書簡・編

おたくもすなる日記といふものを、我もしてみむとて、するなり。

048: 2021年11月17日_カムカムエヴリバディ006-010、アトリエの前で

前略ごめんくださいませ

 土曜スタジオパーク、楽しく拝見しました。北斗さんご自身は「急に喋り過ぎる」との認識だったようですが、ワイプで勇ちゃんの苦境を本当の身内事のような辛そうな目で見ていたり、容姿を褒められれば気持ちよくお礼を延べ、上白石さんの印象やANNにかけたオチまでつけたり、と、全国の稔さんファンにも好感度満点の「程よい松村北斗感(ほんのり猫被り)」が届いたようで、何よりです。

4月のビジュアル第一報に北斗さん学生服似合うわーと思っていましたが、想像以上に評判になった稔さんとこのドラマは、私にとっても現時点での北斗さんの最高傑作だと思っています(いずれ更新されることとも思いますが(笑))。

「稔さんファン」の中に楽曲パフォーマンスをする北斗君、ANNの北斗(つっこまれるまでもなくスタパで番宣までしっかりされていましたね)、変幻自在な北斗學園日直、アトリエの前でのDEEP松村...めくるめく松村北斗ワールドにまで辿り着き堪能される猛者の多からんことを。

北斗さんのお陰で30年ぶりに復帰した朝ドラですが、身贔屓抜きで展開は面白いし、脚本・演出に感嘆し、それに応える北斗さんはじめ俳優陣の皆さんの演技を楽しんでいます。 7時半から23時まで毎日4カムカムしていますが、新たな発見が毎回ありますし、どんな朝も「7時半」を目標に起き上がる元気が出ます。日中ふと「何故自分はこんなに疲れているのだ」と思い、朝っぱらから泣いているからかも、と反省した日もありますが(笑) とにかく大好きなドラマに心動かされっぱなしです。

 EPISODE 006

予告ではただただ、稔さんの学帽+マントの素敵さに喜びに打ち震えていましたが、姿勢に気を遣ったりの工夫の賜物だったのですね。川辺を歩む姿、きっちり被った学帽を片手で前から押さえ直す所作が端正なこと。対する勇ちゃんがちょっと斜めに被っているのもよし...。などとのんびりした事を書いている場合ではない。

往復書簡の語りを軸に、彼岸花咲く時期から晴れ着、餅つき、甲子園予選を経て木枯らし舞うまで月日の移ろう15分は圧巻でした。しかも2人の心模様のみならず、語学授業や煙草の名称の変化、ボールの修繕などの映像から社会情勢が伺える脚本と演出の素晴らしきこと。手紙も(古今東西、なぜ想い人には月の事を書いてしまうのでしょうね)例えば「約束、守れなくてごめん」の読点の間に申し訳なさが滲んでいるし、明確に不安とは書かない安子ちゃんの気持ちを汲み取りOn the Sunny Side of the Streetの歌詞を綴る思い遣り。旭川大和川、それぞれの河畔と距離はありながら、重なる声の響きと樹々から零れる陽光の美しさに朝から泣きました。はあー、今週も朝から幸せ、と、しみじみ思った月曜日。

 EPISODE 007

算太兄さんのご帰還。ダンスホール無声映画風回想シーンが、お洒落で好きです。何やら犯罪の匂いのしてきた算太さんに対してもきぬちゃんの言葉や食卓での笑いで救われるし、借金取りすら「饅頭怖い」の一節を言い捨てていったりするので暗い雰囲気になりきらないのはドラマにも”人徳”みたいなものがあるのかしら。日常の様々が戦時色に変わっていっても空気感を表すだけで不安や不平不満を声高に語らず、ケチべえさんに社会情勢からくる言葉を語らせても吉右衛門ちゃんにつっこませることで緩和させてくれるので、朝から見るのにありがたいです。

 EPISODE 008

006の往復書簡の展開に驚かされたのに、すぐにまた、こんな回があるとは。

主題歌が終わり、残り2分で何が...との想像を上回る展開。2カムカム目の朝8時、最後2分を知らなかった7時43分の自分に戻ってもう一度「やられた..」と思いながら見たいと、どれだけ願ったか。

15分の中にすごいドラマがありながら、忙しない感がないのは演出と脚本のキレとテンポの為せる技。台詞や説明を入れずとも、社会情勢も感情も、表情、音声、背景から自ずと伝わってくる。

下宿で「何時の汽車で帰るん...?」と気遣ってあげる稔さんの、映画に誘おうという意図は言葉の切れ目と同時に映画館のシーンになることでわかる。通常なら盛り上げる好機とばかりに映すであろう、汽車の走行音に紛れて泣き出す安子ちゃんの表情は直ちにタイトルバックに切り替え、アルデバランが心情を代弁する。事前に聞いた時にはAIさんの歌い上げる感じが和菓子に似合うかしら、と思っていたのですが、ここでこの歌の意図が腑に落ちた気がします。(実はEverlastingも主題歌でいけるわよね、などと思っていました)

同じく”秘すれば花”的だと思ったのは、岡山駅の車中で安子ちゃんに問いただす稔さんを映さなかったこと。うっすら震える声だけで稔さんの胸中が全て表現されているようで。この、多くを語らない脚本と演出においては俳優さんの力量は本当に重要だと思うのですが、この回の上白石さんと北斗さんには心から盛大な拍手を送りたい。

下宿で思いがけず安子ちゃんに会った時、駅で「それじゃあ、またね」を発した時、それぞれに籠る稔さんの様々な思い。「ありがとうございました」と駅で別れた後の(またね、にありがとうで返すとは...)数秒間と、岡山に着いた車中で稔さんを見た時との、安子ちゃんの思い。複雑に入り混じった、文字にしても陳腐にしかならない感情をテレビの前の私達に伝えきったお2人の、脚本と演出を活かしきったことに脱帽です。

...ところで、下宿の”イ”号室の鈴木君、とっかえひっかえ女性に手を出してはひっかかれて顔に絆創膏って、どこかで聞いたような...(笑) 

 EPISODE 009

タイトルバックの小しずさんの後ろ姿。台所のほの暗い灯りが娘を思う母の気持ちを思わせて。そして戸口から入ってきた稔さんを見た瞬間の金太さんの表情が幾度見ても秀逸なのです。それも瞬時に主題歌に切り替える演出の冴え。

夜遅に娘が伴ってきた男性の挨拶という緊張の場面なのに、たちばなを褒められてご満悦の空気読めない杵太郎さん、安子ちゃんの異変に起き出して来て盗み聞きする店員さん達などちょっと笑えるポイントがあって小気味よい。その演出の安達さんをして『第9回の長いシーンはこちらもどきどきしながらリハをやりました』と言わしめる場面。『松村さんは奇をてらうことなく真摯にやってくださって、誰もがすてきな人と思う人物になっていました』と語っておられましたが、さすがのひささんも神妙にさせる、作為を感じない稔さんの佇まいと誠実さに私も心打たれました。

が、ただ誠実なだけでないのが雉真の跡取りたる稔さん。100点満点の自己紹介に挨拶(さりげなく出自もアピール)。先にたちばなのお菓子を褒め、無礼を承知で、さしでがましいが、と誠に礼儀正しく断りながらも安子ちゃんの縁談に理がないという理詰めのプレゼンから始める。事実関係を冷静に説明し、安子ちゃんを好きになった理由を理路整然と説明し。そんな、商談のようにご家族と話をする稔さんが金太さんから「どんな付き合いか」と問われ、ほんの一瞬、息を継いだようにみえたのも人間らしくてよいですね。そして、ご両親の気持ちも十分汲める稔さんの「夜分に、お邪魔しました」の絞り出すような声...北斗さん、本当に素敵な稔さんなのですね。

たちばなとは好対照な雉真家の明るい照明、稔さんの帰省にはしゃぐ美都里さんを優しく困ったような顔で見る稔さん、千吉さんに前のめりで和菓子中小店舗の趨勢を聞く稔さんを横目に見る勇ちゃんの表情。キャッチボールにかこつけて、さらっと告白する勇ちゃん。そこでTo Be Continued…って罪作りな...

 EPISODE 010

北斗さん、実生活では兄の立場の村上さんに対して、ご自分の弟属性が現れてしまうのではないかとあやぶんでいらしたですが、キャッチボール中「兄さん」と呼びかけられた時の「んっ?」って顔が、誠に”お兄ちゃん”でした。「娘はやれん」と言われたと話す稔さんが一瞬笑った(?)意味を考えてしまいます。

表情を変えず真っ直ぐな目で「許してもらおう」と言い切り、開戦を告げるラジオにも顔色一つ変えずに冷静に情勢を分析していそうな稔さん。逆に直情型の勇ちゃんが、甲子園の中止に声一つたてなかったその無念さも想像に余りある。

お菓子が作れなくなったこと、ラジオ英会話の中止。次々生じる事象がコロナ禍の状況と重なって余計に共感しやすいのかもしれません。しかしそれをおいても、ほとんど表情を変えないのに視線から家族との問題や時勢に対峙する意思が伝わってくる北斗さん、瞳の揺れだけで胸中を知らしめる上白石さん、目線を落とすだけで落胆と悔しさがわかる村上さん、抑え目な脚本と演出に俳優陣が応えているのが本当にすごい。その静かさに真実味があるように思います。

思えば、説明台詞やナレーションがほとんどないこのドラマの重要な狂言回しはラジオだったのですね。安達もじりさんも『ラジオを登場人物のひとりのように撮っていてる』と書いておられましたが、確かに橘家の食卓に共についているように見える時もあり。

放送開始前(10/23)「お兄ちゃん、跡とりだから庶民の娘とは結婚できず、弟君とヒロインが結ばれる展開に一票」と書いた私の予想、当たってしまわないように...

ここまで書いてはっとしたのですが、私は北斗さんに、ではなく稔さんへのファンレターを書いているような...稔さんファンの方達の神格化が進み、現人神化、あるいは英霊となった暁には、「中の人」の北斗さんに「稔さんのイメージを傷つけるな!」などと苦情がきてしまったりするのかしら...いや、朝ドラ俳優っぽいですな...

 

ここまで各話の感想に再三書いてきたように、カムカムエヴリバディの好きなところは、視聴者の抱く感情を過剰な音楽や説明で押し付けてこないところ。それでいて、恐らく皆さん、同じ理解をしているハイコンテクストさ。そして暗くなりそうな展開にほんのりした笑いがはいることで緊張が緩和されるところ。

安子ちゃんにとっては青天の霹靂の見合い話の最中でも「政略結婚」「魂胆」と言い切る杵太郎さんや「(私達は)恋愛結婚♡」と惚気るひささん、盗み聞きの店員さん達。「米英のスパイ」という衝撃発言にも淡々とラジオ体操を続ける、人生3回くらい生きていそうなきぬちゃん。時勢のリアルを代弁するケチべえさんの発言を中和する吉右衛門ちゃんの名ツッコミ。遅刻を吉右衛門ちゃんの名演説でかばってもらった安子ちゃんに現れる、コメディエンヌ上白石さん。服もお菓子も手に入らなくなることが嫌だと平然とのたまうマリー・アントワネットのような美都里さん。初対面で遠慮なく、おぼこいな~って言い放つくまさんと、その大阪のおばちゃん的長口舌をぶった切る演出(笑)(くまさんはこれから活躍されるのでしょうか、楽しみ)

...で、稔さんには、笑えるシーン、ないんでしょうか...(笑) 欲しいなあ...

 

このドラマのもう一つ好きなところは、時代からとはいえ、手紙の価値を全肯定してくれたことです。書くことしかできませんが、書くことこそ自分のできる応援だと思っている私には、手紙のやりとりで心通わせる二人を見るのは嬉しいことでした。6月にお手紙して以来10月まで、書く意欲も内容も枯れたかのように思えていたのに、今や毎週筆を執ってしまうくらい、感想があふれ出てしまうのです。

ヤフコメですら高評価ばかりで逆に気味悪いくらいの本作(笑)、様々な評を見るに「稔さんには俳優松村北斗の人格が滲み出ている」とは衆目の一致するところのようで。スタジオパーク松村北斗にさらに好感を持ったであろう”稔ファン”の一部をANNに誘導し、思い切り”反・稔”的な喋りをくり広げた北斗さんの真意は「構わねぇビビらせてやろうぜ」なのでしょうね。稔さんを「素敵すぎて 「素敵」の形に見えていた感じ」と評されたように、評価が高くなり祭り上げられそうになった途端に”虚像”をぶち壊したくなるのでしょうか。自分という人間を他人に簡単にわかったように語られたくない気持ちは非常によくわかるし、”篩”に残った人達は長く応援して下さるでしょうから、それもよき方略なのかもしれませんね。

が、そうなのであれば「人間性が演技に現れて」としつこく書いた私は平身低頭せねばならない。でも、キネマ旬報には『「求められるこ と、やるべきことをやって、そこにその人の好きなものや自身の魅力がついついにじみ出ちゃう」バランス感覚が素敵な俳優』『 "人としてどうか”~いくら閉じ込めても漏れ出ちゃうような、その人から香る何かっていうものをすごく魅力的に 感じます』と語っていらしたですよね*1。だから自分は間違っていないぞって自分をなぐさめています。そう「スクリーン」に続く映画専門誌(しかも、かなり手厳しい)キネ旬登場おめでとうございます!表紙効果もありましょうが重版とのこと。多くの方に読んで頂けますように。

 

雑誌といえば「アトリエの前で」拝読しました*2。連載も当たり前ではない昨今、残して頂けて本当に嬉しいです。この連載ではいつもそうですが、動き回り汗をかくライブでは難しそうなチャレンジングな髪型、素敵ですね。

今回紹介されていた「青の炎」。母親と元夫との関係を知ってしまった秀一が、はっと身体を固くしたその表情が、今だに二宮和也という俳優に最も凄みを感じた表現だと思っています。今よりもさらに捉えどころのない少年だった二宮君の表した、衝撃、嘆き、怒り、困惑、絶望などの入り混じった鋭く強い負の感情。ストックがなくとも俳優としては表現できるものなのか知る術もありませんが、彼の経験に基づくのであればそのこと自体は気の毒に思いつつ、あの表情を引き出したのであれば見る側としては否定し難い。いや、むしろありがたいとすら。

「内側がスカスカ」して「正解を見失ったように思って」の理由も時期も現状も、こちらからは窺い知るも難しく、残酷かもしれないですが「失敗」も「悩み」もせめて表現者としての栄養になってくれればよいのにと願うしかないのです。星も人も失ってきたとの言に「私は一緒にいるよ」などと応じても、そのような言葉が空疎にしか響かない時があることはよくわかる。むしろ自分が書くなど烏滸がましいとも。だから、ただ、そんな今夜、を北斗さんが味わっていることを否定も肯定もせず、ただ読むことしかできないのですよね。でも、聴く人である私達に対して「君が負けそうな時にはDon't worry, We'll be right here」と歌い、「星のない夜」に共にいた人々を歌う人である北斗さんに対しては、ただ毎度毎度、諦めずにこう締めくくることにしているのです。

「いつでも、どんな北斗さんも応援しています」

                                 かしこ

2021年11月17日

*1:11月下旬号[No.1879]

*2:2022年冬号

047: 2021年11月8日_カムカムエヴリバディ001-005、きのう何食べた?

拝啓

 立冬にしては暖かな秋晴れの今日、休日関係なくお仕事お疲れ様です。とんぼからは無事に逃げられたでしょうか*1。昨日の「良いSixTONESの日」は嬉しいお知らせをありがとうございました。土曜の午後、のんびり書類仕事で残業して夕方帰宅したら友人達が大騒ぎになっていました。私も心踊る気持ちで”街への移住計画”を練っていますが、きっと期待をまた、ひょいっと超えてこられるのでしょうね。まずはツアー申込をせねば!
北斗さんがお痩せになって見えたのは役作りではないと雑誌で読みましたが、ツアーは公演数も訪れる土地も増えた5か月の長丁場(嬉しいですね!通年でライブ行脚して下さってもよいのですよ~!!)お忙しい中、せめて土地の美味しい物を召し上がっていただけますように。そして、北斗さんの”里帰り”公演も楽しみにしています。

 

今回は、カムカムエヴリバディ第一週の感想を、と思い筆を執りました。放送開始前からお任せ録画の量に、連続テレビ小説に出演するという事の凄さを改めて知りました。朝ドラ宣伝番組の冒頭から登場する北斗さんに嬉しく思い、事前のステラの配信イベントでは製作統括の堀之内さんのお話に感銘をうけました。本作にこめた、100年前から連綿と令和に続き、次の100年へと繋がる人々の暮らしの流れの中に”自分”がいる意味を考えて欲しいという願い。内容と視聴率の両立は勿論目指すが、目先の派手さではなく年月を経て観た方にも発見できるようなメッセージをこめた作品を作るという矜持。毎日放送すれば朝ドラというわけではなく、出版、イベント等関連する全てを含めた朝ドラという放送文化であるという気概。朝一番に素敵なものを見て幸せな一日を過ごして欲しいという想い。北斗さんが素晴らしい製作者の方達と作り上げた世界、稔さんが”生きている”世界を毎日共有できるって、感無量です。きちんと朝ドラを見るのは92年の「ひらり」以来ですが毎日7時半から23時まで1日4カムカムしています。

 

予告映像の数々から想像はしていましたが、EPISODE 001のタイトルバックにマイクの洒脱なモノクロ画面を見た瞬間、このドラマが好きになると直観しました。穏やかなピアノ曲と懐かしい字幕文字、セピア色の映像が徐々に色づいていく流れに、前述の堀之内さんの、”100年前も人々の生活はモノクロだったわけではなく、色鮮やかな暮らしを送っていたのだ”、という言葉を思い出してわくわくし、物語にひきこまれました。002以降も背景が小豆、安子ちゃんの背中、目覚まし時計、お豆腐と毎話変わるので、次は何だろうと想像したり、内容を予想したりして楽しんでいます。

先日、ナイツテイルを観劇して上白石さんの歌とお芝居の上手さ、可憐さを素敵だなーとすっかりファンになってしまったのですが、展開や背景が暗い流れになっても不思議と希望や明るさが奥底から照らしているような方ですね。北斗さんも上白石さんを目の前にすると自然な笑顔になってしまわれたのだろうなと、画面を観ながら思っています*2。その上白石さんに、北斗さんが「すごく奥ゆかしい」「とても信頼できる方」「品の良さやある意味での賢さのような雰囲気は全て松村さんがお持ちだった」と評して頂いたことが、どれだけ嬉しかったか!

先日のテレビガイド*3で北斗さんは、ファンには自分の人間性ではなく、世に送り出す作品自体を評価してもらうのが理想的と書いていらしたので私もそうしようと努めてはいます。が、その人の”今まで積み上げてきた物や人となりは作品から滲み出て人を魅了するのですよね。
例えば稔さんが自転車の乗り方を教えてあげようと申し出る場面。教えてあげる立場なのに「よかったら僕が」、相手の都合を慮って「ごめん、忙しいのに」と付け加えるところ。私には普段の北斗さんの文書や言葉に感じる配慮と共通しているように思えて、だからこその台詞が説得力をもつようにも思えました。自転車練習で意外に強引な教え方なのも、ちょっと北斗さん的じゃない?って思いましたが(笑)。

作品さえよければ人間性は問わないという考え方も一理だし、俳優さんとしては好きでも”その人”に興味はもてない方もいるけれど、人となりが好きな人とその作品は胸を張って応援できるのですよね。

同様に、ドラマもストーリーや演技だけでなく、映像の中に含まれる情報全てから役柄としての視点や、時節が想起されるかが、自分には作品に入りこめる要素として大きいと思います。北斗さんのコメントにあった「夜になれば静かで、足音もはっきり聞こえる、日常の音がきれいに重なり合う」世界。蝉の声やラジオの甲子園実況が響き、稔さんの額の汗や握りしめたハンカチ、安子ちゃんのかき上げた髪の下から現れるほんのり上気した頬、地面から立ち上る陽炎…本当に繊細な小さな表現から、晩秋の関東にいても100年前の真夏の岡山に心を遊ばせられます。

音といえば、稔さんの岡山弁の柔らかで歌うような抑揚の美しさや優しさにも心和まされます。EPISODE 003の「失敬しました」「おっ、そんなよろしいんですか?」の声音だけで”将来を嘱望された御曹司像が立ち上がってくるようです。005で辞書をあげる時の「悪いけ”ど」のように少し濁音になるところは難しそうですね。「僕も返事を書くよ」の稔さんの声、これまで北斗さんの声としては聞いたことのない響きで、北斗さんの声色の引き出し、まだまだあるのですね。
英語も、予告の時点でバイリンガルの友人から「安心して聞けますね」とお墨付きをもらいましたが、正確さだけでなく、上白石さんの仰った「英語が『すっごくきれい』『すてきな音になる』」に本当に同意します。Coffeeで下唇をくいっと噛む律儀な発音や、syllableの流暢さ。努力もさることながら、北斗さんは耳もよいのでしょうね。以前も書きましたが、Amazing!!!!!!の”四面楚歌 not a matter”のsyllableからして既に、美しかったですもの。

EPISODE 005までの稔さんは、北斗さんとしては「『素敵』の形に見えていた感じ*4」と評していらしたけれど、安子ちゃんとの出会いのシーン、たちばなの店頭に入ってこられた時の表情が、端正なだけでなく実直な感じもあって好きでした。非常に面白いなと思ったのはディッパーマウスブルースでのシーンでした。最初はちらちらと目をやって安子ちゃんの表情を伺うような稔さんのお兄さんぷりを微笑ましく見ていたのですが、3回目の視聴時、演出なのか、俳優さんどうしの呼吸で生まれたものなのでしょうか、稔さんの所作を丸ごと真似してコーヒーを飲んでいるような安子ちゃんと稔さんの動きのシンクロが面白くて何回も繰り返し見ててしまいました。
このシーンではTea for Twoのロマンティックな調べに、窓から刺す柔らかな光に照らされた稔さんの横顔が美しくて、いつまでも眺めていたいように思いました。このシーンに限らず、このドラマは”光”が非常に印象的です。稔さんの背後からふわっと包むようなお祭りの提灯の淡い灯、安子ちゃんの健康的な頬や額を光らせる太陽光。癖はあるものの皆優しくてほんわりとした登場人物の皆さんと相まって、ドラマの雰囲気をつくり出しているのだなと思ってみています。


きのう何食べた?Tverで予習して観に行きました。昔なら話題作は「貸出中」の札に歯噛みして諦めたものですが、便利になったものですね。一緒に行った友人は小日向さんがTVシリーズからことにお気に入りで、冒頭から声をたてて笑っていたのですが、久しぶりに満席近い映画館に笑い声が溢れていて、映画の中だけでなく映画館にも幸せな空気が流れていました。

内容としては社会の厳しさや不安、疑いなどのネガティブな心理が表現されるシーンも多かったはずなのに、そんな人間模様からすらじわじわと温かさが感じられるのは作品と、作り上げた方々の力ですね。優しい人達の美味しい物を食べる表情にはこちらも頬が緩みました。そんな作品世界の中、予定調和を壊す存在の田渕君を演じるのは非常に勇気がいることであったでしょうね。台詞の辛辣さに、あれが北斗さんのリアルな一面だったらどうしよう...などと少しだけ思いましたが(笑)、全体的にふんわりした味の料理にかけた七味唐辛子や山椒のような役割で、素晴らしい作品でよい役を演じられている北斗さんに、ちょっと自分が鼻高々になったり安堵したりの気分で映画館を後にしたのでした。

 

予告編に登場した稔さんがマントを着ていたということは、物語世界も冬に入るのでしょうか。実世界もそろそろ寒い季節がやってきますね。
第47回ラジオ・チャリティ・ミュージックソンも、ジャニフェスも決まり、Feel da CITY準備、CITY発売のプロモーション(本当、SixTONESってツアー名こりまくるのにアルバムはシンプルな名前ですよね。含意はあっても)、年末年始もますますお忙しいことと拝察します。大好きな布をしっかりまとって温かくして、どうか、お健やかにお過ごしくださいませ。I hope you will take good care of yourself.           いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                  かしこ

2021年11月8日

追伸:  

やめようと思ったのですが、やっぱり書いてしまいます。カムカムエヴリバディの縁日の場面だけは、10代の安子ちゃんと稔さんではなく、実年齢の上白石さんと北斗さんがみえてしまったように思って、余程楽しかったのだろうなと、ちょっと笑ってしまいました。すみませーん

*1:2022年6月注:北斗學園2021年11月7日

*2:縁日のシーンは10代の安子ちゃんと稔さんではなく、実年齢の上白石さんと北斗さんになってしまっていたように思いましたが(笑) 

*3:2021年10月15日号 SixTONES STYLE

*4:2022年6月注:北斗學園2021年11月5日

043: 2021年4月4日_on eST札幌

拝啓

 札幌公演帰りの日曜夜は花散らしの雨。「お花見大好き」と書かれた北斗さんが間に合うだろうかと案じておりましたが、今年の桜のしぶといこと。時世を鑑みて、持ち味の儚さをかなぐり捨てて意地で咲いているようにすら思いますが、北斗さんも満開を楽しめたようでよかったです。

 

本当なら新潟にいたのだ*1、などと思わずにすむぬようひたすら確定申告業務をしていた3月21日。札幌公演にご一緒しませんか、との一報。急遽振替休をもらって金曜まで馬車馬のように働き、27日昼、とにかく真駒内に到着。14か月ぶりのライブと遠征に、持ち物に漏れがないか等々前夜まで準備に追われた上緊張で眠れず。3時間睡眠で出発したためか、その場に居られさえすれば嬉しかった久々の”逢瀬”が望外のアリーナ前方であったからか、開演前に双眼鏡を幾度も床に落としたり、落ち着け自分状態(笑) そんなあたふたした札幌行ではありましたが、27、28日の両昼公演、ほんっとうに思い切って行ってよかったです。

外周花道の下の黒幕をくぐってアリーナに入り、on eSTと映しだされたスクリーンを目の前にしても、すぐにその世界に”戻れる”のか半信半疑で。でも幕が開けば、6人の存在と音楽とパフォーマンスとお喋りと、そんな好きな事だけに没頭する贅沢を享受できる結界のような空間と時間が現実にあって、この14か月、どれだけ自分が"ここ"に身を置きたかったかが改めて実感されて。声を出せないとか、フェイスシールドが、などそんなことなど全く些末な事で*2。朝6時に空港でおにぎり1つ食べたきりなのに17時過ぎまで空腹感すらなく(笑)。公演開催にこぎつけて下さった皆さんとスタッフの方々、関係各位に心からありがたく思いました。

 

13か月ぶりの有観客ライブ。久々のファンを前に照れてしまうのか、クールにやりきるのか、興味津々。初日を目撃したかったですが、入られた方によれば26日も平常運転だったとのこと。変わらぬ「形状とか機構とか土地柄の違いをきちんと乗り切ってばちっと」演じるライブ職人ぶりだったようで嬉しい限り。

でも、実は”相変わらず”でなかった点もあり。久しぶりに観たSixTONESは、その瞬間の目の前のパフォーマンスだけで魅了する十分な説得力がありました。いわば「現時点の等身大の全肯定」のような自信と自由さと幸福感。以前SixTONESはその物語性も魅力で武器になると書きましたが、既に”背負った来歴や影があってこそ際立つ光”ではなく。これまでステージから放ってくれていた”命削ったキラキラ”は、我が身を削らずとも余裕綽々で自身が放つ光に変わり、クールさやスタイリッシュさの背後の脆さや傷を垣間見せることもなく。配信では気付きませんでしたが、いつの間にそこまでパワーアップされたのでしょう(笑) 

 

幕開けの”Mad Love”で久しぶりに観たSixTONESの”布”使い。「ただのシルエット」なのにわくわくしてしまって記憶がないのです(笑) でも、ひょっとして、続く”Dance All Night”で姿こそ現わせどロボットダンス+サングラスで曲終わりまで表情を見せなかったのは1年ぶりにファンに会う照れ隠しですか?ふふふ…

今回の私のメインイベントの1つ(全曲ですが)ティーザーから数えれば待つこと9か月。とうとう、とうとう、生の”NAVIGATOR”を観た、聴いた、踊った!! どれほど、右腕を後ろに繰り出す振りをしたかったことか。本当なら周りが許せばがっと脚開いて腰落として踊りたかったですが(いや、しませんが)、これで成仏できます。

そして、”S.I.X”で「飛び跳ねろ jump」できたこと(配信での大我君の絶妙のタイミングがで!)、”Special Order”のLa la la la la la laで手をびらびらさせ、”Hit them up”し、”NEW ERA”で”Hey!”できたこと、そんなことがどれだけ心わきたたせたか!(いい大人がねぇ..)


北斗さん、とうとう「いらっしゃいませ~」を継承されたのですね(長野以降もされていましたっけ..?)私は二宮氏の発するそれを『「ストレス貯めるなら金貯めろ」が家訓の下町の町工場という現業の家に育ち、確定申告用の領収書整理が大好き』な人がアイドル産業に”従事”しているという背景ごとうけとめてきたのですが、さて、北斗さんのそれは、どういう解釈で聞こうかな(笑)


そして北斗さんの「世界一緩やかな略奪愛」という絶妙なキラーフレーズのお陰で聴こえ方が全く違ってしまった”Call me”。それまで「爽やか洋楽風味」があまりひっかからない曲だったのが、この言葉で俄然大好きになって(笑) 聴くたび含み笑いしてしまうのですが、今だ”曲のずるさ*3”はわかっていません...

”ってあなた”は配信映像には映らなかった、幅の異なるほの白い光が降ってくるのがMVの雨を思わせて印象的でした。生で歌うのは大変そうな曲ですが、聴けて嬉しかったです。アリーナ上手にいた日は同じ上手の北斗さんしか視野にいれられず、後方から観た28日の方がスクリーンとお二人を一視野に収められてよかったかもしれません。双眼鏡が必要な、さらに離れた距離から観ると、今度はスクリーンと北斗さん、大我君、いずれを視野に収めるか、の贅沢な三択に悩むことになるのかもしれません。

”EXTRA VIP”も27日は上手のジェシー君、28日は下手の樹君をそれぞれ注視していましたが、こちらは映像をそれぞれの真上に映して下さっていたのでお二人同時に把握しやすくて嬉しかったです。(ってあなたは映像で二人が並ぶのが面白いので真中に映さざるを得ないですものね)センターに移動しながらかっこよく踊るのさすがだなぁ、とか、ペンライトが表打ちと裏で打つ人といて、SixTONES、そこで迷う曲多いのよね、と観察して面白がっていた曲。

 

配信で気付かなかったシリーズ、その3。”So Addicted”の櫓=「飛び道具がなんでも出てくる壁」だったのですね(?)。なんと汎用性の高い装置(笑) メインステージを見ながら「何らかの道具か機構に座るか寝そべるかで点在していることの多いグループだな~。それもくつろいでいるのではなく厳ついか物憂げか険しいか」と懐かしく思いおこし。

懐かしい、といえばMCの、この実家の茶の間のようなホーム感(笑) ”トップアイドル”のお喋りにそんな形容をしてはいけないとわかっていつつ、MCからのライアー×ライアー予告のふりの茶番感といい、暗闇でごそごそあの大好きなマイクスタンドが設置される感じといい、ああ、現場にいるって実感できるこの嬉しさ。

”僕が僕じゃないみたいだ”は、後半の加速していく疾走感が、映画の大団円の高揚感との相乗効果で気持ちが盛り上がります。映画館でエンドロールに乗せてかかるのも素敵ですが、やはり皆さんが同じ空間でその場の感情も乗せて歌うのを聴けたのは嬉しかったです。

そこからのトークで北斗さんが「激しい曲ではペンライトこんな風に振っちゃって」的な説明で思い切り殴りつけるようなペンライト使いの真似をされ、私非常に恥ずかしくなりました(笑) はい、ああいう暴力的な振り方、してますね..(私だけじゃないと思うけれど)

とにかく、とにかく楽しい”Coffee & Cream”。まさに今年のカレンダーのキャッチフレーズ『かっこよくて、おしゃれでHAPPY』。こういう曲調とパフォーマンス、SixTONESは本当に似合いますね。

そして”Lemonade”に続き、”Strawberry Breakfast”が流れた時の嬉しさ!よくぞお手振り曲にしてくださったと初めて思った曲。いつものようにコーラス隊の気分になってしまっていると周囲のご迷惑になってしまいそうで、お手振り曲なら客席の皆様、めいめいのメンバーの方を見ているので、自由にのりのりでいられるのですよ(笑) 

配信で流れた映像、好きだったのだけれどな~と思いながらも、配信と異なるものを用意してきてくれたのが嬉しかった映像。

そして、”Bella”!NEW ERAのリリックビデオが西語含みで北米進出を見据えているならラテンは王道と思いますし、私もラテン音楽大好きですが、北斗さんのセルフライナーノーツ*4には「異国情緒、ってより正に異国の曲で、今、SixTONESがこの曲を歌う理由はなんだろと思いつつ、それがSixTONESの選択なら、そうなのね、と聴いている曲(笑)」と応じてしまった。それが今回、ダンスパフォーマンスを見て、数倍は好きな曲になりました。先輩曲を演じていた時はパフォーマンスの新奇性が大きな魅力の一つだったSixTONESが、デビュー後の曲は楽曲と歌唱で世界観が語られていてパフォーマンスで添加される情報の比率が少なめになっていたと思うのですが、この曲はパフォーマンスで修飾されることで大納得。この後のツアーでまた観て再確認したいパフォーマンス。

”Lifetime”は生で聴いて改めて曲の力を実感しました。出光のCMでボスポラス海峡アヤソフィアを背景に流れた時にもじんわり感動しましたが、自前の演出は強い。配信で5回も観たのに、それでもなお冒頭の白い光の中で静かに始まり、静かに沈んで行く終わり方に原始宗教のような、理屈を超えて頭を垂れてしまうような訴えかけがあって。曲の力という点では、アンコ―ルで”うやむや”を歌いながら登場された時も「これ、本当に歌っているんだ、すごいな~」の一言でした。もう、この曲、例えば”この星のHIKARI”とは別の意味の小細工なしすっぴん勝負、とにかく歌う、のですね(笑) あ、でもこの曲自体がトリッキーなのか..。
そういえば、配信ライブのメドレーの青い衣装のサスペンダーが素敵と書いたら(か、どうかは知りませんが)カスタマーズヴォイスにご対応(?)ありがとうございます。アンコールもサスペンダーで登場して下さって。肩幅がありつつ体幹がすっきりしている人のサスペンダー、体型に映えて素敵なのですよね。

 

今回のライブ、”NEW WORLD”や”"Laugh" In the LIFE”のような定番曲で、周囲で手指のカウントしたり振りが入ったり*5している人は半分程度。この1年で初めて足を運ぶ人が増えたのだろうな、あるいは北海道は初だからかな、と実感したのですが、一方で隣の席の気合入った北斗さんファンのお嬢さん*6始めとする周りの北海道のJK達、全曲振りも完璧で、どれだけSixTONESの来道を待ちわびていたことでしょうね(泣) 本当に北海道でライブができてよかったですね。

 

そんな帰りの機内誌で、尾崎世界観さんと吉田修一さんのエッセイを読みました。世界観さんは、開演前の客席から漏れ伝わるざわめきやステージに出た瞬間の感覚など演じ手の心象風景とライブに伴う旅の日々を描写していて、それらがままならぬコロナ禍の心境を淡々と綴っておられ。吉田さんは長らくANA機内誌に連載してきたエッセイの最終回で、「全力で『好き』を書いてきた」連載を通じて「自分が好きなものを『好きだ!』と大声で叫ぶ。こんな単純なことが、実はいかに難しく、そしていかに素敵なことであるか」を学んだと書いていらして。

「全力で『好き』を成就させに行った」忙しなくも幸せな旅の終わりにその2編を読んで、ステージに立つ方達の心境と楽しかった週末とに思いをいたしてなんだか泣けてきてしまい。隣席では羽田乗り継ぎで次の仕事先へ急ぐ作業着の方がPCで書類作成に勤しみ、逆隣の方は仕事帰りかスーツで熟睡していて、その間で、申し訳ないことに心地よい遊び疲れとグラス1杯のビールにぼーっとしながら涙こぼす一人(笑)

この心境はコロナ禍がなくて存分にライブ三昧できていたら辿り着かなかったものかもしれないですし、それだけの対象があるありがたさと幸せを忘れないように胸に留めて置こうと思いました。北斗さんとSixTONES、そのくらい感慨を抱かせるお仕事をされているのですよ。今後のツアーが恙なく行われて、まだ会えていない人達も無事に参加できることを祈っています。

 

北斗さんも朝ドラの撮影に入られたようで、新しい冒険の始まりに私までわくわくしています。ブログからも楽しんでおられる様子が伝わってきます*7、春宵一刻値千金の美しい時季、どうかお仕事と日々の生活が心柔らかく満喫できるものでありますように。私達がその支えであれますように。

まだ気候の定まらぬ時節柄、スタッフ、メンバーの皆様も北斗さんも、どうかお身体おいといくださいませ。いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                 かしこ

 2021年4月4日                                        

*1:公演延期

*2:Smile upシールドは前評判を覆し、使いやすかったです。前髪つぶさず、顔隠さず、双眼鏡も使えます

*3:2022年6月注:北斗學園2021年3月10日

*4:2022年6月注:北斗學園2021年3月8日

*5:NEW WORLDの北斗さん、腕を下げてから上げ始める時の溜め方が『振りを忘れて瞬間、周囲をみて真似している人』みたいなごくごくごくほんの少しのタイミングが、ちょっとツボでした(ごめんなさい、意地悪ね)

*6:鳥羽マーク(あれって鳥の羽根?)の うちわを持っていたから、鳥羽担かも(笑)

*7: 畳(笑)。今の北斗さんのブログにはなんとなく「1日の最後におしゃべりしたいのは君なんだ」風味を感じて、嬉しいです。(元台詞のニュアンスとシチュエーションとはちょっと違うけれど)
因みに毎日更新してくれる高地君には高地君の健康チェック兼SixTONESの安否情報源、ジェシー君には善良な純粋なる精神が伝わってくるパワースポットみたいな役割、慎太郎君にはおおらかな無垢な精神、大我君はブログまでエンターテインメント、樹君は「たまにしか来ない悪い男だけれど、来てくれた時はとんでもなく優しい..(笑) 

042: 2021年2月24日_on eST配信

拝啓

 梅一輪一輪ずつの暖かさ。月参りに立ち寄る妙見様の梅がほこっと静かに咲いて、風は冷たくとも光の春ですね。年末からの1STとライアー×ライアー、僕僕の露出ラッシュを追いかけるのはさすがに大変で、1月5日に書いたon eST配信初日の感想を6日に1ST発売祝いのカードに同封しようと思っていたのが結局今までひきつけています。はい、毎度そういう言い訳を書く大人です。

北斗さんのお元気そうな姿を連日メディアで拝見しているうちにバレンタインも過ぎました。ライアー×ライアーを拝見したら、きっと演技のお仕事の感想を書きたくなると思うので、ここで頑張って配信の感想を、と思う、僕僕発売日の私です。

待ちに待った1月5日は仕事を蹴散らすように終えて、交通安全のお守りを握りしめながら猛ダッシュで帰宅。ツアーTシャツに着替えペンライトも準備したものの、自宅鑑賞の特権、即ち参加者ではなく鑑賞者に徹することにして暗い中メモをとり続ける2時間。A4で10枚のメモになりました。配信は全公演観られたのですが、その都度付け加えて20枚まで増え、そのわりに内容がなかったらご容赦を。

今回の配信ライブのMVPは「何でも出てくるセンターステージ奥の壁」と「宙に浮く花道」。メンバーではなくてごめんなさい。

 COUNT DOWN

アラビア数字ではなく英字綴りだったのが”One"でツアータイトルを出すためとは、冒頭からお洒落。SixTONESでは定番の感もある硝子が砕け散るような映像と歪み。この時点で部屋は何があっても点灯しないことに決定。

 Mad Love

ほっほ~、この曲から来ましたか!と余裕で見ていたものの、煙の中で踊るシルエットのみ映し出され「ご本人登場なし」の4分間に、うっわぁ、舐めてるわ(褒めています(笑))と思いながら、でも炎の特効+レーザーが端から大サービスだから、よいのです。背景のマーブル模様にロールシャッハテストを受けているような気分になったり。こういった、雰囲気でゆらゆら踊るとSixTONESはジャニーズ随一にかっこいいですね。これは撮影済み映像を流しているのでしょうか、ステージ上でリアルタイムに踊っているのを照明で映しだしているのでしょうか。恐らく前者だと思いますが、有観客でもこれを映像で流す予定だったのでしょうか。初日は後者だと思っていて、これは配信ならではの楽しみ方だわ、ステージ上で北斗さんがそういう焦らし作戦にほくそえんでいる様が目に浮かぶわ、と思いながら観ていました*1

 OP

ひと昔前のジャニーズのアルバムでは定番だったOverture。ちょっと大仰ながらアルバムの世界に誘われるワクワク感が好きで、最近ないのが寂しかったのです。

今回のOPの朗読は序曲というより序章ですが、King's Treasure*2の”影と闘うSixTONES”の話の続きなのでしょうか。

EX Theatreで鎖に繋がれて登場した物憂げでけだるげなSixTONESを見た時の衝撃も忘れられませんが、今回は断然豪華で、背景に錯綜する数多の光の矢の束の力強さと火花の美しさ!CHANGE THE ERAで創世記だと騒いでいた光の演出がさらに厚みを増して、これは人類の天地創造ではなくてビッグバンですよね(大げさ)。

デビューツアーで手作り感が薄れた寂しさを語ってしまいましたが*3、早々に掌返して資金力ににひれ伏します(笑)。CDが売れるとこんな素敵なことになるのですね。とはいえ懐かしいKing's Treasureと世界観が繋がるようにも思える嬉しさ*4

 Dance All Night

こ、これは!...試聴の印象でこの曲こそは縦横に踊りまくるのかと思いきや、我が愛するTHE D-MOTION SixTONES ver.風味のロボットダンスではないですか。こんな上がる曲を抑制の効いたパフォーマンスで見せるとは。でも弾けていなくても内側の氷のように冷たい”熱”は伝わるような。

サングラスをかけているので開演10分で初めて顔を見せるSixTONES。MVだけでなくライブでまで顔見せが少ないとか(笑)

レーザーがピラミッドのようにも、操り糸にも見える。Mad Loveのマーブルもそうですが、多色を使っているのに煩くない(原色からひとつ引いた感じの彩度だから?)のが本当にセンスだと思います。音も弾むようなダンス曲の中にしっとりとした声の重なりを聞かせる部分が出現するのが素敵でした。

北斗さん、今回の配信通じて声がすごく出ていて絶好調だったように思いますが、英詞の発音もよかったですよね。ところで、髙地君のポップが上手になっていませんか?

 NAVIGATOR

メインステージの壁面からセットに様々な奥行と高さで配された無数のライトの細い光の筋が多方向に蠢くのが印象的で、これは会場でいきなり全景を立体で見て、視覚でガンっと衝撃をうけたかった。MVの青いサーチライトがここでよりスケールを増して、セットを”物理的な形状”として見せない、光の束の奥行き感。

物理的、具体的な”物”ではなく照明のスケール感やスタイリッシュな雰囲気で魅了する感じがSixTONESの十八番ですよね。先輩グループのどことも、何か違うのです。

NAVIGATORはずいぶん前にリリースされたように思えてコロナ禍の産だから、まだ生では見ていない。こうやって「いつか生で見なくちゃ死んでも死にきれない曲」リストがどんどん伸びて行く(笑)

 Telephone *5

この曲の天井からステージ下の客席床まで上下に流れるように展開する紅白のLEDのお陰で会場が巨大に見えます。皆さんの登場するセットのスケール感、床からの高さや広がりを測りかねるのが逆に配信のよさ。どこのWembley Stadiumかと思った*6 (笑)その中においても際立つSixTONESの存在感よ。その壮観を俯瞰で見られたカメラワークに感謝。

しかし、やはりこのスケール感は立体で見たいなあ。特に赤が禍々しいブリッジ状の花道とセンターステージが「未知との遭遇」のように上空から降臨してくる、それもメインステージからバックステージまで全長が!これは現地で真下にいたかった。

しかもこの花道、上下動するのが高まる!高い花道が「手が届かないスター感」があって素敵だし、赤いサーチライトが旋回してサイレンが鳴り響く危険な感じもゾクゾクします。”call me girl”の北斗さんの不敵な顔がアップでいいですね。会場だと「ぅ”き”ゃ”~」(SixTONESの現場の嬌声は濁音)の声があがるところ。

メインステージのスロープを滑り落りて、さらにヒートアップする次のS.I.X~Special Orderへの繋ぎとして最高。曲終わりの煽りで一息、と思いきや、樹君のみで続けて次の曲に行くSixTONES。お疲れ様です。不埒そうに見えて、勤勉ですよね。

 S.I.X *7

ベージュと黒の衣装、淡色なのにスタイリッシュでクール。関西コレクションパステルカラー衣装もそうでしたが、色合いに反したクールさと甘さの両面があって、どんな衣装も色合いもモノにするSixTONESさんの面目躍如。北斗さんノースリーブもよいですね。

ここで気付くメインステージ両側上空のモニターの大きさ!これは配信では勿体ない…有観客で使えますように

 Special Order *8

歌いだしの髙地君の妖しさ。センターステージで腰を落として踊るのは定番のように思えて。SixTONESって「重心高いダンス」があまりないですよね(笑) 上空のカメラがさらに低さを強調して "La La La La"の手のひらひらと、ジェシー君の”Haters Come on!" が病みつきになりそうなかっこよさ。
Come on!"って挑発の用法だと思うのですが、ジェシー君の口から発せられるとSixTONESのアンチすら、こっち来いよって折伏して味方にしてしまうかのようにも聞こえて(笑) Extra V.I.Pでは”Haters gone”だから、やはり挑発なのかしら。

 You & I

と、ここでこの爽やか曲の入るふり幅落差よ、と一瞬思いましたが、この曲にしてこの演出!北斗さんの”Oh baby now”のがさついた声がただの爽やか曲ではない(笑)

9月のザ少年倶楽部*9ではsocial distanceを保って踊っていらしたですが、有観客だったら所謂”お手振り曲”だったかもしれないと思っていたので、踊ってくださって嬉しかった曲。

 My Hometown

波の音が聞こえてきて花道が上昇すると、黄色と緑に塗分けられた通路が現れて、おっしゃれ&爽やか~(黄色と緑というとみかんとお茶の静岡色(エスパルスカラー)と、つい思ってしまう父方の実家が清水の人間ですが)ここはセンター客席に人がいたならなあとしみじみしてしまいました。

一方、配信ならでは、と思ったのはスタンド端から寄って映して下さったモニター前の2人の映像。よくぞここまで寄って、という配信ならではの近さが嬉しい。このモニターを有効に使えたのこの曲くらいで勿体ない...

 ってあなた *10

髙地君と慎太郎君のユニット曲の後は、きっとこの曲、との予感に違わず登場。

青~紫のライティングが静か。ステージ上に座してあまり動かないこの曲に関しては、配信の映像が(少なくとも初見においては)正解な気がします。

歌声を生で聴きたいのは勿論ではありますが。どこのChemistryかという程美しい、声の化学反応。歴代ジャニーズユニット曲で一番好きです。
中盤以降、北斗さんの声が強い!”弱々しくて脆いのに声が強い”。でも強い声であるが故の絶唱で弱さが詳らかになるという逆説。ぼろぼろな北斗さんにティッシュを無言でさし出してあげたい(袖口...)*11

 So Addicted

こんなに美しい鉄骨足場があったでしょうか。そして、樹君と櫓の組み合せ(最早定番)の素晴らしさ。そこに精緻なレーザー光線が加わって「全国民に見せつけるべき舞台演出」だと思いました。

照明と櫓の奥行感、立体感、陰影を現場で、その登場の瞬間に目の当たりにして息をのみたかった…と悔しく思った演出。でも、このライブ構成はPLAN Bなのですよね*12 会場でまた感動できるための、あるいは今度はそうきたか!と裏切られるための予習だと思うことにしました。

”You got me crazy”の声の重なりの美しさ。髙地君のキャスケットジェシー君のカーディガンが最高。カジュアルな服を衣装にしても映える*13って、体重58㎏で細過ぎと自称する体格のよいグループってよいですね。

 NEW WORLD

メインステージに6連結のリフター。リフターとは上空のファンに接近するための装置だと思っていたので、そうか無観客だとメインに並べて示威活動するのだと(笑)

ここまで来て、このライブは常に暗くて空気が煙っているなあと気づきましたが、下方からの照明が常に動き続けて拡散する様が美しく、光線の散らし方が効果的で、だからこその暗さと煙なのですよね、きっと。これまでのSixTONESのライブでもうっとり見惚れてきたライティングの何十倍もの光の束が細かい制御で生きているかのように躍動する、その精緻さの元が”蜂の巣”状の面になっているライトなのでしょうか。
NAVIGATORでも書きましたが、メインステージのセットが”形状”ではなく、照明、レーザー、炎、煙...飛び道具が何でも出てくる”機能”なのが本当に面白い。しかもツアー名までデザイン化して掲示する機能まで(笑)

アルバム曲があれ程までに多様なのに、それを基にしたライブを通して一貫して全員の世界観が統一されていて、大きな場面展開やムードチェンジがないのに飽きさせないのもすごい。

  "Laugh" In the LIFE

この曲だけはやはり、メモをとっている場合でなかった...さあ、行こうか!

最初の会場全景が夢のような光景で、これはスタンド上方席の特権を配信で享受した感あり。

 MC

初日の曲終わり、なぜあんなにせわしなくMC第一声を発したのだろうとひとしきり(笑) 

新リーダー北斗さん、相変わらず「リトルストーン、つまりリスナー」などという細やかな視聴者への気遣いが素晴らしい。北斗さんの声、喋りでも歌でも絶好調でしたね。

MC中も背景のセットの照明が細かく動き続けていて瞬く星を背景に喋っているみたいでなんだか嬉しかったです。

 僕が僕じゃないみたいだ

MCでの告知中に映画の映像紹介という形式が懐かしいなあ、などと思っていたら突然歌唱が始まるSixTONES STYLEが嬉しい。マイクスタンドの植物の装飾がかわいらしい方向性ではなく、色彩抑えめの渋いお花。メンバーかスタッフさんに、非常に色彩や画質の引き算の感覚が鋭い方がいらっしゃるのだろうと、いつも感激します。照明がデイジーの花のように光るのが、また素敵。

で、このまま後半に入ると思いきや、またMCに戻るのですね。北斗さんと髙地君の歳月をうかがわせる寸分タイミングを間違えない漫談の円熟!

 EXTRA VIP

北斗さんと髙地君が居残りMCということは、これでしょう!待ってました!の1曲。

赤と青の照明に分けられたV.I.P.ルームのBOXを錯視のように不規則な角度から映すカメラ、怪しいレーザーを放つクリスタルボール。

ジェシー君のリズムの独特の取り方がかっこいい、これしかないっというダンス。机に足をかけて座ったりしたらおばあ様にお行儀を叱られてしまいそうな気もするジェシー君の、V.I.P.ルームのギラギラ感の中の上品さ。勿論、我らが千葉代表の樹田中氏には、バチバチにこの世界が似合ってしまうので言うまでもない(笑)

曲終わりにBOXを出る様子が映るのですが、暗い中、段を降りる様がちょっとびくびくな感じが、「あ、映っちゃった、見ちゃった...」と思いました。配信の面白いところですね。Watch your step!

 Coffee & Cream

1STでは「ってあなた」と双璧の好きな曲(いや、全曲大好きですが)まさに”It's pretty damn good”.

街の音が響く中、休日。lazyな朝、鳥のさえずり、ベッドでぬくぬくだらだら...のchill song。なのに、陽光が溢れるわけでなく、スタッズ付衣装にカウンター椅子。morning coffeeなのにジョッキ(?)なのかい、珈琲で乾杯するのかいってツッコミ入れてしまいました。すみません。でも本当にこの曲が大好きなので、細かいことはさておいて、SixTONESならではの雰囲気ある演出を堪能してしまうのですよね*14

”spurkling pink”はアルバムではジェシー君が歌っていると思い込んでいたら大我君だったのですね。声色が幅広い...そして、まさに陽光が輝いて肌の上にこぼれ落ちているかのような表現力。北斗さんの”dripping, dripping...”がすごく好きなのですが、dripってコーヒーとかけているのでしょうか。

 Lemonade

初パフォーマンスですよね!。前述の”ジョッキ”的な形状は、こちらのイメージなのでしょうね。LemonadeってよりLimoncello飲み干している感じですが(笑)

暗い中、白い衣装で上品な色気があるLove Juiceのライト版的な。今回はパフォーマンスをしながら移動するのに使われていて、ちょっと急ぎ足で歩いてみえて、せっかく哀調を交えた大人なかっこいいラテンなのに勿体なかった。

と思いつつ、何しろこの密度のライブをほぼ6人出ずっぱりで構成しているのだから、仕方ないですよねって甘くなってしまいます。

 Hysteria

初日は初披露の日生劇場のパフォーマンスのような、頭部と上肢だけ露出させたサロメversion*15。この「ただの腕」の艶めかしいこと!全身が映し出されて初めてこの部分が映像であったのだと気づきましたが、そこが配信ならではの演出。無観客のお陰で客席を完全に暗くできるので、センターステージが非常に際立って見えてよいですね

...などと考えていたら2日目からは白いレーザーに包まれてセンターステージで踊る演出に変更。冒頭のレーザーの形状がロータスのようで美しい。歌割に併せてメンバーカラーに光が変わったり、白布が吹き上がったりしていましたが、若干演者が見えづらく感じてしまい。これは意図的に演出しているのでしょうか。

 映像

この怪しい映像。ドラッグなどからは最も遠い人間性の人達にして、この「きれいな悪夢」系のトリップ感。セピア色。どなたの好みか存じませんが、もう大好きです。

慎太郎君のピルエットが永遠に続くのではないかと軽い眩暈を覚えたり(笑)、高地君の上半身が思いのほか柔軟で肩のアイソレーションがきれいで嬉しくなったり(SixTONESって体格のよさに比して柔軟な人が多いですよね)。この映像の無表情なダンス、Mad Loveのそれと同じく、SixTONESの得意分野ですよね。

 Amazing!!!!!!~JAPONICA STYLE~RAM-PAM-PAM~

立ったままで背中を見せるだけで、振りをつけずに歌う自信みなぎるような”大人の”Amazing!!!!!! 青い衣装の北斗さんのサスペンダーが素敵。表面にギラギラ感を見せないけれど、噴火寸前の地底のマグマのような...と思ったら、メドレーなのですね

JAPONICA STYLEはそろそろ疲れてくるだろうライブ終盤に動きの激しいMV版を入れるのが、RoughXXXXXXと同じくSixTONESの実は追い込み好き(?)なところ。

ピンクと青の照明に煙る、クールなRAM-PAM-PAM。和楽器の響きが勇壮で劇的で、Track ONE -IMPACT-ではアジアンテイストのそれであったのなら、今回はジャニーズのアイデンティティ、Japonesque。龍が出てくるのではないかと(笑)アルバムでも箏が入ったりするのかと思ったら和楽器アレンジはライブだけなのですね。お正月用だったのでしょうか。

これだけハイカロリーな曲が連続する中、JAPONICA STYLEに戻り...と思いきや一瞬だけでNEW ERAに。渾身の最新シングルをあっさりメドレーの最後に付け加えてしまう潔さ!バラード部の前に一瞬だけ全景が映ったのがかっこいい!皆さんの顔のアップもよいですが、 メインステージの照明が奥行き感があるので、ひいた映像は天井カメラと並び配信ならではの特権ですよね。

NEW ERAは広大な背景で撮られたMVの印象が強いのでYTFFや歌番組での披露もよいですが、やはり広い会場に似合いますね。後ろ手に手を組んでスキップするみたいな振りが好きで、ハードなダンスの中に何故あのかわいいふり...

 Imitation Rain

細く鋭く刺し貫くようなレーザーの雨降りしきる中、環状の装置が降下してくる"青い”Imitation Rain。紅白のENDLESS RAINの影響かもしれませんが、海のイメージ。無観客の静謐の中響くイントロには宗教に近い、負の感情を昇華させるようなものがあって、TrackONE-IMPACT-の時の炎を背負った激情や、転調前に全員が身を寄せ塊になった姿にデビュー時感じた「寄る辺ない人達が自分達だけを味方に何かに挑もうとしている」ような印象も既になく、怒りや葛藤が浄化されたような。

立ったままのAmazing!!!!!!に感じたと同様、1年間の活動を経て”SixTONES"を確立しつつある自信が感じられたように思いました。

数巡1STを聴きこんだ後に、新車のオーディオを試したくて全CD曲をWAVファイルでとりこんで聴き直しているのですが、Jr.にしては成熟していたSixTONESのImitation Rain、大人になったと思って聴いていたNAVIGATORが、1STを聴いた後では青く幼く聴こえて、皆さんの不断の努力と伸び盛りのグループの魔法を感じました。

 ST

SixTONESは”ここぞ”というところ、メインテーマ的な曲で金色の照明を使いますよね?上下違い違いにセンターを貫く花道のブリッジの視覚効果の強さ!これだけメッセージ性のある激しい曲を花火でボンっとぶった斬る終わり。続くLifetimeが同じかそれ以上に強いメッセージをこめられた曲だからでしょうか。

STは”遥か先”に向かう己と旅の道連れを鼓舞しているかのような、と前回書きましたが、Lifetimeはそっと浄土に導いてくれるかのよう。 

 Lifetime

激しいSTの後、一転してすとーんと静寂が満ちる中、真っ白な光の中にプロペラが回る様な音。天国か...

等身大の僕達、とライナーノーツには書いてあったけれど、終盤のコーラスのゴスペルを思わせる荘厳さ(Talking Rock誌ではオペラと表現されていましたね)。もうだいぶ前から生涯応援するのだと思っていたけれど、人生の終わりまで導かれてしまいそう...

曲中、”重い木製の扉”が軋むような音が入りますよね。CHANGE THE ERA 20ixのT∀BOOで、扉をこじ開けるような意志的な手の表情が印象的でしたが、今回は閉ざされた扉をこじ開ける音ではなく、運命の巨大な扉が自ずと開いてここからの私達の道につながっていくかのように思えます*16

 この星のHIKARI

Happy全開のこの曲。FC限定の”ホーム”でのアンコールはやはりこれですよね。皆で共に歌う定番でありながら、ルーツが舞台なのもあってか、ブラスセクションの煌びやかさ故か、SHOW向けの曲に聴こえます*17

ブラッシュアップしたシングルカップリング版のJr.時代の曲もよいですが、原石盤ではなるべく原曲のアレンジをそのままに収録されたというのが泣かせますね。今回の配信ライブは皆さんが本当に嬉しそうに、回を重ねるごとに自由度を増して動き回っているのが楽しかったです。

本編が常に闇を基調としたスタイリッシュさであったからこそ、その後のアンコールの対照的な明るさと虹色の照明が、「この星に溢れる光をすべて集めて」ステージを照らしているかのように眩くて。私達、幸せだねーとしみじみと思わされる。

2番の歌詞、しっかり受け取りましたが「出会えてよかった」はいつでも聞かせてあげられますよ(笑) どんな美女とでも恋愛できそうなSixTONESさんが惹かれるのが「声や仕草」で「転んでも立ち上がる強さ」が売り(あるいは惹かれるポイント)というのが、何とも。普通の人間である私共にも優しいというか(笑)

 

緊急事態宣言下の年始の望外のお年玉だった配信ライブ。逆境を逆手にとった完成度に、やはり現場で参加したい気持ちもありつつ、配信の気楽さ手軽さ等、よいところを楽しもうと思いました。が、しかし、手紙を清書していて気付いたのは、感想がほとんどセットや構成についてであったこと。冒頭に書いたようにこのライブのメインステージの「飛び道具満載の壁」と「可動花道」は大好きなのですが、演じ手の方のパフォーマンスはどうしても現場の空気感や温度、発散される気迫や熱を実感してこそ、というのものなのだなと、今さらながら思い知ってしまいました。もちろん、映像から受けとるものもあるはずで、そこは自分が家でとったメモには入らなかったのだと自分の嗜好を改めて認識しました。

先の手紙*18で『どのメディアでも「音楽性」「歌唱力」「表現力」を当たり前に冠して』と書きましたが、1STが世に出たことで市中の様々なジャンルの音楽愛好家や専門誌からの「多様性」「完成度」の評まで加わって(「度肝を抜かれた」の言葉まで!)どれほど嬉しかったことか。

そして、ホクトホールでの印象で「ご自分が主役になるのは居心地悪く感じてしまわれるのか」と書いてしまった*19のが申し訳なくなるような昨今のソロ表紙とライアー×ライアー関連露出での座長ぶり。家族、友人皆が私を連れて行こうと応募してくれた舞台挨拶も全く手が届かず。とうとう泰山北斗への道を歩み始められて、そろそろ増えるファンの手紙の山の中で自分の手紙は埋もれていくのだと思いつつ認めています*20。表紙を飾られたanan(重版おめでとうございます)の「僕の姉ちゃん」に「ちゃんと見ている、がいとしさの定義」とあったのに思いがけず、はっとさせられて。見せていただいたものにせめてお礼のかわりに感想を届けられたら、が動機でも、「ちゃんと見ている」を言葉に綴ると長くなり、お忙しくなると読むことすらご苦労でしょうに。

 

清書し始めたのは「僕僕」発売日なのに、電車の中で書いたり、ライアー×ライアー初見後、緊張が解けてどっと眠気に襲われる中書いたりで、ところどころ字がひどいことになりながら、ようやく1週間かけて書き上げられそうです。

暦の上では既に春。空にも光が溢れていて、春を待ちわびつつ、北斗さんとSixTONESに関わる全ての方達のご多幸をお祈りしております。

いつでも、どんな北斗さんも応援しています。

                                かしこ

2021年2月24日                          

*1:2022年6月注:実際は逐次ステージで踊っていたらしい

*2:~君たちが~KING'S TREASURE サマステ ~君たちが~KING’S TREASURE|テレビ朝日

*3:031

*4:その時にも出てきた単語だったか記憶がないのが残念ですが、Hexagon Rohshteinsとは、結局何なのでしょうか。恐らく6つの原石的なことですよね?

*5:1STverではシングルカップリングと違ってライブと同様電話のベル音で始まって、ベースの歪がかっこいいですね

*6:ロンドン五輪女子サッカー決勝観戦しに行ったのですが、素敵なスタジアムです。いつか行ってくださいね。あ、観光や観戦じゃなくてね

*7: ジェシーのMCがかっこいいですよね。この曲、自己紹介っぽいからオープニング曲かと思っていました

*8:朝一番で受け取った1STを車で聴いていて、この曲に思わずテンションがあがってアクセル踏み込んじゃいました。危ない(笑) 

*9:2020年9月11日放送 テーマ『Dream』

*10:この曲のイントロとアウトロに満ちた終焉の雰囲気がSMAPSMAP最終回での椎名林檎さんの「青春の瞬き」が思い出されてやるせなさが一層募るのです。CDで聴いたら歌い始めの吸気が収められていて、こだわりましたね~。試聴で「ちぎりたいわけじゃ」が「契り」だと思っていた私…「千切る」だったとは(笑) 

*11:袖口といえばジェシー君のカーディガンの袖口も萌袖指がかかるのかマイクが当たるのか、NEW WORLDでアップになると編み地が解れて見える...そういうデザインの袖の編み地ですか?

*12:ただでさえお忙しい年末年始に予想のつかない感染症の動向見ながら無観客配信と通常開催と2種の構成を考えていらしたということですよね.ご苦労お察しします。ありがとうございます

*13:嵐のPIKA★NCHIの衣装、もっとお金かけてやってくれ論議があったのです(笑)

*14:こんなオシャレな曲を牛柄靴下履いて歌っているのが、お洒落。車のオーディオをグレードアップしたら、最後にも鳥のさえずりが入っているのに気付きました。お洒落

*15:当時、勝手にサロメの生首から連想してそう呼んでいました

*16:因みに音色盤だとジェシー君に導かれて天に召されてしまうのかな...私…とそっと目を閉じて荘厳さに打たれていると、直後にEXTRA V.I.P.が始まって、Kingsmanのイカれたカリスマ牧師が信者を侍らせて踊り狂う様を想像してしまう...MV衣装も牧師っぽくて。すみません

*17:少年倶楽部で岸君の曲紹介「それでは、よい夜をお過ごしください」から北斗さんが横っ飛びにステージに飛び出していくのが大好きで、あの、NHKホールの客席がぱ~っと拡がる光景がなんともいえず、SHOWだなあ、ジャニーズだなあ、と思うのです。SixTONESのライブは最高だけれど、ショウ形式のステージもまた観たいなあ、と

*18:039

*19:029

*20:最後に北斗さんにお目にかかったTrack ONE -IMPACT-福岡公演。帰りの福岡空港ANAラウンジから4番搭乗口に向かって改築中の暗く人気ない通路を歩いていたら、いきなり右手前方の扉からSixTONESご一行様が現れたのです。何も後ろめたいことなどないのに何故か動揺して数m後ずさりたくなったのですが(笑)、私も搭乗口に行かねばならず、そのまま皆さんの後ろをついて歩くことになってしまったのです。手荷物検査から搭乗フロアに入った途端不意うちで皆さんの前を横切ることになったファンの方達、どなたも超クールにスルーされていて誘導の方もお仕事はなかったですね。ファンがどんどん増えていっても、この幸せな関係性が続きますように

041: 祝・デビュー1周年

            To my beloved STylish six guys

 

You are STeering team SixTONES, sometimes as a  STarter and at other times a  STopper. Being so clever, you are going your way, indifferent to criticism.
I hope you e ST
ablish your  STandards to keep away from causing controversy.  

 

Though you do not make a clear STatement about what to do, you are the STabilizer of our team. Your blog, written with willfully obSTinateness eases my mind every day because I can get to know that SixTONES is untroubled today, too.
I think you should be the laST
 resort of SixTONES' metric rise to STardom.
Wishing you truST
 yourself when singing

 

Your way of smiling looks so graceful though you seem to have kept resiSTant to unjuST destiny. That is because you have been making STeady progress STep by STep.  I expect you to keep going on your STyle.  

 

You are "the STAR"; the keySTone of an arch conSTructed by six STones.
You are always laughing and make us happy.  

You are so STrong that you can hide your STruggles, but  I miSTily feel that you are always fighting againST something. That is why I can't help giving you a booST. 

 

You are like STaple foods, essential for my life to go well.  

What I love about you are; 

The range of your voice is aSTonishing when singing and delivering your lines. 

Your fantaSTic dance STimulates me as if it is highly spiced.

You act STunning that it should be your deSTiny to be an actor.

 

I love your dancing way; though STanding STill, you look as if music and dance are flowing from inside of you.  

STarting signal is always a green light as long as you've STayed STrong‐willed and truSTworthy. I hope you can go STraight forward.

 

The world will STare at SixTONES with amazement, someday soon.
SixTONES will ST
ir up the world with a feeling of euphoria with their music.
May the feeling of diSTance between you and I never change.

 

時には先発として、ある時には抑えとしてチームの舵取りをするあなた。非常に賢いからこそ、批判には敢えて目もくれずに我が道を貫いている。一つお願いできるなら、不要な論議に煩わされずに済むよう、確固とした価値基準を持って欲しい。

 

何をすべきか明言こそしていないけれど、あなたは我らがチームの安定剤です。頑固な意思力で毎日綴られるブログを読んで今日もSixTONESの無事を知り、安心するのです。あなたこそSixTONESが超速でスターダムに上り詰める最終兵器だと思います。自分を信じて歌ってくださいね

 

不公平な運命に抵抗し続けているようなのに、あなたの微笑みはとても優雅。それはあなたが一歩一歩着実に前進してきたからなのでしょう。これからも自分のスタイルを貫いていって欲しい。 

 

あなたはまさにスター。6つの石で構成されたアーチの要です。あなたがいつも笑っているから、私たちも幸せになれます。あなたは強いから自らの葛藤を見せないけれど、いつも不思議と何かと戦っているような気がします。だからこそ、応援せずにはいられません。

 

あなたは私が生きていくためには欠かせない主食のようなもの。           あなたの好きなところ;                             

  • 歌う時、台詞を口にする時の声の幅の驚くべき広さ               
  • スパイスを利かせたかのように刺激的なダンスの素晴らしさ              
  • 俳優になることが宿命だと思えるような、目を見張る程の演技   

 

ただ静に佇んでいてすら内側から音楽やダンスが流れ出すかのようなあなたの踊りが好きです。 あなたが強い意志をもち信頼すべき人である限り、いつもスタートの合図は青信号です。どうかこのまま真っ直ぐに進んで欲しい。

 

いつの日か、世界が驚きをもってSixTONESを見つめる日が来るだろう。        SixTONESはその音楽で世界を陶酔させるだろう。                 あなた達と私の距離感の変わることがありませんように

040: 祝・1ST発売

       

       Congratulations on the release of your "1ST" album!

 

         雨垂れを穿つ歩みがデビューを機に加速して、

           Kill two birds with one stone.どころか

             飛ぶ鳥を何羽も落とす勢い!

             これからも(よい意味での)

           ”A rolling stone gathers no moss”で

              八面臂のご活躍を!!!!!!     

              

                6th. Jan. 2021