書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

068_2024年5月21日_VVS

拝啓

 風薫る…と書き始めて思うこの暑さ。日中は汗ばむ日もありますが、SixTONESさん、スタッフの皆様にはお元気でお過ごしでしょうか。どきどきわくわく迎えたVVS初日は遠くなりにけり。6人揃ったSixTONESさんとは10か月ぶりの逢瀬。入場と同時に対面した屹立する360°ステージの威容に皆さんのどや顔を想像した初日(笑)。待望の生バンド、センターステージという新しい冒険、挑戦に楽しそうな様を目のあたりにして「最高だぜ!」と快哉を叫んだ京セラドーム初日。SixTONESさん、バンドの皆さん、スタッフさんには当然でしょうけれど、こちらもマスク装着下に呼吸困難気味になりながら『やりきった感』で満たされた。なのに全体的に曖昧な「よかった」感こそあれ、なぜか具体的な感想を言語化できなかった2月。ライブはツアー通して育つからまた新たな印象を受けたり気づくこともあったりするだろうと思いつつ、ありがたいことに東京まで参加してなお、やはり言葉が見つからない。4月末にふと思い至ったのが、徹頭徹尾「参加」することに精一杯であったからではないか疑惑(笑)

既に大手メディアからファンに至るまで感想も出尽しているでしょうという諦念混じりに、それでもかつてGWに「桜の頃を忘れたか」とおねだりされた(と勝手に思っている)ブログの主に「素敵なものを沢山見せて頂いたからにはお礼を」との思いと謎の義務感だけはあり、好天のGWに部屋に籠り皆さんご活躍の録画を整理しながら感想を書きつくり、ごぶごぶフェスティバル前には仕上げたかったけれど今に至った次第。

 まずは北斗さんのパフォーマンス。北斗學園*1や会見でも語られていましたが、ドームサイズでもしっかり見せようという意志が体現されているような動き。例えば「TOP SECRET」で腕くるりと大きく回すところ、「Alright」でのこれでもかっと言わんばかりの高いハイキック。「Need You」での素早く大きく伸び上がり屈む動作はきっちりと高低めりはりがあって、結構負荷は大きいし動きを小さくしても恐らく問題ないでしょうに、これまでもいつだってそうであったように手を抜かぬ、そして公演を重ねても毎回同じ大きさと質での全力のパフォーマンス。「TOP SECRET」でのフォーメーションチェンジは回る円形のステージで何を目印に動いていらしたのかと感嘆する大変さであったでしょうけれど、見事な大回りの走り込み*2を見ては心中ガッツポーズしていたものでした。「JAPONICA STYLE」での花道移動も、あの踊りにくそうな床材の上で、ただ移動するだけではなく全身を駆使し(”酔いどれジャポニカ”、”やさぐれジャポ”とメモにありました(笑))足は細かいステップを踏み、凄まじい運動量をさらっとこなしているように見せて。何度も踊り尽くしてきた「JAPONICA STYLE」のような曲でも気を緩めずきっちりと、そして鋭さやスピード感が増していたように思えて。「House of Cards」では丁寧に繊細な表現をしていらしたし、ドーム仕様の大きな動きでありながら、キレと表現の細やかさや表情の豊かさも兼ね備えて演じられていて、変わらぬ意思が感じられて嬉しかったです。ああ、いつまでも踊り続けていて欲しい。

もちろん歌の技量も着実に向上、安定して表現の幅も広げてこられたわけですが、今回改めて驚嘆したのは「Something from Nothing」。大音量の主旋律の下で鳴り続く呻くような低音を、北斗さんが身体を折り曲げまさに絞り出していると気づいた時の驚愕。自らを楽器と化したかのような献身に感嘆。そしてこれはセンターステージならではなのか+音響技術のお蔭なのか、他の曲でも北斗さんの低音がいつもよりしっかり届いてきたようで嬉しかったです。

 今回はSixTONESさん待望の360°ステージ。これまでも会場の大小問わぬ空間の使い方の巧みさ、複数のステージとその上下・左右の空間を隈なく効果的に使うことに感心させられてきました。天井からの吊り下げ式の機構を使えないドームでも、今回はセンターステージ上に塔を組んで上空を利用し、放射状の花道とセンターステージだけのセットは移動に要する時間と体力を楽曲パフォーマンスに全振りした印象で、会場の特性を活かすため知恵を絞ったライブ職人的意識の頼もしきこと。一方、ステージが1か所になることでセットの多様性は限られ、演者の動きも中央からの拡散⇔集中と中央での回転に限定される。そのためか1ツアーに何曲かはある、その楽曲の世界を色濃く表現した演出に夢中になって見入ってしまうような時間*3は少なくて、一曲毎に明瞭な感情を喚起されるというより、一連の楽曲群の”雰囲気”を味わう印象。それは客席も巻きこむぶちあげ系の曲の比率がFeel da CITY以降徐々に増えているように思われることや、世界観に没頭するにはパフォーマンスやセットが見えづらいステージであったことも影響しているかもしれない。その点で音楽性重視のライブとしては非常に優れていると思うのだけれど、ジャニーズ的な総合エンターテイメントとしては、いつものSixTONESのライブと比較すれば展開の多彩さや物語性には乏しいきらいはあったかもしれない。それはVVSの特徴であって、優劣ではないのだけれど。

 私は地上でもてっぺんの席でも参加しましたが*4総じて印象としては「どこからも近い」という目標は達成していたと思います。むしろ「どこにいても近くてどこからも遠い」不思議な感覚。アリーナ席やスタンド下段では当然皆さんは距離的に近いのです*58階ビスタ席やバルコニー席のように眼の前に遮るもののない席では全てを眼下に見下ろし、演出もよく見えて、踊りまくれ*6ら、置いてきぼり感はないわけです。

 色々書いてしまいましたが、SixTONESさん乾坤一擲の360°ステージ、収容人数1割増という副次的(でも大事な)利点もあったと伺いますし、やってみたかったことを叶えたことに、常に新奇性を求めたいタイプの私は全肯定です。まだまだ、もっともっと、攻め続けて欲しいのよ。

アンセムRollin'~Outrageous~ABARERO

どこから現れるかのドキドキもありつつ、過去の「Voice」や「Lost City」でメインの大がかりな機構からの荘厳さすら漂わせる登場、「Hysteria」に包まれながらの天空からの降臨、「Amazing!!!!!!」でKEEP OUTを蹴破って登場、マンションのソファに座してセリ出してくる、そんな様々なオープニングの中では最も芝居っ気のないシンプルで人間くさい登場かもしれない。ロックレーン*7宙に昇り歌う姿は「近くに行く」というアイドル的大義よりはロックスター的カリスマ性が感じられ、上空で共に拳突き上げ上の方まで客席を巻きこむことに成功した「アンセム」での最高の幕開け。そこから緊張感を保ったまま「Rollin’~Outrageous~ABARERO」までの爆速の展開の労力に感心し、改めてライブ職人っぷりに舌を巻きました。ここでがっちり人心を掌握したからアンコールに至るまで終始、地上からてっぺんまで全周見渡しても、天井席で周囲を見ても、信じられないくらい手を緩める人がいなかった*8。その”つかみ”は技術もさることながら、SixTONESさんが気を抜くことなく全力でパフォーマンスに打ち込んでいる姿勢の反映だと思います。

 「Rollin'」は初披露時の静かな独白から始まり荒ぶる叫びを経てクールにステージから消えていった緩急の妙も、デビューツアーで晴れやかに派手な機構で登場した時もそれぞれ印象に残っているけれど、最新曲3曲の間に歌われても劣らぬ熱量で客席を鼓舞する力に満ちていて。降下するロックレーンとメンバーの影が水柱にスクリーンの如く映りこんで、なんと劇的だったことか。「Outrageous」と「ABARERO」ではせっかくの渾身のパフォーマンスが、メインステージが暗めな上に柱もあってどの位置からも若干見づらかったことは否めませんが、序盤から十分に騒ぎ、挨拶でさらに盛り上がり、ステージがバンドだけとなっても客席の興奮は続いていたから、そういう意味ではパフォーマンスをじっくり見る楽しみはVVS序盤においては優先順位が低かっただけということになるのかしらと思ったり。

Hysteria~君がいない

ステージ上空から降りてきたSF映画を思わせる光の環。何が始まるのか期待高まる中、現れるソフ*9もたれかかったり、気だるげに脚を投げ出したりするSixTONESさん達、流れる「Hysteria」。従来この曲の私の推しポイントは、青い炎の如く表面は静謐でいて実は温度が高い、奥底の情熱を溢れる寸前の表面張力で留めている抑制の美。そんな曲で事ある毎に客席から情欲滾らせ抑えきれぬという風の「う”ぎゃぁあ”ー」的叫び声があけすけに飛ぶようになるとはちょっと苦笑い(笑) 。もちろんセクシュアルな要素のある曲だし、そこを下品に見せないのがSixTONESのパフォーマンスの好きなところでもあるので、単純に曲に対する自分のイメージとの齟齬というだけかもしれない。後日情報番組で流れたメンバーの絡みの映像に歓喜するポストを多数見たからそれがオタクの需要というもので、これまでの環境では客席からあからさまな声をあげにくかったのか、客層が変わったのか。その需要に応え、眼鏡をかけてモニターに姿を映すだけ、それらしき動作をして見せるだけで会場を沸かせるのもアイドルの重要な仕事ではある。しかし、シンメ萌え、メンバー同士の絡みやエロティシズムで需要を満たすことは鉄板であると同時に麻薬のようなもので、それを”供給”すればうけてしまうお約束に走るのは諸刃の剣ではないかとも思うのです*10SixTONESに限っては「これやっとけばうけるだろう」という安易に走ったわけではないだろうし、ジェシー君が「DRAMA」のパフォーマンスについて「情感込めて演じている」と語られていたようにあくまで楽曲の世界観を表現するために必要な表現という線を遵守して下さるのであろうと...なーんてことライブ会場で考えているの自分だけだよなー、考えるな楽しめーと思いながら(笑)

そして今、「Hysteria -Rock Rearrange-」のCD音源を聴いてみればイントロもオリジナル版の浮遊感ある電子音ではなく決然としたギターのカッティング。徹頭徹尾、演奏が強い。前者が20代前半の男子の熱に浮かされた一夜の叶わぬ夢想であるとしたら、後者は経験も実績も重ねてきた男性がいつでも奪える力を以て略奪愛を成就させんとしているかのような現実的な強さを思わせる。となると強い男性のアピールにうたれ絶叫した女子達の反応が正しかったのかしら(笑) 。では、今や客席にかなりの割合を占める男性達*11どう反応したのであったのか、あるいは女子達の本能剥き出しの呻きに何を思ったのだろうとひとしきり(笑)。

男性の共感を得そうだと思っていた「君がいない」。実は自分の中では「うら寂しいさえない男子の煩悶」的イメージがあったので、照明は濃ピンクで「マスカラ」の系譜的お洒落男子感の演出に、確かにステージでわざわざパッとしない感じは出さないわよねと心の中でひとり納得(笑)。ソファを使う演出が好きなので嬉しかったし*12中央カメラから映し出されるアップの映像は360°ステージならではの面白い演出で、曲の雰囲気にあっていてすごく楽しいし会場も沸いて、こちらは”需要に応えた”好例ですね。6人とも集まって中央カメラを向きがちだったから客席はモニター頼り。しかし柱の真正面の席からは、頼みの綱のセンター上部のモニターも真正面は継ぎ目。その左右のモニターは斜めで映像が歪んで見えてしまう。天井壁面のモニターで補完するにも、福岡では潤沢にあった気がするそれも名古屋では2つのみで同じ外野側にあったから見られる人は限られてしまうの、ちょっと惜しかった感。

Alright、House of Cards

3人組の組分けが、大きく情熱的に踊る華やかダンス組とクールにさりげなく踊る堅実ダンス組だった印象。あの網目の踊りにくそうな床材の花道で細かくステップを踏み踊りつつ移動するという労力のいることをされていながらそれを感じさせず、映像やセットに頼らず何もない花道で、あるいは鈍く輝くデコラティブな形状のマイクスタンドを使うだけで曲の雰囲気が表現されていて素敵。行間に情感を滲ませるような繊細な演出が実はSixTONESさん、お得意ですものね。だから自分は即物的な仕草にちょっとひいてしまうのかもしれない(いや、しつこいですよね(笑))

花道で二手に180°別れる構成は、演じ手のいる花道に対して長軸方向に60°ずつ程度の範囲からであれば正面から3人は見えるが、逆側に3人は全く見えない。花道に直行する領域の席にいれば両方見えるが両者とも遠く、視線をいずれかに振らねばならず、結局どちらかは諦めることになる。なかなか悩ましい選択を迫られるのでありました。ま、それも新しい挑戦にはつきもので、守りに入っていつも同じになるなんてつまらないですものね。少なくとも現地にいられた自分の贅沢な悩みではありました。

希望の唄

これまでのユニット曲は”楽曲を2人組で表現する”ものであったのが、”楽曲自体がユニットの2人の関係性と空気感を表現する”ものであったように思えた今回のユニット曲群。15通り、どの2人の組合わせをとっても其々の物語と今の在り方は素敵だけれど、アルバム毎に「このユニットこそ正解」と思わせられるのはなぜなのでしょうね(笑) 

「希望の唄」はステージで跳ね飛び歌うお二人の爽やかさと熱が素敵でした。ど真ん中に直球放り込んでくるSixTONESさんもよいですよね。せっかくのVVSマフラータオルをぶん回したかったけれど、ごぶごぶフェスで叶ったから、いいか

"Laugh" in the LIFE~フィギュア~PARTY PEOPLES.I.X

どんなに尖ったライブでも、やはり定番トロッコのお時間も嬉しいもの。SixTONESさんは所謂ファンサタイム、お手振り曲でも楽曲をおざなりにせずきちんと歌って下さる(いや、ふざけ倒して歌どうしたっ?て時はあるけど)から離れたところにいても勝手に盛り上がれる、その信頼感。お馴染みの4曲という鉄板の布陣、こちらも跳び、踊り、Clapし、楽しませて頂きました。因みに大阪初日に8階ビスタ席にいた夫、地上のトロッコから懸命に上の方を見てくれている北斗さんにいたく感心したそうです。ちゃんと届いてますよ、北斗さんの気持ち。

DRAMA

みんな大好き「DRAMA」もパフォーマンスを楽しみにしていた曲でした。ダンス、特に北斗さんの荒ぶる動きが好きで、モニターには下半身アップより引きでダンスの全体像を映してくれよと思っていた私は少数派だったかな(笑)。モニターに抜く範囲は演者あるいはスタッフさんの一存なのか、両者の打ち合わせであるのかは分かりませんが。

一番お気に入りだったのが”笑い過ぎる”北斗さん(歌割上は「HAHA」や「Uh」はジェシー君ですよね?あれは元の歌詞にはない笑いであったのか、詞を見ながら記憶と相談しています)。不敵で挙動不審な松村北斗が好きな私は毎度心待ちにしていたパート。映像が手元に届く日がくるなら、あのアップは収められているとよいなぁ。

JAPONICA STYLE~

以前も書いたように私がSixTONESのパフォーマンスやライブを愛してやまないのは、音楽性やダンスの技巧や動きの美しさはもちろんのこと、物語や世界観の表現に秀でているからなのです。数多のダンスグループがそうであるような「踊る事が目的」なのではなく、「踊る事は楽曲表現の手段」という感じ。そしてライブでは空間の使い方の秀逸さと客席を引き込む手腕。全体的には物語性や世界観的要素が薄めのように感じられたVVSですが、その中で壮大で鮮烈な世界観の醍醐味を味わえたのが「JAPONICA STYLE」でした。さすがライブ巧者のSixTONESさんが前半最後の盛り上りにもってきただけある。アリーナから見上げても、8階や5階から見下ろしても、桜吹雪と水しぶきとが空気を霞ませるまでに全天・宙を埋め尽くし散乱している圧倒的な世界観は360°ステージならではの劇的体験でした。この曲でもセンターから花道に出ると客席からはほぼお1人しか視野には収められないわけですが、却ってその人に集中して見る事ができて「JAPONICA STYLE」の世界に没入できるというだけで十分であったように思えました。

MC、Call me、日替わり曲、スーパーボーイ

そんな夢かと見まがう圧巻の光景から、これもSixTONESさんのやり口、すこんと世界は変わってまあ緩めのMCに入り。粋な新曲発表、懐かしきメンバー不在MCの再演、思わぬ散財に涙目の北斗さん(あれはプロレスではなくガチだったのかしら)、髙地君の誕生祝い、CM用音声の録音、ハマダ歌謡祭公開収録…ただ喋っているだけでも面白いのに様々な趣向をありがとう。あなた達が6人で楽しそうな様を見る事が嬉しいファンが多いのだから存分に真ん中向いて6人で顔見合わせながら喋っていてくれてよいのですよ。それにしてもその場のノリで「歌っちゃおっか」の流れになった時、慌ててスタンバイして下さろうとするバンドの方達、本当にありがたい。

MC終わりに樹君が「この後いっぱい暴れてもらうから今は座っていて」とおっしゃいましたが、この後また運動量が増えるのでチルタイムはMC後でなくてもよいのに(お互いのためにね)とは思いましたが、緩くも濃厚なMCの後に「Call Me」は一服の清涼剤でありました。日替りの「僕が僕じゃないみたいだ」はストリングスが、「Imitation Rain」はピアノが誠に美しくて、「マスカラ」はさらに成熟した感があり。生バンドのよさを実感しました。

その流れではまあ確かにそうなるね、それしかないね、と思わせられてしまったのが「スーパーボーイ」。THE VIBESでも一推しの曲、かつ人を食ったMVが大好きなのでどんなパフォーマンスになるのか楽しみにしていたら、ステージに腰かけ脚ぶらぶらさせながら語らい、ただぐるぐる歩くという(笑)。エンドステージ型であったなら土手、河川敷、教室、ファミレス…そんなセットも採用されたかもしれない…?いや、多分例えば旧Sexy Zoneはそこを具象化する人達で、SixTONESはしないかな。想像膨らませる余白感、ただの砂場を秘密基地にできちゃう感じ。ナニモノでもなかった頃の小さい箱でのパフォーマンスも思い起こされるそれをドームでもやってしまう潔さ。でもそれを納得させてしまうのが、流石。でも、天井に飛んでいくレーザーのスーパーボーイはドームならではでしたよね。

Need you~TOP SECRET~WHY NOT 

近未来感ある白い照明に照らされた円形のステージならではの演出がスタイリッシュな「Need you」。よくぞこの曲を掘り返してくださった。明滅する様にストロボ写真を思い起こしたりして。「TOPSECRET」は回る360°ステージ上で目まぐるしくフォーメーションチェンジしながら"じたばた走り回っている”感じ、よろめくような動きまじりのダンスがまさにこの曲の”OMG感”にあっているようで面白かった。そして都会的で煌びやかな「WHY NOT」。どの曲も演出は楽しめましたが、願わくばダンスもしっかり観たかった。双眼鏡を駆使すれば多少見やすいとはいえレーザーや照明の演出の全体像が掴めない。特に「WHY NOT」はせっかく遮る物のない花道に出てきて踊っておられるのに闇に沈んでしまって演じ手が見えなかった。レーザーの演出を優先すれば見づらさこみでの狙い通りなのでしょうね。思えばこれまでも、直下からの照明とスモーク焚きすぎで見えづらかった「WATER DANCE」のソロダンスパート、照明を落とし過ぎて見えづらい曲のあったCHANGE THE ERA、照明が明る過ぎてメインステージが白飛びしてスタンドからパフォーマンスが見えない曲があったTrack ONE -IMPACT-、そしてコロナ禍にようやく再開した現場なのに丸1曲シルエットだったon eSTの「MAD LOVE」という姿隠す系演出の系譜はあったのでした。確信犯か(笑) でも、私はあなた達の動きも見たいのですよね、と一応書いてみる。

Blue Days

ピンクと緑の分裂補色の鮮やかさ・元気さ、そして白と青のクールなエモさに続いては、赤と黄の暖色ペア。ドームを埋め尽くし波立つ黄と赤の灯の和やかさ、温かさ。ソファはわかるけれどロッキングチェアは何故?と思ったけれど、そんな暖炉の前的な温もり感の表現なのかしら。ランタンフェスティバルを思わせるメインステージの照明の宙を彩る橙色も何とも美しい。最後髙地君が差し出したマイクでジェシー君が歌いあげた後の一瞬の無音に毎度フライング拍手が出たのは思い入れこみの前のめりさに免じて許して(笑) 。

レーザー

「Blue Days」の温かな空気の余韻が会場を包む中、滲むような橙の灯りから場内が暗転すると鮮烈に宙を裂くレーザーが縦横に走り始め一気に雰囲気が変わる。ドームならではの広い天球に星座の如く散りばめられた光、飛び交う流れ星は壮大で、ビスタ席や5階席から見るそれと地上から見るのと高さや角度によっても印象が異なる。主役不在の時間を補うどころかそれだけで独立した作品として見たい位の美しさに口を開けてみとれながら改めて、構成の切り替えのメリハリとシームレスさを両立させ、不在時間は最小限。ライブ中に”とりあえず”の時間帯を一切作らないSixTONESさんのライブ作りに対する真摯さをしみじみ実感したものでした。ただ、MCを最小限の自己紹介のみにして目いっぱい曲を披露したごぶごぶフェスの後にして思えば、それはとにかく自分達の楽曲を披露することへの貪欲さと楽曲への愛、自己実現欲の表れでもあったのかと。

DON-DON-DON~RAM-PAM-PAM~Bang Bang Bangin'

さて、前ツアーのJEEPに続く第2弾はにぎにぎしく飾られたデコトラ!「千客万来」「商売繁盛」のキッチュなお洒落さ。箱乗りするSixTONESさん含めてなんというラスボス感!!!!!! 

通常トロッコやフロートが会場を周回するのは「なるべく近くへ」「交流」「サービス」とのアイドルの大義が主旨と理解していますが、デコトラの上で自分達が盛り上がりきっちゃっているSixTONESさんに、地上からてっぺんまで遍くお祭り状態の客席。「呼応」はしていても「交流」しているわけではない*13。「誰一人置いていかない」というより「ハーメルンの笛吹き男」的な扇動・誘惑。デコトラを降りてステージに歩を進めるとさらにドームはぶち上がり、まさに「踊る阿呆に 見る阿呆 同じアホなら踊らにゃ損、損」的な不思議な時間帯(笑) 鉄骨の柱から横に噴き出す花火*14と爆発音がとにかく大好きで、へらへらと笑い、マスク下で呼吸困難になりながら、掲げる腕をこれ以上はないと思うまで振り、跳び、とにかく楽しかった時間。ああ幸せ。

ところでJEEPは「近くに行くよ」の意思も表しつつ、煙吐き障害物を乗り越えて自走する愛すべき武骨さがSixTONESの在り方を体現したかのようにも思えたものでした。ところが今回のデコトラは自ら運転するのでなかったなら*15駆動装置のないフロートでもよくないだろうか?とひとしきり(笑) 360°ステージであるが故に生まれた外野の奥のスタンド席。崖のような切り立つフェンスで直下の視界を遮られる外野スタンドからはトラックといえど自動車の車高では近くに来て下さっても見えないのです。当然、トロッコも直下に近づいてきて下さった時には見えない。エンドステージ型だと外野スタンドは見切れ席ではあってもメインステージは近く、舞台袖に来て下さったりフロートが出入りする時には近さが嬉しいのですが。360°ステージという新たな試みに敬意を表しつつ、よりよいものになって欲しいので、プロには想定内の事象と思いつつも老婆心からの客席からのご報告まで。今後また外野スタンド奥が客席になる構成を選択される場合は、少しでも高さをかせげそうなフロートを選んで下さると嬉しいかも。あ、慎太郎君操縦のクレーンで吊るされながら周回して下さってもよいのでは(重機大好き。でもバランスとれなくて危ないですね)

Something from Nothing~Telephone~BE CRAZY~Seize The Day~こっから

今回に限らずSixTONESさんは後半にわざわざ苦行を自らに課す修行僧かという時間帯があって(笑) 「Something from Nothing」でデスヴォイスを絞り出し続けたその後に「Telephone」を踊り、「BE CRAZY」での渾身のヘドバンからの「 Seize The Day」を歌いあげ、「こっから」でぶち上がるとは、その多様さと体力と、喉の酷使とコントロールの難しそうなこと。

東京初日に一緒に入ったジャの道の師匠が「モニター故障してた時があったよね?」と後で聞いてきた「Something from Nothing」。モニターが点く後半も映る演者の姿に文字を被せていたから、恐らく敢えて消して楽曲に集中して欲しい、聴かせたい、という演出意図だと思うのよ、と返事しておきましたが、正解だとしたらモニターに何も映さないという選択の勇気たるや。前述の「Hysteria」とは真逆のそれ。だからこそ、時折走る稲妻の如き光に闇の中から照らし出される姿から伺い知れた、あのデスヴォイスを終始奏でる粉骨砕身の献身に気付いた瞬間は、それこそ雷に撃たれたかのような驚きでした(いや、CDで気付けって話もありますが)

このツアーで最高の、異様なまでの盛り上りだったのが名古屋の2日目(私の体感)で*16極めつけは「Telephone」だったと思うのです。5階の高みから眺めた会場の狂乱の壮観。「Bang Bang Bangin'」の興奮冷めぬままに「Something from Nothing」でさらに盛り上がった月曜夜の客は「万難排してとにかく参加する勢」か「漸く平日でチケットがとれた勢」か。続く客席の異常なハイテンションに反応してさらにボルテージを上げるSixTONES、さらにぶちあがる客席、という幸せな相互作用。負けじとやけくそに近い勢いで踊っていたように見えた「Telephone」はライブの「場の魔法」にかけられ「空気」が最高の味付けをした忘れられない名演だったと思いす。

 特にドーム公演となった昨年から顕著になったように思うのがSixTONESのライブに初参加の方や取材陣による客席の盛り上り方、参加度合いへの称讃。恐らくそれはノンバーバルに醸成される「盛り上げどころ/盛り上がりどころ」の共通理解(これはジャニーズ全般にある)が、"team”を自負するオタク達に自律的に遂行され、周囲に伝播している結果と思われる。今回はSixTONESのライブに慣れていない方達も多くおられたようであったのに、会場のてっぺんにいて周囲を見回しても、上から下まで隈なく、どこを見てもペンライトがもれなく動いていて、その美しい景色がしみじみと嬉しく、SixTONESの勝ちだね、と思った次第。慣声の法則 in DOMEの後、偉そうに『バンドワゴン効果での参入層と、とりあえず見てみたいと受身で楽しませてくれることに期待するだけの”お客様”が一定の割合を占めるようになった時に会場の一体感を保てるか、疎外感ないライブを成立し得るかが勝負だ』等と書いてしまい、現時点では杞憂であったとちょっと恥ずかしくなったりして。

 「JAPONICA STYLE」と並び、360°ステージの威力にひれ伏したのが「Seize The Day」。外連味のないどストレートな内容の曲にして、ロックレーンからセンターに参集し歌い上げるだけのシンプルな構成。なのに後半一気に高まる旋律と歌詞の力に鼓舞され、終盤歌いながら6つの道から歩み寄り円陣を作るメンバーの見合わせる表情にこのライブ最高の高揚感を惹起され、毎回涙が出てきたものです。まさに”I seized those days. You made my life extraordinary.” この曲はペンライトをふり回すのも、踊るのもちょっとそぐわず、身体を揺らす程度で聴きいっていたから歌のメッセージがしっかり伝わってきたのかもしれない。アルバム中、最も好きな曲の一つであったから演出やパフォーマンスへの期待も大きかったけれど「Something from Nothing」で映像が出なかったのと同じく、シンプルな構成のお陰で聴く方も楽曲と歌唱とに集中できたことがよかったのだと思います。オーラスの日の会見で「今回はあまり機構を使わず生身の人間のパフォーマンス、存在感で見せよう」と語られていた意図が如実に表れ、効果的だったのがこの2曲であったように思います。

 そして、とうとうライブで聴けた、大好きどころでは言葉の足りない「こっから」。円陣で向き合った時の6人の筆舌には尽くせぬ表情にはこちらの入り込む余地がないことは明らかなのだけれ*17あなた達とこの曲とを愛しているから、こちらも存分に盛り上がるよ的な、共に作り上げた感。大団円に向けて怒涛のぶち上がりを見せ「こっから」で最高の祝祭空間を共有し、その只中に消えていく構成、本当にお見事。素敵、素敵。

アンコール

あの大阪城ホールのJr.祭りのアンコール飛ばしの経験があるから今だにどんな会場でも真っ先にアンコールの声をあげる私。お疲れのところ早々にアンコールしてすみません。ど定番の「Good Luck」「この星のHIKARI」で気持ち良く踊り歌い、和やかにさようならするのかと思いきや「WHIP THAT」とは!最後に”共に”跳び打ち上げた素晴しいアンコールをありがとう。北斗さんのオーラスでの「俺らが帰らないと次に会う日がやってこない」は至言。「また会いましょう」 ね

グッズ

今回のグッズはこれまでと何となく異なる作風。作成会議の頃には参加は決まっていたのでしょうか。ごぶごぶフェス出演の報にマフラータオルとリストバンド、シックなグッズが多い中でビビッドな緑黒配色であった理由はすぐにわかってにやりとしたものの、ごぶごぶフェスの荷造りをしていて突然腑に落ちたジップバッグの意味!(遅っ…)ツアー中にも遠征の小物や着替え入れ、化粧品の小分け、ご一緒する方達へのご挨拶用のきき湯小袋と双眼鏡クリーナーを包み、と便利に使わせて頂きはしていたものの、そうか野外フェスには必須ですものね。細やかな心遣いに今さら気付いて改めて嬉しくなったり。Tシャツはごぶごぶフェス公式さんのを記念に求めて着て行ったけれど、会場のあちこちで見る緑と黒のタオル、振る腕のリストバンドはちょっと誇らしかった。ヘッドフォン型ペンライトは首にかけて踊れば後ろに落ちそうになるし、振るには飛んでいきそうで怖いし(勢いを考えろって話)、嵩張るし、電池もち今一つだし満員電車でカバンの中で勝手に点灯するし、言いたいことは色々あれど、すっかり愛着(笑) 視認性は抜群だから、これからも複数グループご出演の御社イベント等で愛用させて頂くでしょう。初のご本人達画像がプリントされた(靴*18じゃなくて)Tシャツは素材(乾きやすい)もサイズ感(慣声の法則のTシャツはデザインは大好きなのだけれど、身幅が大き過ぎて踊ると肘が身頃に潜ってしまうのです。それでも愛用していますけれどね)も素敵。そして相変わらず顔だししない作風(笑) やんごとなき人かぃ。とにかく、いつも愛と含みのあるグッズ、感謝、感謝。

 

 思えばデビューツアーからコロナ禍に見舞われたSixTONESさん、何事もなくツアーを完走できるのは当り前ではないと身に染みた数年間。表に出ないお仕事もありましょうから、マネージャーさん達のご苦労はいかばかりか。ましてや追加公演まで検討して(駄々こねて)下さっていたとは。各”ソニーさん”達、ライブ現場関係者各位、バンドメンバーの方々、過密スケジュールの中で健康と美を保って下さったメンバー、皆様ありがとうございました。

オーラス後の取材にあった制作過程の話。ライブ職人的感覚をそれぞれが持った6人の合議の成果が披露されるという平和で合理的な形式は好きだし、Jr.時代からSixTONESのライブ構成の工夫と新奇性を具現化して下さるスタッフさんへの信頼感は絶大だったから、会社の体制や環境が変わっても変わらず「お前ら」と言える関係性でいて下さっているのも本当にありがたい。阿吽の呼吸が馴れ合いではなく、慎重なあなた達が安心して冒険できる支えとなっていて、媚びず、守りに入らず、の志を貫き続けてくださるよう願っています。

はい、疑いなく言いましょう。次なるめっちゃ強いやつ!!  一緒に超無敵になるやつ!! 作ろうぜ*19待ってます。いつでも、どんな北斗さんも応援しているのと同じ位の確信をもって。  かしこ   

*1:2024年4月23日のとうこう

*2:2018年のSummer Paradiseの「Born in the Eearth」~「Power of the Paradise」で縦列最後尾から長い横移動を慌て気味に移動してみえたのが微笑ましかったのですが、今やダイナミックな大回り走り込み。毎度「間に合った〜」と拍手

*3:私見ですが、CHANGE THE ERAなら「Hysteria」「YOU」「T∀BOO」「Body Talk」、Rough ”XXXXXX"では「Time」~「Night Train」、TrackONEーIMPACTーだと「Sun Burns Down」、on eSTの「Mad Love」「Coffee & Cream」、Feel da CITYでは「Lost City」、慣声の方則での「Risky」「VOICE」「人人人」「Cat Call」等

*4:本当にありがたいことに、そして恐縮ながら

*5:ドームではもう叶わないことと思っていたけれど、内野席スタンド下段にいた日は確かに北斗さんがトロッコから見つけてくれたし(と勝手に思い込みました)、アリーナにいた日はうっすらと北斗さんの花道からの”視野に入っていた”と思えました(はい、徐々に望みは低くなっていきます(笑))。承認欲求を満たすためにライブに参加しているわけではないけれど、やはり嬉しいものです。他のアーティストさんには抱かないこの気持ちは大事にしようと思っとります

*6:人生初の着席ブロックですら上半身だけでもと動いていたので、バルコニー席の柔らかい革シートで体幹鍛えられた感じ(笑)

*7:ロックレーンの名称、オーラスの会見でではなくツアー初期に明かして頂いたら話題にしやすいのに。男子の秘密兵器自慢的

*8:どんな人気グループのライブでも自担が出ていないと座ってスマホ見たりお喋りしていたりする人はいるのですよ。その人の自由とは思いながらやはり悲しいというか、残念に思ってしまう

*9:常にセンターステージを見ているからからスタッフさんの搬入が見えてしまうのも、それはそれで楽しい

*10:どんなに良い曲を歌い、攻めた演出をしても、シンメの背中合わせやメンバーのお尻触った時の方が会場が沸くグループに、ファンを育て損なったと思ったことがあり。それはアイドルの一面で否定はしないけれど、少なくともSixTONESが求める世界ではないと思うので

*11:ジェシー君が”点呼”とるまでもなく、例えば東京のアリーナAでは各列1人以上男性がいたから約5%程度?

*12:ジェシー君のソファの背もたれに仁王立ちする体幹力と脚の長さ!見やすくてよかったなあ、あの高さ

*13:あの時間帯もファンサうちわを掲げている方達はいらっしゃるのだろうか。いるなら執念に感心してしまう

*14:ロンドン留学中、新年を迎えたビッグベンから四方八方に横に噴き出す花火を見てイギリス人のアナーキーさ(だって国会議事堂ですよ)に楽しくなっちゃったのを思い出しました。メインステージの柱も花火を噴射するために太くなってしまったのなら止むを得ん、許そう(笑) などと思ったりするくらい

*15:髙地君も運転席でなく上に乗りたい気持ちもわかるからなあ

*16:名古屋に何か特殊な事情があるとは思わないのですが、今年のKingGnuさんの名古屋日曜に参加した時も、常田さんも思わず額から流血する笑ほどの盛り上がりっぷりでした。何故なのかしら

*17:アイドル=偶像として崇め奉るような一方向性ではない「私達が入り込む余地」があるのではないかという思いを抱けることもSixTONESの独自性ではないかと思っている。それは一面真実のようでいて錯覚でもあると思うのだけれど、そこの距離感と線引きがお上手

*18:on eSTのロンTね

*19:北斗學園2024年4月25日のとうこう

067_2024年01月30日_THE VIBES

拝啓

 日毎に寒さ厳しき大寒の候、風邪など召されていませんか。いかにもあなた達らしい生配信で明けた2024年。楽しい年越しをありがとうございました。その最後に投じられた北斗さんの「1月のSixTONESは楽しいぞ」*1の言葉通り、おかげさまで楽しい1月を過しております。

今年はお正月ではないとはいえ、フラゲ日の朝7時に届けて下さる配送業者さんに感謝しつつコンビニで3種受取り仕事前に早速わくわく『スーパーボーイ』と『君がいない』を聴きました。『人人人』に始まり『こっから』で確立した、アドリブ交えた自由なパフォーマンス。自由さを担保するには必須の歌唱力、表現力が素人でもわかる程全員もれなく底上げされている。恐らく楽曲選択におけるスタッフさんやエラい人との意思疎通も良好なことも窺われる。そのためか総じてこれまでの「気合入ってます」感から、実績を積み重ね実力を蓄えてきている人達らしい肩の力の抜け方、自分達がまず徹底的に楽しむことが是といった空気感になっているようで嬉しい。ツアー前にアルバムを聴き込める初の機会の今回は、他の方の感想の影響をうける前*2に”自分の耳で聴き、目で見た2週間目*3”の感想をば。

アートワークなど

活き活きした破調、自由、混沌の調和、は他の追随を許さないSixTONESならではの持ち味だと思っているので、今回満を持してメンバー個々の豊かな表情をフィーチャーし、個性溢れる装いのジャケット登場が嬉しかったこと!『THE VIBES』ですものね!最近のジャケットでは『ABARERO』も『こっから』も甲乙つけ難いけれど、何でも着こなし、個性的な風体に統一感がでるというグループの特質を最も生かしているという点ではこのアルバムの装丁が一番好きかな。もちろんクール、スタイリッシュもSixTONES”らしさ”で、前3作のアルバムでは敢えてメンバーの個性を顕にせず、衣装もモノクロで統一した、評価はまず楽曲と歌でしてくれ、といわんばかりのジャケットであったような。『1ST』では前のめりに「あれもこれもできますぜ」的楽曲群満載なのにストイックなタイトルが最も目立つモノクロ背景+顔がほぼ見えない写真。これはこれで大好きですがアイドルのデビュー盤にしちゃあ渋すぎやしませんか(笑)。『CITY』ではジャケットの彩こそ豊かだったけれど唯一こちらに顔を見せている通常盤ですら表情は抑制されていた。楽曲や『Feel da CITY』ライブ(特にOP)は大好きだったし、街コンセプトのグッズ類は香港辺りの混沌と洗練の混じる雰囲気が素敵だけれど、アルバムジャケットだけはきれいにまとまり過ぎているようで面白みは感じなかった。誠にスタイリッシュで大好きな『声』のジャケットもようやく視線がこちら向きとなれどやはり表情はクールに抑え目。『Voice』でアルバムとしての骨太な意思表明がされたからビジュアルでは強く主張しなかったのかと。今回はジャケットに『THE VIBES』の”取説”あるいは”意図”がデザインとして配されているのがお洒落。”THE VIBES”つまり抽象的な空気感や雰囲気=ノリを主題とするアルバムにおいて内容でくどく説明するのも野暮だし、この提示法は流石。そして同じくライブの最後にスピーチをほぼしないSixTONESさんの姿勢、私大好きなのですよね。伝えたいことは、言葉じゃなくて在り方、行動、楽曲の文脈で受取ってくれ、あるいは照れ屋なだけなのかもしれないけれど(笑)

通常盤(初回仕様)はスリーブ裏にも柄があって素敵!いつも細部までありがとう。シングル、アルバム問わずこれはあったりなかったりまちまちですが、全体の装丁のディレクションする方の好みなのでしょうか。フォトブックは表情の不敵さも衣装も素敵!!より洗練されているし面構えもずっと大人だけれど『Track ONE-IMPACT-』のパンフレットに近い印象。ああ、あれも大好きでした。そしてブックレットはこれまでで最も歌詞が読みやすい!黒地にSans Serif+Boldの白フォントの視認しやすいこと。ありがたい。今時、歌詞サイトで読めるわけですが、製作者がどのくらい歌詞を”デザイン”としてではなく”伝えたい内容”として発信されているのか、という気持ちの問題なのです(笑)

初回盤はパッケージの曲名も、白地にオレンジで見やすくて嬉しい。中のジャケットも紙で、手触りの温かさもvibesをあげますよね。インスタライブでそこに触れて下さり我が意を得たり。開くと恭しく現れるフォトブックの雰囲気もまた素敵。

特典映像は他のジャニーズの円盤のそれに比べると意図的にか人柄かソニーさんの社風なのか、手はこんでない(笑)。私はその気合い入ってなさ度合いが好きなのですが(ファンもファンで視聴期限ギリ組散見。勿論忙しい中に一生懸命製作されていると承知はしていますが)徐々に何となくこなれた感じになりながらも「おかしな人達感」が増していて(笑) ただの振動トレーニング機器なのに患者さんに運動指導する時にあの「淡々とした狼狽ぶり」を思い出しては笑ってしまうのですよ。あーあなた達、世界一面白い

楽曲

音楽誌のレビューだけでなく、インスタライブやYouTubeのコメント欄、ファンの方々のSNS等、即時性とセンスあるコメントが豊富な中、音楽の知識や素養がない自分の感想を綴るのは勇気のいることではありますが「私の好き」を考えることは生き甲斐のようなもので、僭越ながら今回は【好きな歌詞】【妄想用途】の2点付で書いてみました。

こっから

とにかく2023年後半はこの曲につきましたよね。と書いた途端の年始のTHE FIRST TAKE。まだ掘れるのか、と驚嘆しつつ、地上波披露時の情熱滾らすver.ではなくDJとのクールな煽り合いの洒脱ver.を堪能いたしました。数々のパフォーマンスについて語りだしたら止まらないけれど、いよいよライブで共に盛り上がれる日が来るとは!!Sexy ZoneTravis Japanなど他のグループのライブでも、『Act One』をスーパーヴァイズした光一君がJr.から聞き取り調査した内容*4からも、最近のライブで演者が目指す方向性は「客席踊らせ会場揺らす」のように思えます。その点、個々のメンバーが自由に動いた時の爆発力やアドリブの圧倒的上手さ、吸引力においてはSixTONESは群を抜いていると思います。同じ記事で光一君が「曲を育てる、曲が育つ」ということを書いていらして膝を打つ思いで拝読しましたが、『こっから』がライブで育つ過程を目撃し体感する楽しさ、共に育てる喜び。想像するだけで2月が待ちきれない思いです。

【好きな歌詞】  「しかし悔しさで黒く燃える腹ん中」。世間で言われる「上品」「繊細」「儚い」側面も北斗さんだと思いつつ、私が好きな松村北斗はどろどろした葛藤を内面に留めつつ、そこに素朴と純粋と無邪気と律儀と賢さが上屋として乗っかる複雑な人間性なのです。佐伯さん、よくぞこの歌詞を北斗さんにあてて下さったと何万回も頷いてしまう。

【妄想用途】『だが情熱はある』の主題歌としてあまりに秀逸だけれど、強いてそれ以外でというなら真夏、ぎらっぎらの太陽の下のフェスの屋外ステージで聴いてみたいかな*5

Alright

SixTONESさんには珍しい所謂CITY POP的曲調。80年代音楽に浸かった世代には、初っ端の「黄昏色」の語感と音階だけでもうザッツシティーポップと思ってしまう(笑)。「ビルライト」「潮風」なんて単語が続けば達郎さんが楽曲提供して下さる未来を想像したりして。「成功も失敗もAlright」の辺りは嘗て西海岸の腕利きミュージシャンを動員してレコーディングした頃のSMAPが歌っていそうな風味。その辺りが恐らく大我君のセルフライナーノーツにある「高飛車、気怠さ」感でしょうか。でも、その一節の6人重なった声の厚みと力強さのお陰か、歌詞にも表れる今の若者の「地に足着いた感」が勝って、CITY POP的軟派さや、当時のSMAPのバブリーな軽さは感じられない。それは声の強さや歌唱技術もさることながら、SixTONESのもつ素晴らしい特質である「込められた思いや意味を歌に載せて表現する」能力の高さによるのだと思います。単に「歌詞を正確に音階にのせて発声する」だけでなく「楽曲の世界を演じる」かのように表現する力は歌手専業の方達をしのぐものがある(少なくとも私に伝わってくる度合いとしては確実に)と、どの曲でも聴く度に感じます。
曲の面白さとしては、”過ぎた日々の”の前の一拍空白とそこからの音の下がり方が好き。歌うのは難しそうですね。

【好きな歌詞】「One way潔く行け」「One way 素敵じゃないか」

【妄想用途】お仕事ドラマの”月9”挿入歌。一山越えて安堵、次回へ続くのくだりで流れる(最初日曜劇場と思ったけれど、そこまで重厚じゃないかな)。または歴代Suchmos、SIRUP、King Gnu、Friday Night Plans、藤井風(敬称略)が担当してきた某ホンダSUV車のCMソング。あれ、出世枠ですよねー。

アンセム

発売前に明かされていた部分だけでも”がたがたご〜”が脳内ヘビロテになったキャッチーさ。とはいえ大衆に迎合したウケ狙い曲ではなく、硬派。『こっから』が気迫と情熱溢れる感じなら、こちらは拳振り上げても表情には厳つさはない「肩の力は抜けている」感。間違いも場違いも勘違いも引き連れて疾走すれど眦決してという程でもなく、「俺等がゲームチェンジャー」という不敵さもみえる。プレミア公開で「おーおーおーおおー」の響きを聴いた瞬間に想起した、拳突き上げてスタジアムで大合唱する光景をYouTubeコメント欄に書いたものの、同意して下さる方は1名しかおられず*6(笑)私の意見なんてそんなもんよ、と寂しく思っておりましたが(同じく『スーパーボーイ』スチャダラパーさん風味説も)Talking Rock!誌さんが私と同じ意見ではないですか。ふふふ。いつか日産スタジアム、長居、いやWembley Stadiumで9万人で拳突き上げようぜ!

MVのジェシー君の走り方とダンスのトリッキーさが好き*7。MVでも主役感がありますが、この曲はジェシー君の自在な声色と迫力ある煽りが本当に生きる。ジェシー君ならではの"screeeam!”の一声に、一斉に6人が突撃するかのようなパフォーマンスにぞくぞくするし*8、こちらも大声あげて騒ぎたい!そう、ジェシー君を見るたびに、私の夢が人の形をしていると思うのです。頭の回転の早さ、語彙のセンス、まさにgiftと称したいその声、歌やダンスの独自の輝き、容姿、人柄…よくぞ神様、私の生きているこの時代にジェシー君を地上にアイドル・アーティストとして遣わして下さった、ジェシー君のお父様、英語で育てて下さってありがとう、と*9

【好きな歌詞】「不条理な運命すらねじ曲げてく 理想と現実の距離を1歩ずつ埋めるノンフィクション」“ねじ曲げる”強引さと”1歩ずつ”という手堅さが同居するのがSixTONES(笑)

【妄想用途】SixTONESドキュメンタリー映画(『Bohemian Rhapsody』みたいな)のライブシーンでステージから野外の広ーーい客席の見晴らしの映像で使って欲しい

ABARERO

改めて聴くとドームに至るあの時の勢いはまさにこの曲に凝縮されているなあと。このドスドスバスドラの祭り囃子に後押しされた公演でしたね。馬鹿の一つ覚え的に「攻めていて欲しい」と願ってきたけれど、それは別にこういうガツガツした曲ばかりではなく『Hysteria』なんて静かながら最高に「攻めた」曲だと思います。でも、文字通り「攻めた」この曲はあの時、必要だったのでしょうね。

【好きな歌詞】「Hatersは構わない」SixTONESの楽曲ではお馴染み"Haters"。”星のみえない夜”と並ぶ頻出ぶり。この間は”Haters, come on”って煽っていたけれど、今回はスルーなのですね(笑)

【妄想用途】『AKIRA』みたいなSFアクションアニメの劇中歌(単に赤基調だから連想しただけかも..)

Something from Nothing

おお〜ハードロック!デスヴォイスまで使うのかと感心すると同時に咽喉が心配*10なので、本当にドームツアーの1日1公演でよかったと思っています。老婆心です(笑) 何者でもなかった頃に口にすることで自信を得たかったのだろうなという『Amazing!!!!!!』から、『In the Storm』で荒波にもまれ、先が仄かに見えてきた『Rollin'』期を経て、1年目の青き『ST』、そして今、自信と実力をつけてきた人達の『Something from Nothing』。何一つ譲るもんなんて無えよ的な。

【好きな歌詞】「Now look at us! SixTONES」言葉数多く「魅せるからほらこっちへ来いよ Checkしとけ俺の全て」と歌った若き日に比べ、今や御託並べず一言ただ「見ろ」と(笑)

「この感性、知性、総動員のTry」一見ぶっきらぼうそうな歌でありつつSixTONESが感性、知性で闘っている人達だと知らしめているのがGood Job

【妄想用途】社会派ドラマ(池井戸潤さん原作みたいな)、あるいは「スポーツ頂上決戦」のテーマ曲

Only holy

定期的に歌詞に”永遠”を織り込んでくる*11SixTONESさんの、温かい、温かい曲。イントロは何となく藤井風君が歌い出しそう(笑)*12。たとえば『Lifetime』のような大きさや拡がりをもった愛ではなく、真冬の寒さから守られたリビングルーム1部屋分の、手の届く目の前の人との小さな幸せ。身近な大切な人への愛、ドラムのリズムの刻み方などが『love u…』と通底するように思えて聴き比べてみたり。『love u…』は恋愛真っ只中の脳も蕩けそうな熱さと高揚感なら、少しテンポも遅く、ドラムの音も低めのこちらは既に家族のような愛。永続は夢ではなく現実。こんな100%幸せに満ちた曲世界、実はSixTONESさんにもあってよいですよね。同じ旋律を違う人が歌うことで歌詞の味わいが異なる妙。オムニバスドラマを観ているかのような。歌唱力の高さ、という冠が当り前になってきているけれど、音程や声量だけではなく、世界観や曲の気分、背景を”物語る”力が6人各々に高いのですよ、さらにパフォーマンスが加わるとそれが数倍増するのですよ、と誰彼なくつかまえて主張したい。

【好きな歌詞】「幾千もの 星の下で ふたり重ねた奇跡を 心に灯して歩いていこうよ」自分がなくなりそうな思いで独り星空を見つめていた北斗少年。志を抱きつつ「星の見えない夜」に支えあったメンバー達。それが降るような星の下で心温まる思い出を共有できる”君”と共に居られるようになった幸せを思って一人勝手に感動している私(笑)

【妄想用途】ビリーワイルダー作品的なロマンティックコメディー短編映画(どたばたの末のハッピーエンド)のエンディングテーマ 

DON-DON-DON

そんな小さな幸せを叙情的に歌い上げた後にこの曲(笑) 「I’M THE DON」ってラスボスの意味のDONですか?Mr. ZUDONが現れるのではないですよね?まさに「Go crazy」なパフォーマンスのハイカロリーさが今から思い浮かぶ曲。「KEEP IT BUMPIN’」のちょっとオリエンタな旋律が好き。「BACK IT UP」の慎太郎君のシラブルのリズムのよさや「BE WHAT YOU WANNNA YOU WANNA,WHAT YOU WANNA BE」「重低音~ 無礼講~」の髙地君の歯切れのよさ。重低音がどすどすしている中の歌唱技術の素晴らしさ。単調になっても誰も気にしないでノッているであろうPARTY TUNEでこんなに幾度も曲調を変えてくる丁寧な職人仕事。その後のメロディアスな部分で大我君の高音と北斗さんの低音が入ってくるのが気持ちよい。

【好きな歌詞】「信じてるME, MYSELF & I」どんだけ自分…(笑)と思ったら「自分勝手なタイプ」という意味があるらしい。”so fly”も滅茶かっこいいというスラングなのだとこの曲で知りました。生きた英語学習まじ感謝。

【妄想用途】『キル・ビル』みたいなモダンヤクザ映画のエンドロールで、乱闘シーン総集編のBGMとして(笑)

Bang Bang Bangin’

『Special Order』では中東調がちら見えし、今回はボリウッド映画かな。ダンスがボリウッド*13だったら大変そう。ただでさえこの超速の曲を歌うSixTONESさん、ぱないっす。という感じなのに。これ聴きながらエアロバイクこいだら平均125RPMくらいになって(笑)

【好きな歌詞】「My name is “fire burn”  a.k.a. SixTONES」火傷すっどー、みたいな感じ?

【妄想用途】『RRR』ばりの全編踊りと戦闘シーン、熱い男達の友情、みたいなボリウッド映画の劇中歌。「らたらたたた」で戦闘モードアドレナリン全開の主人公が無意味にスクリーン一杯の大映しになって欲しい。

SPECIAL

明るいハッピーチューン。『彗星の空』程には背景に物語性はなくて『オンガク』程キラキラした感情が溢れていないけれど、これらの曲同様の強固な、でも少し力みのとれた安定した仲間への思いが大人~。「いつもありがとう bottom of my heart」の歌詞に、YouTubeやバラエティ番組でよく目にする「ありがとう」と日常的に声かけあう、育ちのよい人達よね、と思い出したりする。

【好きな歌詞】「一度きりの人生 試練さえも楽しむmindでlet's get it」「ありふれた毎日が繋げるstory」

【妄想用途】曲調や「you’re my special one」からすると定番お手振り曲か、あるいはアンコール登場時の曲。

Seize The Day

試聴とで最も印象が変わった曲。これまであまりSixTONESにはなかったように思う洋楽調?(”Conservative is no answer”ですもんね)こういう曲調をそこまで好きになるとは思わなかったけれど、今や本アルバムで最も好きな曲の1つ。特に樹君の高音の「Seize the day」からの転調のカタルシス感たるや。樹君は音程を確実にとるし、ハイトーンもすごく魅力的ですよね。大我君の朗々とした正統派の澄んだ高音や、ジェシー君のふわっと蒸気のように立ち昇る高音、北斗君の真っ直ぐよく通るそれとも違う。いうなれば「漢」な味わい、実は最もド直球な人間性が心に殴りこんでくるような声。それが映画『The dead poets' society』の"Carpe Diem. Seize the days, boys. Make your lives extraordinary."を体現しているようで。樹君にはブルースを歌ってみて欲しいなあ(好きかどうかは知らないけど)。そんな樹君の声が際立つのも様々な声色を駆使できる他の5人が真っ直ぐな歌い方に徹しているからかしらんと、チームワークの妙を聴いた感じ。

【好きな歌詞】「Ready to take off Receiving headwinds and fly off~It’s the time, for you now feel it in your hands」追い風なんて吹いていたことないけれど、逆風の方が高く舞い上がれるんだ!

【妄想用途】王道ヒーロー映画のエンディングで壮麗に流れていそう。『アルマゲドン』的な。あるいはライブ本編の最後。この曲が流れる中、宙に上がって帰っていくSixTONESさん…

TOP SECRET

あまり恋愛でやらかしそうにないSixTONESさんだけれど、“OMG"から始まるのですね(笑)。冒頭の baeって何?と思ったら”before anyone else”なのですね。またもやスラングを学習(笑) ベースで鳴り続けるバスドラムの音の響きが、まさに「やっちまった」人の内心の焦り、ドキドキ感のよう。百戦錬磨どころか意外にかわいい。同じく”友達とやばい感じになっちゃった/なりそう”的状況でも、Sexy Zoneの名曲『タイムトラベル』のような小ずるさがない純朴さ。北斗さんの「ただの友達」の節回しがいい。

【好きな歌詞】曲は大好きですが、これって歌詞はあまりないですよね(笑) インスタライブで「自由の女神」という表現が好きというコメントありましたが、私はつい「仁王立ちする大女像」が頭に浮かんでしまい、つくづくロマンチックとかドラマチックとはほど遠い性格(笑)

【妄想用途】映画やドラマの主題歌ではなく、むしろこの楽曲世界を実写化、ショートムービーにして欲しかったりする。同じ女優さんをヒロインにして6人それぞれでこの曲を演じるオムニバス。

CREAK

堂々のシングル曲がこのアルバムでこの並びで聴くとさらにひきたつ気がするアルバムの魔法。シングルリリース時は『ABARERO』『こっから』と激情タイプのパフォーマンスが続いた後。『人人人』や『こっから』のようなライブ感溢れるパフォーマンスが素晴しすぎて好きすぎて、振り付けに則り端正に踊っていたこの曲の初出のパフォーマンスには強い印象はうけなかったのではないかと今なら思うのですが、ダンスと歌の難度からすれば忠実なだけで十分すぎるのに、ファンというのはなんと贅沢な生き物なのであろうか。この曲は演者の踊り、歌をありがたく拝受すべきものでした。

【好きな歌詞】「上等だ!How and whyは自分に問え」

【妄想用途】『ノッキンオン・ロックドドア』の主題歌一択...でも、オールナイトニッポンでの”活用法”は出色でしたね(笑)

DRAMA

冒頭のサイレンみたいなパラパラパラパラッパーがオリエンタルで楽しいし、そこにゴリゴリの樹君のラップが加わる無敵さ。『DON-DON-DON』と同じくオラオラの曲と思いきや、メロディアスで美しいパートが入れ替わりに顔を出すし、正体不明の愛らしい音が混じるし。一品で温かいもの、冷たいもの、汁物など色々楽しめる松花堂弁当的な展開が、声が美しく強く歌えるグループならではで楽しくて。例えば正統派のメインヴォーカルが進行する中でラップが現れる展開はよくあれど、さらにフェイクありアドリブあり、がなり声もあれば優しい声も、吐息も(笑)加わり、音域も広い。すべてを全員が一定以上の質で生かせるグループはそうそうないと思うのです。。

【好きな歌詞】「二の足なんて 踏む暇ないぜ」大我君が歌う胡散臭さが何となく好き。「さぁ、踊りなPUPPET  ON STRINGS」「どちらがPUPPET?」という問いはあれど『フィギュア』のようにショウウインドウで座して待つのではなく主体的に踊っているわけですよね、操られてはいても。

【妄想用途】お笑い番組の決戦投票のジングル、あるいはライブ本編最後に「まだ帰す気はない」って歌って欲しい

House of Cards

切ないバラード。6人6様の切なさなのだけれど、この曲では慎太郎君と髙地君が切なさの主役を担っているように思えます。勿論『DRAMA』の最後で「HA HA」と強烈に煽った舌の根も乾かぬうちに、sensitiveでInnocentでsoftlyな歌い出しをするジェシー君の変幻自在さや(いや、続けてレコーディングしていないでしょう(笑))、お洒落なバラードにSixTONESらしい風味付けをしてくれる樹君のざらざらした武骨な声も、砂上の楼閣の儚さを声で描き出す大我君と北斗さんも、6人の力が合わさっての楽曲の表現ですが、とにかく、慎太郎君と髙地君が楽曲のムードを規定しているように思える。この曲を全員一致で選んだというのが不安や脆さと向き合うことを強いられるお仕事なのだろうなとこちらが切なくなります。でも、このアルバム自信満々だから、ちょっとはそういうanother side of SixTONESが垣間見えると少し安心したりして。まだ近くにいるのだなあ、的な(笑) 旋律のメランコリックさや楽曲の広がり感にパット・メセニーを想起させられたのは私だけかしら
【好きな歌詞】ここでもSixTONESさん恒例の「星のない夜」が登場。でも今回は強いな。”I ain't going no where”とは。

【妄想用途】社会派医療ドラマのエンディングテーマ。

Blue Days

プロの歌い手さんなのだから私などが偉そうに評することではないのですが、髙地君、こんなに高低自在に伸びやかに声を出されるようになられたのですね。舞台発声の経験も大きいかもしれませんが、まさに「なりたい君になれるように 描き出す青写真を 胸の中無くさないように」来られたのでしょうね。『真夏の夜の夢』や『星降る夜に出掛けよう』で感じ、歌唱にもおいても通じるように思える髙地君のすごさは「高地優吾である」という芯を全くぶらすことないままに様々な作品や現場にフィットすることだと思います。ジェシー君の声は曲により変幻自在だし、北斗さんは演じる人物により佇まいが変わる。慎太郎君の山里さんはまさに憑依を体現していた。髙地君はもちろん悪い意味でなく、高地優吾を通したままで技術的な幅を広げ、むしろ環境を自分によせてものにしてしまう感じ(あくまで素人の感想です)。まさに「自分の型崩してまで欲しいモンなんて そんなあるかな」。人間国宝・玉様の手になる前衛劇の、ちょっと不思議な登場人物として説得力がありながら髙地優吾である、あるいはシェイクスピア戯曲の登場人物という”型”に髙地優吾の人間性が透けて見えるような。大阪まで足を延ばした甲斐があったし、日生に劇場に3回入ってもまだ観たかったと思ったものでした。一方ジェシー君。「悪戯な日々に冷たくされても 誰がを恨むなんてしないで欲しい」だけで「あまりにジェシー君で」泣けましたが、続く「この歌で なかった事にならないってわかってるよ それでも届くように歌を歌うよ」は他人の深い心のうちには立ち入れないという限界と線引きを認識しつつも歌い手としての願いが凄まじいなと思って、その覚悟にうたれたものでした(歌割りは無視して、作詞家が別の方とはわかっていて、お二人が考えていそうとの印象で書いています)。

【好きな歌詞】前述の部分に感じ入りましたが「隣に居るように歌を歌うよ」もきっと多くの方の救いになるのでしょうね。

【妄想用途】『バリューの真実』で将来仕事にやり甲斐が見出せるか、働く意味とは、みたいなテーマがあったら(いや、大人向けでも)この歌詞を読み解いて欲しい。ジェシー君と髙地君が並びアカペラで歌うバックで4人でコーラスとギター伴奏して欲しい

希望の唄

まさに「希望の唄」掛け値なしに真っ直ぐ。上でも下からでもない同じ目線。恐らく屈託と含羞は余りあるのに、だからこそこれを歌える人と、真っ直ぐ真っ直ぐ生きてきたからこそ説得力のある人と。メッセージ性と疾走感あるバンドサウンドがなんと似合うお二人なのか。慎太郎君のダンスが大好きなのでユニット曲でもがっつり踊って欲しいのですが、この曲はタオルぶん回し、拳あげてステージ狭しと走り回る光景が浮かぶ。大我君はどうしてもギター抱えているイメージになってしまうけれど。 このアルバムでツアーグッズのマフラータオルを回すとしたら、この曲か『Bang Bang Bangin’』かですよね。

【好きな歌詞】「バレないように書き殴った あの落書きと自作の名言」これ、まんま学生時代の大我少年ではないかしらと、ちょっとにやけて聴いてしまった。「笑って 笑って 生きていたい」これも、ザ・森本慎太郎のイメージ。あくまで聞くところによる、ですが。

【妄想用途】少年少女の一夏の大冒険を描いたジュブナイル映画か、大会を目指す部活ドキュメンタリーのテーマ曲

スーパーボーイ

北斗さんと樹君の圧倒的リズム感と抑揚の絶妙さに幾度も聴きいってしまう。このアルバムでは一番好きな曲。こすり過ぎだろと反省する位、幾度もSNSネタにさせて頂きました。digeST公開で既に「邪念がない 邪念がない」って脳内無限ローテに陥らせる佐伯さんとほくじゅり無双。当初はMVの部分的な印象もあってひたすら「人をくった」曲だと思っていて、先にフルで聴いた(?)7MEN侍君達が「エモい」と評していたのが謎だったのですが、フルを聴くとなるほど転調から「経たね~」後がエモいわけですね。平成だと地元じゃ負け知らず修二と彰になるところが、令和だとガキの頃の与太話を繰り広げつつ、でももう戻れないという厳然とした事実も冷静に認識しているし、ネタとして”無敵さ”を面白がり懐かしんでいても決して戻りたいわけではない、大人な北斗と樹。北斗さんの「いつまぁでもぉう」はやんちゃな響きなのに(これ、大好き)樹君のそれがやや冷めた感じなことや、二度目の「邪念がない」にうつ相槌が「うん」というより「ほうん」という響きだったりするのが素敵。フルで聴いて初めて知る自主規制音(笑)。音を聴いて?と思った謎の”ぽっぽ~”の叫びの本体が明らかになるMV。全貌を知るとやっぱり結局捻りだらけのシュールで「人をくった」曲ではあるのだけれど(それ、私が「ってあなた」におかしみを感じてしまった人間だからかしら)、最後席を立つ直前の一瞬、映される樹君のとろけるような笑顔に、あなた達の歴史と関係性が凝縮されているようで、ちょっときゅんとしてしまい。

【好きな歌詞】「~高いってアレね Expensive じゃなくて Higher の方ね」digeST公開時に最も話題を呼んだ言葉だと思いますが、意図的にあの胡散臭い程に良すぎる発音にされたのだと思ったのですが、逆に「正確に発音したのが世間でネタにされている」という方が結構いらして驚き(え、私のとり方が間違ってますか…?)

【妄想用途】いや、もう冒頭の「restaurant Poppo 24h Super Boy Corp.」の看板から始まり、あの何とも言えないキッチュさとエモさの詰まったMVでもうお腹いっぱいです。好きだわ~

君がいない

事前に唯一与えられた「君がいれば何もいらないのに 連れ去ってこの痛みごと」の歌詞から『Gum Tape』系のしんみりした爽やか曲かと思いきや、クセ強懊悩ソング(笑) 隠し玉になったの納得。またやりやがったな(笑)『TOP SECRET』と通底するドスドス響くバスドラムに、勝手に続編(友達とやらかした末に結局つきあったものの、ほどなく去られてしまった)みたいに思ったり(笑) かといって『マスカラ』のような重苦しさはなく。うらみつらみ、後悔で余裕なさげな歌詞なのに、辛さだけではなくてどこか抜け感がある。THE FIRST TAKEでの北斗さんの余裕ありげなカメラ目線の”顔芸”や他のメンバーのアレンジにもそれを感じたからあながちこの解釈も間違いではないような。だから及川みっちーのライブみたいに客席皆で「嗚呼~」って言ってよろめき倒れるとか、やってみたくなってしまうのですよ。あるいは特典映像でアンセムについて北斗さんがおっしゃっていたように「ライブで皆で”あーっ”、”おー”って声だす」のをこの曲で(笑)。先日、SAYA YAMAMARUさんがこの曲で踊ってらしたかっけぇ~TikTokが流れてきましたが、いかようにでもできそうなだけに、どんなパフォーマンスか一番楽しみな曲の一つです。

【好きな歌詞】「何気ない日々にイラつき」「寝ぼけた頭コーヒーで覚ませば 嗚呼、君がいない」眠りは脳の大事な防衛機能だから、その生理をカフェインで破って我にかえると「君がいない」現実が突きつけられる感が否応ない。

【妄想用途】叙情性と下世話さが同居する森田芳光監督作品の主題歌。あるいは日活ロマンポルノ

ONE SONG

ジェシー君の「give me power~ like a flower」の脚韻の、ふわっと柔らかに花が開くような、軽やかに力が注がれるような歌い方が素敵。穏やかな人間関係。その「当たり前じゃない隣の君」は、メンバー、スタッフさん、いろいろな見方が可能だけれど我々ファンでもあるのかな(願望)

【好きな歌詞】「I'll cherish every moment in my life」cherishという単語のニュアンスが好きなのです。

【妄想用途】焚き火囲みギターつま弾きながら歌う感じ。キャンプ企画で皆さんで歌って下さいませ。北斗さんギターで。

Drive -THE VIBES ver.-

きらきら金管が好き。かっこいい!ゴージャス!『With the Flow』が晩冬の南仏の海岸を走る感じで、オリジナルverの『Drive』が厳つい装備のJeepのピックアップトラックで悪路乗り越えゆくならば、『THE VIBES ver.』はドレスアップしてジャガーコンバーチブルの屋根あけて都会の目抜き通りを走って欲しい感じ。

【好きな歌詞】「行き先ならwhere the wind blows」そういう旅、憧れるんですよ。ぎっちぎちに予定詰めちゃうから(笑) 

【妄想用途】ウェルメイドなデートムービーの挿入歌、あるいは男臭いバディものロードムービー

 

今回はアルバム発売からツアーまでの純粋に曲を堪能する時間があって嬉しい限り。存分に円盤を聴きこんでいます。SNSにはツアーに当たらなかった方達の諸々が書き込まれていて本当に恐縮なのですが、自分だけでなく友人知人ももれなく皆入れて嬉しい限り。パフォーマンスや構成を初めて知る初日の驚き、回を重ねて変化していく楽しみ、客席との相互作用の魔法、本当に楽しみにしています。例えばダンスや歌だけをとれば他にも上手なアーティストさんはたくさんおられます。しかし、ライブが育つ、楽曲もメンバーも日々進化・変化する。そんなライブと音楽の醍醐味を味わせてくれることにおいてはSixTONESは格別なのです。それも含めて今回は、楽曲についての感想を超えてメンバーの皆さんについて立ち入ったことを書いてしまい、お気を悪くされたら申し訳ありません。直接お話したことがあるわけでもない一介のファンの憶測で、他人から決め付けられるのが恐らく嬉しく思わない方々に失礼かとは思ったのですが、聴いているうちにそんなことを感じている人もいるのだなー程度でご容赦頂ければ幸いです。

と、ここまで書いて気付いたのですが、私、今回の楽曲の話であまり北斗さんについて触れていないのでは…。『スーパーボーイ』が好きすぎてそれだけでも大満足なのですが(笑)、『CREAK』との2曲を除けば北斗さんがフィーチャーされたパートはあまりなかったかもしれない。でも、音楽に詳しくない私でも、歌に趣をもたせ彩りを与えるために北斗さんが貢献していて、広い音域が楽曲に厚みを加えているのはよくわかる。他のグループにいたらメインボーカルだったかもしれないくらい全員が歌えるグループにおける、そんな北斗さんの在り方や仕事っぷりが私は大好きです(いや、そんな縁の下の力持ちになっているつもりはないって思われたらごめんなさい)。既に各方面から高評価を得ている『夜明けのすべて』*14でも「これみよがしでない」ことを心がけていらしたことをはじめ、インタビューの内容は深く頷くことばかりでした。それでいて萌音さんに「私は松村さんの演技に幾度も嫉妬した」と言わしめている。かくあって欲しい俳優像であってくださることがどれだけ嬉しいことか。レビューやインタビューを渉猟するだけで満足してはいけない(笑) 試写会は悉く手が届きませんでしたが、封切りをわくわく心待ちにしています(舞台挨拶、そろそろ当たってくれないかしら…)。

インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も益々流行っております。ライブ会場でマスクを付けている方は少なくなり、声も出せるようになった今、映画公開とツアーが重なる北斗さん、他にもそれぞれの大事なお仕事を抱えておられるであろうメンバーの皆さん。その鬼スケジュールを支えるスタッフの皆様、本当にお身体にお気をつけてツアーを乗り切ってくださるようお祈りしております。

もうじきお目にかかれる時を指折り数えながら。いつでもどんな北斗さんも応援しています。                            かしこ

*1:っておっしゃってhましたよね?何回か聞き直してしまいました。

*2:年末のTalking Rock!誌は読んでしまったのですが、他のレビューは極力読まずに書いてます。北斗さんのインスタライブで他の方のコメントを見聞きしてすごいなーと思いましたが、私も頑張った(いや頼まれたわけでもないんですが)

*3:発売3週目になりますが、合間にKing Gnuさんのバンテリンドーム公演に参加したので(常田氏が流血した伝説になるあの日ですよ。ふふふ)礼儀上King Gnuさん再聴きこみ日もありましたので正味2週間。聴きながらメモしてまとめたのが17日なのに浅い感想だなーと加筆したり、書き上げたら思いの外長くなってしまって便箋に書くのに丸3日かかり(笑)

*4:日経エンタテインメント連載「エンタテイナーの条件」2024年2月号

*5:2023年のSummer Sonicでは炎天下のスタジアムでWEST.さん大変そうでしたが、高中正義御大(70歳)も夕方のビーチステージ、鈴木雅之さんも夜とはいえ30℃台の気温にパブリックイメージを守るためスーツでビーチステージに立たれていたから、頑張れるさ、まだ20代!

*6:ストチューブにコメントすると1つだけは「いいね」頂くの、ひょっとしてスタッフさんかメンバーが巡回していて必ず1つは付けて下さっているのでは、なんて優しい世界を想像したり(笑) 

*7:Jamiroquiの『Canned Heat』のMVをジェシー君にカバーして頂きたいのです、いつか

*8:ここでメインの花道を駆け抜けて欲しいけれど、6人で走る姿、JA COUNTDOWN JAPANで仰ったように、そんなに鈍くさかったでしたっけ?(笑) 

*9:で、なぜ所謂”担当”がジェシー君じゃなくて北斗さんなのか、という点については「愛は理屈じゃない」としか申し上げられないのですが。いや、勿論依怙贔屓なしで北斗さんは素晴しいですよ。書くまでもない

*10:負担かけない発声法があるらしいとはいえ、ビートルジュース期間のジェシー君がMステで高音が大変そうだったので

*11:かつて永遠という言葉に対する言いがかりに近い文を書いた(笑)身としては耳が痛い(2020年10月でした)すみませんでした... 036: 2020年10月27日_NEW ERA MV、TrackONE-IMPACT-円盤、Roughxxxxxx映像、雑誌露出、一億円のさようなら、アトリエの前で - 書簡・編

*12:同年代で6月生まれ。いつか楽曲提供して頂けたら面白いと思っているのです。

*13:留学中に学園祭的催しで、インド人のキッチンメイトとボリウッドダンスを踊ったのですが中毒性ありますよね。

*14:「SCREEN」「キネマ旬報」名門映画誌2誌の表紙、おめでとうございます。嬉し過ぎたのか間違ってSCREEN誌2冊届きました(笑) あの2誌に載ると堂々映画俳優、という感じになりますよね。

065_2023年11月13日_慣声の法則 円盤、アトリエの前で第38回

拝啓
立冬とはいえ穏やかな気候のこの頃、北斗さんには大きなお仕事の後の束の間の休息を楽しまれていることとブログから勝手に拝察し嬉しく思っております。

さて、「慣声の法則」Blu-ray拝見いたしました。生きていれば心が曇る冬の日もあって、そんな時には暖かな陽光の下に続く「夏への扉*1を探してしまう。この3枚の円盤は「あの4か月」「あの4月」を鮮やかに蘇らせ、生きる力をくれる。そしてまたあんな「夏の日」が必ずやってきてくれるという希望を心に灯してくれる、今の私にとっての「夏への扉」になりました。毎度思うことですが、素敵な作品をありがとうございます。感想ともいえない雑感ながら、映像で思い出された、あるいは映像のお陰で改めて気付いた素敵な光景や言葉を綴ってみました。

DOCUMENT

ほんの些細なことで愛すべき人間性に触れられる瞬間が好きだ。例えば、こちらは道交法に則り停止しただけなのに会釈しながら小走りに横断歩道を渡っていく人。SixTONESのツアードキュメントは、インタビューとリハーサル風景、公演を裏から覗いたり俯瞰したりの映像を淡々と繋いでいっただけのものでありながら、いつもそんなよき人間性や温かい関係性が自ずと伝わってくるから好きだ。
・ドーム公演発表にあたり「納得してもらえる」事が大事と粛々と述べる樹君。
・訥々と語る北斗さんの、剥きたてのゆで卵のような肌。カメラの向こうにいる”人”と対峙するような目線と喋り
・ご飯を食べる髙地君がもらす「うまい」の一言に相好を崩すジェシー
・忘れもしない仙台公演MC後の空耳アワー。仙台は客席とステージも近かったけれど、そんな一事で心の距離もより近くなった気がした。
・ツアーをめぐる映像の区切りを示唆する、衣装に貼られたツアーロゴステッカー
・リハーサル「Again」の大我君のアレンジ、ストレッチをする北斗さん
・アリーナツアーパート最後のBGMが「オンガク」なこと
・ドームのリハ―サル「Amazing!!!!!!」で、北斗さん以外全員キャップなの、なぜ(笑)
・急に動いたジープに驚く属性の人々と、落ち月はらった大我君の対比
・「はい 素晴らしいです」って仰る舞台監督さん
・コメントにいちいち「ありがたいことに」とつける樹君「ドームは嬉しいけどドームだから嬉しいわけじゃない」の正しさ
・単独ドーム公演に至る経過をファンに感じてもらうのに、直接的な過去映像ではなく、クレーンの高さで8.8の気球を仄めかす粋
・意外やソフトランディングだった「Amazing!!!!!!」の北斗さんのジャンプ。ドキュメントで角度違えて拝めて嬉しい。
・初単独ドーム公演の大阪はやはり、雨。開場待ちの風景に、台風だろうが雪が降ろうが、SixTONESの公演初日絡みの降水にはお約束感に笑ってしまう。その開場規模でも意外な程違いを感じなくて、逆に拍子抜けすることも、お約束(笑)
・東京ドームのドキュメントのBGMが「Takes Two」だったこと。緊張の合間の緩和的な
・開演前、誰もいないドームでレーザーが動いていたり、ライトがくるっと回転する、そんな光景にわくわくする
・大我君の「2度3度があるなら(そのたび)意表をつかなきゃいけない」宣言の頼もしさ。楽屋の壁の初日のスポーツ紙記事の初々しさ
・当然なのだけれど改めて、リハーサルにYOSHIKIさんいらしたのですね。常田さんとYOSHIKIさんのリハーサルまで見せて頂ける豪華さ。お2人を見る”少年達”の目のキラキラ
・最後の「せーの、ズドン」の瞬間、客席にマイクを向ける北斗さん
・ドーム公演を終えた後のこの上なく幸せそうな顔、顔、顔

ライブ映像:ドーム公演編

・冒頭の魚眼レンズで映しだしたドームの天井の映像のワクワク感が秀逸
・ちょっとライトがついただけで湧きかえる場内は、まさにあの日の空気感
・開演前からクレーンのスピーカーはビリビリしていたのだ
・バックステージの”食虫植物”ライト、”機械”なのに有機的で素敵。蠢く様に「CHANGE THE ERA」の創世記のような世界観を思い出す。あの時は数条のライトだけだったなあ。
・「Amazing!!!!!!」の衣装の背中の長いショール的なのが隣合わせの髙地君と北斗さんでお揃い。珍しい
・「NAVIGATOR」の”Hey!”で一斉にペンライト上げる客席を魚眼レンズで映しだしたのが好き(どうも魚眼が好きらしい?自分で)
・「NAVIGATOR」でメインからセンターステージへ歩を進める姿が、初アリーナ単独ライブの時と同様、物理的に大きい人達だからというのではなく、本当に大きく見える。花道から吹きあがる風の中「NAVIGATOR」と「シアター」の劇的さ!先頭の髙地君と慎太郎君の並びが何だか嬉しかったり
・「シアター」間奏で絞り出すようなジェシー君のフェイクと冒頭のアドリブの迫力。
・かなり早い時間帯に達したバックステージで歌うのが「Waves Crash」という卓見
・「Overture」から「Boom-Pow-Wow!」までシングルは1曲だけ。未収録のJr曲とカップリングで押し通すセットリストに、自分達の楽曲と客席への信頼、いか程か、と改めて驚嘆する。
・「IN THE STORM」の煽りの凄まじさ。ここで”食虫植物”ライトが稼働していたのは気付かなかった。ゆっくりと翻るマントの裾が一瞬スローに映るのが素敵。歌いながら途切れることなくクレーンに上がっているのが手練れ感。あんなにクレーンぐらっぐら動かしている人が高所恐怖症とは思えない(笑) 最後のフェイク、北斗さんでした…?
・「Boom-Pow-Wow!」でようやく最近の曲になり。それでも会場内の温度感が変わらないのがさすが*2。北斗さんの「そりゃぁ」って煽りと、髙地君が煽りつつも振り付けを忠実に遂行しているのが好き。
・クレーン上で北斗さんが何か憑りつかれたように踊っている姿。そしていつの間にかクレーンを降りて意外な速歩で花道を進んでいたことを映像で知り、感心。たかが数分ぶりなのにメインステで6人揃うと、なんでそんなに嬉しそうなの?
・北斗さんの「挨拶」時、きちんと「近い」「遠い」客席を映しわけている律儀さ(笑)。
・「Risky」で肘掛についた手の骨が日頃診療で使っているような物であったと映像で”見えて”しまい(笑) 頭蓋骨も前額断半切なのね。
・髙地君のダメージデニムの究め感。北斗さんのターンの軽やかさ
・「Dance All Night」で北斗さんが5人を「吊り上げる」ところ、改めてドームの構図(360°見えるセンターステージ)最高。
・「OPA!」の歌割に準じた几帳面なカメラ割り、トロッコの上ですら見せ場のポーズを全て映している忠実さ。メインステージに上がる瞬間のタッチも含め、2人の音の拾い方の「リズムの申し子」感
・「ふたり」は大我くんのロングトーンは勿論、本当に6人とも歌唱が安定していてハーモニーが美しい。高地くんの声の伸びと声量の豊かさに進歩と努力を感じる。
・「オンガク」20代後半男子達が大はしゃぎの姿のよきこと。60になってもそうやってはしゃいでいてね。皆でばーんって撃ち合う姿の多幸感、撃たれてのけぞる慎太郎君いと愛し。髙地君のダンスが伸び伸びしていて好き。北斗さんの跳ね方。この曲の振り付けが大好き。歌声も最高…ここまで盛り上がると、ここでMCかと思いきや、まだ前半続く
・「人人人」場を重ねることに成熟していくパフォーマンス。Jeepの流れさえなかったらセンターステージで客席の只中で演じて欲しかったなあ。この時の北斗さんが6人の中で一番薄着だったのが結構ツボ。
・挨拶から「Risky」のイントロまでたったの2分10秒。「人人人」のアウトロを利用してのスキャットしながらのジープへの移動も円滑。SixTONESのライブの素晴らしさは「空白の時間の少なさ、曲間や装置、ステージ間の以降のシームレスさ」だと本当に感心する。6人全員がステージから下がっていたのは3時間中、4分20秒に過ぎない。客席が置いてきぼりになる時間帯を作らぬ献身に驚嘆
・「DRIVE」最強に武骨で愛らしい車を俯瞰、正面、悪路乗り越える様、見たかったアングルで余さず映してくれてありがとう。炸裂するジェシーのアドリブの気持ち良さ、Greatでガッツポーズする北斗さん。楽しいドライブから「ABARERO」までほんの30秒の素晴らしさ
・「ABARERO」イントロから笑顔の慎太郎君、さすがnatural born dancer。振付の中では北斗さんの伸びあがりや後屈が好き。例えば「Hysteria」のような、楽曲選択の姿勢や当人達の意識が”攻めている”曲も好きだけれど、楽曲もダンスも攻めている「ABARERO」の在り方も好きだ。
・「マスカラ」ギターの弦音に合わせたライト。リリース時より何倍もよいパフォーマンス。上空を滑るカメラすら優雅
・話題性ということをおいても常田さんとのコラボはツアーのハイライト。YOSHIKIさんの激しいながらも包み込むような演奏とは違う、常田さんの挑発的なパフォーマンスでSixTONESの歌唱力や即興力が改めて明らかになったようで嬉しい。
・「愛という名のベール」最初の一番離れた立ち位置でモニターに相手を映してくれて、広い会場ではありがたい。「真っ赤な嘘」で陰と陽と、相容れない互いが引き寄せられ反発したように、今回は黒と白が引き付けあい離れた様。現地で見ていてもドラマチックだったけれど、映像で見るとより鮮明で。ジェシー君の翻したコートの裾がスローになったのがさらに劇的。
・「STAMP IT」「甘いSTAMP IT」でアドリブが入ったのがよかった。髙地君の緑のロングコートが格別。
・「Cat Call」柔軟性の両巨頭、北斗さんとジェシー君が両端にいるのね。このダンスの柔らかさが好き。実はSixTONES、柔軟で妖艶。
・「Mr. ZUDON」実は間奏が結構重厚な音で改めて驚く
・「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」結構な段差を軽やかに駆け上がっていたのですね。他の曲では慎重に一歩一歩降りていますものね
・「映像」1分30秒。何故グッズのように”声”を意図し”口”でなく”眼”だったのだろうかと考える
・「S.I.X」ジェシー君の煽りが天才的。北斗君のはジャニーズの伝統的煽りで、それもよき。
・「Bella」薄いコクーンの彩りの美しさ。花道の妖艶北斗さんも、声の重なりの美しさも、映像でしっかり堪能
・「Special Order」ドームでも変わらぬ「どこまで低くなれるか選手権」(はい、北斗さん常勝)に、実はSixTONES、ダンスに手をぬかないのよと世界中に叫びたい
・「WHIP THAT」北斗さんのアイドルジャンプが2回も映っているの(しかもスロー)(いや、かっこいいよ)、高地の上着の担ぎ方、慎太郎君の回転しながらのジャンプのスロー
・「Outrageous」重量感がザッツSixTONES! 次々ヒット打つの大好き、特に北斗さんの本当に感電したかのようなそれが。北斗さんの大ジャンプ、ここでも笑顔満開の慎太郎君も
・これだけ大騒ぎしておいて「Again」ですんっと歌い出すまでたったの14秒。すごい…そして敢えて語らす終わるところが好きなのよ。
・EC「PARTY PEOPLE」えーい、びぃーい、すぃーい、でぃーって遊んでいたのでしたね。懐かしい大騒ぎ。
・「Good Luck!」収録回のラップは北斗さんが指名されるきまりでもあるのかしら(笑) 歌モニターの歌詞読んでます?
・「この星のHIKARI」ドームだとさすがにシンガロングの音。割れますね
・「彗星の空」もう、ステージ上の皆さんの表情、これに尽きます
・セカンドEC「JAPONICA STYLE」改めて、こんなキラー曲をアンコールのお手振りに使う日がきたことに、潤沢で質の高い楽曲数を思ってしみじみ。1回きりの演奏なのに映像まで用意されているとは贅沢
・客電落ちまでがライブです、という終わり方も好き。

ライブ映像:アリーナ公演編

・センターステージの上の円盤状の装置。登場場所を匂わすようなライトに惑わされていた初日以外はしっかり見ることもなかったから、アップでゆっくり見せて下さってありがたい。ギターやトランペット等の集まった、まさに「音楽の塊」。SixTONESの展示企画があったなら、ぜひ衣装と並び展示して欲しいものの一つ。BGMがチューニングの音なのも素敵。
・モニターに映しだされたツアータイトルがさりげなく映るのが素敵。最も話題になったフェSではなくてゆっくりと上空に昇るライトが本命の演出だったのかしら。フェSはOvertureでライトに拍動させられるのが面白かった
・何回見ても「Voice」はオープニング曲として満点!
・「NAVIGATOR」の”Hey!”で思い切り斜めになる躯幹のバランスの妙をスローにしてくれてありがたい。現地だと一緒に踊っていてきちんとみえてない説
・ドーム公演を見た後でも、花道を進む6人の姿の縮尺感が一緒で感覚がおかしくなる。でもパフォーマンスを観ていると、もうアリーナ狭い感、圧倒的にドームがあうスケール感に既になっている…箱の大きさではないとはいえ
・「Boom-Pow-Wow!」体を反転させているから結局「右から+右から」になっているのでは?北斗さん(笑)
・「Rinky」”やんちゃ”と形容していた記事があったけれど、どちらかというと”退廃”とか”世に飽いた”感、つまり中2感ではないかしら。ジェシー君のフェイク、本当にかっこいいですね。
・「OPA!」こんな極彩色の映像背負っていましたっけ…お2人のアイコンタクトが楽しいのですよね。
・「オンガク」この振付、6人の雰囲気、見守る客席のとろけそうな多幸感、全て好き
・「人人人」マイクを手にとるまでそんな表情をされていたのだと初めて知りました。何しろ自分が楽しくなっちゃっていたから。現場ではよく見えなかった寝そべった辺りを見られたのも嬉しい。そして、今回の円盤の白眉!起き上がってからの数十秒の俯瞰での映像処理。これ大好きで何回見直したことか!
・「僕が僕じゃないみたいだ」他のSixTONESの曲もそうですが、この曲の使い勝手のよさといったら
・「“Laugh” In the LIFE」ジェシー君の超高速ファンサに笑う、幸せな時間。そんなご多忙の中、あんなにアレンジしたりロングトーン使ったり、ハモリがちゃんと美しかったり、本当にあなた達は素晴しい。でもはしゃいでいると気付けない。今さらながら、ありがとう。
・「MC」一度聞いたMCなのに、家で映像見てまた笑ってしまうとは(笑) 真顔で蛙hateを語っていた北斗さんはよく覚えているけれど。画面が時々陽炎みたいに揺らぐのは気のせいなのか、映像効果なのか、あるいはMCの熱気?(笑) それにしても、皆さん揃って身目麗しいこと
・「Chillin‘ with you」この曲の好きなところ、皆さんの音の切り方、一人身体揺らす北斗さん
・「愛という名のベール」北斗さんの脚の踏ん張りにどれだけ精魂こめて歌い上げているか、改めて知る。羽根と布と翻す裾と、私の好きな物尽くしの演出とダンスを何回も見られる幸せ。
・「STAMP IT」前の曲の布をそのままスクリーンみたいに照明を投影して始まっていたのですね。演出に目がいきがちな曲と、ダンスに目を奪われてしまう曲の違い。作詞にも関わられたこともあるかもしれませんが、この曲は特に表情管理が的確。SixTONESのパフォーマンスは皆さんの演技力もありましょうが、演劇的な要素が強いですよね。好き。フォトブックの樹君の見たことない表情(アリーナ版p.21)はこの曲でも見られて。最後に一瞬ストップモーションになったように見えるのは、演出か、照明の明滅のため?そういえば北斗さん、”僕の虜”を”理性は死んだ”と歌ってらして、ああ生もの感(笑)
・「CAT Cal」北斗さんの”London, Paris, cat walking to Tokio”の低音が大好きなのですよね。そして猫目の仮面をかけると引き立つ北斗さんの口の表情の秀逸さ!Oの字にしても口角あげるにしても、表情豊か。そして後ずさる時の後屈度合いも好き。
・「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」広がる一面の風船の映像の幸せ感。甘甘な時間
・「マスカラ」紗幕ごしのパフォーマンスの、少し遠い音が熱にうかされた真夏の夜の夢うつつのようで、ラテンアレンジにぴったりの雰囲気を醸し出していて私は大好き
・「Imitation Rain」年齢と経験に応じて深まるパフォーマンス。今年のImitation Rainも映像に残して下さってありがとう。
・「Imitation Rain」終わりの静寂から一気にぶちあげメドレーに入る流れ。ザッツSixTONES!記憶していたより意外や映像で大人しく見える「RAMーPAMーPAM」はドームのパフォーマンスがあまりにがつがつしていたからか(笑)それにしても全員声が強いことを本当にありがたく感じる「WHIP THAT」花道からスモーク吹きだし、ここぞ、のジャンプや慎太郎君のロングコートの裾が翻りがかっこいい(私、本当にこの演出が好きなのでしょうね)
・「Outrageous」どすんどすんっという重量感、ヒット打つSixTONESは大好物。ロボットダンスと同じく、無機的な動きに表情をもたせるのが本当に上手。メインステージのSixTONESの背後から客席を見渡した一瞬の映像が非常に好きな眺め。SixTONESにも客席にも、誰にも見えない光景。2公演の最後にこのカロリー消費高き曲をもってきてくれたSixTONESのマゾヒスティックさ
・「この星のHIKARI」でシンガロングするところ以外は客席を‘風景‘としてしか映さないところがよいところ

 

どんなにすごい機構を使おうと特効が派手であろうとモニターを大きくしようと、そこに人がいてパフォーマンスをしている事こそが重要で*3、感動はそこにある。立つ場所が変わってもSixTONESがその一事に変わらず誠実で献身的であるということを改めて実感したライブでした。そして映像作品も同じく。映像技術ありきのこれみよがしさがなく、数万人分の3時間を6人で埋め尽くして下さったという事実に忠実でいて、演者、演出、その時間空間の魅力に映像ならではの修飾を施して数倍増させてくれる。そんな、SixTONESソニーさんの創り出した映像作品が大好きです。

  立冬といいながら季節にそぐわぬ暖かさをよいことに秋の便箋に清書し始めた11月8日からほんの2,3日進めずにいたら、急転直下の冬とともにお待ちかね新アルバムのお知らせ、頂きました*4。同日の北斗學園にあった「楽曲の選球眼や価値観」。比較的早期から(私の知る2017年頃には既に)SixTONESのそれが融通無碍で着想の体現にも先輩の換骨奪胎にも秀でていたから、それを享受してこちらの溢れる驚きや共感を送りつけていただけだけれど(笑)、もしそれを”育てた”と言って頂けているのであれば冥利に尽きるというものです。teamが大きくなるにつれ全てを容れるのは難しくなりましょうし、こちらの好みや期待と同じだけではつまらないから、適宜取捨選択してぜひぜひご自分達の好きを第一に追求していって頂きたい、それで驚かせ続けて欲しい、というのがこちらの、一ファンとしての変わらぬ気持ちです。

 その点では「アトリエの前で」第38回はすごく好きな回でした。発売日の朝、まずは電子版で拝見するのですがiPad miniの小さめ画面で見た最初の頁のおどろおどろしさに身震い(笑) 雑誌が届いてから通常サイズで見れば通常営業の松村北斗的違和感演出なのだけれど、この一瞬の狼狽が嬉しかった。内容は一見微笑ましい「演技者松村北斗の萌芽」の話。でも冒頭と末尾の数行(北斗さんの随筆の主題や気分は大体ここに示されていると思っています)に、ここ数回は抑え目だった緊張感や毒が今回はあるようにとれて、そのほんの些細なちくちくした感じを愛好する私には興味深く面白く。北斗さんが今だに虚像と実像との「使い分け」を潔しとできず、「虚像を演じる自分という虚像」をさらに重ねて生み出していることを危うくもとれるでしょうけれど、そんな自分への客観視*5によるバランスと受容、数年前とは異なるゆとりとが文章内に記されているようで、私はその一連の思索を北斗さんの精神の健全さだと考えています。「今の松村北斗」を魅力的に見せ続けるという自意識の酷使は大変な負荷でしょうし、私にとってはその努力こみ、虚像と実像の折り合いに思いをいたしてしまう存在こそが愛すべき松村北斗という人なのです。

ライブや劇場で新年早々にお会いできるのがここ数年の恒例になっていたから来る2024年はちょっと寂しい気もしつつ、皆さんが10代の頃からできなかったご家族やご友人との年末年始をゆっくり楽しめるのでは、などと思うことにしています。SixTONESのメンバーはあまり語らないけれど、世間の風当たりがこれ程強かった事もないでしょうし、私達の知らないところでも支障が生じていることもあるのでしょう。そんな時に精神的に成熟して健全であること、現実に対処する強さを皆さんが示して下さることに(表向きであっても、それができるのは凄いことです)敬服しています。

 思えば北斗さんのお仕事はもちろん、真夏の*6初週末から東京千穐楽と大阪大千穐楽前の公演まで追いかけ堪能できた「ビートルジュース」の興奮、ご本人は緊張したと仰いますが落ち着いた立派なチャンプに慎太郎君の積み重ねの力を感じた「DREAM BOYS」、静謐な異世界を楽しんだ「星降る夜に出掛けよう」、そして昨日は「シェルブールの雨傘」を拝見。ジャニーズ舞台の伝統的ダンスも大好きですが、大勢のダンサーさんを従え自在に暴れ踊るジェシー君、髙地君のジャズ系、大我君のコンテンポラリー系と、SixTONESには珍しいジャンルのダンスを拝見できたのも嬉しかったです。

 ラジオでもテレビでもスクリーンでも楽しませて頂き、ライブ映像やアルバム発売もあって、お陰様でそんな楽しみの点と点を繋ぐようにして人生を送らせて頂いています。ありがとう。自分のできることは限られていますし、ちょっと前には自分のよって立つところに疑いをもってしまったこともありますが、今回は勇気を奮ってもう一度、書いてみてもよいかしら。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。     かしこ

*1:R・A・ハインライン夏への扉」だから日本の蒸し暑い酷暑ではなく、北米西海岸の爽やかな夏です(笑) 『ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。』

*2:例えばある時期からの嵐のライブは「Love so Sweet」からのファンが多くて、流れるとぱーっと場内の雰囲気が変わった。それはよいことでもあり、でも古い曲まで掘り返すようなファンが多くはなかったことを表していて。CD以外に旧曲を聴く手段がなかったとはいえ、ちょっと悲しい気もしていたものでした

*3: この手紙、初稿を書いたのは発売翌週水曜(8日)で、10日発売の+actの『中丸の部屋』でジェシー君が全く同じことを言ってらして。パクリじゃないでーす。樹君の回といい、中丸君の連載はちょうどよい距離感かつ憧れのグループの先輩であり、聞き手としても概念や思考の言語化にも優れた方ならではの素敵な内容でいつも楽しみです

*4:だーかーら、早く書けと。今回は円盤見ながらGoogle documenに書き始めて翌週水曜には感想は書き上げていたのです。それが7日昼からの史上最強の腹痛が遷延し…仕事も運動もしてはいたものの、手紙のような頭脳と感情と身体を駆使する作業(笑)は進め難くて結局数日そのままになり

*5:SixTONESの皆さんはその客観視によるバランス感覚に非常に長けた人達だと思います

*6:自分のとれた3公演は全て休演になってしまい落ちこんでいましたが、ありがたいことに同行で入らせて頂くことができたり、知り合いの伝手で誘って頂いたり、怪しい転売に手を出す事もなく、逆に初週末から大阪楽まで公演全期間を見られて嬉しかったです。

064_2023年10月16日_キリエのうた、ガラス花、ジャニーズ最後の日

拝啓 

 例年であれば爽やかに感じる金木犀の香が、今年は暴力的に思える程に強く香ってきます。五感とは、その時節の気分にも左右されるものなのでしょうか。同じく作品のうけとり方も。

キリエのうた

『キリエのうた』公開初日のレイトショーで拝見しました。試写会で観た方の絶賛は把握しつつも、小説版を読んだ方の「覚悟して観ないと」との言葉等、ネタバレ忌避派なのに得てしまった事前情報から観るのをちょっと恐れてすらいましたが、冒頭から覆されました。広がる風景の美しさや風合い、話の間合いや速度から、この映画を好きになりそうと思った開始数分。3時間を経て日付が変わる頃、贖罪、天災、人生の理不尽…重い縦糸に編まれる物語の鑑賞後でありながら、北斗さん=夏彦の在り方に腹落ちしたことで深夜の映画館を出る足取りも軽く、心楽しくなりました。キリスト教の素養もないから「主よ憐れみたまえ」の意図は明確にはわからないし、次に観た時は泣くかもしれないし、憤るかもしれないけれど。今回は自らの”しでかしてしまった”事と災害に翻弄される夏彦の来し方を紐解き、キリエ(路花)とイッコ(真緒里)の関係性を微笑ましく見守り、キリエ(=路花)の音楽家としての成長を楽しむ3時間でした。

印象的だったのは夏彦の内面が語らずして自ずと表れていたこと。葛藤と同居するずるさや小賢しさ。誰もが持つ負の感情。自身のそれも、他人が隠し持つそれにも敏感で、それらを回避せずにきちんと見つめてきた人だからこその人物造形ではないかと勝手に想像し、素晴しいことだと思いまし*1

 例えば友人に伴われて希が登場した瞬間からのぞく夏彦の打算。将来を期待されるプレッシャーこそあ*2、恵まれたお坊ちゃまの「彼氏とかいるの?」と切り出したこずるさの迫真さ*3に膝を打ちました。希に迫られた時の優柔不断で受け身な「えー...」は秀逸で、純と柊麿*4や若き日の夏代と鉄平*5の、女性に翻弄される様*6思い起こさせられたり。実際の北斗さんも時々、相手の出方の強さに気おされて「え…」となっておられること、あるような。

 希の事は好きではあるのだろうけれど、宗教的にも経済的にも女系という点でも、盂蘭盆会の光景から推し図れる潮見家とは圧倒的に異なる小塚家でのいたたまれな*7。幼い路花をかわいがっているし、外面よくそこに居るけれど「アーメン」とごく当り前に祈りを捧げる女性達の中での複雑な表情。駅での見え隠れする後悔。腹をくくったと口では言いながら「また電話するよ」に含まれた迷い。震災がなかったらその後あっさり希を捨てていたのでは、とさえ思えたり。普通の人間の内包する複雑さがありありと表れているように思いました。

 希との関係性を語る上で欠かせなかった性的描写。高校生という前提もあるからでしょうが煽情的にならず、観た後読む派がうっかり開いてしまった小説版の1頁の描写よりあっさりとしていて品すらあるような*8大阪で過去を語る表情も、最後に泣き崩れる様も、石巻へ走るシーンも、悲痛な心情は十分に伝わるけれど過剰にならない。様々な場面での、何か不思議なフィルターでもかけているかのように抑制の効いた感情の表出が私は好きです。

走るシーンは大変なご苦労だったと伺いました。かっこよく走るシーンも勿論よいですが、舞台挨拶で話題にのぼった「徐々に丸くなる背」のような、身体表現の的確さユニークさは北斗さんの強みだと思います。

ライターの相田冬二さんが『ノッキンオン・ロックドドア』第1話終盤で倒理が走るシーンを絶賛されていました。「脇腹を押さえたのは、あの人物が普通の人間であり、また、ある弱さを抱えた者であることを、あくまでも説明せずに、ひとつの予兆やヒントとして(別に気づかれなくても構わないよ、というスタンスと諦念で)塗(まぶ)した表現だからなのだと考えられる」と。これまでアクションを演って頂きたいと再三書いてしまい、「ボクらの時代」で空手の組手すら物騒と思っていたくらい闘うのは苦手と伺って申し訳なく思っていますが、アクションは対戦だけでなく、こういった身体表現も含むのです。北斗さんの独特で秀逸な身体表現をこれからも楽しみにしています。

抑制、品、身体表現と併せてもうひとつの重要で大好きな資質、巧まずして表れてしまうおかしみ。例えば「コメディーシチュエーションだった」と事前に伺って楽しみにしていた夏彦の登場シーンでの真緒里とのやりとりの何となく滲むそれ。これぞ松村北斗の夏彦、壮絶な人生でも100%の悲惨などあり得ないという微かな希望。この作品を深夜に1人で観ても嫌な後味がなかったのはこれらの北斗さんの特性のお陰かもしれませんし、北斗さんの作品を観ていくうえで私にはありがたいことです*9

岩井監督に、撮影終了と同時にまた一緒に映画を作りたいと言わしめたように、全身全霊でお仕事に臨み、ご一緒する方達の固い信頼を得ている北斗さんを誇らしく思います。カメラマンの方がオフショットとして公開された写真がその言葉を頂いた辺りなのでしょうか。クランクアップに立ち会いたかった気持ち、よくわかります。パンフレットで監督の音に対する見識を拝見しましたが、これだけ音楽を中心にすえた作品でありながら台詞が聞き取れないことがなかったことに後から感心したものでした。

余談ですが岩井監督、脚好きでいらっしゃいますか?夏彦のマンションのクローゼットから出てくる希、雪中の素足等、なかなか必要以上に脚を露出されているように思われ。監督自ら「ボクらの時代」で「オタク活動は仕事、職業選択はオタク故」と語っていらしたように、映画制作というのは一種の盲目的な愛好を形にするお仕事ではあろうかと思うのですが、例えば新海監督はご自分の作品の中のフェティッシュ要素にセルフツッコミしながら上手に足し引きされる方で、蜷川実花監督はフェティッシュ全開上等、それこそ制作意義とされているように思っていて、さて岩井監督についてはなんと評したらよいものでしょう(笑) 

 一部で物議を醸しているらしい罹災時の”服装”といい、波田目社長に襲われるシーンといい、アイナさんにはその点でも初演技にしてなかなかの大変な役でしたよね。希の自分の欲求に素直で素朴でありながら強かな人物像が強烈で*10路花の柔軟さや繊細さとの演じ分けは凄かった。一番好きだったのは高校生の路花が帯広の夏彦の家で1人別室で踊るシーンで、アイナさんの技術が路花の孤独を最大限に表現しているように思いました。路花の在り様も私がこの作品をファンタジーのようにうけとった要因と思うのですが、何よりイッコ=広瀬さんのファンタジー全振りが大きかった。素の真緒里の美しさ、結婚詐欺という生生しい犯罪、刺される末路もありながらのイッコの外連味の強さと非現実感。広瀬さんは常々”映画女優”だと思って拝見していたのですが、すごい存在感でした。逆の意味で、うっすら不精髭で日常生活をこなしながらも憔悴と後悔の果てに若いのに疲れが沁みついたような顔をさらし、美しく存在せずとも役柄を成立させた*11北斗さんも素晴しかった。お二人とも美しい外見故に不当に演技を割り引いて評価されがちだと思っていましたが、最早アイドル俳優とは誰にも言われないと思っています。

ガラス花

 北斗さんのソロについて語るのは難しくてここまで避けてきてしまいました。伝えるという事に心を砕き、伝わらなかった事実があれば自責の念を持ちそうな人の作品の、含意を読み間違える事への恐れ故。ましてや「初のオリジナルソロ曲」カバ―曲のソロパフォーマンスとは思い入れも段違いでしょう。しかも平素「魅力的な作品の一部でありたい」と語る人の珍しきど真ん中「テーマ・松村北斗」。当初アイナさんには聞かず嫌いの苦手意識があり*12、最初から怖気づいていました。今となっては全く気にならなくなった事ではあるのですが、北斗さんの語る制作意図は当然きちんと読み込んで額面通りに受取った上で、それでも「自分の好きな人だけ見てその声だけ聴いていられる至福の時間であろうソロ曲」で「自分より近い他の誰か」を想起されられて心傷める女の子がいたら自分もいたたまれないだろうなと思ったことも、正直にいえばありました。そのような理由もあって、数十回聴き、記事を読み、メイキングを視聴しMVを観て、それでも語り難くて映画を観てからと先延ばしにしていたこの曲の感想(いや、義務じゃないし(笑))

アイナさんが「夏彦さんと松村さんとの境界が曖昧」と仰っていたこの曲。夏彦の希への心情を重ねれば「咳払いでは拭えぬもの、全て投げ捨てて叫びたいけれどちっぽけな」僕は「とんでもない事をしでかしてしまった」浅慮を悔んでいるのか。「枯れずに割れた」のは別れの意思などなく災害に巻き込まれいなくなった希、「まだそちらには いけないよ」とは希なき今を後悔と贖罪の気持ちで生きる夏彦の、訥々とした自嘲めいた諦念とも思える。

「僕の事を笑ってくれよ」は『ザ松村北斗』感。素朴で繊細で純粋無垢な世界を真っ直ぐ歌う愚直な生真面目さも北斗さん的なような。一瞬己を解放するかのように声が広がり感情が奔逸するけれど、雨垂れが水たまりに作る波紋のように静かに拡がり静謐に収束していく。半径およそ4mに1人踊る様は、「あやめ」*13で花を叩きつけ走る姿とも、「みはり」*14の怒り、嘆き、ステージから飛び降り消える衝撃とも異なる、抑制的なシンプルさ。動きの柔軟さ大きさ、表現力は当時に比べて圧倒的に熟練している。私はステファン・ランビエールというフィギュアスケーターコンテンポラリーダンス的表現が大好きなのですが、彼曰く「かなり身体的に忍耐を必要とする動きで、コントロールを強いられつつもノーブルな動作を目指している。それをコントロールできている快感を覚えつつ、観客の前で脆さや危うさを感じる時間もあり、それがとても愛おしい瞬間がある」と。簡潔と抑制の中にそんな没頭する楽しさがあるのだろうなと想像してみたり。でも、わかった気になっているだけかな。ソロ曲はやっぱり、難しい…

映画を観たことで、北斗さんのアイナさんへの尊敬の念も、この作品の概念や思い入れも少しはわかれたように思うし、自分のアイナさんへの苦手意識もなくなりました。もしライブでソロの時間があるならば、全編松村北斗色の「ガラス花」を披露してくださるのではないかと思ったり、演出を想像してみたり。よくも悪くもディレクションに忠実でアイナさん色の強い歌唱やダンスとも、また違う表現をいつか拝見する機会があるならそれも楽しみです。

最後に

前にお手紙さしあげた7月末には想像もしなかった世界がやってきてしまいました。明日で『ジャニーズ事務所』という宛先を書けなくなることが理由で今回は初見でのまだ浅薄な『キリエのうた』の感想をお送りすることになり恐縮です。昨日の舞台挨拶で笠原さんや広瀬さんが絶賛されたという”靴紐”のシーンも、確かに見ていたのに聞いて初めて意識したので、よいスクリーンでかかっているうちにまた観に行きますし、新たに思うことあればまた書かせて頂くかもしれません。映画を観たからには懸案の(いや、私の内心でそうだっただけですが)『ガラス花』の感想も書こうと思ったのもありますが、整理されていなくてごめんなさい。『CREAK』とそのカップリング、『ノッキンオン・ロックドドア』のことにも触れたかったのですが、早くしないと『慣声の法則』の円盤、アルバム、ツアーが続々やってくる(そう期待してよいかしら)から、とにかく今のこの瞬間の感想を認めました。

名前を奪われ恩人を否定することを強いられ、楽曲を封印させられ、明日の所属も不明瞭な状況下で、ジャニーズ事務所に所属される方達が全くへこたれずにそれをエンタテインメントにまでしてしまう強さに私も救われています。できる限りの応援はする心づもりですし、おかしいことはおかしいと言いたいのでお目汚しの呟きが増えてしまいフォロワーの友人達にも申し訳なく思ってはいるのですが。思えば歴史とは一人の人間の嫉妬や思い違い、自己顕示や承認欲求のようなつまらない事で動いてきたもの。一分野の代名詞となるに至ったジャニーズという組織の壮大な叙事詩の一幕を鑑賞するように事の経過を見守ろうと思っています。大好きだったジャニーズはなくなってしまいますが、SixTONESとスタッフの皆様は”こっから”ですよね。”やがて来る明日を楽しみに”。

時節柄、北斗さん、メンバーの皆様、スタッフ各位にはどうか心身ともに健やかであられますよう心から祈っております。                    かしこ

 

(いつも最後に「いつでも、どんな北斗さんも応援しています」と書いているくせに、「ガラス花」に関して自分が抱いてしまった感情が一時とは言えそれを否定してしまうものだったことが情けなく、恥ずかしいのと誠実さを欠くように思って、今回は書きませんでした。 だから決め台詞みたいなのやめとけばよかったのに、みたいな内心のツッコミもありつつ…)

 

15日に一日がかりで書きあげて、深夜1時にこれでよし、と寝たのですが、16日朝改めて目を通すと深夜の文章はだめですね。失礼がありましたら申し訳ありません。。「キリエのうた」の小説も読みます。解釈変わるかな。書店でぱっと開き、見開きのみ読んでいたのです。

*1:慎太郎君が山里さんを演じるにあたって嫉妬や劣等感を「学習」せねばならなかったというのも負の感情満載の私には驚きでしたが

*2:ト書き的に示さずとも、加寿彦伯父の言葉と家庭教師の数から自ずと知れる脚本のよさですね

*3:医学生達の生態を間近に見てきたので…

*4:『恋なんて、本気でやってどうするの?』

*5:『一億円のさようなら』

*6:柊麿は危険な男とされていましたが、来る者を拒まなかっただけでどちらかといえば巻き込まれて女性に翻弄されていますよね

*7:これは全くの余談ですが、名を名乗るシーンに「すずめの戸締まり」を思い出して、いつも自己紹介しているなとちょっと笑っちゃいました

*8:北斗さんは他の作品でもそうですよね。それが演じ手として嬉しいかどうかはわかりませんが、私にはありがたい

*9: そういえば、アイナさんも、大切な人の不在を歌う「ずるいよな」を北斗さん=夏彦が歌うと爽やかなラブソングみたいになると仰ってましたね

*10:自分がそうなり得ないタイプだから余計に思うのかもしれませんが

*11:アイドルが演技にあたり役とそぐわぬきれいさ(普通の会社員男性がアイラインしいれていたり)のような嘘を纏わされてそれが実力を見誤らせているように思えて製作陣に怒ったりしていたこともあり(笑) 

*12:UAさんやCoccoさん、CHARAさん等個性的なシンガーはもとより、みんな大好きZARDの坂井さんやAIさんすらちょっと苦手という私の歌い手の好みの狭さもあってのことです。ところで、aikoさん、あいみょんさん、アイナさん…北斗さんの公言する好きな女性シンガー、見事頭韻踏んでいる上に皆さん大阪女子ですね(笑)  

*13:2018年3月26日『ジャニーズJr.祭り2018』SixTONES単独公演 松村北斗ソロ

*14:『CHANGE THE ERA -201ix-』 松村北斗ソロ

063_2023年7月26日_LIFE!春、ノッキンオンロックドドア情報解禁、こっから、だが、情熱はある、すずめの戸締まり終映、あぐり王国北海道NEXT、女王の法医学3

拝啓

 大暑の宙を白昼夢のようにアゲハ蝶がゆらゆら漂っております。御殿場倒理として生きる時間、楽しんでおられますでしょうか。短夜の候に“5月の戸締まり“を書き始め、勝負の年のSixTONESさんの勢いに巻き込まれているうちにとうとう10thシングルを経て11thの発売すら迫ってきてしまいました。北斗さんのお忙しさを想像するに、そして”ツイ廃”らしき北斗さんの何とはなしにお返事ともとれるブログの即時性を鑑みれば、紙の手紙を認める動機は下がりがち。でも、ここで書いておかねば(いや、義務じゃないし)、だから5月の戸締まりお送りしておけばよかったのに(誕生日にも何やら送りつけるし頻繁なのも気を患わすでしょう)(でも、まだ事務所の手紙の山の底かもしれない…)等々、逡巡するものです。結局、5年半も書いていると求められているか迷惑でないか以前に感想を書かないと何か落ち着かない謎の心持と”自己満足”という錦の御旗の下に結局筆を執りました。はい、I can’t be someone else, I know. 四の五の言わず書け、にございます。

5月5日 LIFE!春

SixTONESさんご活躍のお陰で遠い昔にすら思えますが、まだ2か月半前。思えば最初のご出演は「すずめの戸締まり」公開直前だったのですよね*1。あの日は旅行中でリアタイできなかったので、今回は開始前からテレビ前正座待機。「君の声が聴きたい」プロジェクトのお陰もありましょうが、余程初登場時に気に入って下さったのでしょうね。番組公式さんの事前の煽りの熱の入りようと言ったら、初ケンタウロス(笑)を祝われ、「実は本人発信だった」と暴露された「三津谷ポーズ」のノリに、前回よりさらに伸び伸び番組に馴染んでおられることが窺われて嬉しかったこと。

ちょっとベタだけれどNHKさんの技術力と根気と愛が滲む弾けとぶワイシャツに、夫は幾度見ても大うけ。馬越君の”馬刺し”への反応の間のよさがさすがでしたし、馬の下半身で座ってみようとしたり、走ったりの身体表現の巧みさと微笑ましき可笑しみは、まさに北斗さんの持ち味。ホームであるライブMCやYouTubeで突然出現する、私の大好きなそれが公共放送で見られるとは、全国の善男善女にご覧頂けるとは、ケンタウロスを北斗さんにあてて下さった制作陣に大感謝。「海へ続く道」の男は挙動や目線、口調は極めて北斗さんなのに、ビジュアル的には輩っぽい新境地で、いつかこんなちゃらついた感じの役も見てみたいかも…そして「人生の決断」を家で1人で立稽古する松村北斗を想像して私は泣いた(おかし過ぎて)。1人で鎖引っ張っていたのかなー。練習の甲斐なく?チークビビット三世の衣装を目にした瞬間の口元がもう素の北斗さんでしたね(笑)  CHOO CHOO TRAINを聞くと金トレンチ美女が浮かんでしまう副作用は生じましたが(笑)大満足の回でした。

北斗さんの突然飛び出る語彙も面白さや会話の反射神経のよさもホームでだけでなくトゲトゲTV等のお邪魔した番組でも発揮されるようになって嬉しいですが、作りこんだ笑いも見ていたいのでLIFE!さんとのご縁が続くように願っています。台詞回しの面白さもよいものですが、先日がーまるちょばさんの公演でアンケートにSixTONES、特に北斗さんとの共演熱望と書いてきてしまいました。叶ったらいいなあ。

5月10日ノッキンオンロックドドア情報解禁

キャストが秘匿された第1弾映像も今見れば、左は紛れもなく北斗さんのシルエット(特に頭にあてた右腕の感じ)もう1つの匂わせ映像の下腿の形も北斗さんのそれ。SixTONES関連、特に北斗さん絡みのおしなべての匂わせやサプライズ解禁、のんびり暮らしていてはいかんのだと思い知らされました*2。「挑発し合う息の合った会話劇」「バディのリズミカルな会話」「謎に向き合う苦味」という惹句だけで楽しみでしたが、ドラマ「Stand Up!!」で当時は駆け出しアイドルだった二宮和也にアップで鼻水も鮮明な大泣きをさせ、仲間由紀恵さん、戸田恵梨香さんにも容赦ないコメディを要求する堤監督(でも下品ではないのですよね)の下での撮影!そして流れてくる映像の御殿場氏の容姿の素敵なこと。毒舌を放つ怜悧な面差し!肩幅の映えるシンプルな衣装*3。堤監督もあて書きのようだと評しておられましたが、御殿場倒理の設定に北斗さん起用、この企画をして下さった方に既に感謝でいっぱいです。原作では動的な印象はあまりうけなかったのですが、ティザ-を拝見するに「走る松村北斗」「荒ぶる松村北斗」まで拝めるとの由。酷暑にタートルネックで動くのも、キャラクター設定とご本人との乖離も長台詞もご苦労でしょう。屋外で撮られた近況映像に「近道も片陰もなき道をゆく」という句を思い出しました。こちらは"倒理犬"も"御殿場ですが何か?的アクスタ"も"ドラマコレクションカード"も注文して準備万端。ご苦労の結実、放送日を心待ちにしております。

5月12日 「こっから」MV解禁

4月9日「だが、情熱はある」のエンディングで流れた曲に「かっこいいなあ。樹君の声?でも音楽担当のクレジットは違うし、何でもSixTONESだって妄想しちゃいかん、いかん...」と眠りについてしまった初回。翌朝はなかなかの騒ぎになっていて、ぼぅっと暮らしていてはいけないのだとまたもや(SixTONESさんと生きていく人生は、きっとこの連続なのでしょうねぇ(笑))。

MVはプレミア公開時点で既にSixTONES歴代作品中一番好きかも、と直感。二重構造の”物語部分”のくすんだ下町の町並みの情緒と少々コミカルな味付けとが手伝って「俺たちは天使だ!」「探偵物語」「傷だらけの天使」「私立探偵  濱マイク」等の懐かしの探偵ドラマを思わせる感じ。6人の物語設定を勝手に考え始めたりして*4。北斗さんは透ける肌にくりくりの茶髪の西洋絵画の天使的風貌なれど何か荒ぶる内心を抱えていそう。”パフォーマンス部分”はこれぞSixTONESな6人6様の、常人には着こなせぬ*5伊達な衣装がばっちばちに似合うし、映像のギミックが雰囲気に合って楽しいこと!ぶいぶい鳴らす迫力の低音サックスに、Dulfer父・娘を愛聴していた私、感涙。inst. ver.ではヴォーカルの影から顕れた、むせぶトランペットがかっこいい。NAVIGATOR発売時に「ブラスセクションが煌びやかな曲~派手やかなホーンセクションのアシッド・ジャズやファンク」採用を”嘆願”したのが叶ったうえに生バンド!心沸き立つかっこいいステップダンスの、運動量多くてきつそうな部分で口角上げて楽しくて仕方ない風で踊っている北斗さんを観ているとこちらまで幸せになるのです。

SixTONESさんの楽曲は、情報解禁で心臓抉られる→試聴でわくわくする→フルを聴きニヤリとする→パフォーマンスで魅力増し増し→パフォーマンスの熟成を愛でる→立派な中毒、と1曲で6段階楽しめるのが常。主題歌として聴いた範囲ではどんなパフォーマンスもありと思ったこの曲、まずMVにおいてはコンセプトは恐らくお洒落、粋、軽妙ではなかったかと推測。そして6月2日のミュージックステーション(以下Mステ)に始まった待望のパフォーマンス披露。空気感や熱が直接伝わるライブでのパフォーマンスはやはり格別だけれど、皆が等しく楽しめ、世にSixTONESを知らしめる手段としての地上波放送やYouTubeも貴重。「こっから」では機会も潤沢で局側の配信や期間限定web公開まであってありがたいかぎり。初披露の緊張やちょっとしたぎこちなさから、数を経てこなれていくのを見守るのも楽しいものですが、今回はMステから既に自在に歌い、がなり、踊り、フォーメーションを変えながらの安定したパフォーマンスで、曲終わりのタモリさんの口元のにやり、が嬉しい上出来でした。全員もれなく見せ場もあって、これぞ私の見たい、世間に見せつけたい、活き活き自信満々のSixTONESだとテレビの前でご満悦でした。「音楽の日」も終え地上波披露も一段落の時点で振り返ってみて気づいたのですが、MステではMVに準じてかSixTONESさんニコニコ、にやにやと洒脱で軽みのあるパフォーマンスをしておられたのですね。バズリズムは番協が入って環境が異なりましたが、PLAYLISTの生配信もスマートで技巧的な「こっから」だったのが、THE MUSIC DAYから音楽の日では気合の形相で凄まじい熱気が放たれて*6いるのですよね。中居君の「ご機嫌」を頂いたのも嬉しかった!PLAYLISTのワンカメパフォーマンス視聴後にさらに気迫の絶唱を聴きたい、などと偉そうに焚き付けるような事を呟いていた私としては大歓迎の変化ではありますが、SixTONESさんも曲の解釈を変えられたのでしょうか。

そう、「人人人」が”口から音源”を超えアドリブ満載のSixTONESライブパフォーマンス番長説を強化する曲となり私を狂喜させたのも記憶に新しいところ。なのに「こっから」はさらに上を行く。熟成どころか披露の機会を経てパフォーマンスが"変態"するという展開に今気づき改めて驚いています。THE MUSIC DAY以降の情熱溢れる気迫のパフォーマンスも、MVやMステの飄飄とした軽みも、どちらも素敵で、そんな解釈に可変性のある曲だったのかと感心した音楽の日の翌週末。元々佐伯さんの曲は悩みの中に諧謔があったり、喜びの中にほろ苦い隠し味が忍んでいたり、そんな余白が含まれるように思っていました。この曲もその幅を遊べそうで、よそ様にアピールすべき地上波では攻撃的に、ライブでの時間帯や他の曲とのバランスによってはちょっと粋なお兄さん達が力を抜いて楽しんでいる様な在り方も素敵だろうな、などと想像したりしてみたり。

そんな"演じ分け”を期待できるのは楽曲の特質だけではなく、演者のSixTONESさんが楽曲の世界観の表現において格別に秀でているからだと思います*7。さらに今回は楽曲の設定上の表現に留まらず、ドラマの登場人物としての若き山里さんの心情と、楽曲のもつ熱気と現実世界のSixTONESが置かれた状況とがリアルにリンクした事が、単なる主題歌として以上に見聞きする人に訴えかけるものがあったのだと思います。だからドラマと「こっから」のパフォーマンスでSixTONESを初めて認識した方達の心の底からの驚きと称讃を得たのは当然だと思いましたし、それはただ円盤の売上枚数が増えるより余程嬉しいことでした*8

「だが、情熱はある」の私の思う主題は「何かを創り出すもがき、創り出したものが誰かに伝わる幸せ」それが何も創り出すことのない自分の胸にも切実に迫ってきたのは、表現を生業とする北斗さんの心情を思ったことも手伝ったかもしれません。物語が進むにつれ、制作や創作に携わる方達の支持の声が高まっていったのも納得。嫉妬や失意等、暗い感情が描かれているのに、しかも日曜夜なのに、不思議と視聴後すぐに気持ち良く眠りにつける後味のよさは優れた脚本、演出に加えて慎太郎君と海人君の上品さによるところも大きかったように思います。そして焦燥感や葛藤の表現が自己憐憫に陥らず、仄かな明るさをもった逞しさにすら転化させる資質と巧みさのあるSixTONESが担当した主題歌であったことも作品の雰囲気に貢献大であったとも。時を経ても幾度も思い返すであろう素敵な作品をありがとうございました。

5月27日 すずめの戸締まり 終映 

例によって抽選に当たることはなく(笑)、地元で一番よいスクリーンで中継に参加していました。終映だというのに403席が9割以上埋まっていて、その3割以上は北斗さんファンと推測。劇場で14時間14分(7戸締まり)+舞台挨拶約120分過ごしましたが、特典山盛りの円盤も当然”全部盛り”を買いましたのでコメンタリーや制作裏話も楽しみにしています。

今回の起用は単に北斗さんに新たな経歴と技能を加えただけでなく、新海監督との出会いも大きい財産になったのではないかしら、と傍から思っています。才能ある監督、成功した制作者というだけではなく、作品への執念に近い愛と完成度の追求、物事の捉え方や悩み方が北斗さんと似通っているようで、押し付けがましくない距離感で北斗さんの行く道の指針の1つとなって下さるような気がします。

7月2日 あぐり王国北海道NEXT

ローカルらしいのどかさが素敵な番組でしたね。憧れの方との共演で”かわいい松村北斗”全開ながら、かなり松村節な食レポもあったり、少しぽんこつなところもとりあげて頂いて楽しかったです。またご縁がありますように。

7月4日 女王の法医学3

3作目ともなると安心してわんこ君を演じておられて、長寿シリーズのような人間関係が既に確立されている感じ。殴打され、毒をもられと何かとご難なわんこ君を演じられるのはご苦労かと思いますが、法医学も好きなのでさらなる続編を期待しております。学生役らしく、そして療養中の設定では特に、ほぼ素顔(ですよね?)で演じておられて、それでも4K放送の大映しにも堪えるのは努力と節制の賜物ですね。*9

 

振り返れば5月は『不在のもたらす痛み』の中で始まったのでした。今年のカレンダーで『全員無休』『健康』と控え目でありながら難しい目標を掲げた北斗さんの体調不良。大事なところで欠席を余儀なくされる悔しさ、辛さは如何許りでしょう。只今療養中の理由はインフルエンザと明らかにされましたが、詳細の明かされぬ“体調不良”で収録番組の欠席を告知された5月の気持ちのざわつきは自分でも意外な程強かったのです。体調は高度なプライバシーですから逐一公表される必要など全くなくて、単にこちらが様々な事態を勝手に想像してしまっていただけなのですが。数少ないコロナ禍の恩寵で公共機関もエッセンシャルワーカーも無理をせず休むという方針をとれるようになったよき時代ですからしっかり休んで欲しいと思うのです。とはいえ不在は痛みをもたらすもの。「不在だから悲しいのではない。愛着があり、愛しているから悲しいのだ。愛着がなければ、愛がなければ、不在によって心が痛むことはない。だからこそ、不在がもたらす痛みですら、結局は善いもの、美しいものなのだ。なぜならそれは、人生に意味を与えてくれるものを糧として育つのだから*10」そう、不在の痛みをもって愛着を再認識させられることは美しきことではあれど、でも、そうであっても私はあなたに、目の前にいて欲しいと願ってしまうのです。愛とは面倒で理不尽なものなのですよね(笑)*11

 

「こっから」のプロモーションが一段落してもドラマ、映画、演劇、バラエティ…SixTONESさんの露出の多きこと。単独仕事のみならず、グループ案件でも単独か2、3人での取材となることが増えているのはそれだけ皆さんが充実したお仕事をされているということですよね。そんな個別の取材でも6人が基礎にある方針や意志を共有されていることが窺われて安堵します。御社をとりまく状況も様々な要素がいり乱れてなかなかの激動ぶりですね。実際何があったのか、この先どのような事が起きてくるのか、当事者の方達が何を考えどうふるまわれるのか。いちファンが考えてもわかりようのないことですから、そこに心とらわれることなく、ただ皆さんの表に現れるお仕事を楽しみ、その成果を喜び、背景にあるご本人の努力とスタッフの皆さんのご尽力を尊ぶことにします。

酷暑にタートルネックとスーツのバディでの撮影。気力も体力も消耗しそうですが、お気をつけて楽しくのりきって下さいますよう。程なく始まる「CREAK」の様々な仕掛けも楽しみにしております。北斗さんとスタッフの方々、御社の皆様が心身共に健やかに過ごされんことを及ばずながらお祈りしつつ、いつでも、どんな北斗さんも応援しています。                 

                               かしこ

*1:季節もの番組である「LIFE!」の2度のゲスト出演を跨ぐ驚異のロングラン

*2:初回と2回目の「ノッキンオンマツムラドア」はすぐに見たのに、中断不可のリモート講習受講中でほんの十数分見るのが遅れた3回目のオチをコメント欄やトレンド入りで先に知ってから見ることになり残念でした。まあ宣伝効果という点ではそれが正解なのでしょうね(笑)

*3:北斗さんの黒タートル+黒パンツ、2018年カウコン前の動画以来でしょうか?YTFF2018にアリーナでもみくちゃになる想定で黒ハイネック+黒デニムで入った後だったので、当時北斗さんには珍しいシンプルさ+お揃い〜(笑)と思って覚えていました。

*4:三半規管の弱い私は”物語部分”の映像の揺れを注視し続けるのが少々辛いのですが、ソロ編も酔い止め握りしめて見ました(笑)

*5:「着る側の自信と経験」「着られないバランス感覚」

*6:「燃やせ」の連呼の迫力に映画「ホテル・ルワンダ」の部族間紛争シーンが思い出されてゾクッとしたりして。改めて見たら、実は音楽の日でもパフォーマンス中に笑っているところがありましたね。

*7:だから疲弊した多忙な真夏に「マスカラ」は暑くて苦しくて聴いていられなかった

*8:円盤といえば、これまで触れませんでしたが購入者特典映像。クロマキーのままみたいな空白の背景。広い空間でそのまま録ったような、若干させられ感+気合少なめの一周回った作風のようにお見受けしますが、「こっから」のそれは過去一面白いように思いました。爆笑、というよりつい笑いをこぼしそうで、これで笑ってしまったら少し口惜しいなあ(笑)と口元歪めて笑いこらえる脱力感。 私は、嫌いじゃないです。

*9: 美容という手段が目的化している”美容男子”にはあまり惹かれませんが、合目的的な努力は素晴らしい

*10:カルロ・ロヴェッリ「時間は存在しない」(冨永星 訳)  

*11:プレッシャーには思わないで下さいね。愛とは矛盾と非合理に満ちたもの。私の人生の中においては珍しき非論理的感情の対象にしてしまって誠に申し訳なく思いつつ書きました。

061: 2023年5月5日_慣声の法則 in DOME

拝啓

 蚯蚓出(みみずいずる)にはまだ早い一昨日、今年初めてミミズ*1が鳴くのを耳にしました。慣声の法則ツアーとともに春も終わろうとしているのですね。ありがたいことに家や職場とドームを往復し、人と人とをつないだ2週間。期間中の興奮と幸福による睡眠不足も手伝ってか、参加していただけの私すらオーラス後数日は抜け殻のようになっていました(笑) その後のブログからも窺えるように、会場の規模なんて関係なーい、と言ってはみてもやはり私達にとって初ドーム、大きな出来事だったのでしょうね。

ジャニーズのほぼ全グループからBilly Joelまでドームライブには色々入ってきましたが、初日からオーラスに至るまで、ただ、ただ完璧だったねと繰り返してにこにこするしかないライブをありがとうございました。7年間SixTONESの現場に参加してきて信頼しているとはいえ、残念に思う瞬間が混じってしまうのではないかという事前の秘かな懸念(ごめんね)をきれいに払拭する、一瞬たりとも失望させられることがなかった見事なドーム公演がどんなに嬉しかったことか。まず想像以上に「アリーナツアーの追加公演」という筋を通していたことと、それにも関わらず全く飽きや妙な慣れが感じられなかったことに驚きました。そして会場の使い方、演出からセットリストやパフォーマンスのみならず、会場中に満ちる幸福感と一体感(お初の方も多かったのに!)、何よりあなた達が心底楽しそうだったこと、全てが本当に素晴らしかった。

それがグループ愛故なのか実務上の理由なのかはわからねど、私にはこの上なくありがたい「6人で」のライブ。それがドームの空間で通用するかも興味津々でしたが、広さをほとんど感じさせられなかったことに気付いた終演後。改めて驚き、同時に変わらぬ空間の使い方の上手さを再認識しました。思えばKING'S TREASURE、少年たちLIVE、湾岸ライブなど平面のメインステージしかない会場でも演出とパフォーマンスで空間的多様性をもたせ、特にSummer Paradise2018では加えて規定課題の制約下でも唯一無二のスタイリッシュさと会場を縦横に使いきる巧者ぶりを発揮。Jr.祭り単独公演の成功を経てホールからアリーナに主戦場を移したCHANGE THE ERAでは縦の動線の長さとアリーナスペース上空を使える利点を十二分に活かし創意工夫で独自の世界観を作りこみ。最後のホールツアーRough"xxxxxx”では”Jr.時代の集大成”を謳いつつもパフォーマンスの新規性、演出の独創性を盛り込みさらなる飛躍を予感させ、かつ小さい会場の特性を活かした客席との交流を両立させた。逆にTrack ONE-IMPACT‐ではデビューの晴れやかさと表裏一体の必死さや、大規模になった機構にちょっと振り回されているような初々しさも垣間見えたように思えたけれど、コロナ禍の1年を経たon eSTでのあなた達は強かった。それまでスタイリッシュさ強さの陰に見え隠れしていた”闇あってこその光”感や不安感が薄れ、自ら耀きを発しているようで。Feel da CITYでは自信に裏付けられた余裕と成熟が醸し出されていたようだったし、いよいよ制約のとれた慣声の法則では自由さと貫禄さえ感じられた。そんな積み重ねの上に立つドーム公演。会場の規模が大きくなったことを誇るだけではなくて、追加公演の枠は守りつつもアリーナ公演の拡大コピーに留まらず、自分達のやり方を踏襲して会場の特性をどう活かすかに知恵を絞ったライブ職人的意識がしっかり体現されていたようで嬉しかったのです*2

アリーナからの物理的な変化は恐らく、逆に長すぎる縦横の動線と上空から下がる機構を使えないという問題。ここは他のグループは大規模な機構を駆使した闘い*3、例えばムービングステージやフロートを使った地上戦や、フライングや気球による空中戦、メインステ―ジ壁面を覆う巨大ビジョンといった最終兵器による戦略をとってきたと思うのです。そこをまず、会場サイズに合わせて踊りを大きくすつことに気を配り、ドームの長い花道を自らの脚で歩み、と、紛れもない活き活きとした生身の人間の躍動感と存在感で場を制してくれた嬉しさ、頼もしさ!*4 Overtureからの数曲で既に、演出も機構もアリーナツアーやJr.時代から変わらないのにも関わらず存在感を際立たせることに成功していたと思うのです。

ドームの広い空間に響きわたる荘厳な「Voice」。地上から近くで仰ぎ見るのも素敵でしたが*5、スタンド上方から見た暗闇に浮かび上がるSixTONESの姿は神聖さすら漂わせていたようでした。遠いステージから届く声はシンプルなだけに却って広い空間の隅々まで満たしているようで、遥か上空まで届けてくれたありがたさ故か、アリーナツアーで聴いた時よりさらに厳粛さを増したように思えて心が震えました。そして初日の「Amazing!!!!!!」で音と同時にジェシー君がすっと腕を広げ身を屈めた瞬間のドームのどよめき!興奮にのまれ「やはりJr.曲が冒頭に来ましたね〜」なんて語れる余裕ができたのは終演後。この歌がよく聴かれていた頃の荒々しさは影をひそめ、言魂を実現させてきた自信が見えたように思いました。久しぶりの北斗さんのドームサイズの大跳躍も見事でした*6。2曲目で客席を掌握し、序盤に使い尽くせと言わんばかりの盛大な炎の中*7「NAVIGATOR」に鼓舞されながら初めて自らのツアーで6人で歩み出すドームの花道。以前ツアードキュメンタリー映像でアリーナのメインステージからセンターステージの移動はゆっくり歩いて余裕を見せよう、と語っていらしたと思うのですが、初の横浜アリーナ単独公演にして既に余裕溢れ覇王感すら感じられたSixTONES。ドームでも空間の広さ、距離の長さ*8を感じさせない、むしろメンバーの存在感がより大きく映える堂々とした歩みでした。

ライブの魅力は人のみに非ず。ドーム公演で新たに加わった、SixTONESライブを彩ってきた数々の素敵な機構達*9の系譜を継ぐ個性的で強力な仲間達の魅力的だったこと!シンプルにして質感豊か、メカメカしくも*10生命感さえ感じさせて、パフォーマンスと併せ創り出す世界観の一貫性(敢えて言うなら”男子の夢”感)が見事でした。まずは開演前からバックステージで蠢いていた巨大なライトの武骨な”機械感”と場内を制圧する存在感。サーチライトが威圧感たっぷりに”民”を睨め回した後、メインステージに屹立するフェSもドームの空間の広さの中でさらに威容が映えて見えました。 お次はドームの茫漠とした闇の中、彼方から響く「Risky」の電子音*11に伴われ登場するメリーゴーラウンド状の機構。アリーナツアーのイリュージョン的な演出も素敵でしたが、椅子から垂れるちぎれた配線のちょっと厨ニ病的な世界観*12と6色のキッチュな照明に彩られる輩達の偽悪感の堪えられないこと! 圧巻はドームの平面の広さと距離があってこその、JEEPのピックアップトラック!自ら運転する車でレールなき道を障害物を乗り越えながら自分達の「音」を届けて回る、そのコンセプトの素敵なこと!! 山盛りにごっついスピーカーを背負い、CO2をぷしゅーぷしゅーと盛大に吐出するギミックのわくわくすること!! ゲストをお連れしようと思いつけば即座に出動できる、その機動力も素敵💗 クレーンというお馴染みの装置もSixTONESさんにかかれば一味違う(笑)。「IN THE STORM」と判明した瞬間に涙で崩れ落ちる友人を尻目に頭上でがんがん、ぐらんぐらんとひときわ大きく揺れる北斗さんのそれ(笑)*13 が「8.8では気球で歌ったから同じ曲をクレーン上で歌うことで思い出してくれるかな」という細やか過ぎる気配りとは気付かず、相変わらずエモさに欠ける私はただ楽しくペンライトをぶん回しておりました。失礼しました。さらに「Bella」ではランタン祭りを思わせる幻想的な繭の中にお隠れになって上空を舞うとは(笑) スタンド上方に近付いてきてくれている貴重な時間帯に姿が朧なんてあり得ないと言った人もいましたが、1公演1度は姿を隠しての逢瀬になるやんごとなきSixTONESさん達、御簾越しの和歌の交換みたいな、秘すれば花、みたいな在り方も素敵ですよね(笑)。地上に姿を現しステップを踏みながら花道を移動する北斗さんの妖艶さがさらに印象深くなったもの。

生身の動きに魅せられたのは「Dance All Night」。SixTONESのパフォーマンスを大好きなのはダンス自体の技巧や動きの美しさのみならず物語や世界観の表現に秀でているからなのですが、特に物語性が色濃く感じられるところを愛してやまないこの曲のパフォーマンス。アリーナツアーのメインステージでも夢中で観ていましたが、北斗さんが5人を”見えない糸で操る“様が360°遮るもののないセンターステージではつぶさに観えて嬉しかったのです。 天井の高さと空間の闇の大きさに感謝したのは「 愛という名のベール」。天井からの布がなくなったのは残念でしたが、スタンドの上の方から見た舞い上がる羽根の美しさが、舞う範囲と全体の空間の大きさの比がより大きくなったことでさらに増して劇的になったように思えたのです。同じく想像以上の空間の効果に驚いたのは「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」の紙吹雪。仄暗い空間に前方から吹き上がり光を散乱させる様があまりに美しくて見惚れてしまいました。これも広い空間に盛大に噴出させることができてこそ、ドームありがとう案件。「OPA!」も含めてこれらのユニット曲では2名しか登場しないのに、センターステージまでの移動距離はアリーナの1.5倍はあるでしょうに、空間がきちんと満たされていたのには脱帽です。

会場の広さを感じさせられなかったどころか利点とすら思えたのには(ちょっと自慢入りますよー)参加するファンの主体性も寄与したと思うのです。自ら演者の意図を汲み、盛り上がりを共に作り出す”team”であればこそ。(まあ、遠いてっぺんの席でも意地でも参加してやると思う自分だからかもしれませんが(笑))「Boom-Pow-Wow!」やぶちあがり曲メドレーは勿論、「Drive」がライブでとんでもなく楽しい曲になったのには前述のJEEPの威力もありましょうが、ドームに集いし手練れ達が頼もしくも初日から”drop,drop”で合いの手を入れたようなことも手伝ったと思うのです。CM情報解禁時には明るく親しみやすい曲としか思わなかったこの曲をフルサイズで聴いて大好きになり、ライブでさらに大化けしたのにはやはり、C&Rの力も大きい。”Nanana…"と”you, you,”も一緒に歌う楽しさよ!だから今後の”勝負”は「とりあえず人気みたいだし一回見てみたいと思って来てみました~」という人々の参入。「楽しませてくれること、サービスしてくれること」に受け身で期待するだけの”お客さん”層が一定の割合を占めるようになったその時にも会場の一体感を保てるか、疎外感ないライブを成立し得るか、だと考えています。そんな日が来るかどうか、その類のお客さんを巻きこめるか、あるいは別の手立てで解決を図るのか。お手並み拝見(笑) 

SixTONESさんのお手並みといえば、その象徴、お久しぶりの「Mr. ZUDON」先生。お洒落にすかした「STAMP IT」~「Cat Call」の後にMr. ZUDONが送りこまれる痛快さ。私どもが『来た来た、あやつらやるぞ』と待ち構える中、本気でトラブルを心配していた方達もいらしたとか?ひねた古参ばかりでなくてよかったですね(笑) 『あいつら変わんねーな』感が如実だったのはMC。あんなに広いステージなのに端は穏やかにLEDが波打つのみで、真ん中に6人でちっちゃくまとまって喋るとか(笑)。私の好みの問題ではありますが、がっかりするとしたら最大要因と予想された、”初”や”記念”といった一種気恥ずかしい”感傷”の表出のさじ加減。パフォーマンスや挨拶で大上段に「来し方行く末」を語られてしまうと照れてしまったりひいてしまったりしそうですが、MCで北斗さんが敢えてネタめかしてボケとしての「エモさ」大会をしきりに開こうとする、その本気とちゃかしのバランスも、私にとっては完璧な塩梅でした(笑)。SixTONESさんはそんな私をちょっとだけエモくさせるのが本当にお上手。「オンガク」の多幸感、特に「声 ver.」のラップには幸せな涙がこぼれそうだったし、さらに追い打ちをかける日替わり曲。アリーナツアーで好きだった「Chillin' with you」がなくなってしまったのは残念でしたが、初日の「セピア」4/16の「Takes Two」、4/22の「Hello」はカップリングも聴きこむコアな層に訴求性抜群だったと思いますし、そこに「1公演、1公演がそれぞれ特別」というSixTONESらしい思いがこめられていたとは。ゲスト登場の布石としか思わなかったのが申し訳ない。勿論4/21の特別な「Imitation Rain」を間近で聴けたことは生涯忘れないと思います。歌いこみ熟成されたこの曲がYOSHIKIさんとの共演の魔法で素直な瑞々しさを感じる歌となっていて、本当に特別な時間でした。常田さん登場の4/23「マスカラ」も、音楽の化身のようなお二人との即興演奏も、その場に居合わせたことの意味、つまりライブの醍醐味を熟知した方達だから提供して下さった時間だったと本当にありがたく思っています。そしてセットリストの妙がアンコール。このライブに参加している人なら概ねどの時点からのファンでもわかるであろう昨夏~秋の「PARTY PEOPLE」と「Good Luck!」で盛り上げた後に、初めての曲にして永遠の名曲「この星のHIKARI」が続く。私もドーム中に響けとばかりに大きな声を出しました(泣) そして最新も最新、ぴっかぴかの「彗星の空」初披露で締めくくる。アンコールで場内隈なく周りいつまでも上の方に手を振る北斗さんの”職業倫理*14に毎度感動しながら次の機会までのお別れをするのもよいものですが、今回最後にメインステージで6人揃って歌い踊って下さったのが私は嬉しかった。来し方を振り返ってしまいがちな初ドーム公演の終わりに、成立ちの意味など問わずともよいのだと、奇跡ならぬ見果てぬ彗星の軌跡の先まで笑いながら進もうというこの曲を選びきちんと聴く時間を下さった。これまでの、勢いや勇ましく荒ぶるそれらとは一味違う、肩の力を抜いた決意表明が嬉しくないわけがない。勿論これは憶測ですし、そんなめんどくさい理屈抜きに次への期待をこめた明るいお別れに相応しい素敵な曲ですものね。

音響については特に東京ドームの不評はよく聞きますが、今回は私が席に恵まれたのか、あまり気になりませんでした。強いて言えば京セラドームの外野席上方だと自分の耳で聞いて動かすペンライトとステージ上の皆さんの振りが半拍ずれるなと思ったこと、東京ドームの2階スタンドで斉唱系の歌の際にうっすら聞こえていたのが残響なのだったろうなと思った程度。たとえば「ふたり」ではどこか遠くから複数のお客さんが小声で輪唱しているようで、「愛という名のベール」では選挙カーが通り過ぎた後のようでしたが、特段耳ざわりでない程度のもの。大音響の曲も割れることもなく、音圧そのままが伝わって来た「ABARERO」の凄みには初演がドームの大きなステージで観られてよかったと実感しましたし、ぎゅぅいぃぃーんってギターが大きい会場に響き「シアター」の外連味と派手さがさらに際立ちかっこよかったこと!

音という観点では、今思い返せば慣声の法則ツアーを通じてのことですが、どなたかの声が不安定になることが少なくとも私の記憶ではほぼなかったことも、後で気付いてかみしめた案件でした。それぞれのメンバーが着実に鍛錬され、歌以外でも声優や舞台発声など経験されてきたことが歌唱に活かされているのだろうなと頼もしく思った次第*15。特にライブの回を重ねるごとにこなれてきた「人人人」。PLAYLISTのバンドセッションの、今こそ再演を願ってしまうのです。よくアイドルの歌唱を評して「口から音源」と称讃するのを目にしますが、あなた達はさらに上をいく。ステージパフォーマンスが楽し過ぎて、かっこよすぎて、CDでオリジナル聴いたらちょっとだけ物足りなく思ってしまったのですが、どーしてくれんだ!(笑)*16 さらにはteam SixTONES制作部門がくり出す必殺のリミックス。「Good Luck! Sunrise Soul Remix」のモータウンサウンドを思わせる軽やかさ、華やかさ、ハッピーさがバンドセッションにはおあつらえ向きだと思ったり。ライブで育つ曲、ライブで堪能できるパフォーマンス。これからもSixTONESのライブに参加し続けられますように、とますます願いを強くするばかりなのです。

 

ドーム公演と関連するイベントの準備に明け暮れた幸せな4月の戸締まりを認めているうちに、今朝は思わぬ影の濃さに季節の動きを知らされました。1月の横浜アリーナで追加公演と伺った時は喜びつつも箱のサイズじゃないのよ、などとちょっと斜に構え、当落の不安の煩わしさも脳裏をよぎってしまった(ごめんなさい)ものでしたが、あの時の自分に「本当に素晴らしいドーム公演だったし、あなたは幸運にも参加できて、心底楽しんたのだよ」と教えて素直に喜ばせてあげたい。入れなかった方達には本当に申し訳なく思いつつ、貴重な公演をアリーナツアーに続き、心から感謝して誰よりも楽しみ尽くした自信はあります。

京セラドームは一番古くから共に喜びを分かち合ってきた一蓮托生の友人達と向かいました。初日は滅多にリア充なオタク活動をしない私達にはデビュー日以来の祝宴。口々に「完璧だった」「よかった」とくり返しながら祝杯をあげる幸せな時間をありがとうございました。東京初日は東京ドームホテル泊の友人が見事ドーム側の部屋をとってくれたので、企画2か月、製作日数4日間の窓飾りをさせてもらいました。自己満足でも長年の憧れを実現できたのがSixTONESで幸せです。叶えてくれてありがとう。窓飾り越しのドームの屋根を眼下にオールフリーで乾杯した嬉しさだけご報告。

今回は褒め言葉もドームサイズで特大に盛っちゃいました。平素辛口な私にして大甘。でも、本当に素晴らしかったのですよ。八十八夜も過ぎたGW後半、お忙し過ぎの北斗さんには、新茶でも楽しまれて心身を労わって頂けますように。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。       かしこ

 

*1:正確にはケラですが

*2:ねえ、そうやって過去を振り返っちゃっている私が一番エモさにとり込まれてますよね(笑) 

*3:ムービングステージ初出の時はステージが動いてくるという工夫にわくわくしましたが、最後数年の嵐ライブのモニターの大きさには「天井席に文句を言わせない」演出側の意地と思いやりと同時に余程文句言われるのだろうな気の毒にと思ってしまわなくもなく(笑) 自分は所謂天井席が多かったので恩恵にはあずかったのでありますが

*4:「憧れてしまったら超えられない。今日1日だけはドームへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」的な(笑)

*5:でも、アリーナ前の方に入らせてもらった日は開演直前にもそもそフェSの顎が揺れるのが見えちゃって(笑)

*6:初日にいた下手のスタンド下段からは斜めに見えてジャンプの大きさが実感できず残念だったので、斜め前気味に跳んで頂けるとどの席からも見えやすいのかもしれません(実は斜めに跳んでいらしたらごめんなさい) 

*7:燃料高の折柄心配しちゃう贅沢さ(笑) 

*8: メインステージからセンターステージまでは横浜アリーナで30m程度、ドームで50m程度ですよね?

*9:鎖、ソファ、鉄骨の櫓、看板、KEEP OUTのテープとバリケード、TIMEの時計、爪、天井のLEDの帯、降臨するケージと姿見、昇降する花道、Sカレーター…機械でありながら雰囲気があってキャラクターすら感じられる、SixTONESのステージの機構や美術が大好きなんです。敢えて例えるなら鳥山明さんの描く機械達みたいな

*10:書いておいて思う。そんな言葉あるのかな。まあ雰囲気です(笑) 

*11:CHANGE THE ERAで上空から「Hysteria」が響いてきた時に感じたアリーナの上空の広さへのありがたみと同じ、空間の広がりに大感謝

*12:なぜか「ルパン vs 複製人間」のクライマックスシーンの脳を思い出し。テレビでは煌びやかな椅子と表現していましたが、千切れた配線がぶら下がっているのではなくて装飾だったのかしら…ま、受けとり方はそれぞれですよね。だからって、この曲で爪をじっと見つめる北斗さんに自称・人見知りの方の一人遊び感をみてとってはいけませんよね(笑)

*13:後に樹君が上がった時もそうでしたが、下手最前クレーンが特に揺れるのか、そこに入る人が揺らしがちなのか?

*14:こちらを向いて下されば当然、それは一番嬉しいのですが、自分が所謂”良席”にいられた時は、上の方の方達に誠意を尽くす北斗さんの背中を見ているのもなんだかとても好きなのです

*15:そう思って1STを聴き返してみたのですが素人の耳にも全員声が明らかに違ってきていますよね

*16:それでPLAYLIST版の音源をCD収録してくださったのですね

060: 2023年4月1日_慣声の法則、ザ少年倶楽部卒業、届けること・届くこと

拝啓

 慣声の法則ツアーもアリーナパートは一旦オーラス*1。お疲れ様でした& ありがとうございました。楽しかった札幌公演の帰路に早くも東京は桜満開のニュースを聞きましたが、北斗さんは今年の桜をご覧になれたでしょうか。天気に恵まれた仙台、札幌ではTシャツ1枚の会場内から即時退場を求められてもダウン1枚羽織れば意外に大丈夫でしたが(ライブ中暴れ過ぎか)対する先週前半の関東の雨の寒かったこと。お蔭で寿命が延びた桜も今は美しい散り際を見せています。「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは」と兼好法師は宣えど、「散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ」の心境にはまだ達せず、満開のうちにと桜並木を選んで遠回り出勤し、夜はオールフリーをお供に酔わずに夜桜、楽しんでいます。

札幌では真っ昼間から酔っ払ったが如き”寸劇”を楽しく拝見しましたが、オールフリーはアルコール0.00%。コンマ2桁以下もアルコールを含まぬ真のノンアルコールですから、あれは『空酔い』。プラセボ効果で酔っておられた方々の素直で性格のよいこと。私も日頃ノンアルコール派でしたし、美味しい上にホップの鎮静作用で安眠できて*2しかもノーカロリー。ありがたく愛飲していますし、名門サントリーさんのビールCMへの起用*3も嬉しくて、続いて欲しいなと願っています。TDCソフトさんのCMも、友人曰くB to B企業のテレビCMが年度末に流れるのは想定以上に利益が出てしまった時とのことで、3月下旬のテレビ朝日で流れるとの報に老舗IT企業の顔に起用されてからの好調な業績が窺われて*4嬉しくなりました。視聴率40%超えの2023 World Baseball Classicの時間帯に映った北斗さんに心躍ったこと!フェットチーネグミのCMも続くのですね。3月末にブルボン公式さんが”流出”させた謎の刑事物映画の映像の、汚れ顔、ネクタイも緩みよれたスーツの北斗刑事に、これこれ、待っていました!と期待爆上がりです。CM映像だとしても城山監督とのとぼけた掛け合いが楽しみですが、本当に映画にならないかなぁ。

嬉しい事がたくさんあったのですっかり前置きが長くなりましたが、仙台~札幌3公演で改めて思ったこと。横浜公演後に差しあげた感想、世界一SixTONESのライブを愛している、などと大口叩いたのがお恥ずかしいくらい、何を見ていたとつっこみたいところだらけでした。演じ手さん達には申し訳ないことで、3月の戸締まりにドーム公演の前に謝らねばとお手紙を認めております。

例えば「愛という名のベール」のveil横浜アリーナではセンターステージに近過ぎたか、立ち見席で見えなかったか、上空から空気をはらんでふわりとほどけ落ちる布の一瞬一瞬の造形の美しさ、ドラマチックさ!仙台でアリーナの端から見上げて初めて気づき、申し訳なく思いました。重力と空気抵抗の相反する力の妙で自然にあの動きになるのか、人為的な工夫の成果なのかはわかりませんが、とにかくいつまでも見ていたい位、美しかった(いや、ステージ上の北斗さんとジェシー君見なさいって)。Jr.時代からSixTONESの布の使い方の素敵さを賛美してきたのに、あれを見逃していたとは…他にもマスカラ Afrobeats Remixでのveilが語源のラテン語velumの意味する神殿の帳や聖像の覆いのように客席からの視線を遮り距離をおくことで、楽曲の熱をクールダウンしたり(あの、遠くから響いてくる感じが曲にぴったり)演じ手を偶像化したりするかのようで、そんな布の意味を改めて考えてみたり。だから今回札幌の昼公演でかなりメインステージ寄りのスタンド中段から紗幕の裏側が見えて、何やら神聖な物の秘密を見てしまったような気分になったものでした。スタンドにいたのはこのツアーではその回だけだったのですが*5、改めて遮る物のないスタンドから観ると、こよなく愛好するSixTONESのダンスをしっかり見ていたつもりなのに何故そんな風に思った??と当惑したのが「STAMP IT」と「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」。前者は「この重量感あるダンス!」などと書いていますが、重量感溢れる部分もありはするものの、むしろ妖艶な部分の方が多く。後者は「ステップは結構な運動強度と思われ」と書いたけれど、一体何を見ていたのでしょう、面目ないことでございます。パフォーマンスを届ける側の方々がそんな誤認に基づく感想をどう捉えるのか私には想像することも難しいですが、意図と異なる受取り方にはがっかりされるのだろうなと反省しています。それでもプロの皆さんは、裏側でどんな思いをしているかなどおくびにも出さずにステージに立ち続けるのでしょうね。不束なファンの我儘ではありますが、あの洒脱な「人人人」のパフォーマンスと歌詞にこめられた思いとの乖離を思いながら、何万回でも「人人人」と掌に書いては飲んでステージに立っていて頂きたいと思った仙台~札幌公演でした。

そんな見当違いはありつつも、今年は転倒も乗り換え間違いもせずに恙なく横浜公演に参加し、結構な突貫旅程の東北すずめの戸締まりの旅も無事に終えました。しかし好事魔多し。結局札幌で当日朝、出発前に確認したはずのお気に入りのマスク*6がなくて狼狽し、新千歳空港から新規ルート開拓を目論んで乗った空港バスの遅延で乗継に20分余裕のあるはずが1分で駆け込み乗り換えすることになり、挙句に昼公演のチケット代を友人に渡し忘れ。夜公演前にはデジタルチケットが開けなくなった友人達と電波を求めてさまよい歩き*7、今度は自分がチケット代を受け取り損ね。札幌帰りの機内では小説「すずめの戸締まり」を読了したところに機内プログラムで流れたカナタハルカに泣き。SixTONESの札幌公演帰りは毎度泣いているし、SixTONESのツアーでは結局何かやらかすし、相変わらずの「僕が僕じゃないみたいだ」状態(笑) ドームでは皆さん同様ステップアップして遠征も東京ドーム通いも無事にすむよう祈っています。

 

ステップアップといえば、私をSixTONESさんに出会わせてくれたザ少年倶楽部も3月末の特番をもって卒業なのでしょうか。2月の観覧帰りの友人がネタバレ嫌いの私に敢えて「SixTONES祭りだったので卒業では」と知らせてきてくれたので覚悟はしていました。長きにわたり少年倶楽部ならではの凝った演出やフルサイズのパフォーマンス、カップリングやアルバム曲を披露して頂けて、SixTONESのやんちゃな面のフル発動、特に北斗さんの人をくったような言動を堪能できる貴重な場所が一つ減ってしまうことはさびしいです。ありがたくも13回観覧させて頂きましたが、当選の報に心弾ませ、仕事終わりに原宿からの暗い並木道をわくわくしながら早足で歩くこともなくなるのかとちょっと感傷的になっています*8

最初は2016年2月の収録。健人君とSexy達を観に行ったはずが、記憶に残っていたのはSixTONESでした。「この星のHIKARI」のアクロバットも入りショウアップされた華やかぎ、柔らかな青年の心情を表現する歌声の優しさと爽やかさと確かさに驚きました。次の観覧での時は「太陽のあたる場所」のソファの背を軽々越えてみせるパフォーマンスの洗練、ソファに集い歌う和やかさ、演出の工夫に感心しました。今思えば阿部君の仰る通り、怖くて誰も実行に至らなかった私服でのパフォーマンスを周到に作戦を練って決行するのがSixTONESらしく、あの時の内心を想像すれば余裕で歌っているように見えるのがさらに面白い。まさかそれがむしゃくしゃした気分の発散するための「やっちまえ」だったとは(笑)。その次の時は騎馬戦のように櫓を組んでラップをがなっていて「太陽~」に続いて自分達だけの何かを模索しているような気概に打たれたものでした(「Drop the beat SixTONES」ですね。当時、この子達ちょっと仲悪そうじゃない?と心配してしまったのも、今なら書ける大きなお世話でした)。「THE D-MOTION」は既に今に通じる圧倒的なSixTONESの世界で、パフォーマンスの斬新さに心奪われて幾度も録画を観た事は既に書いた通り。その後も影絵の「DON'T U EVER STOP」や大好きな「Battery」もNHKホールの環境で観られたのが嬉しかったし、まさに世界観満開の「N.M.P」、亀と山Pのバックではなくご自分達で演じた「背中越しのチャンス」、フルサイズで嬉しかった「“Laugh” In the LIFE」、2階席の端にいる私に向いて歌って下さったと勝手に信じているストライプスーツの「YOU」等々、数々の名演を生で観られたありがたさ。限られた観覧の機会に2回も北斗さんのソロ(「青春アミーゴ」「痕跡」)が披露される回にあたり、登場の瞬間のどよめきと歓声を共有できた喜びも記憶に残っています。そして「PARTY PEOPLE」「Boom-Pow-Wow!」「Always」等、大好きな曲の初披露にも立ち会えて、本当にザ少年倶楽部さん、NHKさんには足を向けて寝られません。北斗さんの詩の朗読企画も「北斗さんの声が私には史上最高に好きな声」と珍しく直球なことを書いた後だったので「多くの声があった」とはいえ個々の能力をみて意見を通して下さっているのだと番組製作の方々には本当にありがたく思いましたし、皆さんがのびのび振る舞っておられるのを目にする度に、ザ少年倶楽部のスタッフさんもSixTONESの事を大好きだったのだろうなと思っています*9。そんな思い入れのたくさんある番組ですが、とりあえずは卒業おめでとうございます。次は早くもゲストで登場する海人君と廉君司会のPremium初回。あのお二人の司会にSixTONESがゲストであれば、トークの面白さは推して知るべし。そしてザ少年倶楽部にかわる何か、にも期待しています。

もっとも冠番組については皆さんの切望も存じておりますし私もあれば嬉しいなと思いますが、何でもよいと思っているわけではありません。かつての推しグループが週3もレギュラー冠番組を持った挙句に内容がグルメ紹介やクイズばかりの安易さに陥り*10、一方で肝心のダンスや歌が疎かになったように思えた経験があるからなのです。「バリューの真実」はテーマもあるよい番組ですし、試行錯誤しつつも徐々にスタッフさんとの意思疎通もできて皆さんが次第に自由度を増し本領発揮してきているようにお見受けしますし、ご自分達の色を存分にだせているANNとYouTubeは言わずもがな。この3つで十分ではないかと思いもするのです。皆さんと近しいスタッフさんの考え方についてはデビュー以前からの信頼感は私の中では変わらないので、しっかりした基本方針があり、その志とSixTONESの価値を損わない内容を維持して下さる制作者と一緒に作って頂けるのであれば勿論大歓迎です(偉そうにすみません)*11。そこは”大人”の意見を容れつつ自分達の意見も通すSixTONESさんには間違いはないと信じています。

先日「ついてこられるか?構わねえ 」と言わんばかりの、こちらが思わず唸るようなライブを期待していると書きましたが、その途端に攻めに攻めた「ABARERO」の発売を知らされました。私の書く何か月も前から企画されていたことでしょうから、なんだ同じ事を考えていたのだな、と楽しくなった次第。「ABARERO」を特集した週刊TVガイド2023年3月31日号、4月7日号が、衣装もポージングもまさにSixTONESならではで楽しくてずっと眺めています。色彩も素材もごっちゃりうるさい衣装(用語に疎くて表現できず恐縮です)を着せようと思わせ、かつ素敵に着こなすグループはなかなかいないと思いますし、そんな独自性を突き詰めていって頂きたいのです。グループが大きくなる時にありがちな”日本”を背負って型に嵌まってしまったり、足を運ぶ人達の絶対多数に理解される最大公約数的なライブを目指してしまったり、そんな予定調和を目にしてがっかりする日がこない事を勝手ながら願っています(いや、そんな願いすらいちファンの勝手な思いですから、そこもふっとばして頂いてよいのです*12)そして矛盾するようではありますが、慣声の法則のパンフレットの”Our S is going to the next stage” We'll rewrite things with an even bigger S. の”even bigger”があなた方らしくて素敵だわと思っていました*13。そんな凡事徹底の人達でもあり続けて欲しいと思っています。

日本アカデミー賞の授賞式で北斗さんが「誰かに届いていた」と口にされたように、北斗さんは発信した事の受け取られ方に敏感で、それを励みに(あるいは逆も)される方なのだろうと*14拝察します。なのによりにもよってライブの感想の見立て違いを送りつけてしまった事の申し訳なさが今回のお手紙の主旨。お詫びして訂正しつつも、実は今回の札幌~仙台は(多分(笑))北斗さんと目を見合わせ楽しんでいた瞬間があったと思っていますし、少なくとも私はいつも北斗さんの発する物事を「受け取ったつもり」でいます。つもり、というのは(北斗さんが確認されるかどうかはともかくとして)受け取ったことをお返しできていないことも、後で真意に思い至ったように思うことも、ありはするので。北斗學園も砕心のとうこうをトレンド入りで知りつつも、即座に激甘コメントを放てる方々の愛に圧倒されてしまったり、対する自分のツッコミがちな辛辣さに自制してしまったり(笑)。声ブログは内容が豊富で声が聴けるありがたさの反面、私は音声の記憶の歩留まりが悪いようでGoogleの文字起こしを見ながら聞き直してようやく感想に至るので気付けば応答のタイミングを逃していたり。それでも -中略- 自分が受け取るべき案件と勝手に解釈して幸せに思っているのであります。だから、友人達がファンレターにひたすら「好き好き」って書くのだと聞いて鼻白んでいた私ですが、昨日樹君がANNで仰ったように「かっこいいよー、好きだよー」とだけ書いたらよいかしら、と思ったり(笑) そんなことを考えながら3月の戸締まりを書き終えたらもう4月1日。だから書いてしまえ、愛しているよ     …嘘じゃないよ(笑)
3月の〆のザ少年倶楽部から始まった「ABARERO」でのメディア露出、意外に長くなった茶髪期間の秘密、そしてドーム公演を心待ちに。いつでも、どんな北斗さんも、応援しています。                                      

                                  かしこ

 

                             





*1:Summer Paradiseで日をおいた追加公演が発表されて”一旦オーラス”という謎ワードを使っていたことを懐かしく思い出しました

*2:睡眠に悩み多き髙地君にお勧めしてあげて下さいませ。ヤクルト1000より多分エビデンスはあります。利尿もしちゃうけど

*3:大泉さん、上白石萌音さん等、北斗さん側の人間としては”北斗さん縁の人々”という認識の方々と揃ってビール、BOSSには神木君も出演されていますしね

*4:2023年3月期決算も上方修正ですものね。SONYも業績好調ですし、SixTONESも北斗さんも所属先やクライアントさんの価値を高める福の神かも

*5:席を選ぶようなことができるわけでもないので偶然にもありがたいことに、立ち見を除けばずっとアリーナ(センター )上手前方にいまして。Feel da CITYでは最初の頃アリーナ前方に入らせて頂く機会が多くて「With The Flowで至近距離で樹君と踊っている気分になって…」などと書いてしまったらその後はずっとスタンド席で(それはそれでよいのですが)、寝言言ってんじゃねえよって諭されたかのような気分でした(笑) 

*6:仕事でならN95でも大丈夫なのに、他のライブでは許容範囲なのに、SixTONESライブでは暴れても息苦しくないようなマスク選びは重要なのです。強要されず指導もされず、自発的に楽曲やパフォーマンスに参加するSixTONESライブの楽しさに結構な運動量になってしまうのですよね。あるライブの日の歩数、39000でしたもの

*7:結局docomoは使えず、入場寸前で私のダブルSIMのサブのpovoの電波が純正docomoより不思議と強くてそれでデザリングしてようやくデジタルチケットを開きました。入場口に向かって歩きつつ、15桁のパスワードを間違えずにあの速度で入力した自分を褒めたい

*8:SixTONESが出演しないとなると、仕事終わらせて観覧に駆けつける動機としては低くなってしまうのですよね

*9:3月31日の特番で慎太郎君が喋っている間にひな壇の北斗さんがカメラの方をしばらくみつめた後、なんともいえない笑顔でふっと目をそらした一連の表情が素敵で、気心知れたスタッフさんがカメラの辺りにいらしたのかなと思いながら観ていました。あれはそれともカメラの向こうの私達あてだったのでしょうか??

*10:少なくとも私の周囲では未熟だった彼らの初期のバラエティから見続けていた長年のファンもほとんど脱落して、ながら見や倍速再生する事態になっていました

*11:SMAP×SMAP堂本兄弟鉄腕DASH、関ジャム…そんな筋の通った番組であってくれれば、それらを超えてくれれば…

*12:ここまで書いてMG誌NO.16を拝読。我が意を得たり、でした

*13:その”even bigger”な”next stage”がドームを暗示していたのでしょうか。それとも、別な何かがまだ隠されているのでしょうか

*14:追記: 関ジャムのBump of Chicken特集の藤原さんのインタビュー、ご覧になったでしょうか。邦ロックに疎い私でも存じている大御所にして、作り手、演じ手の思いが「届いた」こと、受け取った側の思いが「届く」ことの幸せが原点だと語っていらして、ちょうど北斗さんの「届いた」嬉しさ「届ける」気持ちについて考えていたところに非常に素敵なお話でした