか響かない時があることはよくわかる。むしろ自分が書くなど烏滸がましいとも。だから、ただ、そんな今夜、を北斗さんが味わっていることを否定も肯定もせず、ただ読むことしかできないのですよね。でも、聴く人である私達に対して「君が負けそうな時にはDon't worry, We'll be right here」と歌い、「星のない夜」に共にいた人々を歌う人である北斗さんに対しては、ただ毎度毎度、諦めずにこう締めくくることにしているのです。

「いつでも、どんな北斗さんも応援しています」

                                 かしこ

2021年11月17日

*1:11月下旬号[No.1879]

*2:2022年冬号

047: 2021年11月8日_カムカムエヴリバディ001-005、きのう何食べた?

拝啓

 立冬にしては暖かな秋晴れの今日、休日関係なくお仕事お疲れ様です。とんぼからは無事に逃げられたでしょうか*1。昨日の「良いSixTONESの日」は嬉しいお知らせをありがとうございました。土曜の午後、のんびり書類仕事で残業して夕方帰宅したら友人達が大騒ぎになっていました。私も心踊る気持ちで”街への移住計画”を練っていますが、きっと期待をまた、ひょいっと超えてこられるのでしょうね。まずはツアー申込をせねば!
北斗さんがお痩せになって見えたのは役作りではないと雑誌で読みましたが、ツアーは公演数も訪れる土地も増えた5か月の長丁場(嬉しいですね!通年でライブ行脚して下さってもよいのですよ~!!)お忙しい中、せめて土地の美味しい物を召し上がっていただけますように。そして、北斗さんの”里帰り”公演も楽しみにしています。

 

今回は、カムカムエヴリバディ第一週の感想を、と思い筆を執りました。放送開始前からお任せ録画の量に、連続テレビ小説に出演するという事の凄さを改めて知りました。朝ドラ宣伝番組の冒頭から登場する北斗さんに嬉しく思い、事前のステラの配信イベントでは製作統括の堀之内さんのお話に感銘をうけました。本作にこめた、100年前から連綿と令和に続き、次の100年へと繋がる人々の暮らしの流れの中に”自分”がいる意味を考えて欲しいという願い。内容と視聴率の両立は勿論目指すが、目先の派手さではなく年月を経て観た方にも発見できるようなメッセージをこめた作品を作るという矜持。毎日放送すれば朝ドラというわけではなく、出版、イベント等関連する全てを含めた朝ドラという放送文化であるという気概。朝一番に素敵なものを見て幸せな一日を過ごして欲しいという想い。北斗さんが素晴らしい製作者の方達と作り上げた世界、稔さんが”生きている”世界を毎日共有できるって、感無量です。きちんと朝ドラを見るのは92年の「ひらり」以来ですが毎日7時半から23時まで1日4カムカムしています。

 

予告映像の数々から想像はしていましたが、EPISODE 001のタイトルバックにマイクの洒脱なモノクロ画面を見た瞬間、このドラマが好きになると直観しました。穏やかなピアノ曲と懐かしい字幕文字、セピア色の映像が徐々に色づいていく流れに、前述の堀之内さんの、”100年前も人々の生活はモノクロだったわけではなく、色鮮やかな暮らしを送っていたのだ”、という言葉を思い出してわくわくし、物語にひきこまれました。002以降も背景が小豆、安子ちゃんの背中、目覚まし時計、お豆腐と毎話変わるので、次は何だろうと想像したり、内容を予想したりして楽しんでいます。

先日、ナイツテイルを観劇して上白石さんの歌とお芝居の上手さ、可憐さを素敵だなーとすっかりファンになってしまったのですが、展開や背景が暗い流れになっても不思議と希望や明るさが奥底から照らしているような方ですね。北斗さんも上白石さんを目の前にすると自然な笑顔になってしまわれたのだろうなと、画面を観ながら思っています*2。その上白石さんに、北斗さんが「すごく奥ゆかしい」「とても信頼できる方」「品の良さやある意味での賢さのような雰囲気は全て松村さんがお持ちだった」と評して頂いたことが、どれだけ嬉しかったか!

先日のテレビガイド*3で北斗さんは、ファンには自分の人間性ではなく、世に送り出す作品自体を評価してもらうのが理想的と書いていらしたので私もそうしようと努めてはいます。が、その人の”今まで積み上げてきた物や人となりは作品から滲み出て人を魅了するのですよね。
例えば稔さんが自転車の乗り方を教えてあげようと申し出る場面。教えてあげる立場なのに「よかったら僕が」、相手の都合を慮って「ごめん、忙しいのに」と付け加えるところ。私には普段の北斗さんの文書や言葉に感じる配慮と共通しているように思えて、だからこその台詞が説得力をもつようにも思えました。自転車練習で意外に強引な教え方なのも、ちょっと北斗さん的じゃない?って思いましたが(笑)。

作品さえよければ人間性は問わないという考え方も一理だし、俳優さんとしては好きでも”その人”に興味はもてない方もいるけれど、人となりが好きな人とその作品は胸を張って応援できるのですよね。

同様に、ドラマもストーリーや演技だけでなく、映像の中に含まれる情報全てから役柄としての視点や、時節が想起されるかが、自分には作品に入りこめる要素として大きいと思います。北斗さんのコメントにあった「夜になれば静かで、足音もはっきり聞こえる、日常の音がきれいに重なり合う」世界。蝉の声やラジオの甲子園実況が響き、稔さんの額の汗や握りしめたハンカチ、安子ちゃんのかき上げた髪の下から現れるほんのり上気した頬、地面から立ち上る陽炎…本当に繊細な小さな表現から、晩秋の関東にいても100年前の真夏の岡山に心を遊ばせられます。

音といえば、稔さんの岡山弁の柔らかで歌うような抑揚の美しさや優しさにも心和まされます。EPISODE 003の「失敬しました」「おっ、そんなよろしいんですか?」の声音だけで”将来を嘱望された御曹司像が立ち上がってくるようです。005で辞書をあげる時の「悪いけ”ど」のように少し濁音になるところは難しそうですね。「僕も返事を書くよ」の稔さんの声、これまで北斗さんの声としては聞いたことのない響きで、北斗さんの声色の引き出し、まだまだあるのですね。
英語も、予告の時点でバイリンガルの友人から「安心して聞けますね」とお墨付きをもらいましたが、正確さだけでなく、上白石さんの仰った「英語が『すっごくきれい』『すてきな音になる』」に本当に同意します。Coffeeで下唇をくいっと噛む律儀な発音や、syllableの流暢さ。努力もさることながら、北斗さんは耳もよいのでしょうね。以前も書きましたが、Amazing!!!!!!の”四面楚歌 not a matter”のsyllableからして既に、美しかったですもの。

EPISODE 005までの稔さんは、北斗さんとしては「『素敵』の形に見えていた感じ*4」と評していらしたけれど、安子ちゃんとの出会いのシーン、たちばなの店頭に入ってこられた時の表情が、端正なだけでなく実直な感じもあって好きでした。非常に面白いなと思ったのはディッパーマウスブルースでのシーンでした。最初はちらちらと目をやって安子ちゃんの表情を伺うような稔さんのお兄さんぷりを微笑ましく見ていたのですが、3回目の視聴時、演出なのか、俳優さんどうしの呼吸で生まれたものなのでしょうか、稔さんの所作を丸ごと真似してコーヒーを飲んでいるような安子ちゃんと稔さんの動きのシンクロが面白くて何回も繰り返し見ててしまいました。
このシーンではTea for Twoのロマンティックな調べに、窓から刺す柔らかな光に照らされた稔さんの横顔が美しくて、いつまでも眺めていたいように思いました。このシーンに限らず、このドラマは”光”が非常に印象的です。稔さんの背後からふわっと包むようなお祭りの提灯の淡い灯、安子ちゃんの健康的な頬や額を光らせる太陽光。癖はあるものの皆優しくてほんわりとした登場人物の皆さんと相まって、ドラマの雰囲気をつくり出しているのだなと思ってみています。


きのう何食べた?Tverで予習して観に行きました。昔なら話題作は「貸出中」の札に歯噛みして諦めたものですが、便利になったものですね。一緒に行った友人は小日向さんがTVシリーズからことにお気に入りで、冒頭から声をたてて笑っていたのですが、久しぶりに満席近い映画館に笑い声が溢れていて、映画の中だけでなく映画館にも幸せな空気が流れていました。

内容としては社会の厳しさや不安、疑いなどのネガティブな心理が表現されるシーンも多かったはずなのに、そんな人間模様からすらじわじわと温かさが感じられるのは作品と、作り上げた方々の力ですね。優しい人達の美味しい物を食べる表情にはこちらも頬が緩みました。そんな作品世界の中、予定調和を壊す存在の田渕君を演じるのは非常に勇気がいることであったでしょうね。台詞の辛辣さに、あれが北斗さんのリアルな一面だったらどうしよう...などと少しだけ思いましたが(笑)、全体的にふんわりした味の料理にかけた七味唐辛子や山椒のような役割で、素晴らしい作品でよい役を演じられている北斗さんに、ちょっと自分が鼻高々になったり安堵したりの気分で映画館を後にしたのでした。

 

予告編に登場した稔さんがマントを着ていたということは、物語世界も冬に入るのでしょうか。実世界もそろそろ寒い季節がやってきますね。
第47回ラジオ・チャリティ・ミュージックソンも、ジャニフェスも決まり、Feel da CITY準備、CITY発売のプロモーション(本当、SixTONESってツアー名こりまくるのにアルバムはシンプルな名前ですよね。含意はあっても)、年末年始もますますお忙しいことと拝察します。大好きな布をしっかりまとって温かくして、どうか、お健やかにお過ごしくださいませ。I hope you will take good care of yourself.           いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                  かしこ

2021年11月8日

追伸:  

やめようと思ったのですが、やっぱり書いてしまいます。カムカムエヴリバディの縁日の場面だけは、10代の安子ちゃんと稔さんではなく、実年齢の上白石さんと北斗さんがみえてしまったように思って、余程楽しかったのだろうなと、ちょっと笑ってしまいました。すみませーん

*1:2022年6月注:北斗學園2021年11月7日

*2:縁日のシーンは10代の安子ちゃんと稔さんではなく、実年齢の上白石さんと北斗さんになってしまっていたように思いましたが(笑) 

*3:2021年10月15日号 SixTONES STYLE

*4:2022年6月注:北斗學園2021年11月5日

043: 2021年4月4日_on eST札幌

拝啓

 札幌公演帰りの日曜夜は花散らしの雨。「お花見大好き」と書かれた北斗さんが間に合うだろうかと案じておりましたが、今年の桜のしぶといこと。時世を鑑みて、持ち味の儚さをかなぐり捨てて意地で咲いているようにすら思いますが、北斗さんも満開を楽しめたようでよかったです。

 

本当なら新潟にいたのだ*1、などと思わずにすむぬようひたすら確定申告業務をしていた3月21日。札幌公演にご一緒しませんか、との一報。急遽振替休をもらって金曜まで馬車馬のように働き、27日昼、とにかく真駒内に到着。14か月ぶりのライブと遠征に、持ち物に漏れがないか等々前夜まで準備に追われた上緊張で眠れず。3時間睡眠で出発したためか、その場に居られさえすれば嬉しかった久々の”逢瀬”が望外のアリーナ前方であったからか、開演前に双眼鏡を幾度も床に落としたり、落ち着け自分状態(笑) そんなあたふたした札幌行ではありましたが、27、28日の両昼公演、ほんっとうに思い切って行ってよかったです。

外周花道の下の黒幕をくぐってアリーナに入り、on eSTと映しだされたスクリーンを目の前にしても、すぐにその世界に”戻れる”のか半信半疑で。でも幕が開けば、6人の存在と音楽とパフォーマンスとお喋りと、そんな好きな事だけに没頭する贅沢を享受できる結界のような空間と時間が現実にあって、この14か月、どれだけ自分が"ここ"に身を置きたかったかが改めて実感されて。声を出せないとか、フェイスシールドが、などそんなことなど全く些末な事で*2。朝6時に空港でおにぎり1つ食べたきりなのに17時過ぎまで空腹感すらなく(笑)。公演開催にこぎつけて下さった皆さんとスタッフの方々、関係各位に心からありがたく思いました。

 

13か月ぶりの有観客ライブ。久々のファンを前に照れてしまうのか、クールにやりきるのか、興味津々。初日を目撃したかったですが、入られた方によれば26日も平常運転だったとのこと。変わらぬ「形状とか機構とか土地柄の違いをきちんと乗り切ってばちっと」演じるライブ職人ぶりだったようで嬉しい限り。

でも、実は”相変わらず”でなかった点もあり。久しぶりに観たSixTONESは、その瞬間の目の前のパフォーマンスだけで魅了する十分な説得力がありました。いわば「現時点の等身大の全肯定」のような自信と自由さと幸福感。以前SixTONESはその物語性も魅力で武器になると書きましたが、既に”背負った来歴や影があってこそ際立つ光”ではなく。これまでステージから放ってくれていた”命削ったキラキラ”は、我が身を削らずとも余裕綽々で自身が放つ光に変わり、クールさやスタイリッシュさの背後の脆さや傷を垣間見せることもなく。配信では気付きませんでしたが、いつの間にそこまでパワーアップされたのでしょう(笑) 

 

幕開けの”Mad Love”で久しぶりに観たSixTONESの”布”使い。「ただのシルエット」なのにわくわくしてしまって記憶がないのです(笑) でも、ひょっとして、続く”Dance All Night”で姿こそ現わせどロボットダンス+サングラスで曲終わりまで表情を見せなかったのは1年ぶりにファンに会う照れ隠しですか?ふふふ…

今回の私のメインイベントの1つ(全曲ですが)ティーザーから数えれば待つこと9か月。とうとう、とうとう、生の”NAVIGATOR”を観た、聴いた、踊った!! どれほど、右腕を後ろに繰り出す振りをしたかったことか。本当なら周りが許せばがっと脚開いて腰落として踊りたかったですが(いや、しませんが)、これで成仏できます。

そして、”S.I.X”で「飛び跳ねろ jump」できたこと(配信での大我君の絶妙のタイミングがで!)、”Special Order”のLa la la la la la laで手をびらびらさせ、”Hit them up”し、”NEW ERA”で”Hey!”できたこと、そんなことがどれだけ心わきたたせたか!(いい大人がねぇ..)


北斗さん、とうとう「いらっしゃいませ~」を継承されたのですね(長野以降もされていましたっけ..?)私は二宮氏の発するそれを『「ストレス貯めるなら金貯めろ」が家訓の下町の町工場という現業の家に育ち、確定申告用の領収書整理が大好き』な人がアイドル産業に”従事”しているという背景ごとうけとめてきたのですが、さて、北斗さんのそれは、どういう解釈で聞こうかな(笑)


そして北斗さんの「世界一緩やかな略奪愛」という絶妙なキラーフレーズのお陰で聴こえ方が全く違ってしまった”Call me”。それまで「爽やか洋楽風味」があまりひっかからない曲だったのが、この言葉で俄然大好きになって(笑) 聴くたび含み笑いしてしまうのですが、今だ”曲のずるさ*3”はわかっていません...

”ってあなた”は配信映像には映らなかった、幅の異なるほの白い光が降ってくるのがMVの雨を思わせて印象的でした。生で歌うのは大変そうな曲ですが、聴けて嬉しかったです。アリーナ上手にいた日は同じ上手の北斗さんしか視野にいれられず、後方から観た28日の方がスクリーンとお二人を一視野に収められてよかったかもしれません。双眼鏡が必要な、さらに離れた距離から観ると、今度はスクリーンと北斗さん、大我君、いずれを視野に収めるか、の贅沢な三択に悩むことになるのかもしれません。

”EXTRA VIP”も27日は上手のジェシー君、28日は下手の樹君をそれぞれ注視していましたが、こちらは映像をそれぞれの真上に映して下さっていたのでお二人同時に把握しやすくて嬉しかったです。(ってあなたは映像で二人が並ぶのが面白いので真中に映さざるを得ないですものね)センターに移動しながらかっこよく踊るのさすがだなぁ、とか、ペンライトが表打ちと裏で打つ人といて、SixTONES、そこで迷う曲多いのよね、と観察して面白がっていた曲。

 

配信で気付かなかったシリーズ、その3。”So Addicted”の櫓=「飛び道具がなんでも出てくる壁」だったのですね(?)。なんと汎用性の高い装置(笑) メインステージを見ながら「何らかの道具か機構に座るか寝そべるかで点在していることの多いグループだな~。それもくつろいでいるのではなく厳ついか物憂げか険しいか」と懐かしく思いおこし。

懐かしい、といえばMCの、この実家の茶の間のようなホーム感(笑) ”トップアイドル”のお喋りにそんな形容をしてはいけないとわかっていつつ、MCからのライアー×ライアー予告のふりの茶番感といい、暗闇でごそごそあの大好きなマイクスタンドが設置される感じといい、ああ、現場にいるって実感できるこの嬉しさ。

”僕が僕じゃないみたいだ”は、後半の加速していく疾走感が、映画の大団円の高揚感との相乗効果で気持ちが盛り上がります。映画館でエンドロールに乗せてかかるのも素敵ですが、やはり皆さんが同じ空間でその場の感情も乗せて歌うのを聴けたのは嬉しかったです。

そこからのトークで北斗さんが「激しい曲ではペンライトこんな風に振っちゃって」的な説明で思い切り殴りつけるようなペンライト使いの真似をされ、私非常に恥ずかしくなりました(笑) はい、ああいう暴力的な振り方、してますね..(私だけじゃないと思うけれど)

とにかく、とにかく楽しい”Coffee & Cream”。まさに今年のカレンダーのキャッチフレーズ『かっこよくて、おしゃれでHAPPY』。こういう曲調とパフォーマンス、SixTONESは本当に似合いますね。

そして”Lemonade”に続き、”Strawberry Breakfast”が流れた時の嬉しさ!よくぞお手振り曲にしてくださったと初めて思った曲。いつものようにコーラス隊の気分になってしまっていると周囲のご迷惑になってしまいそうで、お手振り曲なら客席の皆様、めいめいのメンバーの方を見ているので、自由にのりのりでいられるのですよ(笑) 

配信で流れた映像、好きだったのだけれどな~と思いながらも、配信と異なるものを用意してきてくれたのが嬉しかった映像。

そして、”Bella”!NEW ERAのリリックビデオが西語含みで北米進出を見据えているならラテンは王道と思いますし、私もラテン音楽大好きですが、北斗さんのセルフライナーノーツ*4には「異国情緒、ってより正に異国の曲で、今、SixTONESがこの曲を歌う理由はなんだろと思いつつ、それがSixTONESの選択なら、そうなのね、と聴いている曲(笑)」と応じてしまった。それが今回、ダンスパフォーマンスを見て、数倍は好きな曲になりました。先輩曲を演じていた時はパフォーマンスの新奇性が大きな魅力の一つだったSixTONESが、デビュー後の曲は楽曲と歌唱で世界観が語られていてパフォーマンスで添加される情報の比率が少なめになっていたと思うのですが、この曲はパフォーマンスで修飾されることで大納得。この後のツアーでまた観て再確認したいパフォーマンス。

”Lifetime”は生で聴いて改めて曲の力を実感しました。出光のCMでボスポラス海峡アヤソフィアを背景に流れた時にもじんわり感動しましたが、自前の演出は強い。配信で5回も観たのに、それでもなお冒頭の白い光の中で静かに始まり、静かに沈んで行く終わり方に原始宗教のような、理屈を超えて頭を垂れてしまうような訴えかけがあって。曲の力という点では、アンコ―ルで”うやむや”を歌いながら登場された時も「これ、本当に歌っているんだ、すごいな~」の一言でした。もう、この曲、例えば”この星のHIKARI”とは別の意味の小細工なしすっぴん勝負、とにかく歌う、のですね(笑) あ、でもこの曲自体がトリッキーなのか..。
そういえば、配信ライブのメドレーの青い衣装のサスペンダーが素敵と書いたら(か、どうかは知りませんが)カスタマーズヴォイスにご対応(?)ありがとうございます。アンコールもサスペンダーで登場して下さって。肩幅がありつつ体幹がすっきりしている人のサスペンダー、体型に映えて素敵なのですよね。

 

今回のライブ、”NEW WORLD”や”"Laugh" In the LIFE”のような定番曲で、周囲で手指のカウントしたり振りが入ったり*5している人は半分程度。この1年で初めて足を運ぶ人が増えたのだろうな、あるいは北海道は初だからかな、と実感したのですが、一方で隣の席の気合入った北斗さんファンのお嬢さん*6始めとする周りの北海道のJK達、全曲振りも完璧で、どれだけSixTONESの来道を待ちわびていたことでしょうね(泣) 本当に北海道でライブができてよかったですね。

 

そんな帰りの機内誌で、尾崎世界観さんと吉田修一さんのエッセイを読みました。世界観さんは、開演前の客席から漏れ伝わるざわめきやステージに出た瞬間の感覚など演じ手の心象風景とライブに伴う旅の日々を描写していて、それらがままならぬコロナ禍の心境を淡々と綴っておられ。吉田さんは長らくANA機内誌に連載してきたエッセイの最終回で、「全力で『好き』を書いてきた」連載を通じて「自分が好きなものを『好きだ!』と大声で叫ぶ。こんな単純なことが、実はいかに難しく、そしていかに素敵なことであるか」を学んだと書いていらして。

「全力で『好き』を成就させに行った」忙しなくも幸せな旅の終わりにその2編を読んで、ステージに立つ方達の心境と楽しかった週末とに思いをいたしてなんだか泣けてきてしまい。隣席では羽田乗り継ぎで次の仕事先へ急ぐ作業着の方がPCで書類作成に勤しみ、逆隣の方は仕事帰りかスーツで熟睡していて、その間で、申し訳ないことに心地よい遊び疲れとグラス1杯のビールにぼーっとしながら涙こぼす一人(笑)

この心境はコロナ禍がなくて存分にライブ三昧できていたら辿り着かなかったものかもしれないですし、それだけの対象があるありがたさと幸せを忘れないように胸に留めて置こうと思いました。北斗さんとSixTONES、そのくらい感慨を抱かせるお仕事をされているのですよ。今後のツアーが恙なく行われて、まだ会えていない人達も無事に参加できることを祈っています。

 

北斗さんも朝ドラの撮影に入られたようで、新しい冒険の始まりに私までわくわくしています。ブログからも楽しんでおられる様子が伝わってきます*7、春宵一刻値千金の美しい時季、どうかお仕事と日々の生活が心柔らかく満喫できるものでありますように。私達がその支えであれますように。

まだ気候の定まらぬ時節柄、スタッフ、メンバーの皆様も北斗さんも、どうかお身体おいといくださいませ。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                 かしこ

 2021年4月4日                                        

*1:公演延期

*2:Smile upシールドは前評判を覆し、使いやすかったです。前髪つぶさず、顔隠さず、双眼鏡も使えます

*3:2022年6月注:北斗學園2021年3月10日

*4:2022年6月注:北斗學園2021年3月8日

*5:NEW WORLDの北斗さん、腕を下げてから上げ始める時の溜め方が『振りを忘れて瞬間、周囲をみて真似している人』みたいなごくごくごくほんの少しのタイミングが、ちょっとツボでした(ごめんなさい、意地悪ね)

*6:鳥羽マーク(あれって鳥の羽根?)の うちわを持っていたから、鳥羽担かも(笑)

*7: 畳(笑)。今の北斗さんのブログにはなんとなく「1日の最後におしゃべりしたいのは君なんだ」風味を感じて、嬉しいです。(元台詞のニュアンスとシチュエーションとはちょっと違うけれど)
因みに毎日更新してくれる高地君には高地君の健康チェック兼SixTONESの安否情報源、ジェシー君には善良な純粋なる精神が伝わってくるパワースポットみたいな役割、慎太郎君にはおおらかな無垢な精神、大我君はブログまでエンターテインメント、樹君は「たまにしか来ない悪い男だけれど、来てくれた時はとんでもなく優しい..(笑)