書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

047: 2021年11月8日_カムカムエヴリバディ001-005、きのう何食べた?

拝啓

 立冬にしては暖かな秋晴れの今日、休日関係なくお仕事お疲れ様です。とんぼからは無事に逃げられたでしょうか*1。昨日の「良いSixTONESの日」は嬉しいお知らせをありがとうございました。土曜の午後、のんびり書類仕事で残業して夕方帰宅したら友人達が大騒ぎになっていました。私も心踊る気持ちで”街への移住計画”を練っていますが、きっと期待をまた、ひょいっと超えてこられるのでしょうね。まずはツアー申込をせねば!
北斗さんがお痩せになって見えたのは役作りではないと雑誌で読みましたが、ツアーは公演数も訪れる土地も増えた5か月の長丁場(嬉しいですね!通年でライブ行脚して下さってもよいのですよ~!!)お忙しい中、せめて土地の美味しい物を召し上がっていただけますように。そして、北斗さんの”里帰り”公演も楽しみにしています。

 

今回は、カムカムエヴリバディ第一週の感想を、と思い筆を執りました。放送開始前からお任せ録画の量に、連続テレビ小説に出演するという事の凄さを改めて知りました。朝ドラ宣伝番組の冒頭から登場する北斗さんに嬉しく思い、事前のステラの配信イベントでは製作統括の堀之内さんのお話に感銘をうけました。本作にこめた、100年前から連綿と令和に続き、次の100年へと繋がる人々の暮らしの流れの中に”自分”がいる意味を考えて欲しいという願い。内容と視聴率の両立は勿論目指すが、目先の派手さではなく年月を経て観た方にも発見できるようなメッセージをこめた作品を作るという矜持。毎日放送すれば朝ドラというわけではなく、出版、イベント等関連する全てを含めた朝ドラという放送文化であるという気概。朝一番に素敵なものを見て幸せな一日を過ごして欲しいという想い。北斗さんが素晴らしい製作者の方達と作り上げた世界、稔さんが”生きている”世界を毎日共有できるって、感無量です。きちんと朝ドラを見るのは92年の「ひらり」以来ですが毎日7時半から23時まで1日4カムカムしています。

 

予告映像の数々から想像はしていましたが、EPISODE 001のタイトルバックにマイクの洒脱なモノクロ画面を見た瞬間、このドラマが好きになると直観しました。穏やかなピアノ曲と懐かしい字幕文字、セピア色の映像が徐々に色づいていく流れに、前述の堀之内さんの、”100年前も人々の生活はモノクロだったわけではなく、色鮮やかな暮らしを送っていたのだ”、という言葉を思い出してわくわくし、物語にひきこまれました。002以降も背景が小豆、安子ちゃんの背中、目覚まし時計、お豆腐と毎話変わるので、次は何だろうと想像したり、内容を予想したりして楽しんでいます。

先日、ナイツテイルを観劇して上白石さんの歌とお芝居の上手さ、可憐さを素敵だなーとすっかりファンになってしまったのですが、展開や背景が暗い流れになっても不思議と希望や明るさが奥底から照らしているような方ですね。北斗さんも上白石さんを目の前にすると自然な笑顔になってしまわれたのだろうなと、画面を観ながら思っています*2。その上白石さんに、北斗さんが「すごく奥ゆかしい」「とても信頼できる方」「品の良さやある意味での賢さのような雰囲気は全て松村さんがお持ちだった」と評して頂いたことが、どれだけ嬉しかったか!

先日のテレビガイド*3で北斗さんは、ファンには自分の人間性ではなく、世に送り出す作品自体を評価してもらうのが理想的と書いていらしたので私もそうしようと努めてはいます。が、その人の”今まで積み上げてきた物や人となりは作品から滲み出て人を魅了するのですよね。
例えば稔さんが自転車の乗り方を教えてあげようと申し出る場面。教えてあげる立場なのに「よかったら僕が」、相手の都合を慮って「ごめん、忙しいのに」と付け加えるところ。私には普段の北斗さんの文書や言葉に感じる配慮と共通しているように思えて、だからこその台詞が説得力をもつようにも思えました。自転車練習で意外に強引な教え方なのも、ちょっと北斗さん的じゃない?って思いましたが(笑)。

作品さえよければ人間性は問わないという考え方も一理だし、俳優さんとしては好きでも”その人”に興味はもてない方もいるけれど、人となりが好きな人とその作品は胸を張って応援できるのですよね。

同様に、ドラマもストーリーや演技だけでなく、映像の中に含まれる情報全てから役柄としての視点や、時節が想起されるかが、自分には作品に入りこめる要素として大きいと思います。北斗さんのコメントにあった「夜になれば静かで、足音もはっきり聞こえる、日常の音がきれいに重なり合う」世界。蝉の声やラジオの甲子園実況が響き、稔さんの額の汗や握りしめたハンカチ、安子ちゃんのかき上げた髪の下から現れるほんのり上気した頬、地面から立ち上る陽炎…本当に繊細な小さな表現から、晩秋の関東にいても100年前の真夏の岡山に心を遊ばせられます。

音といえば、稔さんの岡山弁の柔らかで歌うような抑揚の美しさや優しさにも心和まされます。EPISODE 003の「失敬しました」「おっ、そんなよろしいんですか?」の声音だけで”将来を嘱望された御曹司像が立ち上がってくるようです。005で辞書をあげる時の「悪いけ”ど」のように少し濁音になるところは難しそうですね。「僕も返事を書くよ」の稔さんの声、これまで北斗さんの声としては聞いたことのない響きで、北斗さんの声色の引き出し、まだまだあるのですね。
英語も、予告の時点でバイリンガルの友人から「安心して聞けますね」とお墨付きをもらいましたが、正確さだけでなく、上白石さんの仰った「英語が『すっごくきれい』『すてきな音になる』」に本当に同意します。Coffeeで下唇をくいっと噛む律儀な発音や、syllableの流暢さ。努力もさることながら、北斗さんは耳もよいのでしょうね。以前も書きましたが、Amazing!!!!!!の”四面楚歌 not a matter”のsyllableからして既に、美しかったですもの。

EPISODE 005までの稔さんは、北斗さんとしては「『素敵』の形に見えていた感じ*4」と評していらしたけれど、安子ちゃんとの出会いのシーン、たちばなの店頭に入ってこられた時の表情が、端正なだけでなく実直な感じもあって好きでした。非常に面白いなと思ったのはディッパーマウスブルースでのシーンでした。最初はちらちらと目をやって安子ちゃんの表情を伺うような稔さんのお兄さんぷりを微笑ましく見ていたのですが、3回目の視聴時、演出なのか、俳優さんどうしの呼吸で生まれたものなのでしょうか、稔さんの所作を丸ごと真似してコーヒーを飲んでいるような安子ちゃんと稔さんの動きのシンクロが面白くて何回も繰り返し見ててしまいました。
このシーンではTea for Twoのロマンティックな調べに、窓から刺す柔らかな光に照らされた稔さんの横顔が美しくて、いつまでも眺めていたいように思いました。このシーンに限らず、このドラマは”光”が非常に印象的です。稔さんの背後からふわっと包むようなお祭りの提灯の淡い灯、安子ちゃんの健康的な頬や額を光らせる太陽光。癖はあるものの皆優しくてほんわりとした登場人物の皆さんと相まって、ドラマの雰囲気をつくり出しているのだなと思ってみています。


きのう何食べた?Tverで予習して観に行きました。昔なら話題作は「貸出中」の札に歯噛みして諦めたものですが、便利になったものですね。一緒に行った友人は小日向さんがTVシリーズからことにお気に入りで、冒頭から声をたてて笑っていたのですが、久しぶりに満席近い映画館に笑い声が溢れていて、映画の中だけでなく映画館にも幸せな空気が流れていました。

内容としては社会の厳しさや不安、疑いなどのネガティブな心理が表現されるシーンも多かったはずなのに、そんな人間模様からすらじわじわと温かさが感じられるのは作品と、作り上げた方々の力ですね。優しい人達の美味しい物を食べる表情にはこちらも頬が緩みました。そんな作品世界の中、予定調和を壊す存在の田渕君を演じるのは非常に勇気がいることであったでしょうね。台詞の辛辣さに、あれが北斗さんのリアルな一面だったらどうしよう...などと少しだけ思いましたが(笑)、全体的にふんわりした味の料理にかけた七味唐辛子や山椒のような役割で、素晴らしい作品でよい役を演じられている北斗さんに、ちょっと自分が鼻高々になったり安堵したりの気分で映画館を後にしたのでした。

 

予告編に登場した稔さんがマントを着ていたということは、物語世界も冬に入るのでしょうか。実世界もそろそろ寒い季節がやってきますね。
第47回ラジオ・チャリティ・ミュージックソンも、ジャニフェスも決まり、Feel da CITY準備、CITY発売のプロモーション(本当、SixTONESってツアー名こりまくるのにアルバムはシンプルな名前ですよね。含意はあっても)、年末年始もますますお忙しいことと拝察します。大好きな布をしっかりまとって温かくして、どうか、お健やかにお過ごしくださいませ。I hope you will take good care of yourself.           いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                  かしこ

2021年11月8日

追伸:  

やめようと思ったのですが、やっぱり書いてしまいます。カムカムエヴリバディの縁日の場面だけは、10代の安子ちゃんと稔さんではなく、実年齢の上白石さんと北斗さんがみえてしまったように思って、余程楽しかったのだろうなと、ちょっと笑ってしまいました。すみませーん

*1:2022年6月注:北斗學園2021年11月7日

*2:縁日のシーンは10代の安子ちゃんと稔さんではなく、実年齢の上白石さんと北斗さんになってしまっていたように思いましたが(笑) 

*3:2021年10月15日号 SixTONES STYLE

*4:2022年6月注:北斗學園2021年11月5日