書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

004: 2018年3月15日_ジャニーズJr.祭2018 大阪城ホール、YouTube前夜、坂道のアポロン

一筆申し上げます

 日ごとに暖かさも増し、大好きな桜の時期が近づいて参りました。北斗さんにはジュニア祭り横浜公演の準備にお忙しいところと拝察いたします。
大阪のジュニア祭りは友人達と協力して入ることができましたが、本当に楽しい2日間をありがとうございました。昨年松竹座で初めてお手紙さしあげて以来、
公演を拝見するごとにお手紙を書こうと思いたち、大阪の帰りには書き始めたのですが、ステージに舞った花びらに桜満開の便箋を使いたくなり、また、書きたいことが次々増えて今にいたりました。1月の帝劇を経てこれで4通目になりますが、短い間に”お目にかかれる”機会や書きたくなるようなことがたくさんあるのは嬉しい限りです。

24日は午前仕事をしてから大阪に急ぎました。立見2列目でしたが、他グループファンの方と譲り合ったり、後ろにスペースがありちょっとステップまで踏んだりできて意外に楽しめました。終演後友人と立ち見席の置き去りペットボトルを回収して捨てたら(次の公演の使用を断られても困りますしね)”積んだ徳”が報われたのか(笑)、25日はスタンド前方とアリーナに入ることができました。ともに上手側でしたが、皆さんが満遍なく外周を回ったり、ステージでもサイドを変えたりと気を遣ってくださったので、北斗さんはもちろん、どのグループのパフォーマンスも堪能できました。

今回のように複数グループのファンがいると中には座っている方もいて、演者の方達は内心傷ついているのではないかと心配してしまいます。ただ、例えば自分が演者とその方のファンとの間に位置してしまうと、視線を遮ってしまわないかと身を低くすることもあるのです。演者の方々が気になさらないでいただけるとよいなと思いながらのことですが。

気になさらないで、といえば「銀テ問題」。平素銀テープ争奪戦には加われない自分ですが、今回は先に帰京した友人にあげたくてうっかり振り向いて座席上の銀テープを拾い、メインステージに視線を戻すと、もうジェシー君以外どなたもおられず。「大好きな銀テ、とってね~」等とステージ上から揶揄され恥ずかしくて辛いのですが、ステージにいるのに客席で一斉に下を向かれる皆さんの気持ちもわかるので、銀テープ発砲が最後の最後でなければよいのに、と思ってしまいます。別れ際の、あのコミュニケーション不全感は憂いことではありませんか(笑)

そのようなこともありましたが、大阪公演のセットリストは私家版”布教用SixTONESアルバム”とほぼ同じで大好きな曲ばかり。気分が高揚しました。

セットのためメインステージが狭くなったのか、JAPONICA STYLEでメンバーが交錯してしまい窮屈そうだったこと、Amazing!!!!!!の北斗さんの跳躍に、メインステージのせり上がりの制約で、いつもの雄大さがないように見えたことなど勿体ない感じはありました。しかしEX Theatreでも印象的だった羽根を降らす演出や、今回の花びらが散る様は、楽曲イメージに合致しているのに加えて会場が広くなった分さらに、鮮やかに映えていました。アリーナから見上げたセンターステージに浮かび上がる北斗さんの姿は目に焼き付いています。

SixTONESのステージングが他グループと一線を画していたように見えた理由を考えていたところ、テレビでパリコレクションの映像が流れたのですが、コンセプトに基いて服やランウェイ上だけでなく、例えば森林を会場にしたりすることで濃密な世界観を醸成していて、その空間全体への目配りがSixTONESにおいて優れているのではないかと思い至りました。

今回はライトブレスを事前に買えず北斗さんに”怒られた”湾岸LIVEで学び、大阪の友人が事前購入してくれたラバーバンド、タオル、個人うちわ完備で臨みました。ところが思い出のラバーバンドを帰りの新幹線で落としてしまったようで、遺失物係にも届けはなく、「どこかの誰か拾う」→「ロゴからSixTONESに興味をもつ」⇒「嬉しい」と脳内変換して諦めることにしました。横浜公演に参加できるので、大阪では持ち運びが心配で買えなかったポスターと併せ、またラバーバンドを購入します。横浜では「史上最高にワイルドな」新衣装をみて、自分の投資が刺繍1つ分くらいの原資になったかしらと想像して満足することにします。

湾岸LIVEでライトブレス未装着を北斗さんに共に怒られた友人(大我君ファン)が、大阪で北斗さんにラバーバンドを指さして「着けています」アピールをしたらうなずいて下さったと喜んでいたのですが、それを思わず羨ましく見たことに、自分にも承認欲求があったのだなあと気づき驚きました(笑)。そのようなことがあったからか、これまで「常に全体俯瞰中」の松本潤君や「会場内に満遍ない博愛」の中島健人君には、こちらを見て欲しいという期待すらしなかったのですが(笑)、その後アリーナ端の私に遠くの花道から北斗さんが手を振ってくれたように思ってふんわり幸せになったものでした。

思えばアイドルの皆さんもファンの多様な要求に応えるのは大変なことですね。ファンサービスというのは「ファンでない人」にも降ってくるのだと知ったのも今回のジュニア祭りでした。20年来この事務所のファンをしていて初めての”事件”はアリーナで起きたのですが、近くのトロッコにいたあるJr.君を何気なく見たら満面の笑みでこちらを見てきてくれたので、目をそらすのも失礼かと思って数秒間。(ペンライトは白で掲げたままでしたが、北斗さんのうちわはそっとおろしてしまいました。手軽に背徳感を味わってしまいました(笑))隣で友人が「見つめあってはったなぁ」と言っていたので恐らく勘違いではないようで。「Jr.君、『生き別れのお母さんをアリーナで見つけた』のかしら」みたいな勢いの凝視で、失礼ながら可笑しく思ってしまったのですが、それでも名前しか知らなかったJr.君を帰宅後検索したりしたので、プロモーションとしては成功なのでしょう。友人のMBA持ちによれば『多くのJrが出る中で、ファンを増やそうとがんばっているのでしょうね。これは経営視点で言うと、成長事業は何よりも新規顧客獲得に投資する戦略をとるのと同じですね。あえて自分のウチワを持っていない人にアピールする。思い返せば櫻井、錦戸も基本ずっとそうでしたよー。』『既存客も大事にしてくれー、って思いますよね。』とのこと。件のJr.君のファンには申し訳ないように思いつつも興味深い経験でした。

ファンの在り方もいろいろですが、アイドル産業(by 二宮君)の従事者としてのプロ意識も多様でよいと思います。常に笑顔であろうとすることも非常に立派で素敵ですが、「嫌なことがあったとわかってほしくなってしまう」*1”甘え”を喜ぶファンもいるのだと思います。不機嫌が顔に出てしまって『それでもあなたのことが好きだよ、大丈夫』と思ってね、と予防線を張る述懐と思うのですが、その気持ち、B型中間子の私にもよくわかるように思います(笑)。

ジェシー君の「オレはもっと何をしたらいいのだろう?」*2という”魂の叫び”(と勝手に感じて心が痛くなりました)にも回答はしてあげられないのですが、「どこにいるか、より、そこでどこまでやるか」が重要なのではないかと私は思っています(だからといって就職も結婚も数分で決めてしまったのはいかがなものか自分、とは思っていますが)。

羽生結弦選手が怪我で休養中考え抜いて達した「たくさんご飯を食べて、よく眠って、目の前のことをやるだけ」が真理なのだなあ、とも思います。積み重ねた努力あっての境地ではありますが、最もシンプルな方略で金メダルはとれるわけですよね。

そういう点では”目の前の”公式Youtubeには非常に期待しています。賛否両論あるようですが、私はSixTONESとスタッフの方々の意思決定のセンスは信頼できると思っており、突破口の可能性に手をかけてくれて本当に嬉しく思っています。

(略)

映像を繰り返し見られることで発見することもあります。ROCK THA TOWNの”Wicked Wicked time”は湾岸LIVEで聴いた時には、いつもの北斗さんの硬質で透明な、石英吟醸酒を思わせる響きの声ではなかったので判別できず、情報局動画で初めて北斗さんのパートと判明。勝利君が歌うと妙に健全な”wicked”で*3スラングの”素敵な”あるいは”お茶目な”の意味かしらと思っていたのですが、北斗さんの声色は退屈に飽いた趣が如実で、作詞の意図は原意の”邪悪”と思われますから、北斗さんの表現力に感心したものです。北斗さんの歌割りでは ”phenomena”の響きや”四面楚歌 not a matter”のsyllableが非常に好きなのですが、歌割はどのように決まるのか、興味があります。

表現といえば、Jr.dexでの調理中、岩橋君の気恥ずかしい発言に「おめおめと」と言ってらしたですよね。あの文脈では通常「しゃあしゃあと」「ぬけぬけと」が使われると思いますが、発言者(岩橋君)本人の性格を表したネガティブな印象のある両者ではなく、発言したこと自体に対する「おめおめ」を咄嗟に選ばれたのだとしたら、すごいことだと思いました。考えすぎでしょうか。

 

心待ちにしていた坂道のアポロンは初日に観に行きました。紗のかかったような、懐かしさを覚える映像は期待通りに美しく、掌で慈しみたくなるような素敵な話でした。生老病死を間近にする生業なのでエンタテイメントには「泣かせてくれる」ことよりは「日常を離れられる」ことを求めて、映画もSFやアクション作品を選びがちなのですが、本作品では我知らず涙が出ました。

好きな俳優さんの出演が契機でよい作品に出合え、ありがたいことです。独りBlue NoteするJazz少女だった私にも演奏シーンは心躍るもので、こんなに演技できる人であったかという感慨とともに、知念君の努力には頭が下がりました。北斗さんもさらっと「できた」とおっしゃっていますが長崎弁すごく練習されたのではないでしょうか。父方の親戚が皆清水在住なので静岡弁は比較的耳懐かしい言葉ですが、結構違いますよね。

本作関連で北斗さんが載った雑誌はほとんど購入したのですが、取材日の制約でしょうか、多くの雑誌で衣装とテキストの内容が同じくなってはいましたが、衣装が同じでも表情や見せ方をすべて変えているように思われ、感心しました。

舞台挨拶は仕事で行かれませんでしたが、北斗さんが主演される作品の舞台挨拶にこそは、行かれますように。北斗さんは影や癖のある役が多い印象ですが、私はアクション物、特にKingsmanのColin Firthみたいな(これも癖はありますね)役を演じて欲しいと願っています。とりあえずは、20日に決まったバニラボーイの応援上映には行かれそうなので一番後ろでうちわとペンライトを存分に振って楽しんでくるつもりです。

 

つらつらと書いてすっかり長くなってしまいました。と毎回書いていますがご容赦ください。3月26日は横浜で桜が満開を迎えるそうです。咲き誇る桜の佳き時期に、またお目にかかれるのを心待ちにしております。

                                 かしこ

2018年3月15日

*1:TVガイド2018年3月16日号

*2:2018年カレンダーDATA BOOK

*3:初めて聴いた時はウキウキタイムと聞こえた